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聖女巡礼の旅
聖女巡礼(エドワード)
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扉出現の報告をすぐさま各国に伝え、ロザリアン神聖国での会議及び聖女召喚の儀式となった。
我が国で、魔力関係の研究者が集まり、魔力操作に長けた者達により組織されている魔塔。
我が国において、騎士団と同じよな扱いとされていた。
一部特殊な考えを持つ者達もいたが、そのトップ。そう、魔党首の力で抑えられていた。
今回、『魔人の国』ディール帝国最高魔術師である魔導士と称され、第三皇子でもある自分と、魔塔と騎士団から数名連れてロザリアン神聖国に赴き、会議と儀式に参加する事になった。
儀式中、眩い光に目を奪われ、手の甲が熱く感じた。
その後、二人の少女が現れたのだ。
何とも神々しいとしか言い表せなかった。
その二人の一人に目を惹きつけられた。
自分の魂が引き寄せられる感じだ。
二人とも、大切な存在なのだろうが、何故かその一人に…
側にいたい。抱きしめたい。抱きしめられたい。
自分のモノだ。逃してはいけない、逃がさない…
何故そこまでの執着が湧いてくるのか分からなかった。
今までの自分は、『魔人の国』ディール帝国最高魔術師となるべく、研究し、鍛錬をしてきた魔導士だ。
帝国皇帝を筆頭に、国を治める皇族。そう、第三皇子。
言い寄るものは数知れず、特に女性に関しては脅威を得ていた。
家族仲は良い方で同等の扱いを心掛けてくれていたが、どうしても、皇后の子供である兄達より、側室の子である自分は、母親の身分が有ったとしても、兄達ほどの守りがなく、女性達に狙われる事があった。
地位と権力を得るために、幼くても皇族の者を虜にして自分のモノにしようとしてだ。
だが、側近や護衛の者達が優秀で、何とか逃れられていた。
その経緯もあり、近ずくのも、触れるのも嫌だったのだ。
その自分がこんなにこの少女…女性に心を奪われ、欲するとは思わなかった。
その衝撃に対して驚いたのだ。
召喚の儀式の主催国であり、主催者であるフェリックス•ロザリアン達が彼女達を連れて会場を出て行ったのを呆然と見つめた。
自分達が連れて来た者達が魔力枯渇を起こし、倒れている事を気にせずに…
神官職の者達より、手の甲に『神の印』がある者を確認するとされ、自分の手の甲に刻まれた印を確認した。
それを持つ者が、今回の『聖女巡礼の従者』として、神に認められた者であると説明され、後日詳しい説明を行うとし、一旦解散となった。
与えられた自室に戻り、すぐさま国に伝える準備を行う。
我が国で開発された通信用魔道具。
防御•防音•遮音など、あらゆる結界を張り巡らせ、父である皇帝に繋げた。
現れたのは、父である皇帝と、兄である皇太子ならびに第二皇子だった。
父や兄達に、聖女召喚が無事に行えた事を報告すると歓喜していたが、自分が巡礼に同行する者として選ばれたのは不安そうな顔をした。
国を不在する事に対しての不安と、私自身の事に対しての心配のようだった。
自分が感じた高揚感に関しては伝えていない。
それと今回、聖女が二人現れた事に対しては、厳守通達が各国代表ならびに参加者達に言い渡されていた為、伝える事はできなかった。
過去に二人現れた事はない。『聖女は常に一人』とされている。
もし、知られてしまえば、どのような事が起こるか分からない。
歓迎されればいいが、それ程の最悪事態なのかと考えられ、暴動や暴挙などが起こってしまっても困る。
それらの感情が魔素と触れ、新たに魔力溜まりとなって瘴気が発生。もしくは、魔獣の凶暴化が加速しう原因になってしまっては…
この世界の終わり。破滅に向かう可能性もあるということか…
あの女性を危険に晒すわけにもいかない。
もう一人もそうだ。
部屋に戻る前に、特殊な薬を希望された。
彼とは以前からの付き合いだ。
お互いが古代文明に興味を持ち、過去の文献を紐解き論議した。
今は遺されていない魔法の数々や薬などに関して特に。
そして、彼が希望してきた薬は現在…
数ヶ月前、古代文明の書籍を紐解き、偶然できた薬を渡す。
解毒剤は現在ない。
使わない事に越した事はないと、自分用にだけ作り置いたもの。
効果は…大丈夫だ。
我が国で、魔力関係の研究者が集まり、魔力操作に長けた者達により組織されている魔塔。
我が国において、騎士団と同じよな扱いとされていた。
一部特殊な考えを持つ者達もいたが、そのトップ。そう、魔党首の力で抑えられていた。
今回、『魔人の国』ディール帝国最高魔術師である魔導士と称され、第三皇子でもある自分と、魔塔と騎士団から数名連れてロザリアン神聖国に赴き、会議と儀式に参加する事になった。
儀式中、眩い光に目を奪われ、手の甲が熱く感じた。
その後、二人の少女が現れたのだ。
何とも神々しいとしか言い表せなかった。
その二人の一人に目を惹きつけられた。
自分の魂が引き寄せられる感じだ。
二人とも、大切な存在なのだろうが、何故かその一人に…
側にいたい。抱きしめたい。抱きしめられたい。
自分のモノだ。逃してはいけない、逃がさない…
何故そこまでの執着が湧いてくるのか分からなかった。
今までの自分は、『魔人の国』ディール帝国最高魔術師となるべく、研究し、鍛錬をしてきた魔導士だ。
帝国皇帝を筆頭に、国を治める皇族。そう、第三皇子。
言い寄るものは数知れず、特に女性に関しては脅威を得ていた。
家族仲は良い方で同等の扱いを心掛けてくれていたが、どうしても、皇后の子供である兄達より、側室の子である自分は、母親の身分が有ったとしても、兄達ほどの守りがなく、女性達に狙われる事があった。
地位と権力を得るために、幼くても皇族の者を虜にして自分のモノにしようとしてだ。
だが、側近や護衛の者達が優秀で、何とか逃れられていた。
その経緯もあり、近ずくのも、触れるのも嫌だったのだ。
その自分がこんなにこの少女…女性に心を奪われ、欲するとは思わなかった。
その衝撃に対して驚いたのだ。
召喚の儀式の主催国であり、主催者であるフェリックス•ロザリアン達が彼女達を連れて会場を出て行ったのを呆然と見つめた。
自分達が連れて来た者達が魔力枯渇を起こし、倒れている事を気にせずに…
神官職の者達より、手の甲に『神の印』がある者を確認するとされ、自分の手の甲に刻まれた印を確認した。
それを持つ者が、今回の『聖女巡礼の従者』として、神に認められた者であると説明され、後日詳しい説明を行うとし、一旦解散となった。
与えられた自室に戻り、すぐさま国に伝える準備を行う。
我が国で開発された通信用魔道具。
防御•防音•遮音など、あらゆる結界を張り巡らせ、父である皇帝に繋げた。
現れたのは、父である皇帝と、兄である皇太子ならびに第二皇子だった。
父や兄達に、聖女召喚が無事に行えた事を報告すると歓喜していたが、自分が巡礼に同行する者として選ばれたのは不安そうな顔をした。
国を不在する事に対しての不安と、私自身の事に対しての心配のようだった。
自分が感じた高揚感に関しては伝えていない。
それと今回、聖女が二人現れた事に対しては、厳守通達が各国代表ならびに参加者達に言い渡されていた為、伝える事はできなかった。
過去に二人現れた事はない。『聖女は常に一人』とされている。
もし、知られてしまえば、どのような事が起こるか分からない。
歓迎されればいいが、それ程の最悪事態なのかと考えられ、暴動や暴挙などが起こってしまっても困る。
それらの感情が魔素と触れ、新たに魔力溜まりとなって瘴気が発生。もしくは、魔獣の凶暴化が加速しう原因になってしまっては…
この世界の終わり。破滅に向かう可能性もあるということか…
あの女性を危険に晒すわけにもいかない。
もう一人もそうだ。
部屋に戻る前に、特殊な薬を希望された。
彼とは以前からの付き合いだ。
お互いが古代文明に興味を持ち、過去の文献を紐解き論議した。
今は遺されていない魔法の数々や薬などに関して特に。
そして、彼が希望してきた薬は現在…
数ヶ月前、古代文明の書籍を紐解き、偶然できた薬を渡す。
解毒剤は現在ない。
使わない事に越した事はないと、自分用にだけ作り置いたもの。
効果は…大丈夫だ。
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