兄様達の愛が止まりません!

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青銅の鏡

行動

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目が覚めてムクっと起きあがろうとしたけれど、私は優しい魔力で包み込む愛しい人の拘束から解かれなかった。
そう、ギルが私抱き込むように抱き込んで眠っていたんです。

私よりも歳上で、いつも優しく守ってくれる強くて愛しい人。
兄であり伴侶となった…恥ずかしいけれど私の夫です。
きゃ。心の中ですが、『私の夫』と言っちゃいました。

本当は外に向かって大きな声で言いたいけれど、世間体では年齢的なものもあって、婚約者の扱いだろうし…。
『最愛の人。』これぐらいは~外でも言えるかなぁ~。
うん、ムリです。アワアワして言えません。
心の中で呟くのでさえ悶絶しそうです。
テレテレ…。

それに、年々ですが、前世のエル兄様の記憶の中にあるギルに近づいていっているので、尚更です。

眠っている姿はエル兄様の記憶の中では見た事がなく、実際もいつもはギルの方が私よりも先に起きるから、寝顔を見る事はほぼ無いのです。

それにしても、眠る姿は幼く見える。
こんな素敵な方が、かなりの美丈夫なのはもう十分知っていいますが。
それ以外も…。
私の…。

「ギル…。」

ぽそっと小声でその名を呼ぶと、長いまつ毛が震えて、ゆっくりと私の大好きな瞳が…。
そこに映り込む姿は、当然であるが私だけで…。

「ん…あぁ、おはよう。もう大丈夫かい?」

部屋の窓から差し込む光から、まだ夕暮れでもないようだが、今まで眠って起きたから「おはよう。」でもいいと思う。

そっと私の頬に、いつもは剣を持つ手が触れる。
ギルは剣も魔法も使える。
剣に魔力を纏わせて使う魔剣士。魔導騎士なんです。確かエル兄様の前世のゲームでは攻略対象者である魔導騎士。ちなみにアシュ兄様は魔導士です。ですが、アシュ兄様の場合は、剣よりもどちらかといえば魔法の方が得意で、刻印魔法や魔道具の研究の方が大好きなだけで、剣技も素晴らしいものなんです。
ギルもアシュ兄様も、私やエル兄様など、家族を守るためだと日々鍛錬を怠る事がないのですから。
エル兄様も鍛錬はされていますが、指導されている騎士や本人からも、剣技はまぁまぁの評価だとか…。
比べる相手を間違っているだけの様にも思いますが…。

フィンレイ侯爵家の騎士達は、国内トップレベルだと聞き及んでいます。
父様のご友人。騎士団所属の方もそう言っていたのを覚えています。
それに、ギルやアシュ兄様の高レベル。

私も自分の身ぐらいは守れる様にとレイピアを頂戴して訓練していますが…。
型は大丈夫ですが、実戦となると…。
期待しないでくださいね…。
とほほ…。

良いのです。魔法の方は頑張れますから!

それに、エル兄様の前世の記憶の中で、私もエル兄様も悪役でした。エル兄様は悪役で、剣術もそれなりに出来たはずなんです。私は悪役令嬢で、いじめの場面はありましたが、剣技の場面はなかった様です。
ファン公式ブックでも魔法の方が得意みたいに書かれていたとか…。

今のエル兄様も私も、やっぱり剣術よりも魔法の方が少し上の様な気もします。

もっと鍛錬を積まないと…。
足を引っ張るわけにはいけないんです!

そんな事は今はいいとして…。

「結構寝たかも…。もうこんな時間か…。レインは体調の方はどうだい?スキルの発動で未来視を見たままの状態だったから、結構魔力を持っていかれていた。勿論、すぐに私が譲渡しておいたから大丈夫だとは思うが…それでも無理はいけない。頭痛や吐き気、眩暈や全身倦怠感といった症状は?」

ギルは元々丁寧に話す様に注意している。
次期侯爵となるからと、口調が父様に似て来ています。
それだけで、自分がさらに幼く置いていかれそうで心配ですが…。

ギルの側に私ではなく別の人が…なんて思ってしまうことも…。
そんな事を呟いてしまえば、すぐにお仕置きされてしまいますが…。

「うん、大丈夫。少し喉は渇いたけれど、そんな症状はありません。ありがとうございます。」

令嬢として、次期侯爵夫人になるならと、家庭教師のマナー担当の先生にコンコンと言われ続けていましたから、注意して…。
ですが、時々ぽろっといつもの調子で言いそうにもなるのですが…。
それは心の中の呟きだけにしとかないと…。

そう返事をすると、頬にキスを贈られた後、ギルが起きると同時に抱きしめられたまま器用に身体を起こされたんです。

「大丈夫そうだな…。服は楽な部屋着に替えさせてもらっていたんだ…。」

そう言いながらぎゅっと抱きしめられて、唇にチュッとリップ音をさせながらキスされた。

「起きられましたか?もう少しで夕食のお時間ですが、皆様がお待ちしている食堂の方に行かれますか?それともお部屋の方に…。」

ビクッ…。
いつの間にか、侍女が側にやってきてそう声をかけてきたんです。

うん、今の見たよね。
そう思って他にも気配を感じたから…。
あぁああああ~。他の者達は着替えを手にしてくれていたりで、壁際に待機中してた。もう恥ずかしい~~~~。

「あぁ、どうする?」

ギルは特に動揺することもなく堂々としている。
私はドキドキしながらも、必死で落ち着かせた後。

「友達とか、もう帰ってきてるのでしたら、出来たら一緒に食べたいです…。」

耳まで熱く感じるけれど、なんとかそう返事をした。

「かしこまりました。ではその様に…」

いったん下がり、マグオートに頼み、マグオートは入り口付近の護衛に声をかけた後、部屋を出て行った。マグオートと、ギルの昔からの専属執事兼護衛以外は上位精霊だ。私達と契約していて世話をしたくて仕方ない様子ですが…。

私は続きの間でもある別室で侍女に着替えを手伝ってもらい、ギルもまた着替えやその他のことをしているのだろう。
もしかしたら、父様への報告相談をしているのかも知れない。

ギルはアシュ兄様と同様私が見たりしたものを同じ様に見たり感じたりできるらしいから…。

それにしても、未来視で見たあの地に足を踏み入れての行動内容。
かなり急ぐ必要性があると思います。
それにもう一つの方は…。

考えたくないけれど、私はお会いした事はないけれど、竜人族の方々映っていた。
敵側ではなく、味方と言えばそうかも知れないし違うかも知れない。

だけど、竜人族が活躍する場所での出来事…。

一つは最低あの未来の様になって欲しい。もっと安全性にスムーズに行えれるならなお良しだろう。
もう一つは回避の方向で対応です。

未来視は全てが同じ様に現実になるとは限らない。
そうなる恐れが現時点であるという事。
なら、対応によってはその方向にならない可能性があるという事。

それ以外にも、神殿が映し出されていた方。
実際に行った時の影響も気になります。

もしかしたら、多少の衝撃が全地域に振動の様に起こるかも知れない。
大きな力の交代劇ですから、大きな変化が周辺にも同時進行の様にあってもおかしくないと…。

もしそうなら、その被害を抑えるべく助力をも…。

以前、「精霊王が住まう世界の方にも影響が…」と言う話を訊いたと思うから、多分ですが、精霊側も多少は協力してくれると思うのです。
エル兄様が植えて行った樹々の効果も、もしかしたら今回も発揮されるかも知れないし…。

レイナ様から頂いたあの情報の様な…。
レイナ様の情報は…。

うん、きっと大丈夫です。

無事に事を運ぶためにも、あの情報達をうまく利用していけばきっと…。

友人達は…先に返した方がいいかも知れない。
今この場に、この国に一緒にいる時に、私達が行動をすれば、巻き込まれる危険性もあるかも…。
あくまでも「かも」です。

だけれど…。あの場所に近いのはこの国。
ここまで一緒に来てくれて心強かったけれど、危険には晒したくない…。

でも、それをどう説明したらいい?
「危険かも知れないから、私達を残して先に帰国してほしい」と言ってみる?

絶対に友人達なら「協力させてほしい!」と言って拒否すると思うんです。
ですが、私達は学生で…。
それを言えば、「みんな学生であるから一緒だ」とも言われそう…。

ならば、いったん予定よりも早く一緒に戻って、友人達を送り届けた後に蜻蛉返りする様にこの地に戻ってくる?

うん、その方がいい様な気もしてきた…。

着替えが終わり、ギルにその旨を相談する。
すると、アシュ兄様の方からもギルに同じ様な相談が入り…。
少しだけ思案した後、ギルが父様の方に報告•相談を魔道具の通信を通して行い、父様から予定よりも早めの一時帰国を勧められたみたいだった。
それをアシュ兄様の方にも伝えて…。

まぁこの国で友人達は色々見学や体験なども出来ただろうし…、フィンレイ侯爵からそう言われたとなれば、素直に従ってくれるだろう…。

「じゃあ行こうか…。」

ギルに促されて部屋を出る。
少し歩くとアシュ兄様とエル兄様と合流した。

エル兄様が心配そうな顔で見つめてくるから、思わずにニコッといつもの笑顔を見せることにしたんだ。
すると、ニコッと微笑んでくれて…。
エル兄様はお優しいから…。

「さっき、ゼナルドが得て来た情報だが、明日ちょっとした祭りがあるらしい。ちょうど我が国に帰る街道沿いの街でだそうだ。だからそれに少し参加しながら帰国しようと提案するつもりだ。」

お祭り…。
他国の祭り、ちっと興味がある。
帰国の際、帰り道で寄れるなら、友人達を上手く誘えそう。

私とエル兄様は横に並びながらアシュ兄様とギルの背後について歩き、少しワクワクしながら目を合わせ頷いたんです。

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