君に逢えてよかった

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えっと

此処は?

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気がつけば、首輪をつけられ、繋がれていた。

身体はどうなってるんだ?

部屋の片隅に姿見を見つけて絶句した。
猫だ………黒猫だ……
瞳は…青いな…

周りを見回すと、自分の服と鞄が無造作に床に置かれていた。
とりあえず拾って来て、ポイと置いた……そんな感じだ。

何とかそこまでは届き、悪戦苦闘しながら、鞄の中に服を押し込んだ。
ファスナー付きでなくてよかった。
でないと、服を猫の姿で押し込むのは無理がある……

でも、これは一体……どうなるんだ?

猫の姿にされたのはショックだし、というか、非現実的でありえないんだが…実際にそうなそうなっているのだから、受け入れないといけないのか?
漫画や小説、映画とかでもあるまいし……とも思ったが、どんなに足掻いても、猫の姿は変わらないし、繋がれていることも変わらなかった。

「目が覚めたかい。なら、ちょっと練習させようかね。」

そういって、いきなりムチで床を叩く。
ビクとして、逃げようとしたが、鎖がピンと伸びるだけで、どうにもならなかった。
そのまま、魔女にムチで叩かれながら、魔法を教わった。
この世界では魔法とかが使える。どんな生き物でも多少の魔力があるらしい。
でも、俺にはそんな物が無いから、逆に感知されにくいらしい。
魔法は、魔女に付けられた首輪を媒介にして使えるらしい。というか、そう言う魔石が首輪の中央に飾られていた。
よって、色んな情報を集める諜報部員として訓練させられた。
時には食事ももらえず、疲れ果て、ぐったりとした。

何とか覚えたのは、気配を消す事。そして、いざという時に自分の身を守りながら逃げれるように、石つぶてなどを浮かべて投げる事だった。

一体いつまでこんな姿で使役されるのだろう…
何か悪いことした?どうして俺が??

そんな事も考えられないぐらい比叡していった。

そんなある日、いきなり事態は急変した。
魔女が急に慌ただしくしだしたと思ったら、いきなり玄関のドアが破壊され、複数の人達が入って来た。
腰には帯剣がされ、まるで漫画とかに出てくる騎士のような格好だ。
その後ろから、黒いローブを被った男性が入ってきた。

「魔女イエル。観念するんだな。」
「クソ~~~~~、もう少しだったのに!!」

そう叫びながら、部屋中埃が舞いながら、いろんな物が破壊されながら凄まじい事になっていた。

俺は恐怖で、椅子の下を通り、隠して置いた自分の鞄の側で小さくなって隠れていた。

数分後、騒動は収まり、そっと物陰から様子を伺おうとしたら、大きな手で掴まれた。

「傷だらけだ。大丈夫か?そんなに威嚇しないで。大丈夫だから」

そう言うと、鎖を外してくれたが、あまりの恐怖にその抱き上げた男の指に噛み付いた。

「クッ………そんなに怖がるな。もう悪い魔女はいない。こんなに痩せ細って…」
「アルフレッド様。大丈夫ですか?!」

側にいたもう1人の男性が、アルフレッドと呼ばれる男に声をかけた。
俺が噛んだのは、アルフレッドと呼ばれる黒いローブを被っていた男だ。

男の手から逃れ、自分の鞄の側に行く。

「それは君にとって大切なものかい?」

アルフレッドがまた近づいてくる。
威嚇する俺だけど、それをものともせず俺を抱き上げ、俺の鞄も持ってくれた。

「イルバーシュ、戻るぞ」

そう言って、俺はアルフレッドに抱かれたままその場を後にした。
抱かれたまま見たその部屋、家はまるで物置小屋のようにボロボロで、思わず驚いてしまった。
俺はあんな所に閉じ込められて、使役のための訓練のような事をさせられていたのか?

苛立ちと悲しさで、鳴いてしまった。
「ナ~オ、ナ~オ」
と、物悲しそうな猫の声だけがあたりに響いていた。
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