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学園生活
事件です?
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学園祭が無事に終わり、いつもの日常に戻る。
戻るが、生徒達のやり切った感と、騎士団の模擬戦を見れての興奮はまだ収まっていなかった。
「あの時の試合、すごかったよな」
「ほんと、俺さ、騎士団に絶対入ろうと思うんだ。できたら第一騎士団がいいなぁ。超かっこよかった」
「確かにカッコ良かったけどさ、お前がか?」
「おうさ!」
「第五騎士団ぐらいじゃね。入れるとしたら」
「何でだよ」
「見ためだ」
そんな感じでクラスメイト達は会話していた。
女子生徒は、どの騎士が素敵だったとか、独身だとかそんな感じで楽しんでいた。
勿論、学生のトーナメント戦で活躍した生徒も人気の的で、手紙を渡したり、お菓子を作って渡したりしていた。
まぁ、アイドルの追っかけか、若しくは…って感じか。
ほのぼのしながら眺めるも、あの時騎士団の人達が言っていた言葉が蘇り、気になって仕方がなかった。
あの時、そう、急いで通路を歩いていると、話し声が聞こえてきたんだ。
気にせずそのまま通り過ぎようと思ったんだけど……
「この前は大変だったな…」
「本当、まさかあの副総団長があんなにキレるとは思わなかったよ」
「いつも冷静な彼の方がね…」
「総団長がいたから、あの程度で抑まったんだけど…」
「あの場で、副総団長の番いが見つかるなんてな…それも、あんな状態で…」
「そりゃ、キレるだろ…」
「壊滅状態まで持ちこんだからなぁ…証拠まで木っ端微塵になりかけたよ」
「で、あの子は副総団長の屋敷なんだよなぁ…」
「あぁ、幸せになってほしいなぁ…確かこの学園の子だったか?」
えっ?どういう事?って思った。
学園の生徒が何かトラブルに巻き込まれた?
番いとか言ってた。
副総団長は確かアルファだったはず、なら、その番はオメガ…
もっと詳しく聴きたかったが、会話をしていた騎士団の人達は、いつの間にかその場を離れて歩いて行ってしまったから聞けなかった。
確かにオメガの学生が学園内でヒートを起こして、先生達が大慌てしたのを何度か見たことがある。
ヒートの抑制剤の効果は色々だ。効果の良いものは高価で一般には低価格の物がよく使われる。
それでも、効くものは効くんだが、人によっては効果がない者もいるのは事実だ。
それに、体質的に合わない者もいるという。
そういう生徒は、オメガ生徒用に特殊に作られた部屋で籠るらしいのだが…
先生達曰く、早くもっと効果の良い安価な薬が世に出回るか、その子にとって良い番のものが現れたら…と
自分は両親が製薬関係の仕事もしているし、それなりの爵位もあるか、効果の良い薬を持たせてくれている。
今は予防的に使ったりしているからヒートはあまり起こしていない…と言うか、初めて起こしたのが…
思わず赤面してしまうのがわかる。
思い出したからだ…
「翔、何考えてるの?」
友人である高藤景正が覗き込むようにしてきた。
思わずのドアップに驚いて、椅子ごと後ろに倒れそうになるのを抑えて助けてくれた。
さすがアルファ。力も強いね。
「ごめん、びっくりさせた。でも何考えてた?もしかして気になる子でもできた?」
思春期の男の子が好きな子とかを思い浮かべて…なんて思ったのかもしれない。
ヤバヤバだ。
「いないよ。そ…そんな子…」
「ふ~ん。本当に?」
「しつこい!そう言うお前はどうなんだよ。まぁ、いたら応援してやらない事もないぞ」
「ふふっ…そうだね。いる事はいるんだけどね。なかなか鈍感で、可愛いんだけどさ」
「いるんだ!誰だ?」
「誰だろうね」
そう言いながら頭を撫でられた。
僕ではまだ早いとか思ったのか?それとも、椅子で鈍臭くこけなくてよかったと言うことか?
「まぁ、協力が必要な時は言ってくれ。幼馴染だし、友人だしな」
「友人ね…」
ぽそっと呟かれたせいか、聞き取れず、ん??と聞き返してしまった。
戻るが、生徒達のやり切った感と、騎士団の模擬戦を見れての興奮はまだ収まっていなかった。
「あの時の試合、すごかったよな」
「ほんと、俺さ、騎士団に絶対入ろうと思うんだ。できたら第一騎士団がいいなぁ。超かっこよかった」
「確かにカッコ良かったけどさ、お前がか?」
「おうさ!」
「第五騎士団ぐらいじゃね。入れるとしたら」
「何でだよ」
「見ためだ」
そんな感じでクラスメイト達は会話していた。
女子生徒は、どの騎士が素敵だったとか、独身だとかそんな感じで楽しんでいた。
勿論、学生のトーナメント戦で活躍した生徒も人気の的で、手紙を渡したり、お菓子を作って渡したりしていた。
まぁ、アイドルの追っかけか、若しくは…って感じか。
ほのぼのしながら眺めるも、あの時騎士団の人達が言っていた言葉が蘇り、気になって仕方がなかった。
あの時、そう、急いで通路を歩いていると、話し声が聞こえてきたんだ。
気にせずそのまま通り過ぎようと思ったんだけど……
「この前は大変だったな…」
「本当、まさかあの副総団長があんなにキレるとは思わなかったよ」
「いつも冷静な彼の方がね…」
「総団長がいたから、あの程度で抑まったんだけど…」
「あの場で、副総団長の番いが見つかるなんてな…それも、あんな状態で…」
「そりゃ、キレるだろ…」
「壊滅状態まで持ちこんだからなぁ…証拠まで木っ端微塵になりかけたよ」
「で、あの子は副総団長の屋敷なんだよなぁ…」
「あぁ、幸せになってほしいなぁ…確かこの学園の子だったか?」
えっ?どういう事?って思った。
学園の生徒が何かトラブルに巻き込まれた?
番いとか言ってた。
副総団長は確かアルファだったはず、なら、その番はオメガ…
もっと詳しく聴きたかったが、会話をしていた騎士団の人達は、いつの間にかその場を離れて歩いて行ってしまったから聞けなかった。
確かにオメガの学生が学園内でヒートを起こして、先生達が大慌てしたのを何度か見たことがある。
ヒートの抑制剤の効果は色々だ。効果の良いものは高価で一般には低価格の物がよく使われる。
それでも、効くものは効くんだが、人によっては効果がない者もいるのは事実だ。
それに、体質的に合わない者もいるという。
そういう生徒は、オメガ生徒用に特殊に作られた部屋で籠るらしいのだが…
先生達曰く、早くもっと効果の良い安価な薬が世に出回るか、その子にとって良い番のものが現れたら…と
自分は両親が製薬関係の仕事もしているし、それなりの爵位もあるか、効果の良い薬を持たせてくれている。
今は予防的に使ったりしているからヒートはあまり起こしていない…と言うか、初めて起こしたのが…
思わず赤面してしまうのがわかる。
思い出したからだ…
「翔、何考えてるの?」
友人である高藤景正が覗き込むようにしてきた。
思わずのドアップに驚いて、椅子ごと後ろに倒れそうになるのを抑えて助けてくれた。
さすがアルファ。力も強いね。
「ごめん、びっくりさせた。でも何考えてた?もしかして気になる子でもできた?」
思春期の男の子が好きな子とかを思い浮かべて…なんて思ったのかもしれない。
ヤバヤバだ。
「いないよ。そ…そんな子…」
「ふ~ん。本当に?」
「しつこい!そう言うお前はどうなんだよ。まぁ、いたら応援してやらない事もないぞ」
「ふふっ…そうだね。いる事はいるんだけどね。なかなか鈍感で、可愛いんだけどさ」
「いるんだ!誰だ?」
「誰だろうね」
そう言いながら頭を撫でられた。
僕ではまだ早いとか思ったのか?それとも、椅子で鈍臭くこけなくてよかったと言うことか?
「まぁ、協力が必要な時は言ってくれ。幼馴染だし、友人だしな」
「友人ね…」
ぽそっと呟かれたせいか、聞き取れず、ん??と聞き返してしまった。
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