28 / 75
プレゼント作戦
過去を参考に
しおりを挟む
今日、シオンは朝から城外に出かけている。
ベットを共にしているから、抱き潰そうかとも思ったが、あまりにも楽しそうに話してきたから出来なかった。
少しの時間も離れるのが辛い。
午後までには帰って来るのに……
「アル様、印鑑が逆さまですよ。」
側に付いているライトが声かけてきた。
「大丈夫ですか??それでは仕事が進みませんよ。」
「そうだなぁ………」
「もう少ししたら帰って来られるのですから、さっさと済ませてください。」
…………………
何も言い返せない。
朝からこのやり取りが何回か続いている。
一緒に行きたかったなぁ…………
シオンの楽しんでいる横顔を見ながら、散策したかった。
シオンの初めてを一緒に体験したかったのに………
思わず舌打ちしてしまう。
その時ふと、思い出した。
ライトとの会話で気になることがあった。
そして、不快に思ったこと。
そう、この前の視察現場で………
過去に我がシュナイゼル皇国を犯そうと進軍してきたアルテカ帝国を撃退した場所。
300年前、英雄であり、王弟でもあるナディル・シュナイゼル が戦った場所。『ディアナ』
現在は復興され、緑豊かな土地と国境沿いの塀と砦が建設されており、随時騎士が駐屯し、国を守っている。
国境沿いならではの物資の流通が盛んな街。
その場所でライトが言った言葉。
「いえ、このようにこの国境沿いの砦で、騎士達が活気ある姿を見て、少し昔を思い出しまして……」
考え深そうにして騎士達の会話を聞き入っていた姿。
そして
「私、『アルテカの戦い』に参加してたんですよ~ナディル殿下と~~言ってませんでしたか??」
そう言っていた。
ナディル・シュナイゼル 。
過去に力の暴走寸前で『番』と出会った皇族だ。
今まで過去の皇族達が書いてきた秘蔵書は熟知してきたが、実際に共にその時代を生きたものから聴いたほうが今後に役立つ。
シオンを確実に我が物にする為に、埋めれる外堀は総て埋めたい。
だから、あの時苛立った。
なぜ、シオンが現れる前に教えてくれていなかったのかと………
シオンが現れてすぐでも教えなかったのか……
「ライト、この前言ってた事、もう少し詳しく教えてくれますよね?」
「はて??何の事でしょう??」
しらばっくれて、逃げようとするも……逃しはしない。
しっかりと聴かせてもらおう。
クスクスクス………口角を上げる。
「ライト、惚けてもだめですよ、さぁ、総て話していただきます。この前の視察現場で口にした事を」
魔力を少し行使して詰め寄る。
威圧感たっぷりで。
ライトは時々とぼけて逃げることがある。
密かに後退しているようだ。
逃す気はない!!
「ライト」
黒い笑みが自分でもわかる。
シオンには見せれないなぁ……
ライトは顔を引きつりながらも、私の質問に答えながら、過去を語り出した。
ふふふふっ………最初からそうすればいいのですよ………
さぁ、参考にさせてもらいますよ。
ベットを共にしているから、抱き潰そうかとも思ったが、あまりにも楽しそうに話してきたから出来なかった。
少しの時間も離れるのが辛い。
午後までには帰って来るのに……
「アル様、印鑑が逆さまですよ。」
側に付いているライトが声かけてきた。
「大丈夫ですか??それでは仕事が進みませんよ。」
「そうだなぁ………」
「もう少ししたら帰って来られるのですから、さっさと済ませてください。」
…………………
何も言い返せない。
朝からこのやり取りが何回か続いている。
一緒に行きたかったなぁ…………
シオンの楽しんでいる横顔を見ながら、散策したかった。
シオンの初めてを一緒に体験したかったのに………
思わず舌打ちしてしまう。
その時ふと、思い出した。
ライトとの会話で気になることがあった。
そして、不快に思ったこと。
そう、この前の視察現場で………
過去に我がシュナイゼル皇国を犯そうと進軍してきたアルテカ帝国を撃退した場所。
300年前、英雄であり、王弟でもあるナディル・シュナイゼル が戦った場所。『ディアナ』
現在は復興され、緑豊かな土地と国境沿いの塀と砦が建設されており、随時騎士が駐屯し、国を守っている。
国境沿いならではの物資の流通が盛んな街。
その場所でライトが言った言葉。
「いえ、このようにこの国境沿いの砦で、騎士達が活気ある姿を見て、少し昔を思い出しまして……」
考え深そうにして騎士達の会話を聞き入っていた姿。
そして
「私、『アルテカの戦い』に参加してたんですよ~ナディル殿下と~~言ってませんでしたか??」
そう言っていた。
ナディル・シュナイゼル 。
過去に力の暴走寸前で『番』と出会った皇族だ。
今まで過去の皇族達が書いてきた秘蔵書は熟知してきたが、実際に共にその時代を生きたものから聴いたほうが今後に役立つ。
シオンを確実に我が物にする為に、埋めれる外堀は総て埋めたい。
だから、あの時苛立った。
なぜ、シオンが現れる前に教えてくれていなかったのかと………
シオンが現れてすぐでも教えなかったのか……
「ライト、この前言ってた事、もう少し詳しく教えてくれますよね?」
「はて??何の事でしょう??」
しらばっくれて、逃げようとするも……逃しはしない。
しっかりと聴かせてもらおう。
クスクスクス………口角を上げる。
「ライト、惚けてもだめですよ、さぁ、総て話していただきます。この前の視察現場で口にした事を」
魔力を少し行使して詰め寄る。
威圧感たっぷりで。
ライトは時々とぼけて逃げることがある。
密かに後退しているようだ。
逃す気はない!!
「ライト」
黒い笑みが自分でもわかる。
シオンには見せれないなぁ……
ライトは顔を引きつりながらも、私の質問に答えながら、過去を語り出した。
ふふふふっ………最初からそうすればいいのですよ………
さぁ、参考にさせてもらいますよ。
24
あなたにおすすめの小説
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
異世界から来た華と守護する者
桜
恋愛
空襲から逃げ惑い、気がつくと屍の山がみえる荒れた荒野だった。
魔力の暴走を利用して戦地にいた美丈夫との出会いで人生変わりました。
ps:異世界の穴シリーズです。
『異世界転生してカフェを開いたら、庭が王宮より人気になってしまいました』
ヤオサカ
恋愛
申し訳ありません、物語の内容を確認しているため、一部非公開にしています
この物語は完結しました。
前世では小さな庭付きカフェを営んでいた主人公。事故により命を落とし、気がつけば異世界の貧しい村に転生していた。
「何もないなら、自分で作ればいいじゃない」
そう言って始めたのは、イングリッシュガーデン風の庭とカフェづくり。花々に囲まれた癒しの空間は次第に評判を呼び、貴族や騎士まで足を運ぶように。
そんな中、無愛想な青年が何度も訪れるようになり――?
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる