兄様達の愛が止まりません!

文字の大きさ
201 / 250
青銅の鏡

未来視…ギルベルト

しおりを挟む
ベッドの中で、私は愛しい者を腕の中に抱え込むように抱きしめながら一緒に横になっている。
さっき見た映像は、やはりレインのスキルが発動したものだろう。
同じようにエルが崩れ落ちるようになったから、レインと双子であるエルも見えたのだろう。

私とアシュはジュディオン•オーベルムハイム殿下に断りを入れてあの場を退席し、あてがわれている客室の方に戻ってきていたんだ。
ゆっくりとベッドに寝かせてから侍女に着替えを頼み、私自身も一緒に横になって確認しようと着替えた。

横たわる愛しい者の側に身体を滑り込ませて抱きしめる。
レインが見たものはきちんと把握しておかないと、いざという時に対処ができないのは今までの経験で十分見に染みているから、瞳を閉じて意識を同調させるように覗き見る…。

アシュも私と同じ事を今エルにしているだろうから、後で情報を擦り合わせて、父上達にも報告が必要だなと頭の中で段取りもしていったんだ…。

やはり見えてきたのはこれから起こるであろう未来の方だ。
あの方、レイナ様から頂いた未来予測にも類似したところろも見えたし、全く違うモノも見えた。

あの時、この国の王太子となられたジュディことジュディオン•オーベルムハイム殿下。
彼もまた、前世の記憶持ちである事は既に知っていたし、その前世が氷で閉ざされた北の国、ゼウスピア国の最後の王…。
エルがジュノーと呼んでいるジュノン•ゼウスピア国王陛下の伴侶であり精霊王の一人であったという事も…。
普通に考えるなら信じられ難い事ではあったが…。

エルやレインには教えていなかったが、我が家の持ち出し禁止とされる秘蔵書の中に、一族のルーツのような物がつい最近見つかった。
そこに書かれた文字が特殊と言ってもよく、読み解くのに少し時間がかかったんだがな…。

その秘蔵書が書かれた時代も、現代と変わらない文字が使われていただろうが…

そう、同じ年代で見つかった書物や過去の遺産などは、今と同じ文字が多く使われていたんだ。だが、極秘と思われるその秘蔵書は古代文字が使われていた。

見つけられたそれは、我が一族のルーツが書かれた物であり、全てがあえて古代文字で書かれていたんだ。

古代文字は学園で少しだけ習う。

魔法陣に描かれている暗号のように思われる文字が古代文字であり、その意味も踏まえて描かないと失敗するからだ。
現在の研究で、現代文字に置き換えれないかと研究されているが、なぜか上手く行ってはいないようだが…。

そんな感じであるから、私も多少は読み解く事ができたんだ。

エルやレインがこの国のに対し、そして亡国となったゼウスピア国の事を気にかけていたから、私とアシュとで屋敷に戻った時に何度も調べ上げていた。

家令であり、我が家の影の筆頭でもあるレイの協力も得ながら…。

父上の友人である方の御助力も考えたが…流石に一族のルーツ。
以前見つけて読んだのが、先祖の日記であって、他の者には見せれない内容が書かれていたのもあって、誰でも見せるわけにはいかないんだ…。

あれには魔法研究や魔法陣研究で役立つものもあったから、アシュと一緒に読みこんでいたんだ。ただ中盤では少し…。

思わず頬が熱くなる。
同じように一緒に読んでいたアシュも耳まで真っ赤になっていたんだ…。

一族男子の特性とも言える伴侶に対しての執着が赤裸々に描かれていたんだ…。
古代文字だったから、筆者にも羞恥心はあったのだろう…。
あくまでそこは推察だ…。

その事は今はいいとして…。

思わずコホンと咳払いしてしまう。
うん、レインはすやすやと眠っているから大丈夫だ…。

フィンレイ侯爵家のルーツとも言える物が書かれた秘蔵書。
読み解くとゼウスピア国との関係性も書かれていた。

氷で閉ざされた北の国、ゼウスピア国の最後の王である ジュノン•ゼウスピアとその夫ジュディオンの話だ。『精霊王』とは書かれていなかったが、国が滅亡の危機に扮した時、二人の子である『王子』と『王女』を君主である彼らから託されたと。

この秘蔵書を書いたのは、彼らの側近の一人だった。

筆者である人物とその妻。妻の方は当時王子と王女の乳母でもあったらしい。
乳兄弟ともなる自身の子供と共にゼウスピア国を脱出し、今のフィンレイ侯爵領内に一族を連れて移り住んだらしい。
未開拓の土地であった場所を開拓し、託された王子と王女を新たな主君として支えたその側近。
この本の筆者がレイの祖先だった。
そして、主君となった王子がフィンレイ侯爵家の祖先…。

我が国、国名はガルディエーヌ皇国。
神の名をそのまま国名にし、神の子孫が皇族であるとされていた。
創世神話もあり、そこにも皇族の事を少しだけ書かれるぐらいだ。

フィンレイ侯爵家の先祖はガルディエーヌ皇国が現在の大きさになる以前に今の地に移り住み、開拓した事から領として認められたらしい。それと、主君の一人である王女が皇王のもとに嫁いだ事で侯爵家として認められたと…。

それ以上の詳しい事は書かれていなかったが、当時も色々な事があったのだけは理解できた。でなければ、現代と同じ文字が使われている時代に、何度も言うが古代文字などを敢えて使って書き残す事はなかっただろう…。

ジュディオン•オーベルムハイムからの言葉で一瞬忘れてしまっていたが…。

そうだ、末っ子の妹であるアイは、エルが出会った『ジュノー』と呼ばれる青年王、ジュノン•ゼウスピアと同じ瞳をしていたんだ。

と言う事は、アイは先祖返り…。もしくは…。
そう、ジュノーと呼ばれた青年王の魂の一部を持つ者とも考えられる?

それなら、この世界のために『贄』となり続けているとも言える彼の肉体が滅ぶ時、私達のアイが次の『贄』としてあの地に呼ばれてしまう恐れがあると言う事だろう…。
考えたくないが…。

それを防ぐように行動した未来が、さっきの未来視で見えたものだと考えられる。
途中まで見れたが、多分あの後は無事成功したんじゃないかとも思われた。
そう思いたい願望だとも言われるかも知れないが…。
そうなるように…できればあの映像よりもスムーズに対処できるようにした方が良いとも…。

あのエルの身体を貫いた双剣が…。

あの時エルを、大切な家族を奪われてしまう恐怖が蘇る。
あの時のアシュの悲しい叫びが蘇る。
エルは、エドワルドは弟であるアシュの伴侶。
そして、レインは、レイチェルはこの私の伴侶だ。

私とレインは誰がなんと言おうとも双翼だ。
そして、アシュとエルもた双翼。
誰にも奪わせないし、奪われてはならない。
私は長兄。兄として、そして次期フィンレイ侯爵となる者としても守らなくてはいけない。

はぁ…………。
そしてもう一つの映像もまた許せない未来。

多分まだ逃げている男が、エルをどのような手段を使ったのかわからないが、あの様な状態に追い込んだ…。
エルを自分のモノだと勘違いしている愚かな男。
私のレインにも手を出そうとしている男だ。

あの場面ではレインの姿は見えてはいなかった…。
だがあいかし、あの未来は絶対に起こさせてはいけない未来…であるが…。

あの時見えた竜の姿。
そして、そこから人の姿に変わった…。
竜人の国があの映像には関与しているのか?

この大陸には竜人の国は存在している。
やや閉鎖的な国でもあるが…。

一定の商人の受け入れはしているが、それ以外とは余程のことがない限り傍観者として存在している国だとも…。

険しい山岳地帯に位置した場所にその国はあるらしい…。

私は、父上やレイを通して多少は知っているが、会った事はまだないんだ…。

そう考えていた時、襟元の通信機からアシュから連絡が来たんだ。
やはりアシュもエルからレインがスキルで見た未来視を見たようだった。
後で情報を擦り合わせて父上に報告相談する事にする。

そっとレインの髪に指を滑らせてもて遊ぶ…。
触り心地の良いレインの髪もまた私のお気に入りだ。
鼻先を近づけてスンと嗅いでしまう。

エルが以前アシュにされて「ネコ吸いと同じ扱い~~~」と言いながらくすぐったそうに笑っていたのを思い出す。
私もレインにしようとしたら、「人前では嫌だ」と逃げられたが…。

今は安心しきった寝顔ですやすやと私の腕の中で眠っている。
どうして…この世界はエルやレインを中心に色々な事が起こるのだろうか…。
だが、それが例え神の御意志であったとしても…。

私は…私達は、全力でエルとレインを守り、護る。
今の実力ではまだまだ不足だ。
使えれるものは大いに使い、実力も上げていき、私達から大切なものをを奪おうとするものは全て敵だと認定する。
次期侯爵として、多少の制限はあるかも知れないが、それでもだ…。

そう考えていた時、レインが少しだけ身を捩った。
少し強く抱きしめすぎたのか?

表情を確認しながら抱きしめる力加減は調整するが、離す事はしない…。
したくない…。

今はレインを安心して休ませてやり、その後…。

そこまで考えて、私自身も眠気が襲ってきたから、そのまま瞳を閉じる事にしたんだ…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました

春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。 名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。 誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。 ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、 あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。 「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」 「……もう限界だ」 私は知らなかった。 宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて―― ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて

アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。 二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...