ショートショート短編SS 置き場

ゆうきぼし/優輝星

文字の大きさ
4 / 18

「上向け上!」

しおりを挟む
 あらすじ
~~同性婚が認められた国。タクトは「男は上向け上!なんだよ」とパンツの中のモノが上向きに固定されないとだめだと飲み会で言いだす。終いには俺の下着をみろと脱ぎだそうとする始末。俺はあわてて家まで連れ帰った。そしてつい、そのパンツをみたくなって……。~~~

 R指定です。背後注意でお読みください。




「男はさぁ、上向け上! なんだよ。わかるぅ?」

 大声で叫んでるのは俺の伴侶である鮎川タクトだ。俺は小池修。夫夫別姓なのは免許証などの手続きとかがややこしかったからだ。

 今日は以前からタクトが関わっていたプロジェクトが一段落をした祝いにと、仲の良い同僚達と俺を含め数人で居酒屋に来ていた。

 この国で同性婚が認められて久しいがまだまだ偏見の目はある。なのにコイツときたら、人目を気にせず俺の腰を抱いて同僚たちとパンツ談義なぞ始めやがった。ったく。恥ずかしい……。ただでさえ、男同士ってどうなんだって聞かれることもあるのに。話題はパンツって。下ネタ、もしくは夜の交わりを勝手に連想されるのはイヤだ。



「いやいや、鮎川。普通はさ、右か左にちょいカーブするじゃん。まぁそれって入れやすい足の方に偏らせるせいだっていう話もあるけどさ。おれはやっぱりゆったり出来るトランクスがいいなぁ」

「そうか? 俺はブリーフかなぁ。肌にいいのはやっぱり綿素材だぜ。俺って右寄りだからさ。左に体重かける癖があるんだ」

 なんて口々にどっちに傾いてるかって話にまでなってきている。

「違うってば。俺はそうやって曲がるのが許せねえんだ!」

 タクトがまた叫んだ。しかも俺のケツを撫でながら……。

「いいかっ。お前ら! 男はな! まっすぐ上を向くべきなんだよ!理想形は垂直型だ!だからオレはこういう下着をだな……」

 言うが早いかカチャカチャとベルトを外し始めた。

「わ~っ! まっ待て待て!早まるな!ココは外だぞ!公衆の面前で何しようとしてんだ!お前飲みすぎなんだよ!」

「何言ってんだ! 俺は酔ってなんかないぞ!」

 はい。でました。酔っ払いが必ず言う『俺は酔ってない宣言』。

「お?鮎川。ストリップかぁ?やれやれ~」

 周りは面白がって囃し立てる。だめだ。彼らも酔っ払いだ。

「おうっ。そうか。皆俺の下着が見たいか~!」

 ヘラヘラ笑ってタクトがズボンのジッパーに手をかけた瞬間、俺の手刀がみぞおちに決まる。こうみえて俺は合気道の段持ちだ。タクトはそのまま膝から崩れ落ちた。

「あれぇ。鮎川。もうダウン?相変わらず酒弱いねぇ」

 同僚の一人が呆れた感じで笑う。

「え? 以前もコイツ。その……こんな事を?」

 まさか毎回脱いでいたのか?!

「あ~。いやいやストリップはしてないぜ。ただ飲んだらすぐに寝ちゃうんだよ。でも最近は飲まない様にしてたみたいだぜ。多分今日は小池ちゃんが来てたから気が緩んでたんじゃねえの?」

「そっか。ごめんね。俺もう連れて帰ります。今日はありがとうございました」

 とりあえずどこでも脱いでなくてよかったとホッとしてタクシーをつかまえて家路に急いだ



「ほらっ。着いたぞ。いい加減自分で歩けよっ」

 タクトはむにゃむにゃ言いながら俺の肩に寄り掛かるように体重をかけてくる。その重い身体を半ば引きずるようにしてベットまで連れてきた。

「はぁ。お前さ、俺よりも図体デカイくせに情けねえぞ」

「う~ん。愛してるよ。修ちゃん」

「もぉ。そんな時しか言わないくせにっ」

 普段は恥ずかしいのか甘い囁きなんかしないくせに。こういうときだけ甘えるように言ってくる。まあでも、そんなところが可愛いなんて思う俺のほうがどうかしてるのかもしれない。

 どさりとベットの上に放り投げると靴下を脱がせてやる。

「俺って世話女房みたいだな」

 パジャマに着替えさせようとジッパーに手をかけた途端。興味がわいた。皆にどんな下着を見せるつもりだったんだろうか?

 タクトがいろんな下着を集めているのは知っている。そもそもこいつはノンケだったのだ。それを俺が誘って一気に堕とした。何度か同じ飲み屋で一緒になって今日見たいに酔っぱらったところを襲っちまった。

 それからは俺に飽きられねえようにといろいろと頑張ってくれてるみたいだ。俺の方こそお前に捨てられないか不安だったのに結婚って形をとって俺に安心感を与えてくれた。



「タクト脱がすよ……」

 俺がジッパーを降ろすと半勃ちしたイチモツが現れた。

「……ぷっ」

 思わず吹き出してしまった。それはしっかりと上を向いた状態で固定されていたからだ。いわゆるリフトアップサポーターというやつだ。腰骨の位置でウエストゴムが一周されおり、股間の前面部分にU字型のゴムがついている。そこに通して更にウエストゴムにある隠しポケットに竿を上に向くように入れて固定する。そう、タクトのイチモツは長いのだ。

「これってパンツっていうのかな?」

 律儀に上を向く姿が可愛くてちゅっと口づけを落とすとふるふると震えてさらに勃ち上がってくる。

「ちょっとだけ。イタズラしちゃおうかな」

 サポーターを外すと先端を舌でつつくようにして吸い上げる。徐々に硬くなってきたモノに舌を這わせ丹念に舐め上げた。

 ふと気になったことを口に出してみた。

「なんで急に上向きとか言い出したのかな?」

「……お前が良いって言ったんじゃないか」

「え? タクト起きてたのか?まだ酔ってるんじゃ」

「ちょっと前から気づいてたよ。まだ酔いは冷めてねえけどな」

 グッと手を引っ張られベットに仰向けにされた。マズイ。立場が逆転になっちまう。

「俺が……っていつそんなこと言ったっけ?」

「こないだ美術館に行ったとき。彫像見て曲・が・っ・て・な・く・て・綺・麗・だ・って言ってたじゃねえか」

「はぁ?こないだのデートした時の話?。……そういえば言ったかなぁ。いや、しかしあれは芸術的に見て綺麗な身体のラインだって思ったんだよ」

「うそつけ!思いっきりアソコをガン見してたじゃねえか!」

 ううっ。バレてたか。いや、でも彫像だよ?生身の人間じゃないのに。そんなこと気にしてたんだ。



「はっはははは。お前って本当に」

「笑うなよ!俺はお前の一番じゃなきゃ嫌なんだよ」

 なんだよそれ。お前ってどんだけ俺の事好きなの?

「ああ。本当に可愛いなあ。タクトお前が一番だよ」

「うそつけ」

「本当さ。俺がどれだけお前に惚れてるか今から教えてやるよ。なぁ俺のパンツも見せようか?」

「……ああ。見せてくれ」

 タクトの目がギラギラと獲物を見る目になった。もう酔いは冷めたのかな?いやもっと甘美な世界に酔ってもらおうか。俺は焦らすように上着から脱ぎ始める。

 タクトがチっと舌打ちすると腕を引っ張られ仰向けに寝かされた。形勢逆転とばかりにニヤニヤした顔が迫ってくる。

「さっきはよくもイタズラしてくれたな。今度は俺の番だからな」

「うっ。優しくしてくれよ」

 タクトの手が俺の腹を撫でてそのまま下へと降りてきた。

「俺、やっぱりパンツよりパンツの中身の方が好きだわ」

 一気に履いていたものを全部脱がされる。

「あっ……パンツ見るって言ってたじゃん……」

「お前自身のほうがいい」

 両足を抱え上げられ股間に顔をうずめてくる。

「な? ちょっ、ちょっと待って。……あんっ」

「やだ。シたい。すぐ挿れたい」

 ぴちゃぴちゃと濡れた音が聞こえる。

「ぁあっやめ。そんなとこ汚いっ。やぁああ」



 すぐに後蕾に指が差し入れられた。

「ふふ。昨日もシたからまだ柔らかいね」

 そうだ。昨夜もかなりしつこく迫られた。もう俺の中はタクトの形を覚えてしまっている。その長い竿で奥の奥をクポッとされるのが好きなのだ。

「あんまり奥ばかり責めたら身体によくないから今日は浅く深く……泣くほどよがらせてあげるから」

 それはそれで良いかもしれない。俺は期待に満ちた目で頷いた。



     おわり。



後書き
深山恐竜様主催、五四餡様共催の、#おぱんつ企画への参加作品です。読んでいただきありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

甘々彼氏

すずかけあおい
BL
15歳の年の差のせいか、敦朗さんは俺をやたら甘やかす。 攻めに甘やかされる受けの話です。 〔攻め〕敦朗(あつろう)34歳・社会人 〔受け〕多希(たき)19歳・大学一年

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

敗戦国の王子を犯して拐う

月歌(ツキウタ)
BL
祖国の王に家族を殺された男は一人隣国に逃れた。時が満ち、男は隣国の兵となり祖国に攻め込む。そして男は陥落した城に辿り着く。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

創作BL短編集

さるやま
BL
短編まとめました。 美形×平凡、ヤンデレ、執着・溺愛攻め多め

処理中です...