竜の恋人

異世界生活スタートです。

ポーション(リカルト•クラレス)

二人で話し合った後、間借りしている客間で休んだ。
早朝朝日が昇る前に目が覚めて、無理を言って朝食をいただき研究所に向かう。

この時間の眺めはけっこう気に入っていた。
朝露を含んだ花々とかを見るのも気に入っている。
だけど、今はそんな事を悠長に行なっている場合ではないだろう。

研究所にある自室に戻り、自分の影のもの達を呼ぶ。
各地に散って情報を得るように。
友人の屋敷にいる彼女の護衛に。

自分自身の護衛にも就かせてある。
各地に散らし、この者たちの長だけがここに残った。
俺の護衛として残した者だ。

「うるさい蠅が多いからな…まぁ、あのトカゲが尻尾で散らせとは思うが…」

この地に匿うなら、全力で力を貸す。
アイツの頼みでもあるからな…

「本当に、しょうがない」

そう呟いて、いつもの業務の準備をして、執務室に向かう。
研究所の長として、やる事も多いんだよね。
さて、どうなるか…



しばらくは、きっと大丈夫だろう……
準備はしておくが…

そうこうしていたら、向こうから連絡が来た。
彼女がここの見学に来たいと。
薬草園にかんり興味を示したみたいだ。
それなら好都合。

アイツに任せたら良いか…

彼女の担当につける者を決めた。
若いが有能な奴だ。
この俺の、ここでの後継者にと考えていた者。

今から言ったら逃げられるかもしれん。
彼女が来たら、擦りつけるように持っていこう。
さて、その後は…

頭の中でスケジュールを立てていく。
これでも忙しいんだよ。

よし、これで良いか。

いくつかのプランを作成して、窓から外を見る。
緑に茂る薬草園。
その向こうに遠く離れている森…

「やるしかないか…」