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夏の月29日(木の曜日) 牧場の新しい従業員
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外から聞こえた悲鳴に、俺とミントさんは家を飛び出した。
悲鳴が聞こえた方へと向かうと、目の前の道路に村長が腰を抜かしていた。
「村長!? どうしたんですか!?」
俺が駆け寄ると、村長は「あれ……あれ…」と、ある方向を指さして震えていた。
何があるんだ?
村長が指さした方角に目を向けた俺は
「なんじゃこりゃーーーーーー!!???」
と、それは朝から大迷惑になるような大声をあげてしまった。
村長が指さした方角は、小さな花が沢山咲いている丘があった。
なんとそこに、緑色のスライムが大量発生していたのだ!!!
あの緑色のスライム、この間牧場に現れたスライムだ!
「お父さん! 何があったの!?」
村長の悲鳴を聞いたのか、ベアトリスが走ってきた。
「まぁ、緑色のスライムなんて、珍しいですわ」
ミントさんは至って冷静だった。
「どどどどどうしよう。こんなに沢山いたら退治できないんだけど…」
俺はというと動揺しまくり。
「冒険者に退治をお願いした方がよろしいですわ」
「じゃ…じゃあ、わたし、ギルドに報告してきますね。ギルドに冒険者がいるかもしれませんから」
ベアトリスが走りだそうとしたその時、ミントさんが勢いよく彼女の肩を掴んだ。
「冒険者Aランク以下の依頼にしてくださいね。ジョルジュとリーシャスっていう名前の男女が引き受けようとしたら、全力で拒否してくださいね」
「で…でも……」
「わ・か・り・ま・し・た・ね!?」
「は…はいぃ!!」
俺に迫ってきた時と同じように、ド迫力のある怖い顔をミントはベアトリスに見せた。
なんでミントさんはこんなにもジョルジュたちを嫌っているんだろう?
ベアトリスが走り去ると、ミントさんは腰を抜かした村長を安全な所へ移動させた。
その時、俺の背後からノームが勢いよく飛び出してきた。
「ノーム!」
飛び出したノームは、ワラワラと集まっている緑色のスライムの前に立ちはだかった。
攻撃することもなく、ただじっと見ているだけだ。
そのノームに気付いたのか、緑色のスライムが一斉にこっちを向いた。
怖っ!!
単体で見ると可愛いけど、たくさん集まっていると怖いんですけど!
しばらく緑色のスライムとノームの睨み合いが続いた。
と、思ったら、緑色のスライムの一匹がノームの前にやってきた。
ここは攻撃指示を出した方がいい?
でも、茶色いスライムがどんな攻撃をするのか、俺、何も知らない!
さすがにミントさんに聞くわけにもいかないしな…。
このまま応援が来るまで睨み合いが続けばいいんだけど…。
そんな俺の気持ちを無視してか、緑色のスライムがノームに向かって飛びかかってきた。
「ノーム! 逃げろ!」
俺の言葉は間に合わなかった。
緑色のスライムはノームに体当たりを……体当たりを……?
あれ?
俺の目がおかしいのかな?
なんか、ノームと緑色のスライムがじゃれ合っているように見えるんですけど?
えっと……もしかして、ノームのお友達?
他のスライムも襲ってこないし、なんか危険はないみたい。
俺は緑色のスライムとじゃれ合っているノームに近づいた。
「ノーム、その子は友達なのか?」
俺の問いかけに、ノームは嬉しそうに跳びはねた。
「そうか…。ノームを心配してここまで来てくれたんだな。もう大丈夫だよ。ノームは元気になった」
緑色のスライムも嬉しそうにその場に跳びはねている。
特に攻撃してくる気配もないし、ノームとも仲良さそうだし、被害はなさそうだな。
「ノーム、お前からちゃんと話してくれないか? ここは君たちが来るようなところじゃない。森に帰った方がいいよって」
そう俺がいうと、二匹はシュンと悲しそうな顔をした。
まあ、仲のいい友達と別れるのは辛いだろうけど、牧場と森は繋がっているんだ。いつでも会えるさ。
ノームは緑色のスライムの体を軽く押して、森に帰るように促した。
でも、緑色のスライムはイヤイヤと体を大きく横に振り、拒み続けている。
ここに居ると、そのうち退治されちゃうんだけどな~。
何度もノームに体を押される緑色のスライムは、ピョンっと大きく飛び上がると、丘の上を一目散に駆け回った。
緑色のスライムが走り回ったところは、咲いていた小さな花が綺麗に摘まれていった。花だけ採取して、茎はそのままだ。
しばらく走り回っていた緑色のスライムは、気が済んだのか俺の足元に戻ってきた。
そして、突然、体内から何かを吐き出した。
そこにはさっきまで丘に咲いていた小さな花が大量に置かれた。
これは……もしかして…。
「お前、俺の牧場で働きたいのか?」
自分の行動を理解してくれたことに、緑色のスライムはその場で跳びはねた。
「お前は収穫が得意なのか?」
大きく頷いた緑色のスライム。
すると、そのスライムの後ろからもう一匹やってきて、俺の足にすり寄ってきた。
「お前も?」
そう問いかけると、新しくやってきたスライムは、そのぷにぷにした体から二本の細長い腕みたいなものを出し、地面を軽く撫でた。すると、その撫でた地面に小さな芽が出たと思ったら、急速に成長し、ポンっと小さな花が咲いた。
「花を咲かせることができるのか?」
花を咲かせたスライムも嬉しそうにその場に跳びはねた。
そうか、緑色のスライムは植物を成長させたり、実を収穫したりすることができるのか。これは畑仕事に役立ちそうだ。
この緑色のスライムたちは、俺と契約を結びたいみたいだな。
でも、困ったぞ。俺があと契約できるのは二匹だ。こんなに沢山のスライムと契約は結べない。
「俺の手伝いをしてくれるのは嬉しいんだけど、俺、契約を結べるのは残り二匹までなんだ。全員とは無理なんだ。ごめんな」
俺は足元に縋りついている緑色のスライムの体を撫でた。
緑色のスライムは怒ったのか、俺の手から逃げると仲間たちの方へと逃げていった。
あ、嫌われたかも……。
と思ったが、緑色のスライムは意外な行動に出た。
なんと、その場にいた緑色のスライムが一斉に集まりだし、一匹の大きなスライムに変身したのだ。
何をしているのか分かったノームとじゃれていたスライムも、嬉しそうにその大きなスライムの体に飛び込んでいった。
今、俺の目の前に大きな緑色のスライムがいる。
俺は何をすればいいんだい?
「なるほどですわ。個々での契約には枠はありますけど、大きなスライムとして契約すれば、そこに含まれているスライム全員と契約したことになりますものね。スライムも考えた物ですわ」
いつの間にかミントさんが俺の横に立っていた。
「大きなスライム?」
「スライムの進化形…とでも申しましょうか。安心してくださいな。例え50匹が集まった大きなスライムと契約しても、1体として扱われますの。契約の枠にも、あなたの魔力にも何の影響もありませんわ」
「じゃあ、この大きなスライムに名前を付ければいいんですか?」
「ええ。その代わり分裂した時の小さいスライムも同じ名前になる事を考えて、名前を付けてください。最も、ユーキは名前を付けるのが面倒で番号を付けていましたけど」
あ、やっぱり祖父ちゃんの事、知っているんだ。
でも、ミントさん、俺とそんなに年は変わらないよね?
まさか、エリオと一緒で魔族とか!?
ミントさんが何者かを詮索した興味に駆られていると、ノームが俺の足を突いてきた。
「早く名前を付けろって? ちょっと待ってろ。今、考えているから」
ノームは嬉しいのか、ぷにぷにした体を左右に揺らしている。こいつ、可愛いな~。
土属性のスライムに土地の精霊の名前を付けたから、植物属性の緑色のスライムにも同じような感じの名前を付けようかな?
たしか木の精霊の名前がリーフだと思った。
まあ、木も植物の一つだし、別にいっか。
「決めた! お前たちの名前は『リーフ』だ!」
緑色のスライムに向かって名前を叫ぶと、ノームの時と同じようにスライムの体が光り始めた。
そして再び誰かの声が頭の中に響いた。
『わぁ~い! 僕たちの名前はリーフだよ! これからも宜しくね、ご主人様!』
またしても可愛らしい声が聞こえ、その声が聞こえなくなると緑色にスライムの体を包んでいた光が消えた。
と、同時に、俺の頭上から無数の小さい緑色のスライムが降ってきた。
「なんじゃこれーーー!!??」
緑色のスライムに埋もれる俺。
リーフと名付けた緑色のスライムたちは、次から次へと俺の体に纏わりついてきた。
「ハヤトくん! アルベールを連れてきたわ!!」
ベアトリスの声が聞こえた。
「さすが祖父様のお孫様だ!」
なんか感激の涙を流している村長の声が聞こえる。
「あれが魔物ですか~? どうみてもハヤト君とじゃれ合っているように見えますよ~」
の~んびり口調のアルベールの声が聞こえた。
「ユーキとアスカがご覧になったら、とても喜ぶと思いますわ」
弾んでいるミントさんの声も聞こえた。
そんな声に俺は返事ができなかった。
何故なら大量のスライムに埋もれていたから。
のんびりと見ていないで、誰か助けてくれよ~~~!!!
ノームとリーフたちは、その場で牧場で働く従業員となった。
明日の午前中、ローズとミカエルが秋野菜の苗を持ってきてくれる。それまでに畑を耕しておかなくては。
日が沈むまで、ノームは元気いっぱいに畑を走り回っていた。
リーフたちは、雑草を体内に取り込むことで植物の成長を促す栄養剤を作ることができるらしい。なので、気が済むまで荒れ果てた牧草地を走り回ってもらうことにした。
そのうち、牧草地に薬草が生えている事に気付いた一匹のスライムが、薬草だけを体内に取り込み、なんと回復薬を作ってくれたのだ。
それを見ていた他のリーフたちも、薬草別に体内に取り込み、体力を回復する薬、魔力を回復する薬、病気を治す薬など、いろいろな効能がある薬を作り始めた。
出来た薬はミントさんに見てもらおう。今の俺には必要ないから売ってもいいし。
そんなこんなで新しい仲間を手に入れた俺は、無事に秋の野菜を植える事が出来、祖父ちゃんの畑を蘇らせることが出来た。
もう夏は終わりだ。
次の季節にはどんなことが起きるんだろう。
楽しみで仕方がない!
<つづく>
悲鳴が聞こえた方へと向かうと、目の前の道路に村長が腰を抜かしていた。
「村長!? どうしたんですか!?」
俺が駆け寄ると、村長は「あれ……あれ…」と、ある方向を指さして震えていた。
何があるんだ?
村長が指さした方角に目を向けた俺は
「なんじゃこりゃーーーーーー!!???」
と、それは朝から大迷惑になるような大声をあげてしまった。
村長が指さした方角は、小さな花が沢山咲いている丘があった。
なんとそこに、緑色のスライムが大量発生していたのだ!!!
あの緑色のスライム、この間牧場に現れたスライムだ!
「お父さん! 何があったの!?」
村長の悲鳴を聞いたのか、ベアトリスが走ってきた。
「まぁ、緑色のスライムなんて、珍しいですわ」
ミントさんは至って冷静だった。
「どどどどどうしよう。こんなに沢山いたら退治できないんだけど…」
俺はというと動揺しまくり。
「冒険者に退治をお願いした方がよろしいですわ」
「じゃ…じゃあ、わたし、ギルドに報告してきますね。ギルドに冒険者がいるかもしれませんから」
ベアトリスが走りだそうとしたその時、ミントさんが勢いよく彼女の肩を掴んだ。
「冒険者Aランク以下の依頼にしてくださいね。ジョルジュとリーシャスっていう名前の男女が引き受けようとしたら、全力で拒否してくださいね」
「で…でも……」
「わ・か・り・ま・し・た・ね!?」
「は…はいぃ!!」
俺に迫ってきた時と同じように、ド迫力のある怖い顔をミントはベアトリスに見せた。
なんでミントさんはこんなにもジョルジュたちを嫌っているんだろう?
ベアトリスが走り去ると、ミントさんは腰を抜かした村長を安全な所へ移動させた。
その時、俺の背後からノームが勢いよく飛び出してきた。
「ノーム!」
飛び出したノームは、ワラワラと集まっている緑色のスライムの前に立ちはだかった。
攻撃することもなく、ただじっと見ているだけだ。
そのノームに気付いたのか、緑色のスライムが一斉にこっちを向いた。
怖っ!!
単体で見ると可愛いけど、たくさん集まっていると怖いんですけど!
しばらく緑色のスライムとノームの睨み合いが続いた。
と、思ったら、緑色のスライムの一匹がノームの前にやってきた。
ここは攻撃指示を出した方がいい?
でも、茶色いスライムがどんな攻撃をするのか、俺、何も知らない!
さすがにミントさんに聞くわけにもいかないしな…。
このまま応援が来るまで睨み合いが続けばいいんだけど…。
そんな俺の気持ちを無視してか、緑色のスライムがノームに向かって飛びかかってきた。
「ノーム! 逃げろ!」
俺の言葉は間に合わなかった。
緑色のスライムはノームに体当たりを……体当たりを……?
あれ?
俺の目がおかしいのかな?
なんか、ノームと緑色のスライムがじゃれ合っているように見えるんですけど?
えっと……もしかして、ノームのお友達?
他のスライムも襲ってこないし、なんか危険はないみたい。
俺は緑色のスライムとじゃれ合っているノームに近づいた。
「ノーム、その子は友達なのか?」
俺の問いかけに、ノームは嬉しそうに跳びはねた。
「そうか…。ノームを心配してここまで来てくれたんだな。もう大丈夫だよ。ノームは元気になった」
緑色のスライムも嬉しそうにその場に跳びはねている。
特に攻撃してくる気配もないし、ノームとも仲良さそうだし、被害はなさそうだな。
「ノーム、お前からちゃんと話してくれないか? ここは君たちが来るようなところじゃない。森に帰った方がいいよって」
そう俺がいうと、二匹はシュンと悲しそうな顔をした。
まあ、仲のいい友達と別れるのは辛いだろうけど、牧場と森は繋がっているんだ。いつでも会えるさ。
ノームは緑色のスライムの体を軽く押して、森に帰るように促した。
でも、緑色のスライムはイヤイヤと体を大きく横に振り、拒み続けている。
ここに居ると、そのうち退治されちゃうんだけどな~。
何度もノームに体を押される緑色のスライムは、ピョンっと大きく飛び上がると、丘の上を一目散に駆け回った。
緑色のスライムが走り回ったところは、咲いていた小さな花が綺麗に摘まれていった。花だけ採取して、茎はそのままだ。
しばらく走り回っていた緑色のスライムは、気が済んだのか俺の足元に戻ってきた。
そして、突然、体内から何かを吐き出した。
そこにはさっきまで丘に咲いていた小さな花が大量に置かれた。
これは……もしかして…。
「お前、俺の牧場で働きたいのか?」
自分の行動を理解してくれたことに、緑色のスライムはその場で跳びはねた。
「お前は収穫が得意なのか?」
大きく頷いた緑色のスライム。
すると、そのスライムの後ろからもう一匹やってきて、俺の足にすり寄ってきた。
「お前も?」
そう問いかけると、新しくやってきたスライムは、そのぷにぷにした体から二本の細長い腕みたいなものを出し、地面を軽く撫でた。すると、その撫でた地面に小さな芽が出たと思ったら、急速に成長し、ポンっと小さな花が咲いた。
「花を咲かせることができるのか?」
花を咲かせたスライムも嬉しそうにその場に跳びはねた。
そうか、緑色のスライムは植物を成長させたり、実を収穫したりすることができるのか。これは畑仕事に役立ちそうだ。
この緑色のスライムたちは、俺と契約を結びたいみたいだな。
でも、困ったぞ。俺があと契約できるのは二匹だ。こんなに沢山のスライムと契約は結べない。
「俺の手伝いをしてくれるのは嬉しいんだけど、俺、契約を結べるのは残り二匹までなんだ。全員とは無理なんだ。ごめんな」
俺は足元に縋りついている緑色のスライムの体を撫でた。
緑色のスライムは怒ったのか、俺の手から逃げると仲間たちの方へと逃げていった。
あ、嫌われたかも……。
と思ったが、緑色のスライムは意外な行動に出た。
なんと、その場にいた緑色のスライムが一斉に集まりだし、一匹の大きなスライムに変身したのだ。
何をしているのか分かったノームとじゃれていたスライムも、嬉しそうにその大きなスライムの体に飛び込んでいった。
今、俺の目の前に大きな緑色のスライムがいる。
俺は何をすればいいんだい?
「なるほどですわ。個々での契約には枠はありますけど、大きなスライムとして契約すれば、そこに含まれているスライム全員と契約したことになりますものね。スライムも考えた物ですわ」
いつの間にかミントさんが俺の横に立っていた。
「大きなスライム?」
「スライムの進化形…とでも申しましょうか。安心してくださいな。例え50匹が集まった大きなスライムと契約しても、1体として扱われますの。契約の枠にも、あなたの魔力にも何の影響もありませんわ」
「じゃあ、この大きなスライムに名前を付ければいいんですか?」
「ええ。その代わり分裂した時の小さいスライムも同じ名前になる事を考えて、名前を付けてください。最も、ユーキは名前を付けるのが面倒で番号を付けていましたけど」
あ、やっぱり祖父ちゃんの事、知っているんだ。
でも、ミントさん、俺とそんなに年は変わらないよね?
まさか、エリオと一緒で魔族とか!?
ミントさんが何者かを詮索した興味に駆られていると、ノームが俺の足を突いてきた。
「早く名前を付けろって? ちょっと待ってろ。今、考えているから」
ノームは嬉しいのか、ぷにぷにした体を左右に揺らしている。こいつ、可愛いな~。
土属性のスライムに土地の精霊の名前を付けたから、植物属性の緑色のスライムにも同じような感じの名前を付けようかな?
たしか木の精霊の名前がリーフだと思った。
まあ、木も植物の一つだし、別にいっか。
「決めた! お前たちの名前は『リーフ』だ!」
緑色のスライムに向かって名前を叫ぶと、ノームの時と同じようにスライムの体が光り始めた。
そして再び誰かの声が頭の中に響いた。
『わぁ~い! 僕たちの名前はリーフだよ! これからも宜しくね、ご主人様!』
またしても可愛らしい声が聞こえ、その声が聞こえなくなると緑色にスライムの体を包んでいた光が消えた。
と、同時に、俺の頭上から無数の小さい緑色のスライムが降ってきた。
「なんじゃこれーーー!!??」
緑色のスライムに埋もれる俺。
リーフと名付けた緑色のスライムたちは、次から次へと俺の体に纏わりついてきた。
「ハヤトくん! アルベールを連れてきたわ!!」
ベアトリスの声が聞こえた。
「さすが祖父様のお孫様だ!」
なんか感激の涙を流している村長の声が聞こえる。
「あれが魔物ですか~? どうみてもハヤト君とじゃれ合っているように見えますよ~」
の~んびり口調のアルベールの声が聞こえた。
「ユーキとアスカがご覧になったら、とても喜ぶと思いますわ」
弾んでいるミントさんの声も聞こえた。
そんな声に俺は返事ができなかった。
何故なら大量のスライムに埋もれていたから。
のんびりと見ていないで、誰か助けてくれよ~~~!!!
ノームとリーフたちは、その場で牧場で働く従業員となった。
明日の午前中、ローズとミカエルが秋野菜の苗を持ってきてくれる。それまでに畑を耕しておかなくては。
日が沈むまで、ノームは元気いっぱいに畑を走り回っていた。
リーフたちは、雑草を体内に取り込むことで植物の成長を促す栄養剤を作ることができるらしい。なので、気が済むまで荒れ果てた牧草地を走り回ってもらうことにした。
そのうち、牧草地に薬草が生えている事に気付いた一匹のスライムが、薬草だけを体内に取り込み、なんと回復薬を作ってくれたのだ。
それを見ていた他のリーフたちも、薬草別に体内に取り込み、体力を回復する薬、魔力を回復する薬、病気を治す薬など、いろいろな効能がある薬を作り始めた。
出来た薬はミントさんに見てもらおう。今の俺には必要ないから売ってもいいし。
そんなこんなで新しい仲間を手に入れた俺は、無事に秋の野菜を植える事が出来、祖父ちゃんの畑を蘇らせることが出来た。
もう夏は終わりだ。
次の季節にはどんなことが起きるんだろう。
楽しみで仕方がない!
<つづく>
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