竜の国のご都合主義?

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アカデミー

アカデミー生活開始です。(ジャディール)

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「来たか。待っていたよ」

そう言って気さくに話しかけてくる兄は、昔と変わりない。
見た目が二十代後半だが、いいお歳の子供がいるんだよな…
アカデミーに在籍している子供もいたか…

兄とは歳が離れているから、俺自身結構可愛がられていた。
皇族は、王位継承権とかで周りが揉めたり、兄弟の間でも揉めたりと良く聞くが、俺達『竜人族』の場合はそういう揉め事がほとんどない。絶対とは言い切れないが、まず、『番』の事もあるし、種族がら子供ができにくいのもあるらしい。親族愛もすさまじい。
子供の数は、例外もいるんだがな…
友人の子供とか…兄上の所も多い方に入る。
そして、『身内に優しく外に厳しい』感じなんだよね。

「お久しぶりです。急な訪問を許可していただ…」

バンと思いっきり背中を叩かれ、ぎゅーって抱きしめてくる。
苦しいって…

「ディよ。兄にそのように…冷たいではないか?」

ゆっくりと離してくれる兄は相変わらずだった。

「レイナルド様、ジャディール様とお会いできて嬉しいのはわかりますが、落ち着ください」

そう言ってお茶の準備をしてくれるのは、兄の護衛兼筆頭執事のレイルだ。
『ほらほら、さっさと座る』みたいに兄を促す様は流石だ。
コイツでなければ無理だな…
兄の親友であり、幼馴染でもあるんだから…

「ジャディール様もお座りください」

そう言って、茶菓子も準備し出した。
うん、それは俺の好物だったお菓子だな。
幼少時代の…今も好物ではあるが…
俺のことも良く知っているから、何故か逆らえない。
促され、素直に兄の向かい側に腰掛ける。
私の背後の壁側には、私の執事が立っている。

「お前の好きだった物を準備しているから、まぁ食べなさい。で、」

座って一口茶を飲んだ後、兄が聞いてくる『どうした?』と。
目が細まり、一瞬独特の雰囲気を醸し出す。
こういう時は、全てをきちんと話さないといけない。

『今現在わかっている範囲だけ』と前置きして、兄に説明していく。

「なるほどね…」

指で顎を支える動作は、兄が真剣に思案している癖だ。
内容が内容だ。
俺の大切な者に関しての…
そして、下手すれば国際問題にも…

「で、お前はどうしたい?私はお前もだが、その者も全力で守るし護るよ。私の家族であり、守り護るべき国民だからね。私個人として自分の持てるもの全てでだ。まぁ、その子自身、かなり特別な者でもあるしね。」

脚を組み替えし

「あぁ、間違えないようにね。国のために酷使するつもりは全然ないよ。必要もない。子供に全てを負わせるようなことはあり得ないからね。この世界でもだ。あのバカ達以外は」

「兄上…」
「早速あの国に連絡を入れるようにしよう。レイル頼んだよ」
「はい、お任せください」

「それにしても、『英霊召喚』と、『精霊王と妖精王召喚』ね。アカデミーでの授業で召喚したのは『アイリーナ』か、緑の妖精王だったか?すごいね私の義理の弟となる者は。授業の召喚の儀式で呼び出した?どれだけの魔力と精霊や妖精に愛されし者なんだろうね。しかも、日頃は可愛い手のひらサイズの妖精の姿でそばにって、可愛すぎるだろうね。くっ…ふふふふっ」
「あの子が可愛いのも、素晴らしいのも私にとっては当たり前の事ではありますが」

「ぷっ…ハハハっ…もうしっかり骨抜きだね。あのディが。」

バンバン机を叩き出した。
そこまで笑う必要はないだろう。真剣に悩んでいるんだから!!

「兄上!」
「レイナルド様、笑いすぎですよ」

そう言って、レイルが兄を制してくれるが、生暖かい目で見ないでくれ…

「すまんすまん。まぁ、これは種族の特性とも言えるし、我ら一族の特性かもな。うん。私もそうだった。なぁ、レイル」
「そうですね。大変でしたね。後でお教えしますね」
「いゃ、教えるのはやめてくれ、私の黒歴史を弟には…」

おっと、兄が慌てている。これはこっそり教えてもらっとこう。いざという時に…
いゃ、それよりも、今の問題だが…

流れが変な方向に向かいそうになり、修正をっと…

「ディ。アイリーナの件もだが、その他、そう、あの者達の事はディール帝国にも協力してもらおうと思う。あの女帝ならこちらの要請に協力的になるはずだ。理由は…わかるだろ?」
「例の事ですね」
「そうだ。その事もあり、協力は絶対だ。だから大丈夫。この際あの愚かな者達には…な?」
「はい。そう願います」
「それに、もう一つの問題が浮上してきた。これも厄介なんだが、もちろん協力してくれるよな」
「それは勿論です。愛しい者と住むこの世界に関係しますから」
「なら良し。その時は要請する」

『よし!』と掛け声と同時にパンと大きな響くように手を叩き、展開していた魔法陣を解除した。

「今日は泊まって行くだろ?ぜひ泊まっていけ。決定だ。夕食はお前の好物を準備させているからな。お前の部屋もそのままだ。ついでに仕事もしていけよ。お前の執務室もそのままにしているし、今頃書類も積まれてるだろうしな」
「兄上?」

「頼んだぞ。では後で」

そう言われると、もうこの話は一旦終わりだ。
それより仕事ってどういう事だ?
俺のここでの仕事は無いはずなのに…

いつのまにか廊下で待つ文官達に囲まれて、仕方なく昔使っていた自分の執務室に向かう。
部屋は…
昔のままに、いつでも仕事ができるようにって、しかも書類そんなにか?

諦めて椅子に腰掛ける。

「お願いします」
「待っていました」

そう言って、集められていた部下達に促されしぶしぶ…
兄上、こっちがもしかして主だったのでは?
そう考えながら、サクサクとこなしていった。

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