アイテムマイスター物語〜ゴミスキルで能無し認定された主人公はパーティーから追放され好き勝手に生きる事に決めました

すもも太郎

文字の大きさ
19 / 52

アンロック

しおりを挟む
「まぁ……いいか……」

 いつの間にか指輪が無くなっていた事に気がついて、初めは驚いていたラセルもポケットを探り予備の指輪が有ることを確認して落ち着いた。

「無くていいの?大事なものじゃなくて?」

「町中ではそもそも不要だしね……」

「ふ~ん」



 その後、二人は高級ワインで乾杯しながら一年間の冒険のアレコレを話した。

 リーナの話は概ね同僚の女の子の恋バナに終始していたがリーナ本人の話はパッとしない。

「その……顎髭オジサン好きな子は……少し変わっているとは思うなぁ」

「そうかな?」

「うん、だってオジサンてだけでね……」

「ええ、でも~渋い顔しながら顎髭をコリコリするのは可愛いのよ」

「え?同僚の話だよね?」

「ええ、でもそこはあたしも分かるから……」

 ラセルが突っ込むとリーナは慌てて弁解じみる。

「ふ~ん、そっか顎髭かぁ……若者でも時々伸ばしてる冒険者がいるけど」

「それじゃ駄目!……みたいなのよ」

「へぇ、あくまでもオジサンが良いんだね」

「オジサンというか、本人限定らしいけどね」

「誰でも良いわけでは無い……のか」

「当然よ」

「ははは、なんかムキになってないか?」

「そんな……事はないわよ」

「ふ~ん、ま、好みは人それぞれだねぇ」

「ラセルにはそう言う関係の女の子とかいないの?」

「白の牙の時代は……パーティーはニコルのハーレムだったしね」

「なにそれ、感じ悪いわね」

「うん、多分僕はハーレムの邪魔者だったんだろうな」

「僻みはかっこ悪いわよ?」

 リーナが意地悪そうにニヤリとして言う。

「……ニコルはイケメンな上に上位騎士階級の子弟で、僕なんてとっくに平民落ちした元騎士の末裔だから」

「……騎士様がモテるのは仕方ないわよね……」

 リーナもそれには同意する。

「名家だから、貴族社会にも繋がりがあるし……ね」

「そこは勝てないわね、貴族と知り合いが多いなんて優雅に見えるわ」

 リーナは周りの席を見渡して納得した顔になる。

 どんな社会でも肩書が物をいう事は多いのだ。

「そんなわけで……いま僕と話をしてくれる女子なんてリーナくらいなもんだ」

「へ?ああ、そうね!だからあたしを大事にしなきゃね」

「あははは」

 リーナの態度はラセルにとって不可解であった。

 上機嫌でくっついてきたと思いきや、次の瞬間には上の空のようになる。

 ……やはりリーナはわからないや……

 それがラセルの感想だった。

「それで、リーナ自身はどうなの?」

「あたしは何もないわよ」

「あ~、年中冒険者パーティーを渡り歩いてるからか」

「そうなの、飽きっぽい性格だから……」

 ラセルはなんとなくリーナの言葉に違和感を覚えていた。

「ふーん……所で、これを見せびらかしたら女の子は僕に靡くと思う?」

 ラセルは胸のSランクプレートを指さして言う。

「どうかしら……確かに強い証明にはなるし、実際にそれで将来も安泰……なのかも知れないけどそれで靡く女の子はあたしは嫌かな」

「え、なんで嫌なの?」

「だって、力強(ちからず)くみたいじゃない、それに下品に見えるわよ」

「はは……下品かよ、その考えは無かったよ、リーナに訊いて良かった……」

「ええ?見せびらかすつもりだったの?」

「いや、ほら、冒険者男子の夢っていうかさ……」

 リーナに突っ込まれてあたふたしてしまう。

 欠片くらいは疚しい気持ちがあるのは事実であった。

「呆れた」

 そう言いながらもリーナはクスクスと可愛らしく笑った。

 ……やはり、リーナは判らない……



 その後は、ラセルがソロ活動で初めて冒険者達を救った話などをして食事の一時は終わった。


「今日は楽しかったわ」

「こちらこそ」

 店を出ると、もうリーナは腕を絡ませてきたりはしなかった。
 
 逆サイドに周り、ラセルの剣をジロジロと見ている様子だ。

「あの大きな盾はどうしたの?」

「あれはデカくて邪魔だったから置いてきた」

 魔人城クエストの時に盾の出番が全く無く、自分には今後盾は不要と判断して宿屋に残置していたのだ。

「へー、変わったわね」

「そう……」

「コイツではないぞ……」

 ラセルが「そうだね」と返事をしようとした瞬間、通りすがりの目つきの鋭い黒マントの男が小さい声で呟いたのが聞こえた。

「……え」

「どうかした?」

 リーナには全く聞こえていない様子からして、ラセルの超感覚はまだ有るように思えた。

「……リーナ、なにか嫌な予感がする」

 ラセルは振り向きもせずに小声で伝えた。

「どうしたの?」

「ハッキリとは判らないけど……」

 それは超感覚から得られた答えとしか言いようがない予感である。

「ふ~ん……それじゃあたしは帰るね、またねバイバイ~」

 彼女はそう言うと小さく可愛らしく手を振り足早にあるき去った。

「……ま、気の所為ってこともあるかな」

 ラセルは無理やり自分を納得させてあるき出す。

 その瞬間、また視られている感覚に襲われた。

「……またか……」

 ラセルは指輪の消えた手を見つめながら、その手で額をゴシゴシと擦った。

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

魔力ゼロの落ちこぼれ貴族、神々のエラーメッセージが読めるようになる~「神罰」のシステム権限で学園無双しつつ、本人だけはただのデバッグ作業だと

蒼月よる
ファンタジー
魔法(ナノマシン干渉)が使えず、名門アルマンド家の恥晒しとされた三男アッシュ。 実技試験に落ちて旧図書棟の掃除をさせられていた彼は、謎の遺物(管理デバイス)に触れたことで、世界の最高管理者権限(デバッガー権限)を手に入れてしまう。 「魔法」とは環境中の魔素を操作する事象。そして「神の奇跡」とは環境管理AIの気まぐれであるこの世界において。 アッシュの目には、相手の放つ魔法が単なる『不正なプロセスのエラーログ』として映り、頭の中で『YES(強制終了パッチ)』を選択するだけで完全に消去できるようになったのだ! 一切の詠唱も魔力発生も伴わずに、同級生の最大魔法をフッと消し去り、暴走する巨大魔物をワンボタンで光の粒子に還元するアッシュ。 本人はただ「うるさい警告文が出たからOKを押してデバッグ(人助け)しているだけ」のつもりなのだが……。 これは、エラーログを消しているだけの落ちこぼれ少年が、王都の至高魔法学園で「神の奇跡を下す聖者」として盛大に勘違いされながら成り上がっていく、痛快無双ファンタジー! この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。 ・世界観・設定の管理補助 ・プロット段階の壁打ち ・作者による執筆後の校正

「役立たず」と追放されたが、俺のスキルは【経験値委託】だ。解除した瞬間、勇者パーティーはレベル1に戻り、俺だけレベル9999になった

たまごころ
ファンタジー
「悪いがクビだ、アレン。お前のような戦闘スキルのない寄生虫は、魔王討伐の旅には連れていけない」 幼馴染の勇者と、恋人だった聖女からそう告げられ、俺は極寒の雪山に捨てられた。 だが、彼らは勘違いしている。 俺のスキルは、単なる【魔力譲渡】じゃない。 パーティメンバーが得た経験値を管理・分配し、底上げする【経験値委託(キックバック)】という神スキルだったのだ。 俺をパーティから外すということは、契約解除を意味する。 つまり――今まで彼らが俺のおかげで得ていた「かさ増しステータス」が消え、俺が預けていた膨大な「累積経験値」が全て俺に返還されるということだ。 「スキル解除。……さて、長年の利子も含めて、たっぷり返してもらおうか」 その瞬間、俺のレベルは15から9999へ。 一方、勇者たちはレベル70から初期レベルの1へと転落した。 これは、最強の力を取り戻した俺が、雪山の守り神である銀狼(美少女)や、封印されし魔神(美少女)を従えて無双し、新たな国を作る物語。 そして、レベル1に戻ってゴブリンにも勝てなくなった元勇者たちが、絶望のどん底へ落ちていく「ざまぁ」の記録である。

帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!

雪奈 水無月
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。 ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。 観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中… ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。 それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。 帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく… さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

RPGのストーリー開始前に殺されるモブに転生した俺、死亡フラグを回避してラスボス助けたら女主人公が現れてなぜか修羅場になった。

白波 鷹(しらなみ たか)【白波文庫】
ファンタジー
――死亡フラグのあるモブに転生した。なぜか男主人公の姿で。 王国に孤児院の子供達を殺された少女ミュライトがラスボスのRPG『プリテスタファンタジー』。 物語後半でミュライトと主人公は互いに孤児院出身であることが分かり、彼女を倒した主人公がその死を悲しむ絶望的なエンディングからいわゆる「鬱ゲー」と呼ばれているゲームでもある。 そして、そんなゲームの物語開始前にミュライトと同じ孤児院に住んでいた子供に転生したが…その見た目はなぜか男主人公シュウだった。 原作との違いに疑問を抱くものの、このままストーリー通りに進めば、ミュライトと主人公が戦って悲惨なエンディングを迎えてしまう。 彼女が闇落ちしてラスボスになるのを防ぐため、彼女が姉のように慕っていたエリシルの命を救ったり、王国の陰謀から孤児達を守ろうと鍛えていると、やがて男主人公を選んだ場合は登場しないはずの女主人公マフィが現れる。 マフィとミュライトが仲良くなれば戦わずに済む、そう考えて二人と交流していくが― 「―あれ? 君たち、なんか原作と違くない?」 なぜか鉢合わせた二人は彼を取り合って修羅場に。 こうして、モブキャラであるはずのシュウは主人公やラスボス達、果ては原作死亡キャラも助けながらまだ見ぬハッピーエンドを目指していく。 ※他小説投稿サイトにも投稿中

無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。

さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。 だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。 行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。 ――だが、誰も知らなかった。 ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。 襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。 「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。 俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。 無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!? のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!

処理中です...