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魔女の新伝説
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街のギルドに飛んで帰ると大歓声で迎えられた。そこらじゅうで魔女様万歳コールから始まり、着地するともみくちゃくされそうになった……。
「えーい、皆の者静まれ!!」
という大音量の声が聞こえて、騎士団がやって来てギルドまでの花道を作ってくれた。それは以前に会ったあの騎士団だ。そして彼らは一斉に剣の柄を持ち天に掲げてビシッと最敬礼をする。
「これは助かる」
「ありがとう」
と短く2人で礼を言いギルドの中に入ると、古参の面々が集まって居て一斉に歓声と拍手が巻き起こった。俺たちはカウンターに行き規定通りの討伐完了の報告をし、成功報酬を受けとった。その間中も拍手は鳴りやまなかった。
皆に手を振りギルドを後にして外にでるとそこには不動の姿勢で花道を作ってくれている騎士団がいる。そのなかに例のイケメン騎士団長が居たので声をかけた。
「今日はわざわざありがとう」
「恐れ入ります、我々はこんな事しかできませんが精一杯務めさせて頂きます」
「それで今晩、城に報告に上がりたいのだがいいかな?」
「はい!是非によろしくお願いいたします、殿もお喜びになると思います」
「では、又ね!皆ありがとう!」
そう言って集まって居る皆に手を振りながら飛んで島に帰った。
・
・
・
俺は島に戻りミューにキスをしてラムに本日の報告をした。
「ええ、見えていたわ」
「全部……?」
ラムはミューの目を通して殆ど全部みていたという。最近はいよいよ2人の間の垣根が低く、無くなって来ているようだ。それで今後どうすべきか、ラムのアドバイスを貰おうとした。
「アキの好きにしていいのよ?」
と意味深に言い、俺の冒険者のシャツの胸のボタンに手を掛ける。なにか危険なものを感じたので俺はラムにキスをしてミューに話しかける。
「今の話、聞こえていた?」
「ええ……」
と言って少し赤くなる。聞こえているだけではなくて記憶というか意思も共有しているように思えた。元々同一人物なのだから当たり前なのだが……。
「……では、そろそろ着替えて準備するか?」
といい、冒険者の汗臭いシャツを脱いで着替え、一張羅のジャケットを羽織る。ミューはカーテンの向こうで風のシャワーを浴びている。それは便利で水なしでも全身綺麗になる魔法だった。
シャワーを浴びて着替えて来たミューに訊いてみた。
「そのシャワー魔法は便利だね~、今度俺にもやって貰えないかな?」
「え!?え~~~~!!」
と言って真っ赤になる。何かいけない事を訊いてしまったようだ。
「あのね……風シャワーは風の手で身体を洗うの……だから」
あ、なるほど。手の感触とかそういうのもあるの……かな。
「ご、ごめんね……」
非常にバツが悪かった。穢れを知らぬ乙女になんて事を頼んでしまったのか。
「で、でも……ラムが今度してあげるって言ってるの……」
「え?ラムの声も聞こえるのかい?」
とてもエロチックで恥ずかしい上に驚きだ。もうラムとミューは殆ど同時に意識を持って居るのではないかと思った。
見るとミューがこれ以上ないくらい恥ずかしそうにしているのが俺の胸に刺さった。可愛すぎる……だが……まてよ、これをラムは狙ってワザとやっている可能性は無いのだろうか?男を手玉に取る事に掛けても無敵のラムだぞ……。
「う~~む……」
と独り言を呟き俺は悩んでいた。ラムと居ると退屈しないが、それ以上にスリリングで危険な体験ができてしまう、大人の女性の魅力が満載だ。そしてミューは最高に可愛らしい乙女だった。俺はなんとも贅沢な悩みを抱えていた、2人とも失いたくないと思っていたのだ。
俺には予感があったのだ、2人の垣根がどんどん無くなっていく中で、何時かはそのどちらかが消えてしまうのではないのか?……と。その時に俺は片方との別れに耐える事ができるのだろうか?考えただけで切なくなってしまう。
悩んでいるうちに時間が来てしまったので俺はまたミューと2人で箒に跨り城をめざした。
・
・
・
城に着くと、騎士団が総出で迎えてくれた。歓待のラッパまで吹いてくれている。騎士団長に案内されて客間に行くと、今度は城の従業員全員で迎えてくれた。
「本日はお越し下さり誠にありがとうございます」
と、従業員一同が礼をして迎えられる。そこまでされると流石にこちらが恐縮してしまう。
「皆さんのご厚意に感謝しております」
「ありがとうございます」
と、俺とミューも感謝の言葉を返す。
それに感激したのか、女性陣が皆ミューの所にあつまってきて全員が順番に抱擁をした。
「す、すごい……モテモテだな」
という、俺の独り言に風の子達も同意してくれた。その後、城主様の挨拶があり全員で乾杯をする。
「本日は歴史的な魔女様の御働きを祝して乾杯!!」
「カンパーイ!!」
皆で口々にミューを称える、それを見ている俺も何故か妙にうれしい。ミューがにこにこしているだけで俺は胸が熱くなるのだ。
「えーい、皆の者静まれ!!」
という大音量の声が聞こえて、騎士団がやって来てギルドまでの花道を作ってくれた。それは以前に会ったあの騎士団だ。そして彼らは一斉に剣の柄を持ち天に掲げてビシッと最敬礼をする。
「これは助かる」
「ありがとう」
と短く2人で礼を言いギルドの中に入ると、古参の面々が集まって居て一斉に歓声と拍手が巻き起こった。俺たちはカウンターに行き規定通りの討伐完了の報告をし、成功報酬を受けとった。その間中も拍手は鳴りやまなかった。
皆に手を振りギルドを後にして外にでるとそこには不動の姿勢で花道を作ってくれている騎士団がいる。そのなかに例のイケメン騎士団長が居たので声をかけた。
「今日はわざわざありがとう」
「恐れ入ります、我々はこんな事しかできませんが精一杯務めさせて頂きます」
「それで今晩、城に報告に上がりたいのだがいいかな?」
「はい!是非によろしくお願いいたします、殿もお喜びになると思います」
「では、又ね!皆ありがとう!」
そう言って集まって居る皆に手を振りながら飛んで島に帰った。
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俺は島に戻りミューにキスをしてラムに本日の報告をした。
「ええ、見えていたわ」
「全部……?」
ラムはミューの目を通して殆ど全部みていたという。最近はいよいよ2人の間の垣根が低く、無くなって来ているようだ。それで今後どうすべきか、ラムのアドバイスを貰おうとした。
「アキの好きにしていいのよ?」
と意味深に言い、俺の冒険者のシャツの胸のボタンに手を掛ける。なにか危険なものを感じたので俺はラムにキスをしてミューに話しかける。
「今の話、聞こえていた?」
「ええ……」
と言って少し赤くなる。聞こえているだけではなくて記憶というか意思も共有しているように思えた。元々同一人物なのだから当たり前なのだが……。
「……では、そろそろ着替えて準備するか?」
といい、冒険者の汗臭いシャツを脱いで着替え、一張羅のジャケットを羽織る。ミューはカーテンの向こうで風のシャワーを浴びている。それは便利で水なしでも全身綺麗になる魔法だった。
シャワーを浴びて着替えて来たミューに訊いてみた。
「そのシャワー魔法は便利だね~、今度俺にもやって貰えないかな?」
「え!?え~~~~!!」
と言って真っ赤になる。何かいけない事を訊いてしまったようだ。
「あのね……風シャワーは風の手で身体を洗うの……だから」
あ、なるほど。手の感触とかそういうのもあるの……かな。
「ご、ごめんね……」
非常にバツが悪かった。穢れを知らぬ乙女になんて事を頼んでしまったのか。
「で、でも……ラムが今度してあげるって言ってるの……」
「え?ラムの声も聞こえるのかい?」
とてもエロチックで恥ずかしい上に驚きだ。もうラムとミューは殆ど同時に意識を持って居るのではないかと思った。
見るとミューがこれ以上ないくらい恥ずかしそうにしているのが俺の胸に刺さった。可愛すぎる……だが……まてよ、これをラムは狙ってワザとやっている可能性は無いのだろうか?男を手玉に取る事に掛けても無敵のラムだぞ……。
「う~~む……」
と独り言を呟き俺は悩んでいた。ラムと居ると退屈しないが、それ以上にスリリングで危険な体験ができてしまう、大人の女性の魅力が満載だ。そしてミューは最高に可愛らしい乙女だった。俺はなんとも贅沢な悩みを抱えていた、2人とも失いたくないと思っていたのだ。
俺には予感があったのだ、2人の垣根がどんどん無くなっていく中で、何時かはそのどちらかが消えてしまうのではないのか?……と。その時に俺は片方との別れに耐える事ができるのだろうか?考えただけで切なくなってしまう。
悩んでいるうちに時間が来てしまったので俺はまたミューと2人で箒に跨り城をめざした。
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城に着くと、騎士団が総出で迎えてくれた。歓待のラッパまで吹いてくれている。騎士団長に案内されて客間に行くと、今度は城の従業員全員で迎えてくれた。
「本日はお越し下さり誠にありがとうございます」
と、従業員一同が礼をして迎えられる。そこまでされると流石にこちらが恐縮してしまう。
「皆さんのご厚意に感謝しております」
「ありがとうございます」
と、俺とミューも感謝の言葉を返す。
それに感激したのか、女性陣が皆ミューの所にあつまってきて全員が順番に抱擁をした。
「す、すごい……モテモテだな」
という、俺の独り言に風の子達も同意してくれた。その後、城主様の挨拶があり全員で乾杯をする。
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