13 / 275
恋愛マスター
しおりを挟む
恋愛のことをわかっているかのような物言いのカモエリ。
普段の言動を見ていても、とてもそうは思えないが。
「ふふーん。運動部って、意外とドロドロしてんのよ?」冗談交じりに、脳筋と純真のハイブリッドみたいな感じのカモエリが? と言ったわたしに、むきになるどころか余裕な感じで返すカモエリ。
雰囲気こそ熟練者のそれだけど、内容的には……それってどうなんだろう。別に誇らしげに言うようなことじゃなくない?
「まー、カモエリが恋愛マスターだってのは分かったけどさー」
「何でも相談して!」
そんなんいう人ほど、実はたいしたことなかったりする。
「……カモちん、意外とすぐ調子に乗るよね」
「うん! 調子は乗れるときに乗っとかないと。すごいときなんてね? スリーポイント五本連続で決まったりするんだから!」
そういうことじゃない。そんなカモエリが恋愛上級者だなんて、やっぱり思えない。
わたしの見立てでは、よく一緒に遊んだり話したりするようになったグループの中で、一番恋愛経験が豊富そうなのはササだ。若干恋愛体質気味で、ちょっと小悪魔的でコケティッシュ。言い方に気を使わなければあざとい。それを別に隠そうともしていないしネタにしてみたりむしろ積極的にその感じを出してみたりするので、一般的な女子ウケは分からないけど、少なくてもわたしらのグループの中ではそういうものとして受け入れられている。
カヨは黙っていればちょっと高嶺の花感があって意外とモテると思うが、本人はそんなに関心がなさそう。
意外と伏兵なのが、ふたばだと思っている。うちらのなかではやや大人しめだけど、精神年齢は一番高い。
反比例して、ガキっぽいわたしたちと比較すると大人っぽくて、大人の恋愛が似合いそう。年上の彼氏がいるとか聞かされても、一瞬驚くけど、ふたばならあり得るかもとか思ってしまいそう。完全に印象だけだけど。
クラスのグループではないけれど、双子の姉のマレはバレエの世界に在って男女で踊ることもあるだろうし、寮では男女混合で共同生活を送っていることもあって、男性には慣れていそうだ。本人は生活も興味もバレエに特化していて、今のところ恋愛ごとにはまったく関心なさそうだけど、その気になれば彼氏くらいすぐに作れそうだ。
そんな中、カモエリには悪いけど、わたしとカモエリはちょっとザコっぽい。言っていて結構情けないが、客観的に見たらそんな評価になるだろう。
だから、與田くんがわたしに気があるってのは、やっぱり考えにくい。よく絡んでるって言ったって、それは完全に男友達同士のノリだもの。
普段の言動を見ていても、とてもそうは思えないが。
「ふふーん。運動部って、意外とドロドロしてんのよ?」冗談交じりに、脳筋と純真のハイブリッドみたいな感じのカモエリが? と言ったわたしに、むきになるどころか余裕な感じで返すカモエリ。
雰囲気こそ熟練者のそれだけど、内容的には……それってどうなんだろう。別に誇らしげに言うようなことじゃなくない?
「まー、カモエリが恋愛マスターだってのは分かったけどさー」
「何でも相談して!」
そんなんいう人ほど、実はたいしたことなかったりする。
「……カモちん、意外とすぐ調子に乗るよね」
「うん! 調子は乗れるときに乗っとかないと。すごいときなんてね? スリーポイント五本連続で決まったりするんだから!」
そういうことじゃない。そんなカモエリが恋愛上級者だなんて、やっぱり思えない。
わたしの見立てでは、よく一緒に遊んだり話したりするようになったグループの中で、一番恋愛経験が豊富そうなのはササだ。若干恋愛体質気味で、ちょっと小悪魔的でコケティッシュ。言い方に気を使わなければあざとい。それを別に隠そうともしていないしネタにしてみたりむしろ積極的にその感じを出してみたりするので、一般的な女子ウケは分からないけど、少なくてもわたしらのグループの中ではそういうものとして受け入れられている。
カヨは黙っていればちょっと高嶺の花感があって意外とモテると思うが、本人はそんなに関心がなさそう。
意外と伏兵なのが、ふたばだと思っている。うちらのなかではやや大人しめだけど、精神年齢は一番高い。
反比例して、ガキっぽいわたしたちと比較すると大人っぽくて、大人の恋愛が似合いそう。年上の彼氏がいるとか聞かされても、一瞬驚くけど、ふたばならあり得るかもとか思ってしまいそう。完全に印象だけだけど。
クラスのグループではないけれど、双子の姉のマレはバレエの世界に在って男女で踊ることもあるだろうし、寮では男女混合で共同生活を送っていることもあって、男性には慣れていそうだ。本人は生活も興味もバレエに特化していて、今のところ恋愛ごとにはまったく関心なさそうだけど、その気になれば彼氏くらいすぐに作れそうだ。
そんな中、カモエリには悪いけど、わたしとカモエリはちょっとザコっぽい。言っていて結構情けないが、客観的に見たらそんな評価になるだろう。
だから、與田くんがわたしに気があるってのは、やっぱり考えにくい。よく絡んでるって言ったって、それは完全に男友達同士のノリだもの。
0
あなたにおすすめの小説
スルドの声(嚶鳴2) terceira homenagem
桜のはなびら
現代文学
何かを諦めて。
代わりに得たもの。
色部誉にとってそれは、『サンバ』という音楽で使用する打楽器、『スルド』だった。
大学進学を機に入ったサンバチーム『ソール・エ・エストレーラ』で、入会早々に大きな企画を成功させた誉。
かつて、心血を注ぎ、寝食を忘れて取り組んでいたバレエの世界では、一度たりとも届くことのなかった栄光。
どれだけの人に支えられていても。
コンクールの舞台上ではひとり。
ひとりで戦い、他者を押し退け、限られた席に座る。
そのような世界には適性のなかった誉は、サンバの世界で知ることになる。
誉は多くの人に支えられていることを。
多くの人が、誉のやろうとしている企画を助けに来てくれた。
成功を収めた企画の発起人という栄誉を手に入れた誉。
誉の周りには、新たに人が集まってくる。
それは、誉の世界を広げるはずだ。
広がる世界が、良いか悪いかはともかくとして。
スルドの声(嚶鳴) terceira homenagem
桜のはなびら
現代文学
大学生となった誉。
慣れないひとり暮らしは想像以上に大変で。
想像もできなかったこともあったりして。
周囲に助けられながら、どうにか新生活が軌道に乗り始めて。
誉は受験以降休んでいたスルドを再開したいと思った。
スルド。
それはサンバで使用する打楽器のひとつ。
嘗て。
何も。その手には何も無いと思い知った時。
何もかもを諦め。
無為な日々を送っていた誉は、ある日偶然サンバパレードを目にした。
唯一でも随一でなくても。
主役なんかでなくても。
多数の中の一人に過ぎなかったとしても。
それでも、パレードの演者ひとりひとりが欠かせない存在に見えた。
気づけば誉は、サンバ隊の一員としてスルドという大太鼓を演奏していた。
スルドを再開しようと決めた誉は、近隣でスルドを演奏できる場を探していた。そこで、ひとりのスルド奏者の存在を知る。
配信動画の中でスルドを演奏していた彼女は、打楽器隊の中にあっては多数のパーツの中のひとつであるスルド奏者でありながら、脇役や添え物などとは思えない輝きを放っていた。
過去、身を置いていた世界にて、将来を嘱望されるトップランナーでありながら、終ぞ栄光を掴むことのなかった誉。
自分には必要ないと思っていた。
それは。届かないという現実をもう見たくないがための言い訳だったのかもしれない。
誉という名を持ちながら、縁のなかった栄光や栄誉。
もう一度。
今度はこの世界でもう一度。
誉はもう一度、栄光を追求する道に足を踏み入れる決意をする。
果てなく終わりのないスルドの道は、誉に何をもたらすのだろうか。
スルドの声(共鳴) terceira esperança
桜のはなびら
現代文学
日々を楽しく生きる。
望にとって、それはなによりも大切なこと。
大げさな夢も、大それた目標も、無くたって人生の価値が下がるわけではない。
それでも、心の奥に燻る思いには気が付いていた。
向かうべき場所。
到着したい場所。
そこに向かって懸命に突き進んでいる者。
得るべきもの。
手に入れたいもの。
それに向かって必死に手を伸ばしている者。
全部自分の都合じゃん。
全部自分の欲得じゃん。
などと嘯いてはみても、やっぱりそういうひとたちの努力は美しかった。
そういう対象がある者が羨ましかった。
望みを持たない望が、望みを得ていく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
スルドの声(反響) segunda rezar
桜のはなびら
キャラ文芸
恵まれた能力と資質をフル活用し、望まれた在り方を、望むように実現してきた彼女。
長子としての在り方を求められれば、理想の姉として振る舞った。
客観的な評価は充分。
しかし彼女自身がまだ満足していなかった。
周囲の望み以上に、妹を守りたいと望む彼女。彼女にとって、理想の姉とはそういう者であった。
理想の姉が守るべき妹が、ある日スルドと出会う。
姉として、見過ごすことなどできようもなかった。
※当作品は単体でも成立するように書いていますが、スルドの声(交響) primeira desejo の裏としての性質を持っています。
各話のタイトルに(LINK:primeira desejo〇〇)とあるものは、スルドの声(交響) primeira desejoの○○話とリンクしています。
表紙はaiで作成しています
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる