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異世界から来た華
皇帝の苦渋
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執務室の窓から外を眺める。
今頃我が弟はどうなっているのだろうか……
戦況報告は日々届いている。
かなり緊迫しているようだ。
3歳年下の我が弟。
魔力量はかなりのもので、皇族の中でも力が強いと思う。
ただ、我が国において、皇族男子の魔力が強すぎる場合、番となる者は必要。
出会えなければ、力が暴走する。
幼い日よりお互い協力しながら、皇国のためと勉学、武術に努めた。
年齢とともに増す魔力。
私の場合は弟ほどでは無い。
運良く国内で番と出会い、子供もいる。
だが、弟は過去の歴史からも、番が異世界にいる可能性が高かった。
いつ現れるかわからない、愛しい存在。
溢れる魔力を供給できる存在。
この皇国のため、弟であるナディルのためにも祈らずにはおれなかった。
そんなおり 、近隣諸国を呑み込みながら大きくなる国があった。
戦闘民族なのだろう。好戦的で、次々と小諸国を呑み込んでいく。
かなり危険な国だ。
その国が、我が国の国境近くにちょっかいをだした。
国民を守るのは国……この皇国の務めだ。
だが、かの国は強いと噂されている。
かなり汚い手も使って来るとのこと。
どうするべきか悩んだ。
いろんな議案も持ち上がるが、決定打に欠ける。
皇国男子である者の力を使い、ねじ伏せるのが一番かもしれない。
1番強いのは弟……ナディルだ。
だが、彼にはまだ………暴走し、自滅する可能性もある。
戦において、戦死はどの時代の戦にもある。
力の暴走は………相手のダメージも強く、大きいだろう……
だが、この皇国においても……
私の心にもダメージが大きいんだよ……
悩み1人夜更けにアルコールを手にしていた。
執務室のソファーに座り……
コンコン
執務室のドアのノック音。
弟の気配がドアの向こうからする。
「ナディルか?入れ。」
静かにドアを開け、入ってきた。
「兄上、こんな時間にアルコールですか?」
苦笑いを浮かべる。
わかっているはずなのに、あえてそのセリフか………
グラスをテーブルの上に置き、脚を組み直す。
「どうした??お前がこの時間に来るなんて、めずらしいな……」
「兄上、いえ、アジェル皇帝陛下に折り入ってお願いがあり、参りました。」
「折り入って??」
何が言いたいのか、何となく察しがつく。だが……
「ナディル?君が最前線に行くのは賛成出来ないよ……」
「兄上!!」
「わかっているだろ?番のいないお前は、力が暴走して自滅する可能性がある。お前を失う訳にはいかないし、味方の騎士たちを巻き込む訳にもいかないよ……」
「しかし……」
「もう少しいい案を考えてみるよ。」
「…………」
「他に何かあるのかな?無ければこの話はこれで終わりだ……ナディル??」
「いいえ、兄上。やはり私が行きます。部下たちは離れた所に配置します。私がもし暴走した場合巻き込まれない場所で、しかも直ぐに対応出来るものを選びます。今のままでは私はいずれ暴走するでしょう。するなら、国民に迷惑をかけるのではなく、守る為に使いたい。」
真剣に訴えてくる弟。かなりの覚悟を決めてきたのだろう……
ならば、この国の皇帝として接するしか無い。
「そうか……」
瞼を閉じて一呼吸おく。
「行ってくれるか??」
「はい!!」
そのあと、幼かった頃の話をした。
翌朝、弟達騎士団は出発した。
準備を十分にしての私への上申だったんだろう。
頼むから、無事時帰ってきてくれ………
そう願いながら、皇帝として送り出した。
もう、3ヶ月になる………
今頃我が弟はどうなっているのだろうか……
戦況報告は日々届いている。
かなり緊迫しているようだ。
3歳年下の我が弟。
魔力量はかなりのもので、皇族の中でも力が強いと思う。
ただ、我が国において、皇族男子の魔力が強すぎる場合、番となる者は必要。
出会えなければ、力が暴走する。
幼い日よりお互い協力しながら、皇国のためと勉学、武術に努めた。
年齢とともに増す魔力。
私の場合は弟ほどでは無い。
運良く国内で番と出会い、子供もいる。
だが、弟は過去の歴史からも、番が異世界にいる可能性が高かった。
いつ現れるかわからない、愛しい存在。
溢れる魔力を供給できる存在。
この皇国のため、弟であるナディルのためにも祈らずにはおれなかった。
そんなおり 、近隣諸国を呑み込みながら大きくなる国があった。
戦闘民族なのだろう。好戦的で、次々と小諸国を呑み込んでいく。
かなり危険な国だ。
その国が、我が国の国境近くにちょっかいをだした。
国民を守るのは国……この皇国の務めだ。
だが、かの国は強いと噂されている。
かなり汚い手も使って来るとのこと。
どうするべきか悩んだ。
いろんな議案も持ち上がるが、決定打に欠ける。
皇国男子である者の力を使い、ねじ伏せるのが一番かもしれない。
1番強いのは弟……ナディルだ。
だが、彼にはまだ………暴走し、自滅する可能性もある。
戦において、戦死はどの時代の戦にもある。
力の暴走は………相手のダメージも強く、大きいだろう……
だが、この皇国においても……
私の心にもダメージが大きいんだよ……
悩み1人夜更けにアルコールを手にしていた。
執務室のソファーに座り……
コンコン
執務室のドアのノック音。
弟の気配がドアの向こうからする。
「ナディルか?入れ。」
静かにドアを開け、入ってきた。
「兄上、こんな時間にアルコールですか?」
苦笑いを浮かべる。
わかっているはずなのに、あえてそのセリフか………
グラスをテーブルの上に置き、脚を組み直す。
「どうした??お前がこの時間に来るなんて、めずらしいな……」
「兄上、いえ、アジェル皇帝陛下に折り入ってお願いがあり、参りました。」
「折り入って??」
何が言いたいのか、何となく察しがつく。だが……
「ナディル?君が最前線に行くのは賛成出来ないよ……」
「兄上!!」
「わかっているだろ?番のいないお前は、力が暴走して自滅する可能性がある。お前を失う訳にはいかないし、味方の騎士たちを巻き込む訳にもいかないよ……」
「しかし……」
「もう少しいい案を考えてみるよ。」
「…………」
「他に何かあるのかな?無ければこの話はこれで終わりだ……ナディル??」
「いいえ、兄上。やはり私が行きます。部下たちは離れた所に配置します。私がもし暴走した場合巻き込まれない場所で、しかも直ぐに対応出来るものを選びます。今のままでは私はいずれ暴走するでしょう。するなら、国民に迷惑をかけるのではなく、守る為に使いたい。」
真剣に訴えてくる弟。かなりの覚悟を決めてきたのだろう……
ならば、この国の皇帝として接するしか無い。
「そうか……」
瞼を閉じて一呼吸おく。
「行ってくれるか??」
「はい!!」
そのあと、幼かった頃の話をした。
翌朝、弟達騎士団は出発した。
準備を十分にしての私への上申だったんだろう。
頼むから、無事時帰ってきてくれ………
そう願いながら、皇帝として送り出した。
もう、3ヶ月になる………
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