番だと言われて囲われました。

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時は過ぎ

亜希子の為に

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あれから、亜希子の為に魔道具を準備した。
しばらく使っていなかったから、どうかと思ったが、メイドや執事が丁寧に保存してくれていたから、直ぐに使えた。
これから、亜希子のためのダンスやマナーの特訓だ。

亜希子に渡すと、第一声が「これは……何……??」だった。
ジャケットとパンツスタイルの魔道具を渡す。

「とりあえず、着てみて」
「大きいんだけど……」

服タイプの魔道具を拡げてそう訴えてきた……

「大丈夫。着ると不思議と自然に身体にフィットしますから。」
「そうなの?」

そう言って着替えに行った。
うん。可愛い。
亜希子の体型にぴったりとしている。

「で、亜紀様、これどうしたらいいの?」

両手首の飾りボタンがスイッチである事を伝える。
何を練習したいかを思い浮かべれば、それに対して自動で動かされる事を伝える。
簡単に言うと、これを使って無理やり身体に覚えこますみたいな感じだ。

身体が勝手に動かされるので、何度も動かされながら癖つける………そんな感じだ。
詳しい仕組みは、カイルに聞かないとわからない。

亜希子にスイッチを自分で押させ、ダンスの練習を思い浮かばせる。

「右手が~ー右足が~ー勝手に動かされる~~~~!!」

そう叫びながら、くるくるとステップを踏んでいる。
クスクス笑いながら……亜希子に声掛ける。

「アキコ、変に力を入れたら余計疲れますよ。痛みもでるし……力を抜いてそのまま身を任せたらいい。そうしたら、自然と覚えますよ。」

ヘトヘトのフラフラな亜希子。数時間練習し、現在這いつくばっています。

「亜紀様もこれ使ったの?」

「そうですね……私とカイルは同性同士だから、ダンスとなると私が女性パートを躍ることになる。ほら、カイルの方が背が高いしね……でも、他の方……女性ととなると、男性パートを踊る様になるから、両方覚えないといけなくてね……初めは戸惑いが強くて、これがなかった時は大変で、逃げ出したりもしたんですよ……今ではいい思い出です。あの時は本気で悩みましたけどね……」
「グレイス父様の時は???」
「私は運動が苦手で、弟は自分の思うように踊りたいが為にパートナーに迷惑かけそうだったので使って助かりましたよ。当時は嫌々でしたけど……妹は必要なかったですね。ダンスとか好きでしたから……」

「そうなんだ……なら、私もきっと……う~~~~ん、ヤッパリへ~ん!!」
そう文句を言いながらも頑張る亜希子を見てほのぼのした。


「ディとそのうち踊れるように。ディにカッコ悪い思いをさせたく無いから……そして、自分の為に……だから、頑張る…………」

そう言っていた。
亜希子を応援しながら、次の準備をしなくては…

メイド長が楽しそうに待ち構えている。
亜希子のドレスを頼んだからだろう。
可愛く、素敵なものを準備させていただきます……そう意気込んでいたから……

亜希子、がんばれ!
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