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第15話 騎士の引き継ぎ
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「てめぇ呼び出された理由はわかるか?」
空が紫に代わる頃、オレたち3人と対峙しているのはレンガの様な髪色の不良っぽい服装の少年である
「…テメェ、柳に何しやがった!?」
「うるせぇよ」
掴みかかってくる手を捻り上げオレは告げる
ちなみに桜の背中にカナは隠されている
「耳穴かっぽじってよーく聞きやがれ。
カナは転入生に悪意を持ってる奴らにヤられかけた
どういうことかわかるか?駄犬?」
綺麗な笑顔を作ってオレが告げる
何もしないくせにやったつもりでいるこの駄犬が気にくわない
オレは突き飛ばすように捻り上げた腕を離す
「オレたちが来なかったらどうなってたか…わかるよな?」
「ぐっ…」
「…キミたちに言うのもまだ早いとは思ってるんだけど、この閉鎖的空間ではどうしようもないから…カナちゃんを守りたいなら、死ぬ気で抗えよ」
最初は憂うように、最後は男を睨みつけるように桜が告げる
呆然と桜を見る男
「ここはカナちゃんにとって敵ばっかだよ?転入生くんですらカナちゃんを生贄にしてる。天然を装って巻き込んで、わざと矛先がカナちゃんにいくようにしてる。転入生くんには腑抜けたちがいるけど、カナちゃんには後ろ盾がない…
この意味、わかるよね?」
口元だけ上げているが目が笑っていない桜
桜の言葉にグッと押し黙る男
「…お前、自分の影響力わかってる?お前にその気がなくても勝手に動き出す奴がいるんだ。それを自覚しろ、んで考えろ。
覚悟がないなら、カナに今後もう関わるな」
オレが告げるとグッと拳を作る男
ギリッという音がした
「代赭くん…」
心配そうにカナが呟いた
本人も無意識だろうな
「…け…んな」
「あ?」
「ふざけんなっ!!」
避けれるけど、振りかぶった拳を甘んじて受ける
そして飛ばされる
「柳とっ!奏と離れるなんて出来るわけねぇだろ!!なら、決めてやる!覚悟でも何でも!!
お前に指図される覚えはねぇ!だけどな、全部から守る!俺がだ!!
お前にだって譲らねぇ!!」
一気に怒鳴って息切れしてる男を見ながらオレは砂を払って立ち上がる
「だって、カナ。どうする?」
桜の後ろを振り返りながらオレがニカッと笑う
桜は少し横にズレてカナの正面に男がくるように…
「ぼ、ぼく…は…」
少し俯いて考えるカナ
そして直ぐに真っ直ぐ男を見て男の前まで進む
「私、可愛くもないし、気の利いた事も言えないし…トロいし…でも、それでも一緒に居てくれて代赭くんと一緒に居たい…最初に愛から離してくれようとしてたのは代赭くんだったから…」
「奏…」
「私はね、君がちゃんと優しいことも思いやれることも知ってるよ?
最初の噂の真実も知ってるんだ…だから、私は君と…蓮夜くんと居たい」
「…奏のことは絶対に俺が守るから」
カナを抱きしめる男にカナは幸せそうに笑っていた
「オレらそっちのけだよなー」
「ショウ、ワザと煽ったでしょう?」
「…なんのことやら?」
「とりあえず、帰ったら冷やしなよ?欠席届出しとくから」
「うぃーっす」
桜のことばに返事をする
「お二人さーん。ラブラブなのは良いんだけどボクたちの話も聞いてくれるかなー?」
「「っ!?」」
2人は慌てて離れた
初々しいなぁ…
「ねぇ、カナちゃん。言わなきゃいけないことあるよね?」
「え…」
「キミのことだよ。内緒にできるもんでもないし…」
何か思い当たる節があるのか大きく目を見開いている
「何で…知って…」
「オレらも虐めたい訳じゃないし、ここ以外でバラすことはない…でもカナの騎士には言っとく方がいいんじゃないか?」
「……」
「大丈夫だよーカナちゃんの騎士がそんなことで離れる訳ないよー」
ふわりと笑う桜にカナはまだ戸惑っている
ね?と桜が男に言うと男が少し考えた後、奏に目線を合わせるように屈んだ
「俺に何を言ってないかはわからないけど、俺はもう奏の側を離れない。離れられねぇ…だから、教えてくれないか?」
「うん…あのね蓮夜くん」
ギュっと自分の袖を掴み、必死で言葉を紡ごうとするカナを見て…萌えt「ショウ自重」
…とうとう桜はオレの心まで読めるらしい
「ぼく…いや、私は女なの…」
シーンと静まり返る
ぎゅっと目を瞑るカナ
そう、最後の女子。不登校と言われていた女子は柳奏である
普通の女子の奏は男子ばかりの学校に耐えきれなくて男子の格好をして通っていた
それが理由で1人部屋だったのに今の校長がその事情を知らずカナと転入生を同室にしてしまったのである
「…そう、か…女か…」
「騙してた、訳じゃなく、て…」
今にも泣きそうな声のカナ
そんなカナを抱きしめる男
「!?」
「あーよかった。悩んでた俺が馬鹿みてぇじゃんか」
どこかスッキリした顔で笑う男
「言ったろー?大丈夫だって!」
「そうそう!もうちょっと騎士くんを信頼してあげなよ」
オレと桜がカナの頭を撫でる
「って訳で…作戦会議しよーぜ!」
「そうだね。今も死にかけてる子がいるから手伝うついでに作戦会議ね」
「うぃーっす!」
オレと桜は2人を連れて歩き出したのだった
空が紫に代わる頃、オレたち3人と対峙しているのはレンガの様な髪色の不良っぽい服装の少年である
「…テメェ、柳に何しやがった!?」
「うるせぇよ」
掴みかかってくる手を捻り上げオレは告げる
ちなみに桜の背中にカナは隠されている
「耳穴かっぽじってよーく聞きやがれ。
カナは転入生に悪意を持ってる奴らにヤられかけた
どういうことかわかるか?駄犬?」
綺麗な笑顔を作ってオレが告げる
何もしないくせにやったつもりでいるこの駄犬が気にくわない
オレは突き飛ばすように捻り上げた腕を離す
「オレたちが来なかったらどうなってたか…わかるよな?」
「ぐっ…」
「…キミたちに言うのもまだ早いとは思ってるんだけど、この閉鎖的空間ではどうしようもないから…カナちゃんを守りたいなら、死ぬ気で抗えよ」
最初は憂うように、最後は男を睨みつけるように桜が告げる
呆然と桜を見る男
「ここはカナちゃんにとって敵ばっかだよ?転入生くんですらカナちゃんを生贄にしてる。天然を装って巻き込んで、わざと矛先がカナちゃんにいくようにしてる。転入生くんには腑抜けたちがいるけど、カナちゃんには後ろ盾がない…
この意味、わかるよね?」
口元だけ上げているが目が笑っていない桜
桜の言葉にグッと押し黙る男
「…お前、自分の影響力わかってる?お前にその気がなくても勝手に動き出す奴がいるんだ。それを自覚しろ、んで考えろ。
覚悟がないなら、カナに今後もう関わるな」
オレが告げるとグッと拳を作る男
ギリッという音がした
「代赭くん…」
心配そうにカナが呟いた
本人も無意識だろうな
「…け…んな」
「あ?」
「ふざけんなっ!!」
避けれるけど、振りかぶった拳を甘んじて受ける
そして飛ばされる
「柳とっ!奏と離れるなんて出来るわけねぇだろ!!なら、決めてやる!覚悟でも何でも!!
お前に指図される覚えはねぇ!だけどな、全部から守る!俺がだ!!
お前にだって譲らねぇ!!」
一気に怒鳴って息切れしてる男を見ながらオレは砂を払って立ち上がる
「だって、カナ。どうする?」
桜の後ろを振り返りながらオレがニカッと笑う
桜は少し横にズレてカナの正面に男がくるように…
「ぼ、ぼく…は…」
少し俯いて考えるカナ
そして直ぐに真っ直ぐ男を見て男の前まで進む
「私、可愛くもないし、気の利いた事も言えないし…トロいし…でも、それでも一緒に居てくれて代赭くんと一緒に居たい…最初に愛から離してくれようとしてたのは代赭くんだったから…」
「奏…」
「私はね、君がちゃんと優しいことも思いやれることも知ってるよ?
最初の噂の真実も知ってるんだ…だから、私は君と…蓮夜くんと居たい」
「…奏のことは絶対に俺が守るから」
カナを抱きしめる男にカナは幸せそうに笑っていた
「オレらそっちのけだよなー」
「ショウ、ワザと煽ったでしょう?」
「…なんのことやら?」
「とりあえず、帰ったら冷やしなよ?欠席届出しとくから」
「うぃーっす」
桜のことばに返事をする
「お二人さーん。ラブラブなのは良いんだけどボクたちの話も聞いてくれるかなー?」
「「っ!?」」
2人は慌てて離れた
初々しいなぁ…
「ねぇ、カナちゃん。言わなきゃいけないことあるよね?」
「え…」
「キミのことだよ。内緒にできるもんでもないし…」
何か思い当たる節があるのか大きく目を見開いている
「何で…知って…」
「オレらも虐めたい訳じゃないし、ここ以外でバラすことはない…でもカナの騎士には言っとく方がいいんじゃないか?」
「……」
「大丈夫だよーカナちゃんの騎士がそんなことで離れる訳ないよー」
ふわりと笑う桜にカナはまだ戸惑っている
ね?と桜が男に言うと男が少し考えた後、奏に目線を合わせるように屈んだ
「俺に何を言ってないかはわからないけど、俺はもう奏の側を離れない。離れられねぇ…だから、教えてくれないか?」
「うん…あのね蓮夜くん」
ギュっと自分の袖を掴み、必死で言葉を紡ごうとするカナを見て…萌えt「ショウ自重」
…とうとう桜はオレの心まで読めるらしい
「ぼく…いや、私は女なの…」
シーンと静まり返る
ぎゅっと目を瞑るカナ
そう、最後の女子。不登校と言われていた女子は柳奏である
普通の女子の奏は男子ばかりの学校に耐えきれなくて男子の格好をして通っていた
それが理由で1人部屋だったのに今の校長がその事情を知らずカナと転入生を同室にしてしまったのである
「…そう、か…女か…」
「騙してた、訳じゃなく、て…」
今にも泣きそうな声のカナ
そんなカナを抱きしめる男
「!?」
「あーよかった。悩んでた俺が馬鹿みてぇじゃんか」
どこかスッキリした顔で笑う男
「言ったろー?大丈夫だって!」
「そうそう!もうちょっと騎士くんを信頼してあげなよ」
オレと桜がカナの頭を撫でる
「って訳で…作戦会議しよーぜ!」
「そうだね。今も死にかけてる子がいるから手伝うついでに作戦会議ね」
「うぃーっす!」
オレと桜は2人を連れて歩き出したのだった
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