番だと言われて囲われました。

愛おし過ぎて……

別室に連れ込まれ

そこは執務中に仮眠が取れるであろう部屋だった。
ソファーとサイドテーブル。
ベットが置かれている簡素な部屋。

だが、趣味は良い。
落ち着ける空間だった。

そっとベットに横たえられる。
カイルはベットサイドに座り、私の顔を覗き込む。
押さえ込まれると思ったが………それは無かった。

だが、身動ぐ事は出来ない。
押さえ込まれているわけではない……側に座り、頬を撫でてはいるが……

動揺が走る。
何故？？

恐怖心が持ち上がる。

確かに私は彼から逃げた。
ここに居ては身の危険を感じたから……
ここは自分のいる場所じゃないと感じたから……
同性同士だからか………

なのに、カイルの元に戻された。
囚われた。

彼は私に愛を呟いたが、真実はわからない……わかりたくもない……
いろんな感情が駆け巡る。

すぐにでも、叱咤されれば……
暴力的行為をされればまだわかる。
(わかりたくも無いが…)

でも、ただ何かの力で押さえ込まれ、見つめられ、触れられているだけでは………
わからない……

戸惑いを隠せずカイルを見つめた。
フッと笑うカイル。

何を考えているんだ……
私は……どうなる……

「アキ……」
そう言って抱きしめられた。
そう、ただ抱きしめられただけ。

名を呼ばれ、ただ抱きしめられ続け…口づけられた。
頬を、耳元を首筋を……

チクッとした痛みを感じる。
そのまま感じた場所を舐められた。
傷口を癒すかのように優しく……

戸惑う私に呟く。

「何処に行こうとも、逃がさない。君は私の物だから……」

少し寂しげな瞳で見られたか……と思った。
だが、それは一瞬だった。

まるで捕食者のような燃える瞳で見つめられる。
だが、どこか自制している感じも……

「少しは自覚してもらうよ……」

そう呟いて、唇を貪られた。