幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー

すもも太郎

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北の魔人

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 騒ぎが一先ず収まってからカウンターで本来の目的を果たす。

「僕がここに来たのはギルドのネットワーク情報を知りたいだけなのですが」
「そうおっしゃられても、Sランク様へのお仕事依頼はこのようにございます」

 手回しの良い事に僕向けと思われる依頼書の山を見せる。

「もしかすると、依頼をこなさないと情報を教えて貰えないとかそういう‥‥」
「ご明察です、全ては実績主義ですので」
「ああ‥‥」

 ひどく面倒な事に首をつっこんでしまったようだ。ギルドに入るまえに確認して置けばよかったのに‥‥。ダークレイヤーがどうであっても本来僕には関係ないハズなのだ。

「請けるの?請けないの?」
「請けます‥‥」
「はいこれ」

 手渡された依頼書を幾つか眺めていると魔人討伐と書いてある。

「は!?魔人!」
「はい、魔人です」

 その依頼書をよく読む。魔人による被害状況は、モンスター牧場で飼育されているモンスターの被害が相当件数。魔人が出没するのはこの町から北にある廃城と思われる場所。魔人の見た目は髭もじゃもじゃで、人型、2体のお供を引き連れて凶悪な技と魔法を用い周囲を恐怖に陥れているという。Sランク専用クエスト。

 つまり3体を同時に撃破する必要があるらしい。結構難易度は高いかもしれない。

「う~ん‥‥判った引き受けよう」

 僕はその書類にサインをして前金1000金を貰いギルドを出た。
 蜥蜴車を北方面に走らせる。

「危ないとこに行くの?」
「人族の情報を得るためだ‥‥大丈夫、ミミを危険な目には逢わせないから」
「でも、ミミはお兄ちゃんが怪我するのは嫌なの‥‥」

 心配ないと言おうとして、代わりにミミの肩に手をやる。

「お兄ちゃんはな、消える事ができるんだぞ、ほら隠密」
「え!わぁ!」
「現、どうだ?」
「凄い!」
「だろう?だから大丈夫だよ」

 そうこうしている内に魔人の出没する地点に近づいた。

「ミミ、ここで少し待っていてくれ」

 そういってミミにクラッカーを手渡す。

「万が一危ない奴が来たらこれを投げて牽制して逃げるんだぞ」

 そのクラッカーが鳴れば僕にも判るので走って戻れるという打算もあった。

「よし、行ってくるからな」

 僕は潜伏の疾走スキルを使い森のなかを縫うように走る。本拠地の廃城はもう目の前だ。
 だが、思わぬトラップに引っかかってしまった。それは、魔法で仕掛けれた罠で地面を音を立てて走ると警報がなるものだ。

 キューンキューン!
 キューンキューン!

 アレ?これはどこかで聞いた覚えがあるトラップ音だ、と思ったら突如遠隔魔法攻撃が炸裂する。

 シュ!ドゴーン!

「うわ」

 威力は大した事が無いがいきなりで驚いた。濛々とあがる煙の向こう側から2発3発目の火炎魔法が飛んできた。結構隙のない連続魔法で気持ちを引き締めて疾走で交わす。

 ドーン! ドーン!

 2発‥‥3発‥‥よし!抜けた!と思ったら目の前に髭もじゃの魔人が立っていて剣を振りかざした。

「光剣」
「うわぁ」

 バシィ!

 なんとかギリギリでその剣技を魔法剣で跳ね飛ばし、後ろに少し押されて踏ん張る。

 光剣?どこかで聞いた事がある声だった。

「ぬぅ、こいつ跳ね返しやがった、強い!」

 よく見るとアモンだった。

「アモンじゃないか!アモンだよな?」
「は!」
「は?じゃないよ、こんなところで何してんだ?」

 アモンは茫然として僕を見ていた。

「イジン‥‥」
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