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異世界生活
異世界(アルホンス)
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朝から良い天気だ。
快晴と言っても良い。
屋敷の入り口で皇女を迎え、そのまま薬草研究所に向かって歩く。
道の途中から広がるのは、研究所の管理する薬草園だ。
彼女が好んでいた香りは確か向こうにあるラベンダーだったか?
彼女が喜びながら歩いていた姿を思い出していた。
あの、幼い少女のように喜んでいた姿や、わずかに微笑んでいた姿を思い出す。
もう少しでまた一緒に歩けるのか…
それよりも、少し…いつもと違う気配を感じた。
他の者達は気づいていない…見えても…
そう、気づき見えているのは自分だけ。
小さく光るもの達。
以前から時々見かけはしたが、これほどまでに集まってくるのは?
多く飛び交う方向に視線を送る。視線の先には彼女がいた。
背丈の高い薬草で姿が隠れ、見えにくいが…あれは確かに彼女。
懐かしく、嬉しい気持ちが湧き起こりかけたところで、急に彼女は向こうにかけて行った。
どこに行く?何故?
急ぎ追いかけようとしたが、腕を引かれた。
そうだ、今追いかけるのは…だが、この焦燥感は何だ!?
今追いかけて行かなければ、失うのでわないかと言うこの感じは!?
皇女が止めるのを振り切り追いかけて…
目の前で彼女の姿が消えた。
姿だけではない。彼女の気配もない。
どこだ、どこに行った?
どこだ!!!
全神経を尖らせ、ほんの僅かな気配も痕跡さえも逃さないように探して…
あっ…自分が贈ったあの気配がほんの僅かに…
「これは、異空間か!?」
湧き出る怒り。
許さない。この私から奪おうとするものは、例えどんなものでもだ!!!
全ての魔力を行使して、手に具現化させた竜の爪をこの世界と隔ててる壁に突き立て砕く。
空間が歪み、バリバリとガラスが砕ける様な音がして…
「見つけた!!!」
爪を元の人の手に戻して、目的の大切なもの。奪われてならない愛しい者の腕をグッと掴み引き寄せ抱きしめた。
これは私のモノだ。逃しはしない。奪われる事も許さない。
奪い返す!!!
引き寄せる前に、二匹の動物?精霊?何かの気配が彼女の側にあったが、それは直ぐに消えた。
近くにいる事は感じるが、今は関係ない。
自分の腕の中で存在を確かめるように、さらに強い力で抱きしめた。
「気配が消えたから…」
そう消え入りそうな声で言って、さらにぎゅーと抱きしめた。
よかった。本当によかった…
取り戻した愛しい最愛の私の者。抱きしめすぎて息が苦しいのか、バンバンと背中を叩かれた。
決して痛くはない。力を緩めて欲しいのアピールか?
身体全部を抱きしめたから、僅かに俺の背後に届いた手で訴えて来たのか?
「ごっ…ごめん」
そう言って、ほんの少しだけ拘束を緩めるが、それ以上は離してあげる気持ちになれなかった。
また消えてしまったら…奪われたらと思うと…そう、不安と恐怖が入り混じった感情が沸き起こってしまうんだ。
「ユウリ。私の運命の番。やっと見つけて…なのに…私から離れないでください。ユウリ。君の側に居させて。番だけじゃ無い。一目惚れなんだ。君と出会って私は君にずっと惹かれている。恋焦がれている。愛しているんだ。私の側から離れないで…消えないで。………」
そう震えながら訴えた。
怖かったんだ。彼女を失う事が…
「決して離さない、逃がさない」
そう小声で呟いたはのは、彼女には聞こえていないだろう。
自分の願望の強さで逃げられたら…逃さない。逃しはしない!!
彼女の顎を捉え、上を剥かさせる。
あぁ、彼女のこの瞳。この唇…
頬に唇を滑らせ、次に彼女の甘く柔らかい唇を堪能する。
喰むように動かし、一瞬開いた隙間に狙いを定めて、自分の肉厚のものを差し入れて、上顎や歯列にはわす。彼女の甘い肉厚のものを追いかけ、絡め取り啜り上げた。
全てを吸い尽くさんとする行為で翻弄し、彼女の身体から力が抜けていく。
ガクッと膝が折れ、すかさず抱き上げた。
それでもまだ離したくない。もっと、もっとだ…
腕の力も抜けていく。
そっと開けて見る彼女の蕩けた表情に煽られ続ける。
どのくらい貪り続けたのか…ぐたっと意識を飛ばし、力が抜けてしまった事に気づき、慌てて抱きしめて唇を離す。
頬が紅く染まり、誰にも見せれないその姿。
両膝に腕を差し込みグッと自分の胸元にもたれ掛けるように抱き上げた時、そういえばと思い出した。
今まで忘れていた皇女の方には、あれは…
燐国の皇族が外交の時に身につける服…
何故この場に?とも思ったが、隣国とこの地の関係性を思い出し、またあの時殿下から教えられた情報も…
なら、この場はこのまま辞してもいいだろう。
側に近づいて来た部下に指示を残して、抱き上げた彼女の顔を自分の胸元で隠して走り出した。
快晴と言っても良い。
屋敷の入り口で皇女を迎え、そのまま薬草研究所に向かって歩く。
道の途中から広がるのは、研究所の管理する薬草園だ。
彼女が好んでいた香りは確か向こうにあるラベンダーだったか?
彼女が喜びながら歩いていた姿を思い出していた。
あの、幼い少女のように喜んでいた姿や、わずかに微笑んでいた姿を思い出す。
もう少しでまた一緒に歩けるのか…
それよりも、少し…いつもと違う気配を感じた。
他の者達は気づいていない…見えても…
そう、気づき見えているのは自分だけ。
小さく光るもの達。
以前から時々見かけはしたが、これほどまでに集まってくるのは?
多く飛び交う方向に視線を送る。視線の先には彼女がいた。
背丈の高い薬草で姿が隠れ、見えにくいが…あれは確かに彼女。
懐かしく、嬉しい気持ちが湧き起こりかけたところで、急に彼女は向こうにかけて行った。
どこに行く?何故?
急ぎ追いかけようとしたが、腕を引かれた。
そうだ、今追いかけるのは…だが、この焦燥感は何だ!?
今追いかけて行かなければ、失うのでわないかと言うこの感じは!?
皇女が止めるのを振り切り追いかけて…
目の前で彼女の姿が消えた。
姿だけではない。彼女の気配もない。
どこだ、どこに行った?
どこだ!!!
全神経を尖らせ、ほんの僅かな気配も痕跡さえも逃さないように探して…
あっ…自分が贈ったあの気配がほんの僅かに…
「これは、異空間か!?」
湧き出る怒り。
許さない。この私から奪おうとするものは、例えどんなものでもだ!!!
全ての魔力を行使して、手に具現化させた竜の爪をこの世界と隔ててる壁に突き立て砕く。
空間が歪み、バリバリとガラスが砕ける様な音がして…
「見つけた!!!」
爪を元の人の手に戻して、目的の大切なもの。奪われてならない愛しい者の腕をグッと掴み引き寄せ抱きしめた。
これは私のモノだ。逃しはしない。奪われる事も許さない。
奪い返す!!!
引き寄せる前に、二匹の動物?精霊?何かの気配が彼女の側にあったが、それは直ぐに消えた。
近くにいる事は感じるが、今は関係ない。
自分の腕の中で存在を確かめるように、さらに強い力で抱きしめた。
「気配が消えたから…」
そう消え入りそうな声で言って、さらにぎゅーと抱きしめた。
よかった。本当によかった…
取り戻した愛しい最愛の私の者。抱きしめすぎて息が苦しいのか、バンバンと背中を叩かれた。
決して痛くはない。力を緩めて欲しいのアピールか?
身体全部を抱きしめたから、僅かに俺の背後に届いた手で訴えて来たのか?
「ごっ…ごめん」
そう言って、ほんの少しだけ拘束を緩めるが、それ以上は離してあげる気持ちになれなかった。
また消えてしまったら…奪われたらと思うと…そう、不安と恐怖が入り混じった感情が沸き起こってしまうんだ。
「ユウリ。私の運命の番。やっと見つけて…なのに…私から離れないでください。ユウリ。君の側に居させて。番だけじゃ無い。一目惚れなんだ。君と出会って私は君にずっと惹かれている。恋焦がれている。愛しているんだ。私の側から離れないで…消えないで。………」
そう震えながら訴えた。
怖かったんだ。彼女を失う事が…
「決して離さない、逃がさない」
そう小声で呟いたはのは、彼女には聞こえていないだろう。
自分の願望の強さで逃げられたら…逃さない。逃しはしない!!
彼女の顎を捉え、上を剥かさせる。
あぁ、彼女のこの瞳。この唇…
頬に唇を滑らせ、次に彼女の甘く柔らかい唇を堪能する。
喰むように動かし、一瞬開いた隙間に狙いを定めて、自分の肉厚のものを差し入れて、上顎や歯列にはわす。彼女の甘い肉厚のものを追いかけ、絡め取り啜り上げた。
全てを吸い尽くさんとする行為で翻弄し、彼女の身体から力が抜けていく。
ガクッと膝が折れ、すかさず抱き上げた。
それでもまだ離したくない。もっと、もっとだ…
腕の力も抜けていく。
そっと開けて見る彼女の蕩けた表情に煽られ続ける。
どのくらい貪り続けたのか…ぐたっと意識を飛ばし、力が抜けてしまった事に気づき、慌てて抱きしめて唇を離す。
頬が紅く染まり、誰にも見せれないその姿。
両膝に腕を差し込みグッと自分の胸元にもたれ掛けるように抱き上げた時、そういえばと思い出した。
今まで忘れていた皇女の方には、あれは…
燐国の皇族が外交の時に身につける服…
何故この場に?とも思ったが、隣国とこの地の関係性を思い出し、またあの時殿下から教えられた情報も…
なら、この場はこのまま辞してもいいだろう。
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