53 / 92
第二章 恋
第八話 イメージ
「……それで、ビアンカのお店にジュダさんがいたのね」
ビアンカとジュダそれぞれから話を聞いて納得するシア。
二人の話をまとめると、隣国の晩餐会に呼ばれた王妃の装いの総合プロデュースのメンバーとして、ビアンカとジュダが指名されたらしい。それで相談するために今回ビアンカの店で集まってそれぞれ意見を出し合っていたのだが、お互いに方向性が噛み合わずに睨み合っていたタイミングでシア達が来店したとのことだった。
「本当は断りたかったんですけどね、この仕事」
「あたしだってこの子と一緒に仕事するなんて勘弁してほしかったけど、お上に言われちゃあね~」
それぞれシアに向き直りながら、やれやれといった表情をする。シアからしたら大抜擢で凄いことだと思うが、どうやら二人は違うらしい。
とはいえ、国王直々の命を断るわけにはいかないという認識がそれぞれにあったことに、とりあえずホッとした。
「商売に影響あるのは困りますからねぇ」
「そうなの。下手に断って店の許可が取り消しされたら困るでしょう? だから仕方なく受けたの」
「ジュダ様。お願いですから大きな声でそういったことをおっしゃらないでくださいっ。前々から申し上げている通り、不敬罪でしょっぴかれたらどうするおつもりですかっ。今回は国王陛下案件なんですからねっ!」
「だって、しょうがないじゃな~い。地声が大きいんだから」
「その巻き添えでこちらにも被害があったら困るんですけど?」
ビアンカとジュダが睨み合う。
利害は一致してるのに、やはり根本的に合わないらしい。お互いいがみあっているのを見ながら、どうしたものかと考える。
「とりあえず、それぞれ意見を出し合ったら?」
「出してるわよ~! 仕事だもの、真面目にね。でもこの女、あたしの意見なんか全然聞きやしないのよ?」
「はぁ!? あんたに言われたくないんですけどぉ! そっちこそ、ワタシの意見全然聞かないじゃないですかぁ~! 王妃様のイメージは奥ゆかしくも華やかだって言ってるでしょ!」
「ほんっと、あんたは浅いわね~。今回の晩餐会は外交も兼ねてるんでしょ~? だったらもう少し攻めた感じが絶対いいわよ~!」
「あー、なるほど。まずイメージのところから躓いてるのね」
イメージは大事だ。大枠を決めるのに何よりも大切な部分である。
そこで躓いてるとなると、なかなか前に進めないというのはわからないでもなかった。
「じゃあ、それぞれイメージが違うことはわかったから、色とか花とか何でもいいから使いたい素材の話をしてみたら?」
「素材、ですかぁ」
「そうねぇ」
シアの提案で二人は考え込む。そういう切り込み方は考えていなかったようだ。
「ワタシのイメージとしては百合の花ですかね。奥ゆかしさもありながらも凛としていて美しい感じです。白やピンクなどの色を用いながらナチュラルなメイクで素のよさを生かしていければと」
「百合ならただの白百合ではなくてタイガーリリーやマルタゴンリリーみたいなイメージじゃない? 色味もブラッドオレンジや真紅のような濃い色が似合うと思うけど」
「はぁ!? 王妃様は絶対淡い色の方が似合いますぅ~!!」
「あんたの目はどこについてるのよ!? ビビットな色味で大胆な装いのほうがいいに決まってるじゃない!」
「ダメだこれ」
シアが思わず頭を抱える。本当にとことん合わない二人である。
センスはどちらも抜群だというのに、お互い協調性の欠片もなかった。
「セレナはどう思う? 何かいいアイデアはない?」
「わ、私!?」
急にシアから振られて声が裏返るセレナ。
シアとしては万策尽きた状態だったので、何か少しでもこの状況を打破できる何かが欲しかった。
「いきなり言われても、わかるわけないでしょ!」
「そう? セレナなりの着眼点で何かのヒントになるかもしれないし」
「無茶なこと言わないで」
「何でもいいから。セレナが思ったことを言ってちょうだい。私にはもうお手上げなのよ。セレナの助言が二人の助けになるかもしれないし、お願い!」
シアが縋るようにねだると、セレナは不本意そうな顔をしながらも何か思うところはあるのか口をまごつかせる。
こういうところはレオナルドそっくりだ。
「私が言ったことに文句言わないでよ」
「もちろん! 言うわけないわ」
「……私が思ったのは、お二人それぞれのイメージを合わせればいいと思ったの」
「というと?」
「そこまでわからないわよっ! とにかく、お二人のイメージって別に極端に離れてるイメージなわけでもないからどうにかなるんじゃないかって……」
「二人のイメージを合わせる……別に極端にかけ離れてるわけじゃない……なるほど、それだ!」
シアがハッと思いついて声を上げる。
あまりに大きな声だったからか、言い争っていたはずの二人もシアのほうを見た。
「何よ、シアちゃん。何か思いついた?」
「はい! 二人のイメージを合わせてみようかと」
訝しげな顔をするジュダに満面の笑みで答えるシア。
けれど、二人は相変わらず渋い顔をしている。
「いや、シアさん。それはさすがに無茶ですよぉ」
「そうよ、シアちゃん。話聞いてなかったの? それができたら苦労しないんだから」
シアの提案に、二人はやれやれといった様子だ。
相変わらず、こういう部分は意見が一致するらしい。
「いいえ、できるわ。人間には多面性があるでしょ? 人に見せる部分は人によって違う。だから、それを表現すればいいと思って。ジュダさんは外に向ける優美さや芯の強さ、誇りをイメージして、ビアンカは本来の上品で奥ゆかしい雰囲気を演出したらいいんじゃない?」
「えっと、つまり……メイクで内面、ドレスで外面を演出するってことですかぁ?」
「そういうこと。貴方達ならできると思うけど」
シアが自信満々に言い放つ。
実際、シアにはそれをどうしれば解決するかの手立てまでは見出せないものの、二人であればそれを打破できる何かが出せるはずだと確信していた。
ビアンカとジュダそれぞれから話を聞いて納得するシア。
二人の話をまとめると、隣国の晩餐会に呼ばれた王妃の装いの総合プロデュースのメンバーとして、ビアンカとジュダが指名されたらしい。それで相談するために今回ビアンカの店で集まってそれぞれ意見を出し合っていたのだが、お互いに方向性が噛み合わずに睨み合っていたタイミングでシア達が来店したとのことだった。
「本当は断りたかったんですけどね、この仕事」
「あたしだってこの子と一緒に仕事するなんて勘弁してほしかったけど、お上に言われちゃあね~」
それぞれシアに向き直りながら、やれやれといった表情をする。シアからしたら大抜擢で凄いことだと思うが、どうやら二人は違うらしい。
とはいえ、国王直々の命を断るわけにはいかないという認識がそれぞれにあったことに、とりあえずホッとした。
「商売に影響あるのは困りますからねぇ」
「そうなの。下手に断って店の許可が取り消しされたら困るでしょう? だから仕方なく受けたの」
「ジュダ様。お願いですから大きな声でそういったことをおっしゃらないでくださいっ。前々から申し上げている通り、不敬罪でしょっぴかれたらどうするおつもりですかっ。今回は国王陛下案件なんですからねっ!」
「だって、しょうがないじゃな~い。地声が大きいんだから」
「その巻き添えでこちらにも被害があったら困るんですけど?」
ビアンカとジュダが睨み合う。
利害は一致してるのに、やはり根本的に合わないらしい。お互いいがみあっているのを見ながら、どうしたものかと考える。
「とりあえず、それぞれ意見を出し合ったら?」
「出してるわよ~! 仕事だもの、真面目にね。でもこの女、あたしの意見なんか全然聞きやしないのよ?」
「はぁ!? あんたに言われたくないんですけどぉ! そっちこそ、ワタシの意見全然聞かないじゃないですかぁ~! 王妃様のイメージは奥ゆかしくも華やかだって言ってるでしょ!」
「ほんっと、あんたは浅いわね~。今回の晩餐会は外交も兼ねてるんでしょ~? だったらもう少し攻めた感じが絶対いいわよ~!」
「あー、なるほど。まずイメージのところから躓いてるのね」
イメージは大事だ。大枠を決めるのに何よりも大切な部分である。
そこで躓いてるとなると、なかなか前に進めないというのはわからないでもなかった。
「じゃあ、それぞれイメージが違うことはわかったから、色とか花とか何でもいいから使いたい素材の話をしてみたら?」
「素材、ですかぁ」
「そうねぇ」
シアの提案で二人は考え込む。そういう切り込み方は考えていなかったようだ。
「ワタシのイメージとしては百合の花ですかね。奥ゆかしさもありながらも凛としていて美しい感じです。白やピンクなどの色を用いながらナチュラルなメイクで素のよさを生かしていければと」
「百合ならただの白百合ではなくてタイガーリリーやマルタゴンリリーみたいなイメージじゃない? 色味もブラッドオレンジや真紅のような濃い色が似合うと思うけど」
「はぁ!? 王妃様は絶対淡い色の方が似合いますぅ~!!」
「あんたの目はどこについてるのよ!? ビビットな色味で大胆な装いのほうがいいに決まってるじゃない!」
「ダメだこれ」
シアが思わず頭を抱える。本当にとことん合わない二人である。
センスはどちらも抜群だというのに、お互い協調性の欠片もなかった。
「セレナはどう思う? 何かいいアイデアはない?」
「わ、私!?」
急にシアから振られて声が裏返るセレナ。
シアとしては万策尽きた状態だったので、何か少しでもこの状況を打破できる何かが欲しかった。
「いきなり言われても、わかるわけないでしょ!」
「そう? セレナなりの着眼点で何かのヒントになるかもしれないし」
「無茶なこと言わないで」
「何でもいいから。セレナが思ったことを言ってちょうだい。私にはもうお手上げなのよ。セレナの助言が二人の助けになるかもしれないし、お願い!」
シアが縋るようにねだると、セレナは不本意そうな顔をしながらも何か思うところはあるのか口をまごつかせる。
こういうところはレオナルドそっくりだ。
「私が言ったことに文句言わないでよ」
「もちろん! 言うわけないわ」
「……私が思ったのは、お二人それぞれのイメージを合わせればいいと思ったの」
「というと?」
「そこまでわからないわよっ! とにかく、お二人のイメージって別に極端に離れてるイメージなわけでもないからどうにかなるんじゃないかって……」
「二人のイメージを合わせる……別に極端にかけ離れてるわけじゃない……なるほど、それだ!」
シアがハッと思いついて声を上げる。
あまりに大きな声だったからか、言い争っていたはずの二人もシアのほうを見た。
「何よ、シアちゃん。何か思いついた?」
「はい! 二人のイメージを合わせてみようかと」
訝しげな顔をするジュダに満面の笑みで答えるシア。
けれど、二人は相変わらず渋い顔をしている。
「いや、シアさん。それはさすがに無茶ですよぉ」
「そうよ、シアちゃん。話聞いてなかったの? それができたら苦労しないんだから」
シアの提案に、二人はやれやれといった様子だ。
相変わらず、こういう部分は意見が一致するらしい。
「いいえ、できるわ。人間には多面性があるでしょ? 人に見せる部分は人によって違う。だから、それを表現すればいいと思って。ジュダさんは外に向ける優美さや芯の強さ、誇りをイメージして、ビアンカは本来の上品で奥ゆかしい雰囲気を演出したらいいんじゃない?」
「えっと、つまり……メイクで内面、ドレスで外面を演出するってことですかぁ?」
「そういうこと。貴方達ならできると思うけど」
シアが自信満々に言い放つ。
実際、シアにはそれをどうしれば解決するかの手立てまでは見出せないものの、二人であればそれを打破できる何かが出せるはずだと確信していた。
あなたにおすすめの小説
【完】出来損ない令嬢は、双子の娘を持つ公爵様と契約結婚する~いつの間にか公爵様と7歳のかわいい双子たちに、めいっぱい溺愛されていました~
夏芽空
恋愛
子爵令嬢のエレナは、常に優秀な妹と比較され家族からひどい扱いを受けてきた。
しかし彼女は7歳の双子の娘を持つ公爵――ジオルトと契約結婚したことで、最低な家族の元を離れることができた。
しかも、条件は最高。公の場で妻を演じる以外は自由に過ごしていい上に、さらには給料までも出してくてれるという。
夢のような生活を手に入れた――と、思ったのもつかの間。
いきなり事件が発生してしまう。
結婚したその翌日に、双子の姉が令嬢教育の教育係をやめさせてしまった。
しかもジオルトは仕事で出かけていて、帰ってくるのはなんと一週間後だ。
(こうなったら、私がなんとかするしかないわ!)
腹をくくったエレナは、おもいきった行動を起こす。
それがきっかけとなり、ちょっと癖のある美少女双子義娘と、彼女たちよりもさらに癖の強いジオルトとの距離が縮まっていくのだった――。
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
【完結】貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜
●やきいもほくほく●
恋愛
没落寸前、貧乏男爵令嬢ディアンヌ・メリーティーは家族を守るために援助を求めて結婚相手を探しに向かうが大失敗。
その場で転んで頭をぶつけた拍子に前世の記憶を思い出すが、友人だと思っていたシャーリーに騙されて会場で大恥をかくこととなる。
しかし、そんなディアンヌを助けてくれたのは女性たちの憧れ宰相で公爵家の当主、リュドヴィック・ベルトルテだった。
そこでディアンヌは契約結婚を持ちかけられる。
その理由はピーターというベルトルテ公爵家に引き取られた子どもが懐いたからだった。
実はディアンヌは、ピーターをパーティー会場で助けていた。
慣れない生活中、リュドヴィックを慕う侍女に嫌がらせを受けながらもピーターの心を開き、周囲から認められていくディアンヌ。
次第に公爵夫人としての自覚も芽生えていく。
ある事件をきっかけにリュドヴィックとの距離も近づいて……!?
神頼みするしかない大ピンチの状況から、粘り強さとしたたかさで大逆転。
互いの利益だけを求めた契約結婚から、溺愛されていくポジティブラブストーリー!
*他サイトにも掲載中
【完結】 笑わない、かわいげがない、胸がないの『ないないない令嬢』、国外追放を言い渡される~私を追い出せば国が大変なことになりますよ?~
夏芽空
恋愛
「笑わない! かわいげがない! 胸がない! 三つのないを持つ、『ないないない令嬢』のオフェリア! 君との婚約を破棄する!」
婚約者の第一王子はオフェリアに婚約破棄を言い渡した上に、さらには国外追放するとまで言ってきた。
「私は構いませんが、この国が困ることになりますよ?」
オフェリアは国で唯一の特別な力を持っている。
傷を癒したり、作物を実らせたり、邪悪な心を持つ魔物から国を守ったりと、力には様々な種類がある。
オフェリアがいなくなれば、その力も消えてしまう。
国は困ることになるだろう。
だから親切心で言ってあげたのだが、第一王子は聞く耳を持たなかった。
警告を無視して、オフェリアを国外追放した。
国を出たオフェリアは、隣国で魔術師団の団長と出会う。
ひょんなことから彼の下で働くことになり、絆を深めていく。
一方、オフェリアを追放した国は、第一王子の愚かな選択のせいで崩壊していくのだった……。
【完結】白い結婚を終えて自由に生きてまいります
なか
恋愛
––アロルド、私は貴方が結婚初日に告げた言葉を今でも覚えている。
忘れもしない、あの時貴方は確かにこう言った。
「初めに言っておく、俺達の婚姻関係は白い結婚として……この関係は三年間のみとする」
「白い結婚ですか?」
「実は俺には……他に愛する女性がいる」
それは「公爵家の令嬢との問題」を理由に、三年間だけの白い結婚を強いるもの。
私の意思を無視して三家が取り決めたものであったが、私は冷静に合意を決めた
――それは自由を得るため、そして『私自身の秘密を隠すため』の計算でもあった。
ところが、三年の終わりが近づいたとき、アロルドは突然告白する。「この三年間で君しか見えなくなった。白い結婚の約束をなかったことにしてくれ」と。
「セシーリア、頼む……どうか、どうか白い結婚の合意を無かった事にしてくれ」
アロルド、貴方は何を言い出すの?
なにを言っているか、分かっているの?
「俺には君しかいないと、この三年間で分かったんだ」
私の答えは決まっていた。
受け入れられるはずがない。
自由のため、私の秘密を守るため、貴方の戯言に付き合う気はなかった。
◇◇◇
設定はゆるめです。
とても強い主人公が自由に暮らすお話となります。
もしよろしければ、読んでくださると嬉しいです!
目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。
夏生 羽都
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢でもあったローゼリアは敵対派閥の策略によって生家が没落してしまい、婚約も破棄されてしまう。家は子爵にまで落とされてしまうが、それは名ばかりの爵位で、実際には平民と変わらない生活を強いられていた。
辛い生活の中で母親のナタリーは体調を崩してしまい、ナタリーの実家がある隣国のエルランドへ行き、一家で亡命をしようと考えるのだが、安全に国を出るには貴族の身分を捨てなければいけない。しかし、ローゼリアを王太子の側妃にしたい国王が爵位を返す事を許さなかった。
側妃にはなりたくないが、自分がいては家族が国を出る事が出来ないと思ったローゼリアは、家族を出国させる為に30歳も年上である伯爵の元へ後妻として一人で嫁ぐ事を自分の意思で決めるのだった。
※作者独自の世界観によって創作された物語です。細かな設定やストーリー展開等が気になってしまうという方はブラウザバッグをお願い致します。
無能だとクビになったメイドですが、今は王宮で筆頭メイドをしています
如月ぐるぐる
恋愛
「お前の様な役立たずは首だ! さっさと出て行け!」
何年も仕えていた男爵家を追い出され、途方に暮れるシルヴィア。
しかし街の人々はシルビアを優しく受け入れ、宿屋で住み込みで働く事になる。
様々な理由により職を転々とするが、ある日、男爵家は爵位剥奪となり、近隣の子爵家の代理人が統治する事になる。
この地域に詳しく、元男爵家に仕えていた事もあり、代理人がシルヴィアに協力を求めて来たのだが……
男爵メイドから王宮筆頭メイドになるシルビアの物語が、今始まった。