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本章
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浜松町駅で、穂積さん、柊姉妹と出会えた。マルガさんとルイの母娘、みこと、アリスンもここで合流する予定になっている。
このタイミングで行けるメンバーである程度まとまっていくことになっていた。羽田行きのモノレールに乗り換えられる浜松町駅を待ち合わせ場所としたのだ。
祷や穂積さんはもう十八歳を超えているししっかりしている。わたしたちだってもう高校生だ。飛行機くらい乗れる。
それでも大人がついているに越したことはないと、マルガさんが引率してくれることになった。
ちなみにマルガさんの再婚相手でルイの義父にあたるソータさんは仕事のため前乗りはできず明日着らしい。今回はジャックさんは都合で出られないから、スルドのプリメイラはソータさんとわたしの二本でがんばることになる。
合流するや、柊のおしゃべりが始まる。
「あー、がんちゃんそういうのも似合うね」と、ファッションを褒めてくれたのは少しこそばゆいが嬉しい。穂積さんも帽子も可愛いと言ってくれた。
そんな柊はブラックのスウェットにブラウン系タータンチェックのジャケットとハイウェストプリーツスカートのセットアップ、足元は光沢のあるブラック。シンプルで大人っぽい組み立てだ。身長が高いから足を出すと足の長さが際立ってモデルさんみたいで格好良さもあり、でもシルエットはガーリーで韓国のアイドルみたいな可愛さもある。
穂積さんにいたってはホワイトのカットソーに軽そうなブラックのブルゾンを肩から羽織り、ブラックのレザーキャスケットに薄く紫の入った丸サングラス、足元はホワイトでキメッキメだけど、ボトムスはブラックにホワイトのラインが入ったぴったりめのジャージでカジュアルダウンしている。海外セレブみたいだ。
ジャージにこんな格好良い履き方があるなんて。これが、上級者、というやつか。
......え、今日はほぼ移動するだけだよ? おしゃれさ、いる?
そんなおしゃれ姉妹からファッションのことを褒めてもらえたのは(祷のおかげだけど)少し誇らしかったが、それ以上にカエルのキーホルダーを目にした柊に、「あ、それかわいい! いのりとお揃いじゃん! うちらと一緒だねー」と、ドナルドのキーホルダーを見せながら言っていた柊の笑顔と、なぜか嬉しそうな穂積さんの顔、少し照れながら「良いでしょ?」と言っていた祷の顔を見られたことが、なんだかとても嬉しかった。
柊と穂積さん姉妹の仲の良さを遠い世界の出来事のように感じた日から、何ヶ月も経ったわけではないのに今では遠い過去のようだ。
程なくして、残りのメンバーも揃った。
向こうに着いたら徳島ラーメン食べたいね、などど話しながらみんなで羽田空港に向かった。
鯛めしも食べたいなと思ったが、現地に着くのは二十一時前。地方だと多くのお店は閉まっていて、チェーン店やお酒を飲んだ人たちが締めに寄るようなラーメン屋くらいしか開いてないと思われた。
メイさんや何人かのメンバーは既に現地にいるようだ。中には仕事を休みにしているひともいるらしい。
チームのトークグループには美味しそうな料理や、宴会の様子がアップされていた。いいなぁ。
飛行機から降りると、少し肌寒かった。
こっちの方が南で、温かいイメージがあったが、東京のような生温さがなく、向こうとは空気が違うように感じた。
二十一時という時間はまだ夜中というには早いが、徳島の夜は濃くて、星がよく見えた。
明日はこっちのサンビスタと初めての顔合わせだ。そして、一度しかない事前の練習の機会でもある。
大切な日になることは重々わかっていたが、みんなと一緒に過ごせることと、遅い時間に食べたラーメンが重くて、同世代女子グループだけで祷とわたしが泊まるツインルームに集まって遅くまでおしゃべりしてしまった。
祷も一緒だったし、少しくらい良いよね。
このタイミングで行けるメンバーである程度まとまっていくことになっていた。羽田行きのモノレールに乗り換えられる浜松町駅を待ち合わせ場所としたのだ。
祷や穂積さんはもう十八歳を超えているししっかりしている。わたしたちだってもう高校生だ。飛行機くらい乗れる。
それでも大人がついているに越したことはないと、マルガさんが引率してくれることになった。
ちなみにマルガさんの再婚相手でルイの義父にあたるソータさんは仕事のため前乗りはできず明日着らしい。今回はジャックさんは都合で出られないから、スルドのプリメイラはソータさんとわたしの二本でがんばることになる。
合流するや、柊のおしゃべりが始まる。
「あー、がんちゃんそういうのも似合うね」と、ファッションを褒めてくれたのは少しこそばゆいが嬉しい。穂積さんも帽子も可愛いと言ってくれた。
そんな柊はブラックのスウェットにブラウン系タータンチェックのジャケットとハイウェストプリーツスカートのセットアップ、足元は光沢のあるブラック。シンプルで大人っぽい組み立てだ。身長が高いから足を出すと足の長さが際立ってモデルさんみたいで格好良さもあり、でもシルエットはガーリーで韓国のアイドルみたいな可愛さもある。
穂積さんにいたってはホワイトのカットソーに軽そうなブラックのブルゾンを肩から羽織り、ブラックのレザーキャスケットに薄く紫の入った丸サングラス、足元はホワイトでキメッキメだけど、ボトムスはブラックにホワイトのラインが入ったぴったりめのジャージでカジュアルダウンしている。海外セレブみたいだ。
ジャージにこんな格好良い履き方があるなんて。これが、上級者、というやつか。
......え、今日はほぼ移動するだけだよ? おしゃれさ、いる?
そんなおしゃれ姉妹からファッションのことを褒めてもらえたのは(祷のおかげだけど)少し誇らしかったが、それ以上にカエルのキーホルダーを目にした柊に、「あ、それかわいい! いのりとお揃いじゃん! うちらと一緒だねー」と、ドナルドのキーホルダーを見せながら言っていた柊の笑顔と、なぜか嬉しそうな穂積さんの顔、少し照れながら「良いでしょ?」と言っていた祷の顔を見られたことが、なんだかとても嬉しかった。
柊と穂積さん姉妹の仲の良さを遠い世界の出来事のように感じた日から、何ヶ月も経ったわけではないのに今では遠い過去のようだ。
程なくして、残りのメンバーも揃った。
向こうに着いたら徳島ラーメン食べたいね、などど話しながらみんなで羽田空港に向かった。
鯛めしも食べたいなと思ったが、現地に着くのは二十一時前。地方だと多くのお店は閉まっていて、チェーン店やお酒を飲んだ人たちが締めに寄るようなラーメン屋くらいしか開いてないと思われた。
メイさんや何人かのメンバーは既に現地にいるようだ。中には仕事を休みにしているひともいるらしい。
チームのトークグループには美味しそうな料理や、宴会の様子がアップされていた。いいなぁ。
飛行機から降りると、少し肌寒かった。
こっちの方が南で、温かいイメージがあったが、東京のような生温さがなく、向こうとは空気が違うように感じた。
二十一時という時間はまだ夜中というには早いが、徳島の夜は濃くて、星がよく見えた。
明日はこっちのサンビスタと初めての顔合わせだ。そして、一度しかない事前の練習の機会でもある。
大切な日になることは重々わかっていたが、みんなと一緒に過ごせることと、遅い時間に食べたラーメンが重くて、同世代女子グループだけで祷とわたしが泊まるツインルームに集まって遅くまでおしゃべりしてしまった。
祷も一緒だったし、少しくらい良いよね。
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