「婚約破棄された令嬢の異世界カフェ革命~甘い復讐と運命の恋~」

鷹 綾

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第19話: パーティでの対峙

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第19話: パーティでの対峙

王都からの招待状が届いたのは、ルミナスのカフェが最高潮の繁栄を迎えていた頃だった。

金色の封筒に王家の紋章。内容は、王宮主催の大規模パーティーへの招待。

『王国建国記念舞踏会

ルミナス領エレナ・フォン・リシュタイン様、ご出席を心よりお待ち申し上げる。

スイーツ提供のご協力も併せてお願い申し上げます。

アレックス王子』

私は招待状を読み、静かに微笑んだ。

ついに、来たわね。

直接、あなたたちの前に立つ機会。

伯爵が大笑いした。

「行くじゃろう? わしも同行する。君のスイーツで、王都の連中を驚かせてやれ!」

リオンが少し心配げに言った。

「罠の可能性がある。俺も行く」

ミアが目を輝かせた。

「ミアも行きたいです! エレナお姉様のメイドとして!」

こうして、私たちは王都へ向かうことになった。

馬車で三日の旅。王都に近づくにつれ、街並みが華やかになり、貴族の屋敷が増える。私の元の世界――すべてを失った場所。

王宮に到着した日、舞踏会の前夜。

私たちは伯爵の紹介で、王宮近くの宿舎に泊まった。

鏡の前で、私は一番美しいドレスを選んだ。深紅のシルクに、金の刺繍。首元には、異世界で得た魔法の宝石をあしらったネックレス。黒髪を優雅にアップにまとめ、ルミナスの誇りを胸に。

ミアは可愛いメイド服で、私の支度を手伝う。

「エレナお姉様、綺麗です! 王子様、びっくりしますよ!」

リオンは黒の礼服姿で、いつもより凛々しい。

「君は今、誰よりも輝いている」

舞踏会の夜。

王宮の大広間は、シャンデリアの光で輝き、貴族たちが華やかなドレスと礼服で埋め尽くされていた。

私が入場すると、ざわめきが広がった。

「あれが、ルミナスの魔法カフェのエレナ様?」

「婚約破棄された元令嬢だと聞いたが……美しい……」

「スイーツの天才らしいな」

私は伯爵と並んで入場し、優雅にお辞儀した。

やがて、アレックス王子とリリアが登場した。

王子は少しやつれた様子。リリアは青ざめた顔で、私を睨んでいる。

王子がまっすぐに近づいてきた。

「エレナ……来てくれてありがとう」

「王子殿下、ご招待ありがとうございます」

私は冷静に微笑んだ。

王子は私のドレスと、成功のオーラに、言葉を失った様子。

リリアが王子を引っ張り、私に毒づいた。

「あなた……よくも、こんなところに来られたわね」

「リリア嬢。お久しぶりです。あなたのおかげで、私はここまで強くなりました」

リリアの顔が歪んだ。

パーティーのハイライトは、私のスイーツ提供だった。

大テーブルに、私が特別に作ったスイーツの山を並べる。ティラミス、モンブラン、チョコレートフォンデュ、すべてに最高の魔法効果を込めて。

貴族たちが食べ始めた瞬間、広間がどよめいた。

「これは……神の味!」

「魔力が満ちる……傷が癒える!」

「王都の菓子など、比べ物にならない!」

王子もリリアも、私のスイーツを食べざるを得なかった。

リリアがティラミスを一口食べ、顔を青くした。

「……こんなの、認めない……」

王子は複雑な表情で、私を見た。

「エレナ……君の才能、本物だった」

私は王子に近づき、小声で言った。

「王子殿下。あの婚約破棄の真相、みんなに公表されたそうですね。リリア嬢の陰謀も」

王子が俯いた。

「私の過ちだ。君を信じず、リリアの言葉に騙されて……」

「今さら、遅いわ」

私はテーブルに特別なケーキを置いた。

「これを、どうぞ。『真実のチョコレートケーキ』です」

王子が食べると、突然膝をついた。

「エレナ……許してくれ……私は、君を愛していたのに……」

広間が静まり返った。

リリアが叫んだ。

「違う! 私が王子を誘惑したのよ! エレナが邪魔だったから!」

スイーツの効果で、二人は過去の過ちを自白し始めた。

貴族たちがざわめく。

「婚約破棄は陰謀だったのか!」

「ヴァレンティア家が……」

私は優雅に頭を下げた。

「皆さん、ありがとうございます。私はただ、甘いもので人を幸せにしたかっただけです」

伯爵が大声で宣言した。

「エレナ嬢は、ルミナスの誇りじゃ! 王都の陰謀など、甘いスイーツで吹き飛ばした!」

拍手が沸き起こった。

王子は失意の底に、リリアは引きずられていく。

私はリオンとミアと、手を繋いだ。

これが、私のざまぁ。

爽快で、甘い復讐。

パーティーの最後、私は王に直接謁見を許された。

王は老いた目で、私を見た。

「エレナ嬢。君の才能を、王国のために使ってくれぬか?」

私は微笑んだ。

「いいわ。でも、私の条件で」

王都に、私のカフェを開く。

元の世界で、最高の場所に。

すべてを失った場所で、すべてを取り戻す。

私の物語は、まだ続く。

ハッピーエンドへ、甘く向かって。

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