53 / 269
アカデミー
アカデミー生活開始です。(ジャディール)
しおりを挟む
入ってきた男は、さっき想像していた友人。
シルバーの髪、エメラルドグリーンの瞳を持つ紳士。
この国、アステード王国の公爵家の一つ、セイクリオン家の当主。アルホンス•セイクリオン本人だった。
私より二十歳年上の男だが、アカデミーでは同期だ。
これは『竜人族』の成長の特徴のせいだから、年齢が違っても、『成人して入学』という決まりにより、このような事はよく起こる。
「良い感じじゃないか。ここでのお前の巣穴だな。でも、学生時代はのびのびと学ばせてやりたいと思う親心を考慮してほしいな」
そう言いながら、置いてある本を一つ手に取って眺めていた。
「うん。懐かしいね。この本」
「わざわざ釘を刺しにきたのか?お前の時よりもかなり我慢しているんだがな」
「当時の彼女は、この国では成人していたからね。彼女がいた世界では…まだだったかもしれないが、そんな事は関係ない。だろ?」
「そうやって、俺に同意を得られてもな…俺の番だって成人しただろ?」
「そうだけれどさ、学生時代だから、友人とか色々な出会いとかさ。経験させてやりたいだろ?俺達みたいにさ」
そう言いながら、お茶を催促してくる。
仕方なく、コーヒーを準備して、テーブルに置いてやった。
菓子などはない。
まだこの部屋に準備してなかったのもあるが、あっても出してやりたくないと思った。
それぐらいは許してくれるだろう。
「で、何を教えるんだ?何でも得意だったろ?」
ニヤニヤしながら聞いてきた。
教えながらどれだけ彼に接触するつもりかと問いただしているのか?
まぁ、心配なのはわかるが、でしゃばられては困るんだけどね。
協力はしてもらうが…
「攻撃魔法や防御などの戦闘に特化した魔法術や、護身用としての体術の講師だ。あの子に変なムシが寄りつかないようにしっかりと教えてあげようと思ってね」
「ただ身体に触れたいだけではないのか?」
痛いところをついてくる。
体術だと、確かに身体に触れて教えるからな…
他の者に…
無理だ。許せない…
「まぁ、ほどほどに頑張って。それよりも、例の件だけど」
そう言いながら、遮音と防音、防御結界など何重にも展開してきた。
それだけ重要な話なんだろう。
アカデミーのセキュリティに引っかからないようにも考慮しているのは流石だ。
俺もできるが、こいつの方が速く正確に展開できるんだ。
「超得意だからね。これで大丈夫だろう。でだ、あの件はどうなっている?こっちの展開は…」
そう言って、この前起こった愛しい者の『拉致未遂事件』について情報交換を行う。
自分からあの転移陣に入って行ったとはいえ、拉致と認定しても良いだろう。
そのように仕組んでいったのだから。
相変わらず巧妙に仕組んでいくものだ。
前回は、こいつの妻、愛しい者の母親が狙われていた。
理由はわかっている。
わかっているが、許せない理由だ。
今回はその子供。
俺のモノに手を出した。
あの国にも要請はかけている。
助力は惜しまないと、協力してくれているが、なかなか難しいらしい。
あの国でも問題視されており、どうにかしたいと常々画策しているが、ちょうど良い決定打が掴めないらしい。
あの組織自体は悪いとは言い切れない。その中の一部だけだ。
悪い膿はとっとと除去したいが…
「なるほどね。上手くいかないね」
「そうだな。今は徹底的に護衛だ。せっかくのアカデミー生活の邪魔はしたくないからな」
「お前がそれを言う?くっ…くくくっ…ぶはははは」
腹を抱えて笑い出した。
「うるさい。人のこと言えないだろ?お前だってあの時酷かったんだからな!フォローする俺のことも考えて欲しかったよ」
「ははははっ…すまんすまん。あの時は助かったよ。だから、俺だって…ただ、俺の息子なんだよなぁ…」
まぁ、自身の子供が対象だから、理解できるがしたくないんだろう。
俺的には、すぐさま自分の中に囲い込んでしまいたいんだ。
アレは俺のモノなんだから。
捕らえて離さない。誰にも渡さないし、逃しもしない。
髪の毛ひとつさえ渡したくないぐらいだ。
涙を流させるのは、俺だけで良い。
俺の腕の中で…
「お~い、帰ってこ~い。大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫だ。」
「そうか…あと、あの子は何か特別な力があるようだ。彼女と俺の息子だから、何らかの特別な力があったとしてもね。そんな些細な事、どおって事はないんだけどな~。まぁ、奴らにその事を知られるわけにはいけないから特に注意だ。確認もしたいけれど、本人から言ってもらいたいのもある。以前は少しは教えてもらえたんだけど、それ以外にもあるようでな…」
「そうだな…文献に少しだけ記載されている特殊な能力があるみたいだ。遠目で確認したけれどな…俺だからわかった感じだ。他の者達にはバレていない。あの子についている…あの子が召喚した者だ…」
「もっと詳しく…でも、ここではな…場所を移すか」
飲み干してしまったカップを片付ける。
そうして、展開していた陣を解き、二人で新たに展開した魔法陣で転移した。
シルバーの髪、エメラルドグリーンの瞳を持つ紳士。
この国、アステード王国の公爵家の一つ、セイクリオン家の当主。アルホンス•セイクリオン本人だった。
私より二十歳年上の男だが、アカデミーでは同期だ。
これは『竜人族』の成長の特徴のせいだから、年齢が違っても、『成人して入学』という決まりにより、このような事はよく起こる。
「良い感じじゃないか。ここでのお前の巣穴だな。でも、学生時代はのびのびと学ばせてやりたいと思う親心を考慮してほしいな」
そう言いながら、置いてある本を一つ手に取って眺めていた。
「うん。懐かしいね。この本」
「わざわざ釘を刺しにきたのか?お前の時よりもかなり我慢しているんだがな」
「当時の彼女は、この国では成人していたからね。彼女がいた世界では…まだだったかもしれないが、そんな事は関係ない。だろ?」
「そうやって、俺に同意を得られてもな…俺の番だって成人しただろ?」
「そうだけれどさ、学生時代だから、友人とか色々な出会いとかさ。経験させてやりたいだろ?俺達みたいにさ」
そう言いながら、お茶を催促してくる。
仕方なく、コーヒーを準備して、テーブルに置いてやった。
菓子などはない。
まだこの部屋に準備してなかったのもあるが、あっても出してやりたくないと思った。
それぐらいは許してくれるだろう。
「で、何を教えるんだ?何でも得意だったろ?」
ニヤニヤしながら聞いてきた。
教えながらどれだけ彼に接触するつもりかと問いただしているのか?
まぁ、心配なのはわかるが、でしゃばられては困るんだけどね。
協力はしてもらうが…
「攻撃魔法や防御などの戦闘に特化した魔法術や、護身用としての体術の講師だ。あの子に変なムシが寄りつかないようにしっかりと教えてあげようと思ってね」
「ただ身体に触れたいだけではないのか?」
痛いところをついてくる。
体術だと、確かに身体に触れて教えるからな…
他の者に…
無理だ。許せない…
「まぁ、ほどほどに頑張って。それよりも、例の件だけど」
そう言いながら、遮音と防音、防御結界など何重にも展開してきた。
それだけ重要な話なんだろう。
アカデミーのセキュリティに引っかからないようにも考慮しているのは流石だ。
俺もできるが、こいつの方が速く正確に展開できるんだ。
「超得意だからね。これで大丈夫だろう。でだ、あの件はどうなっている?こっちの展開は…」
そう言って、この前起こった愛しい者の『拉致未遂事件』について情報交換を行う。
自分からあの転移陣に入って行ったとはいえ、拉致と認定しても良いだろう。
そのように仕組んでいったのだから。
相変わらず巧妙に仕組んでいくものだ。
前回は、こいつの妻、愛しい者の母親が狙われていた。
理由はわかっている。
わかっているが、許せない理由だ。
今回はその子供。
俺のモノに手を出した。
あの国にも要請はかけている。
助力は惜しまないと、協力してくれているが、なかなか難しいらしい。
あの国でも問題視されており、どうにかしたいと常々画策しているが、ちょうど良い決定打が掴めないらしい。
あの組織自体は悪いとは言い切れない。その中の一部だけだ。
悪い膿はとっとと除去したいが…
「なるほどね。上手くいかないね」
「そうだな。今は徹底的に護衛だ。せっかくのアカデミー生活の邪魔はしたくないからな」
「お前がそれを言う?くっ…くくくっ…ぶはははは」
腹を抱えて笑い出した。
「うるさい。人のこと言えないだろ?お前だってあの時酷かったんだからな!フォローする俺のことも考えて欲しかったよ」
「ははははっ…すまんすまん。あの時は助かったよ。だから、俺だって…ただ、俺の息子なんだよなぁ…」
まぁ、自身の子供が対象だから、理解できるがしたくないんだろう。
俺的には、すぐさま自分の中に囲い込んでしまいたいんだ。
アレは俺のモノなんだから。
捕らえて離さない。誰にも渡さないし、逃しもしない。
髪の毛ひとつさえ渡したくないぐらいだ。
涙を流させるのは、俺だけで良い。
俺の腕の中で…
「お~い、帰ってこ~い。大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫だ。」
「そうか…あと、あの子は何か特別な力があるようだ。彼女と俺の息子だから、何らかの特別な力があったとしてもね。そんな些細な事、どおって事はないんだけどな~。まぁ、奴らにその事を知られるわけにはいけないから特に注意だ。確認もしたいけれど、本人から言ってもらいたいのもある。以前は少しは教えてもらえたんだけど、それ以外にもあるようでな…」
「そうだな…文献に少しだけ記載されている特殊な能力があるみたいだ。遠目で確認したけれどな…俺だからわかった感じだ。他の者達にはバレていない。あの子についている…あの子が召喚した者だ…」
「もっと詳しく…でも、ここではな…場所を移すか」
飲み干してしまったカップを片付ける。
そうして、展開していた陣を解き、二人で新たに展開した魔法陣で転移した。
26
あなたにおすすめの小説
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
いきなり有能になった俺の主人は、人生を何度も繰り返しているらしい
一花みえる
BL
ベルリアンの次期当主、ノア・セシル・キャンベルの従者ジョシュアは頭を抱えていた。自堕落でわがままだったノアがいきなり有能になってしまった。なんでも「この世界を繰り返している」らしい。ついに気が狂ったかと思ったけど、なぜか事態はノアの言葉通りに進んでいって……?
【Amazonベストセラー入りしました】僕の処刑はいつですか?欲しがり義弟に王位を追われ身代わりの花嫁になったら溺愛王が待っていました。
美咲アリス
BL
「国王陛下!僕は偽者の花嫁です!どうぞ、どうぞ僕を、処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(笑)」意地悪な義母の策略で義弟の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王子のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯?(Amazonベストセラー入りしました。1位。1/24,2024)
侯爵様の愛人ですが、その息子にも愛されてます
muku
BL
魔術師フィアリスは、地底の迷宮から湧き続ける魔物を倒す使命を担っているリトスロード侯爵家に雇われている。
仕事は魔物の駆除と、侯爵家三男エヴァンの家庭教師。
成人したエヴァンから突然恋心を告げられたフィアリスは、大いに戸惑うことになる。
何故ならフィアリスは、エヴァンの父とただならぬ関係にあったのだった。
汚れた自分には愛される価値がないと思いこむ美しい魔術師の青年と、そんな師を一心に愛し続ける弟子の物語。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】僕の大事な魔王様
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
BL
母竜と眠っていた幼いドラゴンは、なぜか人間が住む都市へ召喚された。意味が分からず本能のままに隠れたが発見され、引きずり出されて兵士に殺されそうになる。
「お母さん、お父さん、助けて! 魔王様!!」
魔族の守護者であった魔王様がいない世界で、神様に縋る人間のように叫ぶ。必死の嘆願は幼ドラゴンの魔力を得て、遠くまで響いた。そう、隣接する別の世界から魔王を召喚するほどに……。
俺様魔王×いたいけな幼ドラゴン――成長するまで見守ると決めた魔王は、徐々に真剣な想いを抱くようになる。彼の想いは幼過ぎる竜に届くのか。ハッピーエンド確定
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/11……完結
2023/09/28……カクヨム、週間恋愛 57位
2023/09/23……エブリスタ、トレンドBL 5位
2023/09/23……小説家になろう、日間ファンタジー 39位
2023/09/21……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる