婚約破棄された公爵令嬢は真の聖女でした ～偽りの妹を追放し、冷徹騎士団長に永遠を誓う～

第27話: 結婚の約束

第27話: 結婚の約束

王位変動の審議会から一週間後、王宮は穏やかな祝賀ムードに包まれていた。

ルキノの隠棲とエテルナの追放が正式に決定し、王妃イザベラの摂政体制が確立。  
アプリリアは「王国の守護聖女」として、自由な立場で王国を支えることになった。

その日、アプリリアとガイアは、王都郊外の静かな丘陵でデートを楽しんでいた。

馬車で訪れた小さな湖畔。  
青い空、穏やかな水面、周囲を囲む花畑。  
王宮の喧騒から離れた、二人だけの世界。

アプリリアは、淡いピンクのドレスを纏い、黒髪に花を挿していた。  
ガイアは、騎士服ではなく、珍しくシンプルな白のシャツとズボン。  
銀髪が風に揺れ、いつもより柔らかい表情。

二人は、手を繋いで湖畔を散歩した。

「ガイア。  
こんなにのんびりするのは、久しぶりね」

ガイアが、アプリリアの手を優しく握り返す。

「ああ。  
戦いばかりだったからな」

湖のほとりに、ピクニックのシートを広げた。  
リオが事前に準備してくれたバスケットには、  
サンドイッチ、フルーツ、ケーキ、ワインが入っている。

アプリリアが、ガイアにサンドイッチを差し出す。

「あーん」

ガイアの耳が、赤くなる。

「……自分で食える」

でも、アプリリアの笑顔に負けて、口を開ける。

「美味しい？」

ガイアが、頷く。

「……最高だ」

アプリリアが、くすくす笑う。

二人は、シートに並んで座り、湖を見た。

ガイアが、ワインを注ぐ。

「アプリリア。  
王妃の座を、断ってくれて……ありがとう」

アプリリアは、首を振った。

「私は、王妃より、あなたの隣がいいわ。  
自由に、聖女として生きて、  
あなたと一緒にいたい」

ガイアが、アプリリアの肩を抱いた。

「俺もだ。  
お前がいれば、どこでも幸せだ」

二人は、ワインで乾杯。

「私たちの、未来に」

グラスが、軽く触れ合う。

甘いワインの香り。

食事が終わると、湖畔の花畑へ移動した。

色とりどりの花が、風に揺れる。

アプリリアが、花冠を作り始めた。

「ガイア、頭貸して」

ガイアが、素直に座る。

アプリリアが、花冠をガイアの銀髪に載せる。

「似合うわ！  
王子様みたい」

ガイアが、照れくさそうに笑う。

「お前にも、作る」

ガイアが、不器用ながら花を摘み、アプリリアの頭に載せた。

「どうだ？」

アプリリアが、くるりと回る。

「素敵！  
ありがとう、ガイア」

二人は、花畑の中で抱き合った。

ガイアが、アプリリアの腰を抱き、キスをする。

優しく、深く。

花びらが、風に舞う。

甘い時間。

次に、湖でボートに乗った。

ガイアが漕ぎ、アプリリアが前に座る。

水面が、キラキラ輝く。

アプリリアが、水に手を浸す。

「ガイア。  
これからも、ずっと一緒にいてね」

ガイアが、漕ぐ手を止めて、アプリリアの手を取る。

「当たり前だ。  
お前を、離さない」

ボートの上で、再びキス。

夕陽が、湖を赤く染める。

甘々シーン満載のデート。

二人は、丘の上に移動した。

夕陽を見ながら、並んで座る。

ガイアが、ポケットから小さな箱を取り出した。

アプリリアの目が、丸くなる。

「ガイア……？」

ガイアが、箱を開ける。

中には、銀のリング。  
青い宝石が、輝いている。

「アプリリア。  
俺と、結婚してくれ」

アプリリアの目から、涙がこぼれた。

「ガイア……！」

ガイアが、アプリリアの左手に、リングを滑らせる。

「俺は、不器用で、言葉も少ない。  
だが、お前を一生、守る。  
幸せにする」

アプリリアが、ガイアを抱きしめた。

「はい……！  
私も、あなたを幸せにするわ。  
ずっと、愛してる」

二人は、夕陽の下で、長いキスを交わした。

婚約の約束。

甘い、甘い瞬間。

王宮に戻った二人は、王妃に報告した。

王妃が、微笑む。

「おめでとう。  
結婚式は、王国中で祝おう」

ゼストが、妹を抱きしめる。

「アプリリア、幸せになれよ」

リオが、涙を流す。

「アプリリア様！ ガイア様！ おめでとうございます！」

カイルが、ガイアを叩く。

「団長！ やったな！」

婚約発表は、王国中に広まった。

民の歓声が、響く。

「聖女様と騎士団長の婚約！ 万歳！」

アプリリアとガイアは、  
これから、幸せな日々を歩む。

甘々デートシーンで、  
ロマンスを締めくくり。

二人の愛は、  
永遠のものになった。

夕陽が、沈む。

新しい人生の、始まり。