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第六話
そこからとんとん拍子に話は進み、今までの婚約破棄はなんだったのかと思うほどあっという間に二人は結婚し、周りの誰が見ても羨むほど仲睦まじい夫婦になった。
また、ディランは二男ということでアーデ侯爵家の婿に入り、ディークハルト亡きあとのアーデ侯爵家の跡取りとして侯爵家を引継いだ。
その手腕は素晴らしく、以前よりもさらに領地を繁栄させ、名主として名を馳せるほどであった。
「そういえば、また国王陛下から褒章をいただいたのですって? さすが、ディランだわ」
「ライラの支えがあってこそだ。ライラがいるから僕は頑張れる」
ベッドの中で、無防備な彼女を抱き寄せながら唇を重ねるディラン。先程まで何度も愛し合ったというのに、その熱はまだ冷めていないのかうっとりするほど濃厚な口づけに、自然とライラの息も上がってくる。
「もうダメよ、ディラン。これ以上は明日に差し支えてしまうわ」
「どうしても?」
「どうしても。……実は最近、体調が優れないときがあるの。たまに眩暈や嘔吐することもあって」
「大丈夫なのか、ライラ!? それは今すぐにでもお医者様に診てもらわないとっ!」
ライラの告白に驚き、慌てふためくディラン。
すぐさま彼女を抱え、ベッドから出て人を呼びに行こうとするディランを「待って。最後まで話を聞いて!」とライラは大きな声で静止させる。
「その、だから不安でお母様に症状を話したのだけど、そうしたら、もしかしたら……妊娠、してるのかもって……」
「にん、しん……」
「それで、明日朝一でもうお医者様が来るように手筈してあるの。だから、今すぐ診てもらわなくても大丈んぅっ」
ライラが言い切る前に、強く抱きしめられてそのまま塞がれる唇。何度も何度も繰り返しキスされて、「ディ……っん! まっ」とライラが声を上げようとしても何度もされる口づけに、二の句が継げない状態だった。
「もぉ、ディランったら! 落ち着いてっ」
やっと唇が離れたタイミングで抗議すれば、やっとベッドにゆっくりと寝かされ、今度はディランがライラのお腹に擦り寄るように抱きつく。
そして、ライラのまだ平らな腹を愛し気にうっとりとした表情で撫でた。
「あぁ、僕達の子がこの中にいるだなんて。嬉しすぎてどうしよう……っ」
「まだ確定ではないのだけどね。でも、結婚してから毎日……その、何度もしていたでしょう? そろそろできてもおかしくはないとは思っていたんだけど……」
恥じらうように頬を染めるライラ。
そんな彼女が愛しくて、ディランは強すぎないよう覆い被さるようにライラをふんわりと抱きしめると、優しいキスを落とした。
「これからは念のため、部屋で大人しくしていて。あと家事は全部メイドに任せて、絶対に外出はしないように」
「それは、ちょっと極端すぎじゃない? さすがに、ずっと引きこもっているのもよくない気がするけど」
「なら、出かけるのは僕と一緒のときだけにしよう。それなら、何かあってもすぐに対応できるから。それでいいだろう?」
真剣な眼差しで、絶対にそこだけは譲らないと言わんばかりのディランの意志の強さに、思わずライラは苦笑する。
「はいはい、わかったわ。全く、ディランはディークハルトに負けないくらい心配性ね」
彼の言動は愛してくれているからこそだということは理解しているので、ライラはディランの提案を受け入れる。
ライラが愛しげにディランの頭を優しく撫でると、その手を握られ口づけられ、そのまま彼の腕の中に引き寄せられると、二人は身を寄せ合いながら布団に包まった。
「おやすみなさい」
「あぁ、おやすみ」
「愛してる」
「僕も愛してるよ」
ディランの言葉に満足気に微笑むと、彼に擦り寄りながら目を閉じるライラ。
体調のせいか、疲労のせいか、すぐに寝息が聞こえてくるのをディランは恍惚した表情で見つめながら、起こさないようにそっと彼女の額に唇を落とした。
「……本当に、心から愛してるよ。お義姉様」
また、ディランは二男ということでアーデ侯爵家の婿に入り、ディークハルト亡きあとのアーデ侯爵家の跡取りとして侯爵家を引継いだ。
その手腕は素晴らしく、以前よりもさらに領地を繁栄させ、名主として名を馳せるほどであった。
「そういえば、また国王陛下から褒章をいただいたのですって? さすが、ディランだわ」
「ライラの支えがあってこそだ。ライラがいるから僕は頑張れる」
ベッドの中で、無防備な彼女を抱き寄せながら唇を重ねるディラン。先程まで何度も愛し合ったというのに、その熱はまだ冷めていないのかうっとりするほど濃厚な口づけに、自然とライラの息も上がってくる。
「もうダメよ、ディラン。これ以上は明日に差し支えてしまうわ」
「どうしても?」
「どうしても。……実は最近、体調が優れないときがあるの。たまに眩暈や嘔吐することもあって」
「大丈夫なのか、ライラ!? それは今すぐにでもお医者様に診てもらわないとっ!」
ライラの告白に驚き、慌てふためくディラン。
すぐさま彼女を抱え、ベッドから出て人を呼びに行こうとするディランを「待って。最後まで話を聞いて!」とライラは大きな声で静止させる。
「その、だから不安でお母様に症状を話したのだけど、そうしたら、もしかしたら……妊娠、してるのかもって……」
「にん、しん……」
「それで、明日朝一でもうお医者様が来るように手筈してあるの。だから、今すぐ診てもらわなくても大丈んぅっ」
ライラが言い切る前に、強く抱きしめられてそのまま塞がれる唇。何度も何度も繰り返しキスされて、「ディ……っん! まっ」とライラが声を上げようとしても何度もされる口づけに、二の句が継げない状態だった。
「もぉ、ディランったら! 落ち着いてっ」
やっと唇が離れたタイミングで抗議すれば、やっとベッドにゆっくりと寝かされ、今度はディランがライラのお腹に擦り寄るように抱きつく。
そして、ライラのまだ平らな腹を愛し気にうっとりとした表情で撫でた。
「あぁ、僕達の子がこの中にいるだなんて。嬉しすぎてどうしよう……っ」
「まだ確定ではないのだけどね。でも、結婚してから毎日……その、何度もしていたでしょう? そろそろできてもおかしくはないとは思っていたんだけど……」
恥じらうように頬を染めるライラ。
そんな彼女が愛しくて、ディランは強すぎないよう覆い被さるようにライラをふんわりと抱きしめると、優しいキスを落とした。
「これからは念のため、部屋で大人しくしていて。あと家事は全部メイドに任せて、絶対に外出はしないように」
「それは、ちょっと極端すぎじゃない? さすがに、ずっと引きこもっているのもよくない気がするけど」
「なら、出かけるのは僕と一緒のときだけにしよう。それなら、何かあってもすぐに対応できるから。それでいいだろう?」
真剣な眼差しで、絶対にそこだけは譲らないと言わんばかりのディランの意志の強さに、思わずライラは苦笑する。
「はいはい、わかったわ。全く、ディランはディークハルトに負けないくらい心配性ね」
彼の言動は愛してくれているからこそだということは理解しているので、ライラはディランの提案を受け入れる。
ライラが愛しげにディランの頭を優しく撫でると、その手を握られ口づけられ、そのまま彼の腕の中に引き寄せられると、二人は身を寄せ合いながら布団に包まった。
「おやすみなさい」
「あぁ、おやすみ」
「愛してる」
「僕も愛してるよ」
ディランの言葉に満足気に微笑むと、彼に擦り寄りながら目を閉じるライラ。
体調のせいか、疲労のせいか、すぐに寝息が聞こえてくるのをディランは恍惚した表情で見つめながら、起こさないようにそっと彼女の額に唇を落とした。
「……本当に、心から愛してるよ。お義姉様」
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