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第一章 結婚
第二十二話 納品
バンッ!
到着するなり勢いよく開くドア。そして、その中からさらに勢いよくジュダが飛び出してきた。
「シアちゃーーーーん! お・ま・た・せーーーー!!」
まるで弾丸のような勢いに、シア以外のみんなが呆気に取られる。ジュダはそんなのお構いなしに、そのままシアに思いきり抱きついた。
「わざわざお越しいただきありがとうございます」
「んもー、いいのいいのー! まぁ、あたしの美尻がちょーーっぴり痛くなったけど? シアちゃんのためだから許すわ~。てか、もうあたし頑張りすぎて疲れちゃった~! シアちゃん癒して~!!」
「よしよし。お疲れさまでした。しかもこんな短期間に四着も。本当にありがとうございます」
シアがよしよしとジュダの頭を撫でていると、グイッと力強く腕を掴まれ引き剥がされる。
「あまり妻に馴れ馴れしく触れるのはよしてくれないか」
「レオナルドさん!?」
レオナルドが険しい表情でジュダを隔てるようにシアの前に立つ。その様子を見て、キョトンとしていたジュダが状況を理解したのかニヤニヤと表情を弛めた。
「あらやだー! んもー、ヤキモチ?」
「……っ、違う」
「ふぅ~ん、あらそう。そういうの照れちゃうタイプ? やだもー、かーわーいーいー! 氷の公爵様って評判イマイチだったけど、案外いい男じゃなーーーーい!」
「なっ、何なんだ、一体」
急に距離を縮めてくるジュダに警戒するレオナルド。そんなことお構いなしにジュダはグイグイとレオナルドに迫っていく。
「プライド高くて傲慢で冷徹で唯我独尊って聞いてたけど……実物はそうでもなさそうね~。正直、個人的には結構好みのタ・イ・プ! ……シアちゃんの旦那様じゃなかったら食べちゃいたいくらい」
「……っ」
「はいはいはーーーーい! ジュダ様! ストップストップストップーーーー!!!!」
これまた遅れてリリハが勢いよくやってきてジュダの身体を拘束すると、そのまま強く引っ張ってレオナルドから引き剥がした。
「何やってんですか! お相手は公爵様なんですよ! 正気ですか!」
「もちろん~! あたしはいつも正気だし、心のままに生きてるの」
「ふざけないでください! 不敬罪でしょっぴかれて私達従業員を路頭に迷わす気ですか!」
リリハに叱られてもどこ吹く風のジュダ。そんな彼の頭を無理矢理押さえつけ、リリハは深く頭を下げた。
「すみません、すみません! ジュダ様が厚かましいどころか不敬ですみません!」
「いえ、いいんですよ。いつものことですし」
「そうよね~! あたしは通常運転よ?」
「ジュダ様は黙って!」
シアは「リリハさん大変だなぁ」と苦笑しながら、「とりあえずどうぞ中へ」と屋敷の中へと案内する。
その後、ぞろぞろと馬車から出てくる従業員の数々に、レオナルドは一体これは本当にドレスの納品なのかとさらに困惑するのだった。
◇
「ここの腰回り、もう少し絞ったほうがいいかも」
「はい」
「このスリーブはもうちょっとボリューム足して」
「わかりました」
「なんかこの辺物足りないわね。ちょっとこの辺りレース足しましょうか」
「レースの予備持ってきます」
さすがプロなだけあって、試着を始めてからのジュダの顔つきは全く違っていた。
セレナ、アンナ、フィオナ、シアのそれぞれのドレスをジュダ自らが手を加えて、最終調整して完璧なドレスへと仕上げていく。
ちなみに、セレナはプリンセスラインの萌葱色のドレス。アンナはAラインの若草色のドレス。フィオナはエンパイアラインの山吹色のドレス。そしてシアがスレンダーラインの黄金色のドレスだ。
いずれも体型に合わせて、刺繍やレースなどの装飾も別で、これを従業員が多いとはいえ約一か月で完成させたのは圧巻であった。
「よし、いい感じ。娘っ子ちゃん達には軽くヘアメイクをしておいて」
「承知しました」
「シアちゃんはあたしがヘアメイクしてあげる」
「えっ、でもわざわざジュダさんの手を煩わせるのは……」
「あたしがやりたいからいーの! シアちゃんは大人しくそこに座っててちょーだい」
「わかりました。ありがとうございます」
最近は専ら自分で結んでいた髪を器用に整えられる。
その後メイクも施されるが、人にメイクをしてもらうのは久々で、ちょっとこそばゆくなりながらもシアは大人しくしていた。
「あーあ。シアちゃんもとうとう人妻か~」
「ジュダさん、言い方」
「だってぇ~。なんかシアちゃんはずっと永遠にシアちゃんのままって感じだったから」
「何ですか、それ」
でもなんとなくわかってしまう自分もいて、シアはくすくすと笑う。そもそもシア自身も、まさか自分が結婚するとは全く思ってもみなかったのは事実だ。
「でも、なんだかんだで幸せそうでよかった」
「はい。おかげさまで」
「手紙で聞いたときは、もうすっごく心配したんだからねっ! 相手はタチの悪い氷の公爵だって言うし、子供は三人もいるし、しかも全員娘だなんて!」
「あはははは。ご心配おかけしてすみません」
ジュダがほぼ同じことを危惧していたことを知って苦笑するシア。
確かに条件を聞いたら誰だって心配する内容である。
「でも、思ったより公爵様いい人そうだし? イケメンだし? シアちゃんのこと大事にしてくれてるっぽくてよかったわ。娘ちゃん達もちょっと反抗してるとこあるけど、思春期だし反抗期だと思えばね~」
「そうですね」
(大事にしてくれてる……)
あまり自覚はなかったが、はたから見たらレオナルドに大事にされているように見えるのかとちょっと驚く。
けれど、言われてみれば来た当初とは違ってそれなりに打ち解けてきたような気がしていた。
(さっきも妻って言ってくれたし)
レオナルドから妻と呼ばれるだなんて思ってもみなかったシア。
実際、今は彼の妻なのだから妻と呼ばれるのは当然なのだが、それでもあのレオナルドからその言葉が出たのが意外だった。
(まぁ、確かにジュダさんとはいえ夫以外の異性と接触してたら世間体的によろしくないものね)
レオナルドの指摘は最もだと納得し、妻としてもっとしっかりせねばとシアは気持ちを改める。
「んー、いい感じ。シアちゃん元々顔立ちいいんだから、家事で忙しいのはわかるけど、もっと普段から化粧やっておいたほうがいいわよ~」
「……が、頑張ります」
「はい、じゃ、口閉じて。……ん、合わせて馴染ませて……よし、完璧! んもー、あたしがキスしたくなっちゃうくらい素敵に仕上がったわ!」
「ありがとうございます」
「って、あんまベタベタしてるとまた公爵様に怒られちゃうわね~。さっ、もうみんな待ってるから急ぐ急ぐ~!」
手を引かれて椅子から立ち上がる。
そういえば鏡まだ見せてもらってないと気づいたが、そのままジュダに手を引かれてしまって、結局シアは自分の姿も見ないままジュダに連行されるのだった。
到着するなり勢いよく開くドア。そして、その中からさらに勢いよくジュダが飛び出してきた。
「シアちゃーーーーん! お・ま・た・せーーーー!!」
まるで弾丸のような勢いに、シア以外のみんなが呆気に取られる。ジュダはそんなのお構いなしに、そのままシアに思いきり抱きついた。
「わざわざお越しいただきありがとうございます」
「んもー、いいのいいのー! まぁ、あたしの美尻がちょーーっぴり痛くなったけど? シアちゃんのためだから許すわ~。てか、もうあたし頑張りすぎて疲れちゃった~! シアちゃん癒して~!!」
「よしよし。お疲れさまでした。しかもこんな短期間に四着も。本当にありがとうございます」
シアがよしよしとジュダの頭を撫でていると、グイッと力強く腕を掴まれ引き剥がされる。
「あまり妻に馴れ馴れしく触れるのはよしてくれないか」
「レオナルドさん!?」
レオナルドが険しい表情でジュダを隔てるようにシアの前に立つ。その様子を見て、キョトンとしていたジュダが状況を理解したのかニヤニヤと表情を弛めた。
「あらやだー! んもー、ヤキモチ?」
「……っ、違う」
「ふぅ~ん、あらそう。そういうの照れちゃうタイプ? やだもー、かーわーいーいー! 氷の公爵様って評判イマイチだったけど、案外いい男じゃなーーーーい!」
「なっ、何なんだ、一体」
急に距離を縮めてくるジュダに警戒するレオナルド。そんなことお構いなしにジュダはグイグイとレオナルドに迫っていく。
「プライド高くて傲慢で冷徹で唯我独尊って聞いてたけど……実物はそうでもなさそうね~。正直、個人的には結構好みのタ・イ・プ! ……シアちゃんの旦那様じゃなかったら食べちゃいたいくらい」
「……っ」
「はいはいはーーーーい! ジュダ様! ストップストップストップーーーー!!!!」
これまた遅れてリリハが勢いよくやってきてジュダの身体を拘束すると、そのまま強く引っ張ってレオナルドから引き剥がした。
「何やってんですか! お相手は公爵様なんですよ! 正気ですか!」
「もちろん~! あたしはいつも正気だし、心のままに生きてるの」
「ふざけないでください! 不敬罪でしょっぴかれて私達従業員を路頭に迷わす気ですか!」
リリハに叱られてもどこ吹く風のジュダ。そんな彼の頭を無理矢理押さえつけ、リリハは深く頭を下げた。
「すみません、すみません! ジュダ様が厚かましいどころか不敬ですみません!」
「いえ、いいんですよ。いつものことですし」
「そうよね~! あたしは通常運転よ?」
「ジュダ様は黙って!」
シアは「リリハさん大変だなぁ」と苦笑しながら、「とりあえずどうぞ中へ」と屋敷の中へと案内する。
その後、ぞろぞろと馬車から出てくる従業員の数々に、レオナルドは一体これは本当にドレスの納品なのかとさらに困惑するのだった。
◇
「ここの腰回り、もう少し絞ったほうがいいかも」
「はい」
「このスリーブはもうちょっとボリューム足して」
「わかりました」
「なんかこの辺物足りないわね。ちょっとこの辺りレース足しましょうか」
「レースの予備持ってきます」
さすがプロなだけあって、試着を始めてからのジュダの顔つきは全く違っていた。
セレナ、アンナ、フィオナ、シアのそれぞれのドレスをジュダ自らが手を加えて、最終調整して完璧なドレスへと仕上げていく。
ちなみに、セレナはプリンセスラインの萌葱色のドレス。アンナはAラインの若草色のドレス。フィオナはエンパイアラインの山吹色のドレス。そしてシアがスレンダーラインの黄金色のドレスだ。
いずれも体型に合わせて、刺繍やレースなどの装飾も別で、これを従業員が多いとはいえ約一か月で完成させたのは圧巻であった。
「よし、いい感じ。娘っ子ちゃん達には軽くヘアメイクをしておいて」
「承知しました」
「シアちゃんはあたしがヘアメイクしてあげる」
「えっ、でもわざわざジュダさんの手を煩わせるのは……」
「あたしがやりたいからいーの! シアちゃんは大人しくそこに座っててちょーだい」
「わかりました。ありがとうございます」
最近は専ら自分で結んでいた髪を器用に整えられる。
その後メイクも施されるが、人にメイクをしてもらうのは久々で、ちょっとこそばゆくなりながらもシアは大人しくしていた。
「あーあ。シアちゃんもとうとう人妻か~」
「ジュダさん、言い方」
「だってぇ~。なんかシアちゃんはずっと永遠にシアちゃんのままって感じだったから」
「何ですか、それ」
でもなんとなくわかってしまう自分もいて、シアはくすくすと笑う。そもそもシア自身も、まさか自分が結婚するとは全く思ってもみなかったのは事実だ。
「でも、なんだかんだで幸せそうでよかった」
「はい。おかげさまで」
「手紙で聞いたときは、もうすっごく心配したんだからねっ! 相手はタチの悪い氷の公爵だって言うし、子供は三人もいるし、しかも全員娘だなんて!」
「あはははは。ご心配おかけしてすみません」
ジュダがほぼ同じことを危惧していたことを知って苦笑するシア。
確かに条件を聞いたら誰だって心配する内容である。
「でも、思ったより公爵様いい人そうだし? イケメンだし? シアちゃんのこと大事にしてくれてるっぽくてよかったわ。娘ちゃん達もちょっと反抗してるとこあるけど、思春期だし反抗期だと思えばね~」
「そうですね」
(大事にしてくれてる……)
あまり自覚はなかったが、はたから見たらレオナルドに大事にされているように見えるのかとちょっと驚く。
けれど、言われてみれば来た当初とは違ってそれなりに打ち解けてきたような気がしていた。
(さっきも妻って言ってくれたし)
レオナルドから妻と呼ばれるだなんて思ってもみなかったシア。
実際、今は彼の妻なのだから妻と呼ばれるのは当然なのだが、それでもあのレオナルドからその言葉が出たのが意外だった。
(まぁ、確かにジュダさんとはいえ夫以外の異性と接触してたら世間体的によろしくないものね)
レオナルドの指摘は最もだと納得し、妻としてもっとしっかりせねばとシアは気持ちを改める。
「んー、いい感じ。シアちゃん元々顔立ちいいんだから、家事で忙しいのはわかるけど、もっと普段から化粧やっておいたほうがいいわよ~」
「……が、頑張ります」
「はい、じゃ、口閉じて。……ん、合わせて馴染ませて……よし、完璧! んもー、あたしがキスしたくなっちゃうくらい素敵に仕上がったわ!」
「ありがとうございます」
「って、あんまベタベタしてるとまた公爵様に怒られちゃうわね~。さっ、もうみんな待ってるから急ぐ急ぐ~!」
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