兄様達の愛が止まりません!

文字の大きさ
163 / 250
青銅の鏡

もう一つの危機…北の国より(ギルベルト)

しおりを挟む
「エルが襲われた」と言う情報が入り、父上やレイはすぐさま軍を出されたんだ。
そして私も一緒にと…

だが、私が転移した場所は重厚に聳え立つ城の方でなく、その側に建てられら教会の方だった。

城の方では噴煙が上がり、至所で爆音と炎が燃え盛るのを見た気がしたが…。
炎は一部だけ焼き焦がしているようにも見えたんだ。

そして…。

神殿に飛ばされたのなら何か意味があるはずだ。
俺は精霊達に導かれて…。

来た先は綺麗な庭園か?向こうの方では泉が見える…。

レインの姿が見えた。そしてその側には一人は聖職の服を着ていたから例の…
アシュに対して恋慕している女性か…

すると、レインが不思議な色の水を持っていたんだ。
遠くでも光って見れる水

「それさえあれば、この国は救われるのね。なら私が聖女と言われ敬われる。そうなると、彼の方の妻の座にもつけるは。それを横しなさい!!」

そう言っていきなり駆け寄って来る女性は、この国の第一王女。
元は宝石が散りばめられた豪華なドレスであっただろうが、今は煤けているし、宝石が落ちかけたりもしていた。
真っ赤な唇を何とも言えない弧を描いているであろう者が手を伸ばしていた。

「怖い…」
「私のレインに近づくな!」

そう言って走り寄る女性とレインとの身体を滑り込ませて庇ってくれたのは…

「ギル…」
「レイン、屋敷でいるように言われていたのに、急に気配を感じたから此方に駆けつけてきたよ。怪我はないかい?」

そう言って優しく頬を撫でたら、レイは私に抱きつくべきか考えているようだ。が、我慢して自分の使命を全うしようと頑張るようだ。

「エレナ殿下、何故ここに貴方が来られてるのですか?」
「エレナ殿下?」
「レイチェル様、この者はこの国オーベルムハイム国第一王女殿下「エレナ•オーベルムハイムです。王太子殿下と同母、正妃様のお子です。エレナ様、何故ここに?」
「枢機卿から此方に行くように言われたからよ!国王であるお父様の側妃のくせにいつも神殿にいて巫女のふりを続けているんだから。お父様やお兄様達が大変な時に何をやってるのかと思っていたら、枢機卿がこちらに行けば、聖女としての功績があげられるって言ってくださったのよ。そうすれば私はアシュレイ様の妻の座にもつけれると言う事。もう少しで邪魔な男が兄様の側妃として召し上げられる予定だったのに、『閨の義』に邪魔が入って…そうだ、お前の息子が謀反を起こしたんだ。お前が息子を止めたら良いのよね。そうよ、騎士達、あの者を捕らえよ!そして逆らえば母親を切ると言って脅せば兄様が王に即位できる。お父様はもうダメだもの…。精霊王を怒らせたものね。私はその女からその聖水を奪い取って聖女となるのよ。ん?貴方も素敵ね。私の専属騎士にしてあげるから、その女を捕えなさい!」

ふざけているような発言で驚いた。
第一王女はそう言うと、虚な瞳の騎士が数名剣を構えて近づいてきた。
私はすかさず浄化も含めるために、魔法で浄化の炎を剣に纏わせたんだ。
エルやレインが気に入っている剣技の一つだ。

相手の剣を弾きながら炎で浄化もと…。

戦い挑んだ騎士達は全て薙ぎ倒され…痛みは伴うが、浄化もうまく行った。


「マルシア様、大丈夫でしょうか?」

さっき見た聖騎士と同じ姿の騎士が姿を見せた。

「聖騎士エルン、エレナ王女は御乱心です。捕らえて下さい。」
「エレナ王女殿下?」

聖騎士エルンと呼ばれた騎士は、一旦は驚いたが直ぐにマルシア様の指示に従い拘束した。
いくら王女とは言え、日頃鍛えられた騎士に敵うわけがない。

押さえ込まれたところでマルシア様が癒しの力を使ったのか、眠りの力を使ったのか…
暴れていた王女はガクッと力が抜けたようになった。

「神殿内の牢に連れて行ってください。」
「畏まりました。」

そう言って引きずられて行く王女の姿を見送る。

後から来た数名の聖騎士達は、横たわっている騎士達を拘束して同じように連れて行った。

「お見苦しい所を申し訳ありません。この国の枢機卿も私利私欲で動かれていまして…澱みの影響下でもありましょうが、それでも罪が多く、教皇様に嘆願させて頂いている最中でした。」

「そうなのですね…。」

もうこの国はかなり危険な状態に陥っていたと言うことか。
隣国とはいえ、他国の介入を許してしまう事態なんだろう…。
他国であれば、このような介入をすれば多くを搾取する。
下手すれば吸収されるんだ…
それよりも…。

「レイン、それよりも何をしようとしていたんだ?」
「精霊にも頼まれた事なんだけれど、泉にこの瓶に入った水を…」

私はレインの腕を取り見つめながら問うと、素直に答えてくれた。
その笑顔が眩しく感じながら…。そして触れることでさっき何があったのかなどをスキルで確認したんだ。
これで全てを理解できるから…。

「あぁ成程…。」
「ギル、もしかして…」
「スキルで確認した。精霊王からの指示でもあるのなら大丈夫だと思うが、無理はしないように。おかしいと判断したら止めるからね。」

そう言い、私自身が泉の方に導くようにエスコートしたんだ。
レインは一瞬私に対して微笑んでいた。
そして、素直に従ってそのまま瓶の中の水を泉に注いだんだ。

すると徐々に澄み切ってキラキラ輝きだす。
そこで注ぐ事をやめて、瓶をアイテムバッグにしまった。

すると水源を通って周囲を浄化して行くような感じで一瞬光り輝き収まる。

向こうの城の方の崩壊する音も止まって行くような感じがしたんだ。
なんと言う素晴らしい光景なのだろうと…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました

春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。 名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。 誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。 ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、 あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。 「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」 「……もう限界だ」 私は知らなかった。 宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて―― ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました

蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。 そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。 どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。 離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない! 夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー ※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。 ※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。

バッドエンド回避のために結婚相手を探していたら、断罪した本人(お兄様)が求婚してきました

りつ
恋愛
~悪役令嬢のお兄様はヤンデレ溺愛キャラでした~ 自分が乙女ゲームの悪役キャラであることを思い出したイザベル。しかも最期は兄のフェリクスに殺されて終わることを知り、絶対に回避したいと攻略キャラの出る学院へ行かず家に引き籠ったり、神頼みに教会へ足を運んだりする。そこで魂の色が見えるという聖職者のシャルルから性行為すればゲームの人格にならずに済むと言われて、イザベルは結婚相手を探して家を出ることを決意する。妹の婚活を知ったフェリクスは自分より強くて金持ちでかっこいい者でなければ認めないと注文をつけてきて、しまいには自分がイザベルの結婚相手になると言い出した。 ※兄妹に血の繋がりはありません ※ゲームヒロインは名前のみ登場です

処理中です...