私の恋愛事情

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亜希子の呟き

異世界生活

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意識のないまま、いつの間にか連れ込まれた。彼のテリトリーである世界。
魔界とか言うから、薄暗くて、混沌としているのかと思いきや、自分のいた世界と差ほぼ変わらない。
都会のマンション群ではなく、少し田舎。
建物は、どちらかといえば、純和風だった。
鬼族が治めるこの地はこの建物が当たり前だとか。

魔王の居城の方は、西洋風の建物らしい。
一部、番がわたしと一緒で、日本人であるためか、和風建築もあるとか言っていたけど……

仕事や、家族の事が心配だったが、そこは彼がうまくしてくれていた。
従来は、存在歴自体を全て消し去るらしいんだけど、わたしの場合、家族が気になるからと、この地にいる事を拒み、精神的におかしくなっては困るからと、特別に、ほんの少し意識操作をしたと言っていた。
外国の人と恋に落ち、その人と共に国外に永住という設定らしい。

仕事も退職。
何てこった。
住んでいた所も引き払われ、私の品はいつの間にやら、ここに運ばれていた。
不必要なものは処分されて。

落ち着いたら、先輩に会わせてくれる約束もできた。
もう少ししたら、会いに行ける。
先輩、大丈夫かなぁ……

私でこれだけ囚われているのに、先輩はもっとかもしれない……
幸せなら良いんだけどね……

そう考えながら、毎日を過ごした。
でないと、やってられないから!!
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