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新たな旅立ち
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「急がなくちゃ」
僕は大急ぎで港に向かう。すると以前設計した市庁舎が既に完成していた。やはり夢でもなく1年経過しているのだと実感する。そのまま以前僕が使っていた港湾管理事務所の自室に入った。
そこは1年前のまま何も変わって居ないようだ。僕は急いでクローゼットを開け、無造作に放置されたサンプル用に溜めてあった魔光石が入った大袋を取り出す。記憶通りキッチリ10万個は有るようだ。
「これだけあれば当面は大丈夫なはずだ」
そのデカい袋を担いで事務所を出、馬に乗り急いで秘魔の洞窟に向かう。
最深部にあるゲートを前にして一呼吸してから中に踏み込んだ。
「誰も居ない‥‥?」
いや、ベッドでリアが眠っているのが見えた。僕はそっとベッドに近寄りリアに声を掛けて起こす。
「リア‥‥リア」
「うん、ワラワを起こすのは誰じゃ?‥‥あ!随分と待ったのじゃぞ」
「待たせたようでごめんね、これ約束の魔光石だ」
リアに見えるようにしてその袋をベッドサイドに置き袋の口を開ける。
「ええ、なんて量なのじゃ!?」
「これだけあれば当分大丈夫だろう?」
「これは凄い!流石ワラワの彼氏じゃ」
「彼‥‥いや、それはともかく何かおかしなことは起こらなかったか?」
僕はぼける気分にはなれずに真剣な顔でリアに訊いた。
「いや、そなたが返ってしまってから5日経つが特になにも起こらんぞ」
「5日だって?」
ジワリと嫌な予感が脳裏をめぐる、が何となく判って来た。
「そうじゃぞ、ワラワは寂しかったぞ」
「‥‥なるほど、そういう事か」
「何がじゃ?」
「どうやらあのゲートを通ると時間が進んでしまうらしい」
「そうなのか?」
リアは知らない様だった。
「そう‥‥という事は急がないと不味いな」
「え?どうしたのじゃ、折角来てくれたのだから‥‥」
「ごめん、向こうでやり残したことがあるんだ、終わったらまた来るよ」
「そうか?忙しいのじゃなぁ」
「ごめんねリア、それじゃ」
僕はリアの手にキスをして急いでゲートをくぐってとんぼ返りした。
ゲートを出て直ぐにゲートの周辺を崩して塞ぐ。その後、先に進むと低級スケルトンが出現するのでやはり数日は立っているようだ。
急いで町に戻りマキの所に向かう。
「やあ、マキ」
「あ!また見えなくなっちゃうから心配しましたよ~」
「ごめんな、それでだ、僕がこの間ここに来たのは何日前だ?」
「えっと、一昨日だから2日です」
「ふ~ん‥‥2日ね」
僕は腕組みしながら考えた。何らかの力が働いて、ゲートを潜る時に時間が進んでしまう。
そこに一定の法則がありそうな気がしていたが‥‥。だがいつまでも考えては居られない、アリー達を探さないと。
「マキ、僕はまた行かなきゃいけない」
「ええ~そんなに直ぐに行っちゃうの~」
「ああ、アリー達を探さないと」
「あ、そういえばイジン様ってアリーさんと仲いいですもんね」
「今は悪いかも……でも行かなきゃ」
「あーそうですか、寂しいですよ」
マキが少しすねたようにいう。
「またすぐに戻って来るさ」
僕は適当な約束をしてしまった。今回は簡単に戻れるかどうかすら微妙なのだ。なにせ帝国は広い。
「ごめん、もう行くわ」
マキのおでこにキスをして酒場を出た。
僕は大急ぎで港に向かう。すると以前設計した市庁舎が既に完成していた。やはり夢でもなく1年経過しているのだと実感する。そのまま以前僕が使っていた港湾管理事務所の自室に入った。
そこは1年前のまま何も変わって居ないようだ。僕は急いでクローゼットを開け、無造作に放置されたサンプル用に溜めてあった魔光石が入った大袋を取り出す。記憶通りキッチリ10万個は有るようだ。
「これだけあれば当面は大丈夫なはずだ」
そのデカい袋を担いで事務所を出、馬に乗り急いで秘魔の洞窟に向かう。
最深部にあるゲートを前にして一呼吸してから中に踏み込んだ。
「誰も居ない‥‥?」
いや、ベッドでリアが眠っているのが見えた。僕はそっとベッドに近寄りリアに声を掛けて起こす。
「リア‥‥リア」
「うん、ワラワを起こすのは誰じゃ?‥‥あ!随分と待ったのじゃぞ」
「待たせたようでごめんね、これ約束の魔光石だ」
リアに見えるようにしてその袋をベッドサイドに置き袋の口を開ける。
「ええ、なんて量なのじゃ!?」
「これだけあれば当分大丈夫だろう?」
「これは凄い!流石ワラワの彼氏じゃ」
「彼‥‥いや、それはともかく何かおかしなことは起こらなかったか?」
僕はぼける気分にはなれずに真剣な顔でリアに訊いた。
「いや、そなたが返ってしまってから5日経つが特になにも起こらんぞ」
「5日だって?」
ジワリと嫌な予感が脳裏をめぐる、が何となく判って来た。
「そうじゃぞ、ワラワは寂しかったぞ」
「‥‥なるほど、そういう事か」
「何がじゃ?」
「どうやらあのゲートを通ると時間が進んでしまうらしい」
「そうなのか?」
リアは知らない様だった。
「そう‥‥という事は急がないと不味いな」
「え?どうしたのじゃ、折角来てくれたのだから‥‥」
「ごめん、向こうでやり残したことがあるんだ、終わったらまた来るよ」
「そうか?忙しいのじゃなぁ」
「ごめんねリア、それじゃ」
僕はリアの手にキスをして急いでゲートをくぐってとんぼ返りした。
ゲートを出て直ぐにゲートの周辺を崩して塞ぐ。その後、先に進むと低級スケルトンが出現するのでやはり数日は立っているようだ。
急いで町に戻りマキの所に向かう。
「やあ、マキ」
「あ!また見えなくなっちゃうから心配しましたよ~」
「ごめんな、それでだ、僕がこの間ここに来たのは何日前だ?」
「えっと、一昨日だから2日です」
「ふ~ん‥‥2日ね」
僕は腕組みしながら考えた。何らかの力が働いて、ゲートを潜る時に時間が進んでしまう。
そこに一定の法則がありそうな気がしていたが‥‥。だがいつまでも考えては居られない、アリー達を探さないと。
「マキ、僕はまた行かなきゃいけない」
「ええ~そんなに直ぐに行っちゃうの~」
「ああ、アリー達を探さないと」
「あ、そういえばイジン様ってアリーさんと仲いいですもんね」
「今は悪いかも……でも行かなきゃ」
「あーそうですか、寂しいですよ」
マキが少しすねたようにいう。
「またすぐに戻って来るさ」
僕は適当な約束をしてしまった。今回は簡単に戻れるかどうかすら微妙なのだ。なにせ帝国は広い。
「ごめん、もう行くわ」
マキのおでこにキスをして酒場を出た。
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