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第3章 獣人族の町〈ヒュユク〉
第34話:依頼の旅【前編Ⅰ】
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「急に呼び出されたと思ったら」
トーリンさんは目の前に拘束されている盗賊団を見てに呆れ大きくため息をついた。
「事情は分かった。けど、その腰はどうした」
一見俺の心配をしているように聞こえたが、腰に怪我をした覚えがなかった。
俺はトーリンさんが指を指したところを見る。
俺の腰にはいまだに気絶しているロビンがいた。
「いろいろあって、頭を打ったんです」
「その、いろいろを聞いているんだが。まあ、いいか」
何となく察してくれたようでトーリンさんは部下に盗賊団を連行するように命令する。
「それより、嬢ちゃん、弓はどうだ?違和感とか、持ちにくいだとか。あるなら何でも言ってくれ」
トーリンさんはクリハが風属性の魔石で作った弓を持っていたことに気が付いたみたいで、そう尋ねる。
「特にないです」
「本当か?俺の目は騙せないぜ」
トーリンさんはニヤリと笑って言った。
クリハの弓は良くできている。欠けているところは特にないように見える。
魔法スキル、魔力鑑定
俺は口に出さず、そう唱える。
魔力鑑定とは、魔力の流れを可視化する魔法だ。
俺の目には弓から緑のオーラが溢れ出ているように見えている。さっき矢を放った時に皹でも入ったのだろう。
それを分かったうえでトーリンさんはクリハを試した。
「実は、さっき矢を射た時に、皹が入ってしまって」
「おう、今度は強度の高いものを作ってやる。そいつは壊れるまで使いな」
トーリンさんは嬉しそうにこの場を去ろうとする。
無属性魔法
「心聞《しんぶん》」
小さな声で唱える。
“これで1、2日はつぶれるだろう”
というトーリンさんの心の声を聞くことが出来た。
暇なんだ・・・・・・。
「あ、チャタルから依頼があるそうだから、聞いてやってくれ。成功したらランク昇格な」
チャタルさんとはヒュユクの長だ。そんな人から俺に何の用だろうか。
依頼って、一酸化炭素中毒の件は解決したはず。他に何があるのだろうか。
とりあえず、帰って聞いてみるか。
俺は取られた馬車に乗って、ヒュユクに帰った。
その後、ロビンをクリハに任せてチャタルさんのもとに向かった。
「おー、待っていた」
ノックして入った部屋には長のチャタルさんとその傍付きの女性。
チャタルさんはルイラットさんよりかは若く見えるが50、60のおじいちゃんみたいな見た目だ。
猫のような長い髭を生やして、髪の毛からは丸い耳が生えている。
そして、お尻から黄色の尾が出ていて、先はオレンジ色の毛が無数に生えている。
何の動物か分からん・・・・・・。
「俺はここの長をやっている獣王、チャタル・サブカルだ」
獣王・・・・・・ライオンってことか?
そう言われてみればライオンに見える。
「初めまして、俺はタクミです。今回はどのような依頼を?」
「ああ、そんなかしこまらなくていい。こそばゆいわ」
そう言いながら俺の目の前に立って、大きな手でトントンと肩をたたく。
身長は2mは超えている。
でかい・・・・・・。
「で、依頼と言うのはタタが今止まっている宿から見える森なんだが」
タタっ何だよ!誰だよ!そもそも名前なのか?
名前を間違えられたのは初めてだ。
「タクミです」
「ああ、すまん。でその森で町を繁盛させたいんだ。できるかタクク」
だから誰!
「タクミです」
「ああ、すまん。で、どうだ?」
どうだ、と言われても名前を間違えられている事に引っ掛かっているせいで返事のしようがない。
「えっと、まず繁盛させる理由を聞かせてくれませんか?」
こうして名前をなかなか覚えられない面倒な獣人長の依頼理由を聞くことになった。
トーリンさんは目の前に拘束されている盗賊団を見てに呆れ大きくため息をついた。
「事情は分かった。けど、その腰はどうした」
一見俺の心配をしているように聞こえたが、腰に怪我をした覚えがなかった。
俺はトーリンさんが指を指したところを見る。
俺の腰にはいまだに気絶しているロビンがいた。
「いろいろあって、頭を打ったんです」
「その、いろいろを聞いているんだが。まあ、いいか」
何となく察してくれたようでトーリンさんは部下に盗賊団を連行するように命令する。
「それより、嬢ちゃん、弓はどうだ?違和感とか、持ちにくいだとか。あるなら何でも言ってくれ」
トーリンさんはクリハが風属性の魔石で作った弓を持っていたことに気が付いたみたいで、そう尋ねる。
「特にないです」
「本当か?俺の目は騙せないぜ」
トーリンさんはニヤリと笑って言った。
クリハの弓は良くできている。欠けているところは特にないように見える。
魔法スキル、魔力鑑定
俺は口に出さず、そう唱える。
魔力鑑定とは、魔力の流れを可視化する魔法だ。
俺の目には弓から緑のオーラが溢れ出ているように見えている。さっき矢を放った時に皹でも入ったのだろう。
それを分かったうえでトーリンさんはクリハを試した。
「実は、さっき矢を射た時に、皹が入ってしまって」
「おう、今度は強度の高いものを作ってやる。そいつは壊れるまで使いな」
トーリンさんは嬉しそうにこの場を去ろうとする。
無属性魔法
「心聞《しんぶん》」
小さな声で唱える。
“これで1、2日はつぶれるだろう”
というトーリンさんの心の声を聞くことが出来た。
暇なんだ・・・・・・。
「あ、チャタルから依頼があるそうだから、聞いてやってくれ。成功したらランク昇格な」
チャタルさんとはヒュユクの長だ。そんな人から俺に何の用だろうか。
依頼って、一酸化炭素中毒の件は解決したはず。他に何があるのだろうか。
とりあえず、帰って聞いてみるか。
俺は取られた馬車に乗って、ヒュユクに帰った。
その後、ロビンをクリハに任せてチャタルさんのもとに向かった。
「おー、待っていた」
ノックして入った部屋には長のチャタルさんとその傍付きの女性。
チャタルさんはルイラットさんよりかは若く見えるが50、60のおじいちゃんみたいな見た目だ。
猫のような長い髭を生やして、髪の毛からは丸い耳が生えている。
そして、お尻から黄色の尾が出ていて、先はオレンジ色の毛が無数に生えている。
何の動物か分からん・・・・・・。
「俺はここの長をやっている獣王、チャタル・サブカルだ」
獣王・・・・・・ライオンってことか?
そう言われてみればライオンに見える。
「初めまして、俺はタクミです。今回はどのような依頼を?」
「ああ、そんなかしこまらなくていい。こそばゆいわ」
そう言いながら俺の目の前に立って、大きな手でトントンと肩をたたく。
身長は2mは超えている。
でかい・・・・・・。
「で、依頼と言うのはタタが今止まっている宿から見える森なんだが」
タタっ何だよ!誰だよ!そもそも名前なのか?
名前を間違えられたのは初めてだ。
「タクミです」
「ああ、すまん。でその森で町を繁盛させたいんだ。できるかタクク」
だから誰!
「タクミです」
「ああ、すまん。で、どうだ?」
どうだ、と言われても名前を間違えられている事に引っ掛かっているせいで返事のしようがない。
「えっと、まず繁盛させる理由を聞かせてくれませんか?」
こうして名前をなかなか覚えられない面倒な獣人長の依頼理由を聞くことになった。
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