スルドの声(共鳴2) terceira esperança

桜のはなびら

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「うちの大石は侍みたいなんすよー」

「あー、なんかちょっとわかるかも」

「……それは、褒められてるのかな……?」

「ね、女の子に侍とか武士みたいっていわれても、あんまり嬉しくないよねぇ?」

「がんちゃんわかってなーい。最近は昔の実在した武将とか剣士とかを女の子にしたキャラとかうじゃうじゃいるんだから。女侍、アリでしょー?」

「ひいの言ってることが的を射ているのかは置いといて、侍とか武士は高潔さや凛としたイメージを持つ人に使われがちだから、全然誉め言葉でしょ」

「なるほど、そうかぁ」

「ふふん、うちの大石はそっちの犬みたいなのとは違うからね。次のバスケ部主将は大石でしょ」

「なんでカタちんが自慢気なのよ! うちのカモエリは確かに犬みたいで落ち着かないけど……ジャックラッセルテリアみたいでかわいいじゃない!」
 でも、正直主将に向いているかはなんとも。一方、確かに大石さんはまとめ役にも向いている気がする。

「うちの?」

「ああ、わたしとのんちゃんのクラスにもカモちゃんっていうバスケ部員がいるんです。今日観覧に来てくれたクラスメイトのグループのひとりです。隣のクラスの片岡さんは自クラスの大石さんを推してますから。どちらのクラスのバスケ部員の方が優れているかという、あまり意味のないマウントの取り合いになるのです」
 じゃれ合いみたいなもの。
 気にするだけ損ですよ、めがみさん。
 そう微笑むふたば。ふたばはめがみちゃんの本名を聴いて、「素敵なお名前」と、本名で呼ばせてもらっていた。

 かつては本名にわだかまりを持っていためがみちゃんも、今は吹っ切れていて、幼馴染であるわたしと再会した時、わたしはむかしのままの呼び方で呼んでしまっていたが、その時にはもう、どんな呼ばれ方でも気にならなくなっていたのだそうだ。

 素敵だというふたばからの呼び方にも、「ありがとう!」と言って受け入れていた。
 
「本当に。意味のないことを……カモは仲間だし良いポイントガードだよ。性格は、まあ、スモールフォワード向きだけど、ポイントガードとしての適性も充分にある。ポイントガードがキャプテンを務めるチームも多いからね。彼女がキャプテンになるなんてことは全然あり得るよ。ムードメーカーだし、良いキャプテンになるんじゃないかな」
 ほかにも良い選手はいるし、未経験者や中学の時はそれほど実績がなかった一年の中でも、来年までに伸びてくる選手がいるかもしれない。
 いずれにしても来年の三年と顧問が決めることであって、誰が選ばれてもそれがその時点でのチームにとって最適のはず。
 ややハスキーな声でそう語る大石さんは、やっぱりなんというか風格がある。
 
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