【本編完結】転生先で断罪された僕は冷酷な騎士団長に囚われる

ゆうきぼし/優輝星

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17 襲撃

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【マスター!ルーン】【防御セキュリティ不正アクセス】【次ノコマンドオネガイシマス】
 急に要塞全体に警告が鳴る。先日の僕の足跡から逆探知をしようと試みている奴がいる。
「ルーン。つかまれ!」
 シュラウドが僕を抱きかかえるとあっという間に二階に駆け上がる。スクリーン画面が点滅していた。
【ダミー機能開始シマス】

「敵襲か? 状況はどうなっている?」
「おとり用のダミーをいくつか作成して設置してるんだ。それに反応してる」
【コード・ゼロ】で僕がハッキングした先からの追跡をかわせるようにいくつか別の場所にダミーを作成しておいた。敵をかく乱させるためだ。だが敵のシステムはダミーをことごとく見破ってくる。
「さすがは中央のシステム。展開が早い。この場所の特定は時間の問題かもしれない」
 僕の個別識別コードを追ってきたのか。実戦に持ち込むつもりだな。
「ルーンを追ってきたのなら正室派の刺客か」
「くそっ! そんなにも僕が邪魔なのか」
 僕が処刑場から逃げ出したのはシュラウドの力だと思い込んでるかもしれない。だが、ハッキングしたのは僕に関する資料だったので、僕が関わっていると露見しているだろう。僕が魔力を使える事は半信半疑のはず。

「おそらく、ルーンの存在自体を抹消してしまいたかったのだ」
 元から僕を侯爵家の人間として扱っていなかったじゃないか! 以前のルーンならここですべてを諦めていただろう。だが、相沢唯人の前世を思い出した今は違う! やられっぱなしは悔しい。僕は絶対冤罪を晴らしたい!
「爵位には興味はありません。でも冤罪は晴らしたい」
「だが、コード・ゼロが使えると中央に勘づかれると連れ戻される可能性が高い」
トラップをいくつか仕掛けるつもりです」

【マスタールーン】【攻撃サレテイマス】
「こうなったら地図上から消してしまおう」
【構築シマス】【終了マデセカンド0821……】
「時間稼ぎが必要だな。俺が攻撃に出る!」
「僕もやります!」
「では補助を頼む! 過去を乗り越えたお前ならできる!」

 中庭に出るとバリアを攻撃する多数の敵の姿が見える。ドローンのような飛行物体に乗っている奴、直接中に入り込もうとしている奴。何かの戦闘ゲームのようだと、かつてしていたオンラインゲームを思い出す。空中戦はバランスを崩す風魔法に弱いはず。対抗戦は動きを封じてしまえばいい。せっかく綺麗に復活させた中庭を荒らされてたまるものか!

「ルーン!」
 シュラウドが何かを唱えると僕のまわりにだけ防御魔法シールドが出来る。その瞬間、要塞のバリアが破壊された。

 ピシピシッ!パァンッ

 敵が一斉に僕らに襲ってきた。シュラウドが僕をかばうのなら僕がシュラウドを守る! シュラウドは黒馬ノワールに乗り、電のごとく剣をさばき、敵を蹴散らしていく。琥珀色の肌に金の瞳。美しい戦神だ。だがどこか苦しそうでもある。僕はシュラウドの動きに合わせ、コード・ゼロで風魔法を操り、空中にいる敵を吹き飛ばす。侵入者にも植物を巨大化させ、伸びた枝やつたを絡ませ、その動きを封じ、要塞の外に放り出す。

「シュラウド戻ってきて!」
 大規模魔法の構築が終わった。これで要塞全体に保護と隠匿をかけられる!
「わかった」
 シュラウドの帰還とともに、僕はコード・ゼロを全開し、周辺に魔法を構築する。防御壁バリアを複数重ね掛けをし、その上を植物を編み込み覆い隠した。これで外からはジャングルのように見えるだろう。目くらましと、隠匿を上掛けし、地図上から存在を消す。
 

「よくやった。ルーン」
 シュラウドがまた後ろから抱き込んできた。筋肉質な体に包み込まれるように抱きしめられると、ほっとして力が抜ける。少し伸びた無精ひげに頬を寄せるとキスをくれた。僕が魔法を使ったから、心配して自分の魔力を馴染ませようとしてくれるのだ。……昨夜の余韻を思い出しそうになる。

 でも、最初のころと違って、シュラウドの魔力に揺れを感じる。これは敵と戦ったからなのか?
「シュラウド。僕に隠していることがあるでしょ?」

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