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第3章 獣人族の町〈ヒュユク〉
第41話:ランク昇格の旅【後編】
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遊園地を開園してから1日が経った。初日の客の足取りはまずまずだったが、2日目になると、忙しさがやまない事が多くなった。
そんな様子を見ていた俺はこの町、ヒュユクを出る準備をしていた。
準備と言っても、あとはトーリンさんを待つのみ。
トーリンさんに預けた冒険者カードのランク欄は今頃昇格しているだろう。
それとついでにクリハの冒険者カードも作ってもらっている。
門を潜るときに身分証明書が必要だからだ。
ロビンはどこからどう見ても精霊だから検査などされることはない。
今にも行列が絶えない遊園地。コースターから聞こえる悲鳴。陽気な笑い声。
それは俺たちが来た時のヒュユクの町とは思えないほどの物だ。
「おう、待たせたな」
そう言いながら開けっ放しのドアから顔を出したのはトーリンさん。
トーリンさんの右手には2枚のカードがあった。
「冒険者カードだ」
そう言いながら俺とクリハに差し出したカードを受け取る。
クリハは俺のパーティーメンバーとなっているのでランクは同じなのだ。
前回がFランクだったので昇格した俺のランクはCランク。
あれ?
Fの前ってCだっけ?
俺は頭の中でアルファベットをAから順番に言っていく。
A、B、C、D、E、F・・・・・・。
3つもランクが上がっている。そんな簡単にランクって上がる物なんだ。
「違いますよご主人様。ランクという物はこんな簡単に上がりません」
俺の心を読んだのか、俺が表情に出していたのかどちらか分からないが、クリハがそう呆れ気味に言う。
「じゃあ、なんで3つもランクが上がってるんだ?」
「国王が関わっているからですよ」
なるほど、納得。
そう心の中で言う。でもまあ、ランク何てどうでもいい。旅さえできれば俺には関係はない。
「されじゃあ、冒険者カードも返ってきたし、行くか」
「ちょっと待て!」
そう言ったのはロビン。
「報酬をもらい忘れてるぞ!」
ロビンに言われて初めて気が付く。依頼達成の報酬をもらい忘れている。
「ああ、それならそこにあるぞ」
そういいながら、トーリンさんが窓越しの外を指さす。
ロビン、クリハは外を見ると驚愕の声を漏らす。
「な!」
俺も二人の後に外を見ると外には大きな袋にぱんぱん詰め込まれている食料が大量にあった。
確かに旅に食料は欠かせない。
だがせっかく最近、時空間収納魔法の容量が広くなったのに、また埋まってしまうとは・・・・・・。
俺はトホホと心の中でつぶやきながら、全員で宿を出る。
そして報酬の食料を時空間収納魔法に詰め込む。
「タクミ殿」
そう言ってきたのはやっと初めて俺の正しい名前を呼んでくれたチャタルさん。
「本当に感謝している。ありがとう」
「いえ、繁盛できてよかったです」
「これ、報酬です」
そう俺に渡してきたのは依頼の成功報酬、300G|《ギガ》のはずだが・・・・・・。
「多くないですか?」
明らかに300G以上あるようにしか見えない。
「ここまでしてもらったのですから、当然です」
そう言うチャタルさん。俺はこの追加報酬を快く受け取ることにした。
「ありがとうございます」
そう感謝の言葉を添えて。
「では、俺達は行きます。さようなら」
そう言って俺は町を出た。
獣人族の人たちからたくさんの元気に背中を押されながら、新たな国に向かうのだ。
そんな様子を見ていた俺はこの町、ヒュユクを出る準備をしていた。
準備と言っても、あとはトーリンさんを待つのみ。
トーリンさんに預けた冒険者カードのランク欄は今頃昇格しているだろう。
それとついでにクリハの冒険者カードも作ってもらっている。
門を潜るときに身分証明書が必要だからだ。
ロビンはどこからどう見ても精霊だから検査などされることはない。
今にも行列が絶えない遊園地。コースターから聞こえる悲鳴。陽気な笑い声。
それは俺たちが来た時のヒュユクの町とは思えないほどの物だ。
「おう、待たせたな」
そう言いながら開けっ放しのドアから顔を出したのはトーリンさん。
トーリンさんの右手には2枚のカードがあった。
「冒険者カードだ」
そう言いながら俺とクリハに差し出したカードを受け取る。
クリハは俺のパーティーメンバーとなっているのでランクは同じなのだ。
前回がFランクだったので昇格した俺のランクはCランク。
あれ?
Fの前ってCだっけ?
俺は頭の中でアルファベットをAから順番に言っていく。
A、B、C、D、E、F・・・・・・。
3つもランクが上がっている。そんな簡単にランクって上がる物なんだ。
「違いますよご主人様。ランクという物はこんな簡単に上がりません」
俺の心を読んだのか、俺が表情に出していたのかどちらか分からないが、クリハがそう呆れ気味に言う。
「じゃあ、なんで3つもランクが上がってるんだ?」
「国王が関わっているからですよ」
なるほど、納得。
そう心の中で言う。でもまあ、ランク何てどうでもいい。旅さえできれば俺には関係はない。
「されじゃあ、冒険者カードも返ってきたし、行くか」
「ちょっと待て!」
そう言ったのはロビン。
「報酬をもらい忘れてるぞ!」
ロビンに言われて初めて気が付く。依頼達成の報酬をもらい忘れている。
「ああ、それならそこにあるぞ」
そういいながら、トーリンさんが窓越しの外を指さす。
ロビン、クリハは外を見ると驚愕の声を漏らす。
「な!」
俺も二人の後に外を見ると外には大きな袋にぱんぱん詰め込まれている食料が大量にあった。
確かに旅に食料は欠かせない。
だがせっかく最近、時空間収納魔法の容量が広くなったのに、また埋まってしまうとは・・・・・・。
俺はトホホと心の中でつぶやきながら、全員で宿を出る。
そして報酬の食料を時空間収納魔法に詰め込む。
「タクミ殿」
そう言ってきたのはやっと初めて俺の正しい名前を呼んでくれたチャタルさん。
「本当に感謝している。ありがとう」
「いえ、繁盛できてよかったです」
「これ、報酬です」
そう俺に渡してきたのは依頼の成功報酬、300G|《ギガ》のはずだが・・・・・・。
「多くないですか?」
明らかに300G以上あるようにしか見えない。
「ここまでしてもらったのですから、当然です」
そう言うチャタルさん。俺はこの追加報酬を快く受け取ることにした。
「ありがとうございます」
そう感謝の言葉を添えて。
「では、俺達は行きます。さようなら」
そう言って俺は町を出た。
獣人族の人たちからたくさんの元気に背中を押されながら、新たな国に向かうのだ。
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