32 / 52
連行
しおりを挟む
その晩、ラセルは公爵の使いを名乗る一行の馬車に乗せられて延々と移動した。
グリドリッジ公爵はこの地方一帯を治めている大貴族で、ラセルの祖国のイシュタルよりも国の規模は大きい。
「いいかい?君の作ったものは違法な物だ」
ダシュルと名乗る公爵の使用人は馬車で移動しながら説明をしてくれた。
「違法ですか……」
帝国は自由な商取引で有名であったので彼の意外な言葉にラセルは驚いた。
「……ふむ、君は外国人なのかな?」
「ええ、最近イシュタルから移ってきました」
「それならば知らなくても仕方がないかな……であれば今回は寛大な処置を頂けるように私からも公爵に口添えしましょう」
「ありがとうございます……それで僕の作った物のどのあたりが違法にあたるのですか?」
「そうだね……高く跳び上がれるという時点でスパイに利用されかねないし、飛べるというのは論外だ」
「それは……確かにそうかも知れません」
「今日たまたま我々の巡回で見つけることができて……しかもまだ市中に出回る前に回収出来たことは不幸中の幸いであった」
冒険者でも跳躍能力の高い者はいるが、流石にフライの魔法を扱える者は稀なので、そこが不味かったのだろう。
「ですが……飛べるといっても耐久に問題があるのでスパイに使えるようには思えませんけれど」
ラセルは言い訳らしき事をしてみよう試みる。
……もしかして、理解して貰えればこのまま返してくれるのではないか?という希望があった。
「それはどの程度飛べるものなのかな?」
「素材が布ですから、人体のような重いものを飛ばすのにはユックリで、短距離でなければ保ちません」
「服が裂けたりするのか?」
「ええ、無理をすれば服が破れて落下します」
「ふむ……ではそのように報告させて頂く」
そう言うとダシュルは襟章に模した通信機を握って話し始めた。
「……などと申しております……はい……確かに布の服であります……はい承知いたしました」
「……」
「一つ確認したいのだが、例えば丈夫な素材であれば空を自由に飛べる物は作れるのかな?」
「それは理論的には可能ですが、とても重くなり膨大な魔力を使いますから普通の人では無理かと思います」
「……なるほど、つまり?」
「上位の魔道士などでないと無理ですし、飛べたとしても短距離になるでしょう」
「……と、申しております」
彼は通信機でラセルの説明をそのまま相手に伝えていた。
「……はい、承知しました」
相手からの短い返事を聞いてダシュルは通信を切った。
「それで僕はどうなるのですか?」
「済まないが今日は泊まっていただく事になる」
「……はぁ……」
……芳しくない返事だったが仕方がない。
ラセルは下手に逆らっても今後の商売に差し支えると感じていた。
……折角工房まで手に入れたのだ、従うしかない。
馬車はどんどん急峻な坂を登っていき、そして辿り着いたのは小城に思われた。
「ここで待機していてくれ」
城の応接間のような小部屋に通されると、外から鍵が掛けられた。
外には警備兵が複数立哨している。
ふと窓から外が見えたので覗くとこそは断崖で、下の方に小さく街の建物が見えた。
逃亡不可能な小城に幽閉されたのだ。
その時、パカっと扉についた小窓が開きそこから手紙が差し入れられた。
「えーと……」
それを読と、公爵に隷従して魔法アイテムの開発に協力しろ……従わなければここに永続的に監禁されると端的に書かれている。
「……やれやれ」
折角工房まで手に入れたのに全てが振り出しに戻ったと感じる。
「これで僕を閉じ込められると思ったんだな」
ラセルは部屋の灯りを消し、窓を開けて身を乗り出す。
「僕が飛翔スーツを着ていないと考えたのかな」
そのまま窓から滑り降りて音もなく空中に静止した。
ふと横を見ると隣の監禁塔に灯りがついていて女性の姿が見えた。
ラセルの超知覚で彼女がミレーネであることが判ってしまう。
「なんだ……彼女もアッサリ捕まってしまったのか」
ユックリと慎重に空中を滑り移動して窓を軽く叩いた。
コンコン……
中に居たミレーネが驚いた顔でこちらを見返す。
「シー!」
口に手を当て声を出さぬようにジェスチャーで伝えると、彼女は驚きつつもそれを理解して部屋の明かりを消した。
カチャ……
彼女が内側から静かに窓を開けると、ラセルはそのまま滑るようにして部屋に入る。
「ラセル様……どうやって……」
……ここに?という彼女の問を無視して訊く。
「君も公爵に捕まったのか?」
ラセルは判りきったことを訊く、どうしてもそれだけは確認しなければならないのだ。
「はい……」
「一緒に逃げるか?」
「はい……騎士様、でもどうやって」
飛翔スーツで二人で飛ぶのは無理であったが降りるくらいはなんとかなると計算出来た。
「こうやって」
ラセルは彼女を両手で抱えると、窓から飛びだした。
「キャア」
ミレーネが小さく叫び目を瞑りラセルにしがみつく。
ミレーネの良い香りがしてラセルはすこしクラクラした。
二人はスーッと滑らかに下方に飛んでいた。
「目を開けても大丈夫だよ」
穏やかな風がミレーネの頬を撫で、彼女はそれでこれがラセルの魔法かなにかなのだと悟った。
「ラセル様……私達飛んでるの?」
「飛ぶというよりは落ちているのに近いけどね」
それでもユックリとした穏やかな下降はミレーネに安心感を与えるのに十分である。
だが、暫くすると突然異音がして急に加速しだす。
ブチ……ブチブチ……
ヒューヒュー
風切り音が唸りだした。
「うわ……少し我慢して」
ラセルは焦りながら、周りの断崖の壁を蹴り斜めに跳びながら超人的な動きで地面に着地した。
タン!ダン!ターン!
ダン!
「うっ」
衝撃でミレーネが小さく唸る。
「大丈夫!?」
「はい!」
ユックリとミレーネを地面に下ろすと、それでも彼女はラセルから離れようとしない。
「ごめん、もう大丈夫だよ」
「……私信じておりましたの、ラセル様はきっと助けに来てくださると」
彼女は涙声になっていた。
「怖かったよね、ごめんね」
「いいえ、違うの、私嬉しかったのですよ」
彼女は最後には嗚咽しながらラセルの胸で泣いていた。
ラセルはこういう経験がなく困り、そっと彼女の頭と身体に手を置いて立ち竦んでいた。
グリドリッジ公爵はこの地方一帯を治めている大貴族で、ラセルの祖国のイシュタルよりも国の規模は大きい。
「いいかい?君の作ったものは違法な物だ」
ダシュルと名乗る公爵の使用人は馬車で移動しながら説明をしてくれた。
「違法ですか……」
帝国は自由な商取引で有名であったので彼の意外な言葉にラセルは驚いた。
「……ふむ、君は外国人なのかな?」
「ええ、最近イシュタルから移ってきました」
「それならば知らなくても仕方がないかな……であれば今回は寛大な処置を頂けるように私からも公爵に口添えしましょう」
「ありがとうございます……それで僕の作った物のどのあたりが違法にあたるのですか?」
「そうだね……高く跳び上がれるという時点でスパイに利用されかねないし、飛べるというのは論外だ」
「それは……確かにそうかも知れません」
「今日たまたま我々の巡回で見つけることができて……しかもまだ市中に出回る前に回収出来たことは不幸中の幸いであった」
冒険者でも跳躍能力の高い者はいるが、流石にフライの魔法を扱える者は稀なので、そこが不味かったのだろう。
「ですが……飛べるといっても耐久に問題があるのでスパイに使えるようには思えませんけれど」
ラセルは言い訳らしき事をしてみよう試みる。
……もしかして、理解して貰えればこのまま返してくれるのではないか?という希望があった。
「それはどの程度飛べるものなのかな?」
「素材が布ですから、人体のような重いものを飛ばすのにはユックリで、短距離でなければ保ちません」
「服が裂けたりするのか?」
「ええ、無理をすれば服が破れて落下します」
「ふむ……ではそのように報告させて頂く」
そう言うとダシュルは襟章に模した通信機を握って話し始めた。
「……などと申しております……はい……確かに布の服であります……はい承知いたしました」
「……」
「一つ確認したいのだが、例えば丈夫な素材であれば空を自由に飛べる物は作れるのかな?」
「それは理論的には可能ですが、とても重くなり膨大な魔力を使いますから普通の人では無理かと思います」
「……なるほど、つまり?」
「上位の魔道士などでないと無理ですし、飛べたとしても短距離になるでしょう」
「……と、申しております」
彼は通信機でラセルの説明をそのまま相手に伝えていた。
「……はい、承知しました」
相手からの短い返事を聞いてダシュルは通信を切った。
「それで僕はどうなるのですか?」
「済まないが今日は泊まっていただく事になる」
「……はぁ……」
……芳しくない返事だったが仕方がない。
ラセルは下手に逆らっても今後の商売に差し支えると感じていた。
……折角工房まで手に入れたのだ、従うしかない。
馬車はどんどん急峻な坂を登っていき、そして辿り着いたのは小城に思われた。
「ここで待機していてくれ」
城の応接間のような小部屋に通されると、外から鍵が掛けられた。
外には警備兵が複数立哨している。
ふと窓から外が見えたので覗くとこそは断崖で、下の方に小さく街の建物が見えた。
逃亡不可能な小城に幽閉されたのだ。
その時、パカっと扉についた小窓が開きそこから手紙が差し入れられた。
「えーと……」
それを読と、公爵に隷従して魔法アイテムの開発に協力しろ……従わなければここに永続的に監禁されると端的に書かれている。
「……やれやれ」
折角工房まで手に入れたのに全てが振り出しに戻ったと感じる。
「これで僕を閉じ込められると思ったんだな」
ラセルは部屋の灯りを消し、窓を開けて身を乗り出す。
「僕が飛翔スーツを着ていないと考えたのかな」
そのまま窓から滑り降りて音もなく空中に静止した。
ふと横を見ると隣の監禁塔に灯りがついていて女性の姿が見えた。
ラセルの超知覚で彼女がミレーネであることが判ってしまう。
「なんだ……彼女もアッサリ捕まってしまったのか」
ユックリと慎重に空中を滑り移動して窓を軽く叩いた。
コンコン……
中に居たミレーネが驚いた顔でこちらを見返す。
「シー!」
口に手を当て声を出さぬようにジェスチャーで伝えると、彼女は驚きつつもそれを理解して部屋の明かりを消した。
カチャ……
彼女が内側から静かに窓を開けると、ラセルはそのまま滑るようにして部屋に入る。
「ラセル様……どうやって……」
……ここに?という彼女の問を無視して訊く。
「君も公爵に捕まったのか?」
ラセルは判りきったことを訊く、どうしてもそれだけは確認しなければならないのだ。
「はい……」
「一緒に逃げるか?」
「はい……騎士様、でもどうやって」
飛翔スーツで二人で飛ぶのは無理であったが降りるくらいはなんとかなると計算出来た。
「こうやって」
ラセルは彼女を両手で抱えると、窓から飛びだした。
「キャア」
ミレーネが小さく叫び目を瞑りラセルにしがみつく。
ミレーネの良い香りがしてラセルはすこしクラクラした。
二人はスーッと滑らかに下方に飛んでいた。
「目を開けても大丈夫だよ」
穏やかな風がミレーネの頬を撫で、彼女はそれでこれがラセルの魔法かなにかなのだと悟った。
「ラセル様……私達飛んでるの?」
「飛ぶというよりは落ちているのに近いけどね」
それでもユックリとした穏やかな下降はミレーネに安心感を与えるのに十分である。
だが、暫くすると突然異音がして急に加速しだす。
ブチ……ブチブチ……
ヒューヒュー
風切り音が唸りだした。
「うわ……少し我慢して」
ラセルは焦りながら、周りの断崖の壁を蹴り斜めに跳びながら超人的な動きで地面に着地した。
タン!ダン!ターン!
ダン!
「うっ」
衝撃でミレーネが小さく唸る。
「大丈夫!?」
「はい!」
ユックリとミレーネを地面に下ろすと、それでも彼女はラセルから離れようとしない。
「ごめん、もう大丈夫だよ」
「……私信じておりましたの、ラセル様はきっと助けに来てくださると」
彼女は涙声になっていた。
「怖かったよね、ごめんね」
「いいえ、違うの、私嬉しかったのですよ」
彼女は最後には嗚咽しながらラセルの胸で泣いていた。
ラセルはこういう経験がなく困り、そっと彼女の頭と身体に手を置いて立ち竦んでいた。
0
あなたにおすすめの小説
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
スキル『倍加』でイージーモードな異世界生活
怠惰怠man
ファンタジー
異世界転移した花田梅。
スキル「倍加」により自分のステータスを倍にしていき、超スピードで最強に成り上がる。
何者にも縛られず、自由気ままに好きなことをして生きていくイージーモードな異世界生活。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる