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12カッコいい筋肉
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砂漠を抜けると緑の大地が現れた。暖かい穏やかな風が心地いい。熱帯地を離れたのだろうか。今日は宿をとると言う。この世界で宿屋でお泊りなんか初めてだ。ワクワクする気持ちでいっぱいだ。いっぱいなんだけどなぁ。このルミエールの身体は軟弱過ぎた。まあ、オレの身体なんだけどなあ。
「もう少しだ。頑張れ」
イスベルクの綺麗な眉毛がへにょりと下がっている。
「空いている宿屋を見つけましたよ。医者の手配もしておきました」
さすがユージナル。迅速な対応ありがとう。護衛だけじゃなく執事もできるんじゃないの?
「ありが……とう……ぁ……」
オレは声を出す力もないのか。熱があがっているようだ。自分の身体なのに情けない。
「ルミエール。しゃべらなくてもいい。俺がなんとかしてやる。だから今は眠れ」
ごめんよ。オレ本当は回復魔法は得意なんだ。でも今日のこれは体力不足なんだと思う。身体がだるくて腕も上がらない。自分に魔法をかける事も出来ない。ずっと抱っこしてもらっていたのにな。これじゃあただのお荷物じゃないか。
薄緑の壁紙に明るく綺麗な室内。宿屋の手配で駆け付けてくれた医者はオレを診てすぐに二人に説教をしだした。
「いいですか! 身なりからしてあなた方は貴族か金持ちなんでしょうが、この子は栄養失調です。めまいもひどかったと思いますよ。ちゃんと食事はさせてください! そして体力もないのに連れ歩くのは疲れさすだけです! きちんと休憩もとって、この子の身体の様子を見ながら旅を進めてください」
「ルミエールは初めての旅だったのに無茶な移動の仕方で疲れがでてしまったのか」
「ご自身で無茶な移動とわかってらっしゃるので?」
「……早く連れて帰りたかったのだ」
「おや。珍しく素直じゃないですか」
「うるさいな!」
ふふふ。また漫才が始まった。この二人は本当に仲が良いなあ。
「何を笑っている? どこか痛いところとかないのか?」
「はい。薬を飲んだので少しマシです」
「そうか。よかった」
イスベルクが寝ているオレの頭を撫でる。冷たくて気持ちがいい。熱がまだ下がりきってないんだろうな。オレはその手を掴んでおでこに載せた。
「気持ちいい」
「そ、そうか。き、気持ちがイイのか」
「うん。イスベルクの手は大きくて気持ちがいい」
「お、大きくて? そ、そうだ俺のは大きいぞ。小さなお前の身体には大きすぎるかも……」
スパンっと音がした。お笑いでよくやる頭を軽くたたくやつだ。
「こほん。今の発言はどうかと思います」
「ユージナル……お前主人に向かって」
「今のは親友としてです。友として友人を妄想から現実に引き戻させていただきました」
「……別に妄想など」
「焦りは禁物です。相手は虐待に近い待遇でしたが、まっさらで手つかずの子なんですよ!」
「俺は戦は得意だがこういう感情には慣れていないのだ」
「やっぱり……」
「それ以上言うなよ……わかってると思うが」
「言いません! 言いませんってば!」
「ふ。ふふははは。面白い」
なんだかよくわからないが二人のやり取りが面白い。イスベルクが怒ると氷の矢が現れるがそれをユージナルがうまくかわす。そしてまたユージナルが何か言うとイスベルクが怒る。わざとユージナルが冷やかしているのだ。
「二人はとっても仲良しなんだね……ってごめんなさい。敬語を忘れてました」
あちゃー。ついつい敬語を忘れちゃうんだよね。相手は皇太子さまなのに。
「いや、いいぞ。ルミエールは俺の伴侶だ。敬語など必要ない」
「ほんと? 普通に話していいの?」
やったあ。助かる。オレって目上の人に敬語使うの苦手なんだよね。
「へへへ。嬉しい」
「可愛いな」
「可愛いですね」
可愛いというのはこのルミエールの見た目のせいだな。オレは可愛いよりもカッコイイほうが良い。
「ご飯沢山たべます。」
「どうした急に?」
「イスベルクみたいににカッコよくなりたい」
「くぅ~~~っ」
「はいはい。イスベルク様戻ってきてくださーい」
「だから鍛錬教えてね。どうしたらいいかわからないから」
そうだ二人みたいに筋肉のついた身体になるのだ。マッチョマン希望!
「教えてだと? どうしたらいいかわからない? って?」
「鍛錬のことですよ! 鍛錬ですよ~。イスベルク様聞こえてます?」
オレは手を伸ばしてイスベルクの腕をさすった。いつ触ってもこの上腕二頭筋はすげえ。
「カッコいいな」
「そ、そうか?」
「うん。力こぶ作って」
オレが言うとイスベルクが腕に力を入れてくれた。
「わあ凄い! 硬い! 腕が太い! カッコいいな」
「……硬くて……太い……そうだ。俺のは硬くて太いんだ……」
「イスベルク様。外で武闘稽古して発散させましょう」
ユージナルが固まったイスベルクをずるずると引きずって行った。おお。凄いなユージナルも力持ちだ。
その日は陽が沈むまで宿屋の庭で二人は武闘稽古を続けていた。やっぱり強くなるには日々の稽古が必要なんだな。
「もう少しだ。頑張れ」
イスベルクの綺麗な眉毛がへにょりと下がっている。
「空いている宿屋を見つけましたよ。医者の手配もしておきました」
さすがユージナル。迅速な対応ありがとう。護衛だけじゃなく執事もできるんじゃないの?
「ありが……とう……ぁ……」
オレは声を出す力もないのか。熱があがっているようだ。自分の身体なのに情けない。
「ルミエール。しゃべらなくてもいい。俺がなんとかしてやる。だから今は眠れ」
ごめんよ。オレ本当は回復魔法は得意なんだ。でも今日のこれは体力不足なんだと思う。身体がだるくて腕も上がらない。自分に魔法をかける事も出来ない。ずっと抱っこしてもらっていたのにな。これじゃあただのお荷物じゃないか。
薄緑の壁紙に明るく綺麗な室内。宿屋の手配で駆け付けてくれた医者はオレを診てすぐに二人に説教をしだした。
「いいですか! 身なりからしてあなた方は貴族か金持ちなんでしょうが、この子は栄養失調です。めまいもひどかったと思いますよ。ちゃんと食事はさせてください! そして体力もないのに連れ歩くのは疲れさすだけです! きちんと休憩もとって、この子の身体の様子を見ながら旅を進めてください」
「ルミエールは初めての旅だったのに無茶な移動の仕方で疲れがでてしまったのか」
「ご自身で無茶な移動とわかってらっしゃるので?」
「……早く連れて帰りたかったのだ」
「おや。珍しく素直じゃないですか」
「うるさいな!」
ふふふ。また漫才が始まった。この二人は本当に仲が良いなあ。
「何を笑っている? どこか痛いところとかないのか?」
「はい。薬を飲んだので少しマシです」
「そうか。よかった」
イスベルクが寝ているオレの頭を撫でる。冷たくて気持ちがいい。熱がまだ下がりきってないんだろうな。オレはその手を掴んでおでこに載せた。
「気持ちいい」
「そ、そうか。き、気持ちがイイのか」
「うん。イスベルクの手は大きくて気持ちがいい」
「お、大きくて? そ、そうだ俺のは大きいぞ。小さなお前の身体には大きすぎるかも……」
スパンっと音がした。お笑いでよくやる頭を軽くたたくやつだ。
「こほん。今の発言はどうかと思います」
「ユージナル……お前主人に向かって」
「今のは親友としてです。友として友人を妄想から現実に引き戻させていただきました」
「……別に妄想など」
「焦りは禁物です。相手は虐待に近い待遇でしたが、まっさらで手つかずの子なんですよ!」
「俺は戦は得意だがこういう感情には慣れていないのだ」
「やっぱり……」
「それ以上言うなよ……わかってると思うが」
「言いません! 言いませんってば!」
「ふ。ふふははは。面白い」
なんだかよくわからないが二人のやり取りが面白い。イスベルクが怒ると氷の矢が現れるがそれをユージナルがうまくかわす。そしてまたユージナルが何か言うとイスベルクが怒る。わざとユージナルが冷やかしているのだ。
「二人はとっても仲良しなんだね……ってごめんなさい。敬語を忘れてました」
あちゃー。ついつい敬語を忘れちゃうんだよね。相手は皇太子さまなのに。
「いや、いいぞ。ルミエールは俺の伴侶だ。敬語など必要ない」
「ほんと? 普通に話していいの?」
やったあ。助かる。オレって目上の人に敬語使うの苦手なんだよね。
「へへへ。嬉しい」
「可愛いな」
「可愛いですね」
可愛いというのはこのルミエールの見た目のせいだな。オレは可愛いよりもカッコイイほうが良い。
「ご飯沢山たべます。」
「どうした急に?」
「イスベルクみたいににカッコよくなりたい」
「くぅ~~~っ」
「はいはい。イスベルク様戻ってきてくださーい」
「だから鍛錬教えてね。どうしたらいいかわからないから」
そうだ二人みたいに筋肉のついた身体になるのだ。マッチョマン希望!
「教えてだと? どうしたらいいかわからない? って?」
「鍛錬のことですよ! 鍛錬ですよ~。イスベルク様聞こえてます?」
オレは手を伸ばしてイスベルクの腕をさすった。いつ触ってもこの上腕二頭筋はすげえ。
「カッコいいな」
「そ、そうか?」
「うん。力こぶ作って」
オレが言うとイスベルクが腕に力を入れてくれた。
「わあ凄い! 硬い! 腕が太い! カッコいいな」
「……硬くて……太い……そうだ。俺のは硬くて太いんだ……」
「イスベルク様。外で武闘稽古して発散させましょう」
ユージナルが固まったイスベルクをずるずると引きずって行った。おお。凄いなユージナルも力持ちだ。
その日は陽が沈むまで宿屋の庭で二人は武闘稽古を続けていた。やっぱり強くなるには日々の稽古が必要なんだな。
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