兄様達の愛が止まりません!

文字の大きさ
211 / 250
他国からの嵐…

新たなる嵐…その家族は

しおりを挟む
「これは一体どういう冗談なんだ?」

我が息子から送られて来た、とんでもない文章が書かれて紙。
養子ではあるが、愛しい我が子達であるエルとレインが、寮の自分達の部屋のドアを開けたらその紙が挟まれて落ちたようになり、思わず踏みつけそうになったとか。

ちょうど長男のギルベルトも不慣れな城勤から帰宅して来たので、家令のレイを通して私の書斎の方に呼んで一緒にそれを見たんだ。

それと、エルの前世の知識と同じ知識を持つ我が友の妻であるレイナ殿にも、我が友カルロスと一緒に来てもらった。

レイナ殿だけ来てもらい、情報を提供していただくのも在りかとも思ったが、多分我が友であるカルロスが許さないだろう。
やっと帰って来てくれた愛しい人と、できるだけ離れたくないと思っているようだからね。彼女の周りに何かが起こる事も許したくないようだし…。

まぁ…その気持ちはよくわかる。それに、彼女の見た目は当時居なくなった時と変わらないんだ。何も知らなければ、夫婦だと思われず、カルロスの事だ…他の者に婚約の打診などされて奪われるとも思っているのだろう。

実際、そんな不届き者が近づいて来たとも言っていた。
しっかり撃退していたが…。

それはいいとして…。

「カルロス、レイナ殿、よく来てくれた。実は困った事が起こってね。もし何か情報として知っていたら教えていただきたいと思いお呼びした。」

テーブルの上には、アシュから送られて来た紙が二枚。どちらも同じ文章で、片方はレインに送られて来た原本。もう片方はエルの方に送られて来た複写だ。

なぜ原本と複写かというと、皇族である第二皇子に提出するために、間違いなく本物であるとわかるように、向こうにはエルに送られた原本とレインに送られた複写を手元に置いておいたらしい。既に第二皇子が証拠として受け取ったかもしれないが…。

送り主は、今回学園の方に留学して来た他国の王子殿下と王女殿下。
馬鹿正直に連盟で自室のサイン入りだとは…。

この世界では『悪役令息』『悪役令嬢』という呼称は存在しない。
我が家族は息子であるエルの前世の知識で、この世界はエルの前世の知識と類似している世界だと理解していた。その中でこの二つの呼称が悪い意味で使われ、この呼称で呼ばれる者は断罪されて、罪を背をわされるか命を落とす事が多い事も知っていたんだ。

ギルやアシュは我がフィンレイ侯爵家の血筋のためか、相手が実際に体験した事や心の奥に隠している事などを垣間見れる能力があり、幼い時に怯えていた二人に触れて、あの子達が回避したいと思っている事などを知ったんだ。もちろんその情報は私や協力してくれる者とも共用した。

レイナ様は元々異世界から来られた方で、その異世界がエルの前世と同じ世界であり、一部被っていた。
エルは前世ではエルの姉が『ゲーム』と言う物語を体験する遊びのような物を作り上げる側の仕事をしており、その時の情報や、エル自身もそれを遊びとして体験したり、それに関する書物を読んだりしていたらしい。そして、その中に存在するこの世界の人物…エドワルドとして、向こうの世界で死した後に転生して生きているんだ。

自分の知り得る最悪の事態になりたくないと双子の妹とも一緒に足掻き、私達家族もそんなエル達を愛おしく受け入れたんだ。
特に、エルに対してはアシュが。レインに対してはギルが執着し、良い結果として婚姻に至っている。まだ年齢からして未成年扱いになってしまうので、婚約者だと世間では思われているが…。

レイナ様は一度この世界に来られ、カルロスと婚姻し子供も出来たが、他者に狙われ一度向こうの世界に帰ってしまったんだ。その時、エルが知っているゲームという物やそれに関する書籍を購入したとか。
理由はその中の人物にカルロスと二人の間で生まれた子共の想像できる成長した姿によく似た者が描かれていたからだ。

そして、そのゲームとよく似た『聖女召喚の儀式』に実際に巻き込まれるようにこの世界に帰って来られた。
帰ってきて、ゲームと類似しているが、実際は別だと彼女自身理解されているからこそ、それでも類似した場面で最悪な事が起こってはいけないと、今でも惜しみなく協力してくれている。

ギルはテーブルの上に置かれた紙を握りつぶして破きそうな勢いだが、何とか我慢しているようだが…。

「これは…。」
「エレナ殿、何かご存知ですか?」
「これを書かれた王子もしくは王女のどちらかは、もしかしたらエドワルド君のような転生者かも知れません…。」
「それは?」
「えっと…あまり良い気分がしないかも知れませんが、怒らずに訊いてくださいね。説明もし難くてわかりづらいかも知れませんが…。」

そう言ってから…。

「この紙に書かれている内容は、私やエドワルド君が知っている事と類似していて違うものなんです。」
「類似していて違うもの?」
「そうです。この世界でも物語は存在していますよね。子供が見て楽しめそうなものから、大人が読んで楽しめるものです。そして、物語を読んだ人達は個々に色々な事を想像し思い描きます。特に自分の好きな登場人物の事を想像して話を自分の中で作り上げたりも…。」
「確かにそのような事もあるでしょう。」
「ここに書かれているのは、私が知っている小説やアニメ…動く絵画像ですが、ヒロイン…聖女が第二皇子を自分の相手として決めて幸せになった時の話です。それも、作者が考えたのではなく別の者が考えて、他の人にも共感してほしいとそれを公開した…いわゆる想像を物語にしたものです。実際にはエドワルド君やレイチェルちゃんは闇属性は持ち合わせていませんが、『悪役令息』『悪役令嬢』の設定にする場合、その属性持ちの方が効果的なんです。で、聖女が第二皇子殿下を選んだ事で、それ以外の攻略対象者は対象外。振られた事になるんです。聖女が第二皇子や攻略対象者と精霊王様方と協力して青銅の鏡のストーリーを無事攻略。双剣の聖剣が封印の鍵となりこの世界が救われる。その後、第二皇子殿下と聖女は婚約します。卒業後に婚姻の流れになるんです。そして、婚約したばかりの時に、この王子殿下と王女殿下がこの国に留学してくるのですが、聖女と結ばれることのなかったアシレイ君とギルベルト君はこの二人と恋に落ちるんです。そして、婚約して…となるのですが、エドワルド君とレイチェルちゃんはストーリーでは家族から疎まれ、嫌われて、聖女に対して闇魔法を使ったり、この王子殿下と王女殿下に自分達が受け入れてくれない兄達を取られると危害を与えたりする。結果、二人は捕えられて極刑もしくは国外追放時に魔力抑制の刻印を体に刻まれて放逐されるので、その際に魔物や魔獣に襲われて死亡します。」

「………」
「これは、本来のストーリーとかではありません。あのゲームや小説、アニメは年齢指定などがなく、そもそも私がいた異世界ではこの世界のように同性同士では子供が出来ません。同性で恋愛される方や婚姻できる国も有りますが、基本は異性間。子供も異性でしか生まれて来ないんです。ですからこの紙に書かれていることは起こり得ない…。ですが、もし異世界転生者でそのストーリーを愛読していた者であったら…。」
「あの時やって来られた聖女のような行動に出るということですね?」
「そう思います…。エドワルド君やレイチェルちゃんに危害を加える恐れもあるかも知れません…。」

「はぁ…………だからと言って、私やアシュがレインやエルを手放すことはあり得ない。私はレインのものであるし、レインは私のもの。私の伴侶、妻です。アシュにおいてはそれがエルだ。引き離そうと考えるのは許せない!」

「確かあの国の王は…。」
「確か狡猾ではありますが、信心深くもあります。あの国の王女殿下や王子殿下を使ってこの国にちょっかいをかけてくる可能性もありますが…。どちらかが前世の知識持ちであれば、神のご意志だとか言いそうだ。そして、お互いの国同士の利害一致も付け足しそうだが…。」

「そのような事は、神殿側からは許しませんよ。この私が教皇として婚姻を執り行いましたからね。」
「あの国に、例の男が関わっている可能性があります。アシュレイ様やギルベルト様からエドワルド様とレイチェル様を上手く引き離して手に入れる画策を…。」

「そう言えば…、エルが奴隷のように捕えられて運ばれている所を竜人族に者に助けられる映像を…。」
「なら、何らかでエルだけか、レインも一緒だがその映像には映り込んでいなかったかで、よそに連れ攫われる可能性が…。」

「レイは全ての組織を調べて、怪しいところは潰して…。」
「とうぜんです。我妻もお二人に何かあれば…。」
「そうだね。なら頼んだ。」
「私の方は、教会から圧力をかけておきましょう。神の名を語って不届な事をされるのは許せませんから。」
「カルロスも頼む。レイナ殿は情報ありがとうございます。」
「いいえ、あまり詳しくなくてすみません。ですが、少しでもお役に立つように、他にも思い出してみます。」

「ギルは…皇太子殿下に報告して屋敷の方に待機。私は皇王の方にもう一度…。前皇王の方にもご相談してこよう。」

「他の友達にも伝えた方がいいね。共に協力しあう方がいいだろう。」

「父上、アシュの方には…。」
「ギルからアシュの方に伝えておくように。後、影からも情報を送るように伝えておく。」

そう言いながら、色々と計画して…。
我がフィンレイ侯爵家に対して行ってきたんだ。
これは国家間の問題まで発展する可能性がある…。

きっちりと大人の仕事をさせて貰おうじゃないか!!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました

春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。 名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。 誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。 ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、 あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。 「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」 「……もう限界だ」 私は知らなかった。 宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて―― ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました

iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

処理中です...