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第3章 獣人族の町〈ヒュユク〉
第38話:依頼の旅【後編Ⅰ】
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俺は昨日、トーリンさんに言われ、宣伝に兵士や一般市民を入れることなく遊園地を貸し切り状態にした。
そして国王たちには動きやすい服装で来てもらうようにした。
貴族ってあのヒラヒラしたものを着てきそうだから念には念を。
だが、その結果がこれだ。
俺の目の前にはトーリンさんより大きくまさに国王のような威圧感を放っているその人は、今からでも戦に行くような恰好をして、腰に剣を納刀していた。
「あの、なぜ武器を?」
「そちらが動きやすい服装を指定したのだろ?」
何、この世界は動きやすい服装=戦闘服、になるのか?
「動きやすい服装と言うのは、ドレスやスーツのような服を指していまして・・・」
説明が面倒になってきた。
「武器や防具はこちらで預かっておきましょうか?」
「必要ないなら預かってもらおう」
それから説明を簡単にしてから、国王、王女、皇太子を連れて遊園地を案内したのだ。
まず初めに遊園地の定番、ジェットコースターを案内した。
「何だねこれは」
国王は驚愕の声を漏らしている。
「ジェットコースターといいまして、あれに乗ります」
丁度いいタイミングで試運転のコースターが出てきた。そしてゆっくりと上昇し、頂上に着いた数秒後、猛スピードで下降していく。
「あ、あれに乗るのか?」
国王は顔を青くしていた。それに比べて王女と皇太子は
「何あれ!早く乗ってみたいわ!」
「母上、凄いです。僕も乗りたいです」
と興味津々のようで目を輝かせていた。でもその前に
「こちらを通ってもらえますか?」
操作したのは前世では空港なんかでよく見る長方形のような形をした、穴の開いた金属探知機のような機械。
実際は違い、ジェットコースターに乗れるかの判定をしてくれるのだ。
魔法のある世界だからこそ、この機械が作れるのだ。
まず初めに顔を青くしている国王。恐る恐る機械の中を通る。
しかし、顔を青くしている割には機械は何も反応を示さなかった。
次に王女。まあ、何の反応も示すことはなかった。
皇太子は、俺の予想が正しかったら反応を示すだろう。
案の定、機械は皇太子が通った瞬間ブザー音を鳴らしている。
「何があったんじゃ?」
「この機械はジェットコースターに乗れるかを判断してくれます。ジェットコースターはかなり体に圧がかかる乗り物ですので体小さいと負担が大きくなり、耐えられないのです。しかし、体が大きくてもジェットコースターに乗れない人もいます。体にかかる圧が苦手だったり、絶叫系がダメな人が」
と説明しているときに気が付いた。国王も王女も話の内容全然理解してない様子だった。
「難しい話は分からん。とりあえず、シティーは乗れない、そういう事だな」
「はい、その通りです」
「僕も乗ってみたい!」
と駄々をこね始める皇太子。国王と王女はなんだか固い感じなのだが、皇太子は軽い。まあ、地位を理解しているか否かの違いだろう。
「ダメなんですって、我慢しなさい」
あれ、案外素直だ。
「んー。あの、皇太子さまを俺の仲間のクリハに案内させてもいいでしょうか?もちろん身の安全を保障します。その方が効率がいいですし。待ち時間も減ります」
「そうだな。そうしよ」
さすが国王、結論をだすのが速い。
「じゃあクリハ、頼む」
「はい、お任せください」
そう言って、二組に分かれ別行動となった。
その直後、国王と王女は大きくため息をついたのだ。
そして国王たちには動きやすい服装で来てもらうようにした。
貴族ってあのヒラヒラしたものを着てきそうだから念には念を。
だが、その結果がこれだ。
俺の目の前にはトーリンさんより大きくまさに国王のような威圧感を放っているその人は、今からでも戦に行くような恰好をして、腰に剣を納刀していた。
「あの、なぜ武器を?」
「そちらが動きやすい服装を指定したのだろ?」
何、この世界は動きやすい服装=戦闘服、になるのか?
「動きやすい服装と言うのは、ドレスやスーツのような服を指していまして・・・」
説明が面倒になってきた。
「武器や防具はこちらで預かっておきましょうか?」
「必要ないなら預かってもらおう」
それから説明を簡単にしてから、国王、王女、皇太子を連れて遊園地を案内したのだ。
まず初めに遊園地の定番、ジェットコースターを案内した。
「何だねこれは」
国王は驚愕の声を漏らしている。
「ジェットコースターといいまして、あれに乗ります」
丁度いいタイミングで試運転のコースターが出てきた。そしてゆっくりと上昇し、頂上に着いた数秒後、猛スピードで下降していく。
「あ、あれに乗るのか?」
国王は顔を青くしていた。それに比べて王女と皇太子は
「何あれ!早く乗ってみたいわ!」
「母上、凄いです。僕も乗りたいです」
と興味津々のようで目を輝かせていた。でもその前に
「こちらを通ってもらえますか?」
操作したのは前世では空港なんかでよく見る長方形のような形をした、穴の開いた金属探知機のような機械。
実際は違い、ジェットコースターに乗れるかの判定をしてくれるのだ。
魔法のある世界だからこそ、この機械が作れるのだ。
まず初めに顔を青くしている国王。恐る恐る機械の中を通る。
しかし、顔を青くしている割には機械は何も反応を示さなかった。
次に王女。まあ、何の反応も示すことはなかった。
皇太子は、俺の予想が正しかったら反応を示すだろう。
案の定、機械は皇太子が通った瞬間ブザー音を鳴らしている。
「何があったんじゃ?」
「この機械はジェットコースターに乗れるかを判断してくれます。ジェットコースターはかなり体に圧がかかる乗り物ですので体小さいと負担が大きくなり、耐えられないのです。しかし、体が大きくてもジェットコースターに乗れない人もいます。体にかかる圧が苦手だったり、絶叫系がダメな人が」
と説明しているときに気が付いた。国王も王女も話の内容全然理解してない様子だった。
「難しい話は分からん。とりあえず、シティーは乗れない、そういう事だな」
「はい、その通りです」
「僕も乗ってみたい!」
と駄々をこね始める皇太子。国王と王女はなんだか固い感じなのだが、皇太子は軽い。まあ、地位を理解しているか否かの違いだろう。
「ダメなんですって、我慢しなさい」
あれ、案外素直だ。
「んー。あの、皇太子さまを俺の仲間のクリハに案内させてもいいでしょうか?もちろん身の安全を保障します。その方が効率がいいですし。待ち時間も減ります」
「そうだな。そうしよ」
さすが国王、結論をだすのが速い。
「じゃあクリハ、頼む」
「はい、お任せください」
そう言って、二組に分かれ別行動となった。
その直後、国王と王女は大きくため息をついたのだ。
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