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転職
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その日、ラセルは再度ギルマスの前に現れた。
「やあ、また来ました」
「お、お前なんか雰囲気変わったな、そのマントのせいか?」
「はは、そうかも知れないね」
ギルマスのテッドは朗らかに笑うラセルを見てマントのせいではないような気がした。
「何かいいことでもあったか?もしかしてこれか?」
ギルマスは小指を立てラセルを揶揄った。
「あー、そっちは全然なんだけどね、今日は転職の相談に来たんだよ」
「転職って急にどうしたんだ?」
「最近気がついたんだよ、ドタバタ頑張らなくてもお金って稼げるよね?」
「まぁ職業にもよるけどな?」
「実は錬金術師か魔法鍛治になろうかと思うのだけど、それに適した冒険者ギルドジョブってあるのかな?」
「なぁにい!」
テッドは思わず大きな声が出てしまっていた。
彼はラセルの力を知っているだけに、職人になりたいという彼の言葉がショックであっのだ。
「重戦士のジョブは冒険者ギルドのジョブだから、それをプライマリー(主職業)にしている時は職人にはなれんぞ?」
「どうすればいいの?」
「やるとするならば、一旦冒険者ギルドのジョブを引退して職人ギルドに入るしかねえが……いいのか?」
「その場合、これはどうなるの?」
ラセルが胸の金のSランクプレートを指差して訊く。
「引退すればそれは没収になるな」
「なるほど……でも、そうするしかないのだよね?」
「まぁな、それと後からサブジョブで冒険者ギルドのジョブを選んでもキャリアはゼロからスタートになるぞ?」
「それは仕方ないのか」
ラセルは魔法陣を使った錬成がとても気に入ってしまい、アイテムマイスターの称号も活躍するはずだという目論見があったのだ。
「本気か?」
「うん、それで頼む……後でまた重戦士のジョブをサブでお願いすると思うけど」
「……そう……か、ならば仕方ないその地命プレートに手を置いてくれ」
カウンターに脇に設置されているプレートにラセルが手を置くと、テッドが変更処理の操作をして一瞬だけそれが光り作業は終了した。
「その職業の欄を見てくれ」
名前 ラセル・ナイトハルト
年齢 17歳
ランク 該当なし
職業 無職
プレートにそれだけが表示されていた。
「ありがとう、また来るね」
そういうと胸の金のプレートをテッドに返してギルドを出た。
そのまま、通りの反対側にある職人ギルドの建物に入っていく。
「こんにちわー」
内部の作りは冒険者ギルドとほぼ同じ作りである。
「いらっしゃい、おや、こっちは職人ギルドだよ」
カウンターで受付をしていたギルドマスターは冒険者が間違えて入ってきたのかと思い注意する。
「いえ、分かってますよ、職人になりに来ました」
「へぇ、そうなのかい?……どんな職業に就きたいのだい?」
ギルマスはラセルが腰に剣を2本も下げているのを見て不思議そうな顔をして訊ねた。
「錬成士か魔法鍛冶屋になろうかと思ってます」
「ふーん、ちょっと待ってな」
ギルマスはそういうとカウンターに設置されている求人台帳を開く。
「ところで、両方とも魔法陣を使う職業だけど魔力はあるのかい?」
「ええ、それは大丈夫だと思います、それに一度錬成のお手伝いをしたこともあるし」
「ほぅ、ならば素質は問題なさそうだね、けれど今のところそのどちらも求人は出てないな」
「ダメなんですか?」
「そりゃ先ずはどこかの工房に弟子入りしないと無理だろう、ここでは見習いのジョブをつけてやる事しかできないからな」
「……ところで、錬成士と魔法鍛冶屋で違う点はありますか?僕はあまり詳しくはなくて」
「そうだな、錬成士は上達すれば様々な錬成や錬金までできるが鍛冶はできないし、魔法鍛冶屋は初めから武器防具が作れて腕次第では錬成も可能な上に武装に関しての特殊スキルが使えるようになる」
「へぇ、それはどんなスキルですか?」
「例えば、リフレスのスキルを使えば武器防具の簡単な補修がその場で出来るし、上級スキルのデュアルなら簡単に複製を作れる」
「それは凄いですね」
「何事も鍛錬だよ、それでどちらにする?」
「魔法鍛冶でお願いします」
「まぁ、求人は出してないだけで人手が欲しい工房は時々あるから、自分の足で探すなら多分どこかに就職できるだろうよ」
「あ!そうなんだね、それでは早速プラマリー(主職業)に魔法鍛冶で登録してください」
「ならそこの地命プレートに手を置きなさい」
それにラセルが従い、ギルマスが操作をする。
「よし、できたぞ
名前 ラセル・ナイトハルト
年齢 17歳
ランク見習い
職業 魔法鍛冶(見習い)
称号 アイテムマイスター
ほぅ、君は変わった称号を持っているね」
「ええ、そうなんですよ」
「アイテムコレクターとかアイテム使いというのなら見たことがあるが、マイスター?というのは初めてだ」
「そうですかありがとうございました、それじゃまたそのうち来ますね」
また向かいの冒険者ギルドに戻った。
「戻ってきました」
「おう、早かったな、それで重戦士で良いんだな?」
「はい、サブの所にお願いします」
「よし、っと
名前 ラセル・ナイトハルト
年齢 17歳
ランク F
職業 重戦士(サブ)
称号 アイテムマイスター
HP 12500
MP 1100
腕力 4000
敏捷 3500
器用さ 4000
知力 4000
魔力 4000
耐魔 5000
耐物 5000
プライマリーではないからジョブブーストが落ちて少し変わったな」
……それでも相変わらずとんでもないな、とテッドは呆れた。
「やあ、また来ました」
「お、お前なんか雰囲気変わったな、そのマントのせいか?」
「はは、そうかも知れないね」
ギルマスのテッドは朗らかに笑うラセルを見てマントのせいではないような気がした。
「何かいいことでもあったか?もしかしてこれか?」
ギルマスは小指を立てラセルを揶揄った。
「あー、そっちは全然なんだけどね、今日は転職の相談に来たんだよ」
「転職って急にどうしたんだ?」
「最近気がついたんだよ、ドタバタ頑張らなくてもお金って稼げるよね?」
「まぁ職業にもよるけどな?」
「実は錬金術師か魔法鍛治になろうかと思うのだけど、それに適した冒険者ギルドジョブってあるのかな?」
「なぁにい!」
テッドは思わず大きな声が出てしまっていた。
彼はラセルの力を知っているだけに、職人になりたいという彼の言葉がショックであっのだ。
「重戦士のジョブは冒険者ギルドのジョブだから、それをプライマリー(主職業)にしている時は職人にはなれんぞ?」
「どうすればいいの?」
「やるとするならば、一旦冒険者ギルドのジョブを引退して職人ギルドに入るしかねえが……いいのか?」
「その場合、これはどうなるの?」
ラセルが胸の金のSランクプレートを指差して訊く。
「引退すればそれは没収になるな」
「なるほど……でも、そうするしかないのだよね?」
「まぁな、それと後からサブジョブで冒険者ギルドのジョブを選んでもキャリアはゼロからスタートになるぞ?」
「それは仕方ないのか」
ラセルは魔法陣を使った錬成がとても気に入ってしまい、アイテムマイスターの称号も活躍するはずだという目論見があったのだ。
「本気か?」
「うん、それで頼む……後でまた重戦士のジョブをサブでお願いすると思うけど」
「……そう……か、ならば仕方ないその地命プレートに手を置いてくれ」
カウンターに脇に設置されているプレートにラセルが手を置くと、テッドが変更処理の操作をして一瞬だけそれが光り作業は終了した。
「その職業の欄を見てくれ」
名前 ラセル・ナイトハルト
年齢 17歳
ランク 該当なし
職業 無職
プレートにそれだけが表示されていた。
「ありがとう、また来るね」
そういうと胸の金のプレートをテッドに返してギルドを出た。
そのまま、通りの反対側にある職人ギルドの建物に入っていく。
「こんにちわー」
内部の作りは冒険者ギルドとほぼ同じ作りである。
「いらっしゃい、おや、こっちは職人ギルドだよ」
カウンターで受付をしていたギルドマスターは冒険者が間違えて入ってきたのかと思い注意する。
「いえ、分かってますよ、職人になりに来ました」
「へぇ、そうなのかい?……どんな職業に就きたいのだい?」
ギルマスはラセルが腰に剣を2本も下げているのを見て不思議そうな顔をして訊ねた。
「錬成士か魔法鍛冶屋になろうかと思ってます」
「ふーん、ちょっと待ってな」
ギルマスはそういうとカウンターに設置されている求人台帳を開く。
「ところで、両方とも魔法陣を使う職業だけど魔力はあるのかい?」
「ええ、それは大丈夫だと思います、それに一度錬成のお手伝いをしたこともあるし」
「ほぅ、ならば素質は問題なさそうだね、けれど今のところそのどちらも求人は出てないな」
「ダメなんですか?」
「そりゃ先ずはどこかの工房に弟子入りしないと無理だろう、ここでは見習いのジョブをつけてやる事しかできないからな」
「……ところで、錬成士と魔法鍛冶屋で違う点はありますか?僕はあまり詳しくはなくて」
「そうだな、錬成士は上達すれば様々な錬成や錬金までできるが鍛冶はできないし、魔法鍛冶屋は初めから武器防具が作れて腕次第では錬成も可能な上に武装に関しての特殊スキルが使えるようになる」
「へぇ、それはどんなスキルですか?」
「例えば、リフレスのスキルを使えば武器防具の簡単な補修がその場で出来るし、上級スキルのデュアルなら簡単に複製を作れる」
「それは凄いですね」
「何事も鍛錬だよ、それでどちらにする?」
「魔法鍛冶でお願いします」
「まぁ、求人は出してないだけで人手が欲しい工房は時々あるから、自分の足で探すなら多分どこかに就職できるだろうよ」
「あ!そうなんだね、それでは早速プラマリー(主職業)に魔法鍛冶で登録してください」
「ならそこの地命プレートに手を置きなさい」
それにラセルが従い、ギルマスが操作をする。
「よし、できたぞ
名前 ラセル・ナイトハルト
年齢 17歳
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職業 魔法鍛冶(見習い)
称号 アイテムマイスター
ほぅ、君は変わった称号を持っているね」
「ええ、そうなんですよ」
「アイテムコレクターとかアイテム使いというのなら見たことがあるが、マイスター?というのは初めてだ」
「そうですかありがとうございました、それじゃまたそのうち来ますね」
また向かいの冒険者ギルドに戻った。
「戻ってきました」
「おう、早かったな、それで重戦士で良いんだな?」
「はい、サブの所にお願いします」
「よし、っと
名前 ラセル・ナイトハルト
年齢 17歳
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称号 アイテムマイスター
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MP 1100
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器用さ 4000
知力 4000
魔力 4000
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……それでも相変わらずとんでもないな、とテッドは呆れた。
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