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7.檻に眠る愛奴(ペット)

愛してみなさいッ!

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 残り時間10分でスコアは1-1。

 激しく濃密な10分間を魅せた愛理と夏樹だったがその代償は大きく、体力的な消耗を隠すことはできない。

 「ハァッ……ハァッ……」

 「フーッ……フーッ……ゲホッ……」

 ステージ上でへたり込んだままほんの数秒、時が止まったように2人は顔を見合わせて見つめ合う。

 相手の出方を見るように、次なる最良の一手を案じるように……。

 「やぁぁッ!!」

 先手を打ったのは愛理だった。

 先程と同じく、夏樹を押し倒そうと両肩を掴む。

 「くッ……!!」

 仕掛けられた夏樹は背中から倒れ込むが、後転しながら咄嗟に愛理の腹を両脚で力強く突き上げた。

 「おらァッ!」

 ブォンッ

 「キャッ!?」

 ドサァッ!

 蹴り上げられた愛理の小さな身体は、勢い余って夏樹を飛び越えマットに叩きつけられる。

 「ふぐゥッ……!?」

 「アハハッ!バーカ!」

 夏樹は〝してやったり〟といった風で舌をペロリと出して笑いながら、そのまま愛理に襲い掛かる。

 そのトリッキーで素早い身のこなしに愛理はたちまちに翻弄され、抵抗すらできずに抑え込まれてしまう。

 「はッ、はッ……くそッ……!」

 「今度はアタシの番❤︎」

 夏樹は仰向けに倒れた愛理の頭側に滑るように移動すると、そのまま愛理の顔面に跨がり腰を下ろした。



 ムギュッ……!

 「むゥッ!?うんぐゥ~~ッ!?」

 愛理にやられた乳圧責めの意趣返しは、屈辱的な顔面騎乗だ。

 (苦しッ……息が……!!)

 夏樹の引き締まった小尻でも、大人の女ひとりが顔に跨がる圧力は相当なものだ。

 鼻と口を尻肉と陰唇でピッタリと塞がれた愛理は、苦しさに手足をジタバタともがく。

 「ん"ん"~~~ッ!!」

 「そのまま死ねッ❤︎ケツで死ねッ❤︎」

 僅かな呼吸で鼻腔を突くのは、他人のえた汗と体液の匂い。

 愛理の鼻先が夏樹の尻の割れ目に深くめり込み、肛門まわりのジットリとした不快な湿り気に愛理は半ばパニック状態に陥る。

 (臭いッ!!嫌ッ!!息ができないッ……!!)

 だが、もがけばもがく程に息は乱れ、体力も消耗する。

 「もッ……ごッ……」

 次第に愛理の抵抗は弱まってゆく。

 「ふふッ……アハハッ!」

 夏樹は自らの勝利を確信したように高らかに笑うと、振り向いて観客席の最後方に視線を送る。

 「恭子ぉ~……❤︎」

 妖しげな笑みをたたえて、右手を差し出す夏樹。

 そして、闘いの行方を見届ける恭子に向かって、力強く中指を立てた。



 「……ッ!!」

 夏樹の挑発に、奥歯を噛み締める恭子。

 「恭子~、アンタのお気に入りアタシが❤︎」

 ドワァァァァァッ!!

 突如として飛び出した夏樹の〝勝利宣言〟に、固唾を飲んで見守っていた観客席が一気に色めき立つ。

 「夏樹ーッ!!❤︎」

 「夏樹フィニッシュしてーッ❤︎」

 観客からのコールを満足げに浴びて、夏樹はその場に立ち上がる。

 「よッ……と❤︎」

 夏樹が尻を退けた場所には、白目を剥いた愛理が息も絶え絶えに横たわっていた。

 「ぉ……ぁぅ……」

 (た……立たなきゃ……はやく……)

 かろうじて意識はあるものの、指先をピクピクと痙攣させるだけで身体に力が入らない。

 「愛理ッ!!逃げてッ!!」

 観客らのざわめきを切り裂いて、恭子が愛理に叫ぶ。

 その叫びに夏樹は再び恭子の方を見ると、ニヤリと口角を上げて鼻で笑った。

 「ハッ……天才だか何だか知らないけど、所詮は単なる売女じゃん。みんながチヤホヤするから勘違いした〝恥ずかしいただのマゾ〟ってだけ。自分の立場が分かってないよね」

 そう言いながら夏樹は、愛理の顔面を足で踏みつける。
 だが、それでも愛理は反撃できず、無抵抗のまま苦痛に顔を歪ませる。

 「ぅ……」

 「ほらッ!いつまでもノビてんじゃねーよッ!」

 ボグッ!!

 横たわる愛理の横腹に、振りかぶった脚で蹴りを見舞う夏樹。

 「うごォォッ!?」

 シューズのつま先がめり込む程の強烈な一撃に、脱力していた愛理の身体が瞬間的に緊縮する。

 「お"ッ……かはッ…………」

 腹の中で暴れ狂う激痛の乱反射に愛理は身悶え、手足をバタつかせてもがき苦しむ。

 「ふんッ、まだまだ元気そうじゃん。死んだフリなんてつまんねーマネしてんじゃねーよ」

 一瞬の判断の誤りで、拮抗きっこうしていた闘いは一方的な展開へと変わりつつあった。



 乳房への噛み付き、顔面への踏みつけ、そして腹部への蹴り……。

 繰り出される夏樹のラフプレーの数々に、愛理の脳裏は〝あの夜の恐怖〟を思い出していた。

 初対面の愛理に対して、一方的で理不尽な憎悪の感情を抱いていた夏樹は、あの夜本気で愛理に膣内射精なかだしを企んでいた。

 あの日の恐怖が、愛理の心の奥底に刺さったとげのように、今再びズキズキと疼き出す。

 「はッ、はッ……い、嫌ァ……」

 顔は血の気を失い、額からは脂汗が滴る。

 愛理は満身創痍の身体を何とか起こし、夏樹に背を向けてマットを這いずる。

 (怖い……負ける……!)

 今の愛理の思考は「逃避」の二文字に支配され、未だ闘いの最中であることを完全に忘れていた。

 「ダメだ愛理ッ!後ろッ!」

 恭子の声が遠くに聞こえたが、愛理が振り向いた時にはすでに夏樹が腕を伸ばしていた。

 ガシィッ

 「ひィッ」

 這いつくばる愛理の後ろ髪を、夏樹は乱暴に掴んで引っ張り上げる。

 「なに逃げようとしてんだよ?」

 「ひッ、ッ、ごッ、ごめ……」

 (はッ)

 その時、咄嗟に愛理は口を手で押さえ、吐き出しそうになった言葉を必死に飲み込む。

 〝ごめんなさい〟──。

 不意に出かけた言葉は、相手に許しを乞う言葉。

 それはすなわち、自らの敗北を認め、相手に服従する言葉。

 苦痛と恐怖で擦り減ったボロボロの精神で、それでも愛理は〝最後の一線〟を何とかプライドで踏み止まった。

 「……チッ」

 夏樹は大きく舌打ちをすると、愛理の髪から手を離す。

 そして反り勃ったペニスを愛理の鼻先に突きつけた。

 「そんな強がりもこれで最後だよ……愛理、ちゃんと見ときな?コレがお前をチンポだよ❤︎」



 聞き覚えのあるセリフ。

 、夏樹が愛理に挿入する前に言った言葉。

 夏樹は愛理の背後に回り込むと、うつ伏せに這いつくばる愛理の両脚を力ずくで拡げた。

 「あッ!?ダメぇ……!」

 愛理の言葉だけの抗議は無視され、夏樹は愛理の背中にピッタリと密着する。

 「この前みたいなヘマはしない……絶ッッ対、膣内なか射精してやる……❤︎」

 クチュッ……❤︎

 「ふァァッ!?❤︎」

 背後から夏樹のペニスの先端が愛理の濡れた陰裂にあてがわれると、その恐怖とは裏腹に愛理の肉体は火照りを増す。

 拒もうとする脆弱な精神と、〝望んでしまっているカラダ〟──。

 (あの体位はマズイッ!)

 「愛理ッ!仰向けになれッ!」

 を悟った恭子が、必死に愛理に呼びかける。

 だが、もはや仕留めに動き出した夏樹を止めることはできない。

 「おらッ……!❤︎」

 ズプッ……❤︎

 「おォあァァッ!?❤︎」

 夏樹が腰を深く沈めると、愛理は背筋を仰け反らせて叫んだ。

 (挿入はいッ……たァァ……❤︎)

 夏樹のペニスが愛理の膣内なかへと挿入される。

 パンパンに硬化したカリ高の亀頭が、愛理の媚肉びにくの柔らかな弾力を、撫でつけるひだの愛撫を余すところなく愉しむように、ゆっくり、ゆっくりと、愛理という女の〝最深部〟へと突き進んでゆく。

 「んふッ……ふゥゥゥ……❤︎」

 夏樹の腹が愛理の尻にピタリと吸い付き、ここに2人の女は〝合体〟した。

 (あッ❤︎あッ❤︎深いッ❤︎深いトコ当たってるッ❤︎)

 背中に夏樹を乗せた愛理は、挿入による甘い快感に一時の恐怖さえ忘れて恍惚に顔をゆるませる。

 「おォ……❤︎相変わらずッ……すっげェキツキツマンコ……❤︎」

 だが挿入に成功した夏樹の方も、愛理の持つ〝極上の名器〟の味に陶酔とうすいしていた。



 (ヤバッ❤︎……こっちが先に……❤︎)

 トロトロに熟れた肉壷にズッポリと根元まで挿入された敏感なペニスは、夏樹の華奢な身体の隅々までに痺れるような性感を響かせる。

 「フーッ❤︎フーッ❤︎……あぁクッソ!❤︎どんだけ気持ちイイんだよッ❤︎この淫乱マンコッ!❤︎」

 夏樹は身を震わせながら叫ぶと、勢いに任せて愛理の尻を平手で打った。

 パァンッ!

 「ひぐッ!?❤︎」

 刺すような痛みに愛理の尻はビクッと震え、防御本能が筋肉を瞬間的に硬直させる。

 ギュゥゥッ!

 「うォッ!?❤︎締まるッ❤︎凶悪マンコにチンポ食い千切られそうッ❤︎」

 最高に膨張した夏樹のペニスさえ押し負ける、愛理の暴力的な膣圧。

 そのあまりに貪欲な〝肉の花弁〟に、夏樹は責めあぐねていた。

 (ちくしょッ……こんなの……腰を振ったら一発で……❤︎)

 夏樹は覚悟を決めて慎重にゆっくりと腰を引くが、ペニスをねぶるごとく絡みつく肉襞の感触に、狂おしい程の射精欲に襲われてしまう。

 ズリュッ……ヌチュ……❤︎

 「くォォォッ❤︎ヤベッ❤︎……コレッ……❤︎」

 ペニスを引き抜く事さえままならない状況に喘ぐ夏樹。

 その間に、愛理もまた現状の打開を模索していた。



 「あォッ❤︎おォウッ❤︎チンポッ❤︎ゴリゴリ当たるゥッ❤︎」

 うつ伏せのまま寝バック挿入を許してしまった愛理は、背中にのし掛かる夏樹の重みで身動きが取れない。

 そして、挿入されたペニスは確実に愛理の〝急所〟をえぐるように突き立てられ、その刺激に甘い嬌声が否が応でも漏れてしまう。

 「あんッ❤︎はァァッ❤︎」

 「あぐッ……❤︎ひィッ……❤︎」

 まるでヒキガエルの交尾のような、不恰好で情けない2人のセックス。

 「はァッ❤︎愛理ィ……とっくに限界なんでしょ……?早くッ……あンッ❤︎イッ❤︎イけッ❤︎」

 「おォッ❤︎じょッ、冗談よしてよッ❤︎その粗末なチンポッ❤︎全ッ然……ひィィッ❤︎きッ❤︎気持ちよくないからッ❤︎んおォッ❤︎」

 極限の快楽の中で、2人の女を支えるのは互いへの〝敵愾心〟のみだ。

 〝この女に勝つ〟──!!

 憎しみ合う女同士の肉体と精神が、奇妙なシンクロニシティを呼び起こしていた。

 「イけよッ!❤︎雑魚マンコとっととイけッ!❤︎」

 先に夏樹が動く。

 愛理とマットの隙間に右手をねじ込み、愛理の陰核を指で手荒に捏ねる。

 クチュッ!クチュクチュクチュッ!!
 
 「い"ィ"ッ!?❤︎」

 夏樹が繰り出した現状打破の力技に、愛理は素っ頓狂な声をあげて首を反らせた。

 (ヤバいッ❤︎イクッ❤︎これイクッ❤︎)

 「ん"ィ"ィ"ィ"ッ!!❤︎お"ッ❤︎お"ッ❤︎ん"む"ゥ"ゥ"ゥ"ッ!!❤︎」

 バンッ!バンッ!

 愛理は下唇を噛み締めながら固く握った拳をマットに何度も叩きつけ、必死の形相で絶頂に耐える。

 (イキたくないッ!❤︎夏樹なんかにッ!❤︎絶対負けたくないッ!❤︎)



 キュゥゥゥッ!❤︎

 追い詰められた愛理は渾身の力を振り絞って膣肉を緊縮させた。

 ペニスを握り潰さんばかりの本気の膣圧に、今度は夏樹が泣き叫ぶ。

 「ほォォォォッ!?❤︎バカッ❤︎やめッ❤︎マジで出るッ❤︎」

 堪らず夏樹は陰核への責める手を離し、愛理の腰に強く抱きつくと、早口で愛理に捲し立てた。

 「あッ❤︎愛理ッ!アンタ自分の状況分かってるッ!?今アタシをイカせたらッ……膣内射精なかだしになるんだよッ!?」

 「……ッ」

 その言葉に愛理は一瞬たじろぐ。

 膣内射精なかだし。忌まわしい恐怖の記憶。

 (そっか、私……夏樹とナマ本番してるのよね)

 一瞬、愛理の火照った思考に静寂が訪れる。

 割れんばかりの歓声も、肉体の疲労も、夏樹の存在さえ、すべて忘却された完全なる静寂。

 そこに見えたのは、観客席の最後方の女。

 (恭子が見てる……私と夏樹のセックス……膣内射精なかだし見られちゃう)

 愛理の視界に映った恭子は、真っ直ぐに愛理だけを見つめていた。

 その眼には不安や怯えなど無く、ただ愛理のプレイを目に焼き付けようとする〝覚悟〟だけがあった。

 (ああ、恭子……信じてくれてるんだ。こんな私のことを)

 ふと、愛理のまぶたが霞み、頬に一筋の光が伝う。

 (ごめん……信じていなかったのは私の方だったみたい)

 それでも愛理はニッコリと微笑み、何かを悟ったように大きく頷いてみせた。

 (そう……これは私のの闘い。そして……)

 「愛理ィィッ!!」

 ワァァァァァァッ!!

 「……はッ」

 フロアを揺らす歓声と熱気。

 愛理は歯を食いしばり、大きな瞳を一際ひときわに見開いた。

 (そして……〝私と恭子〟の……始まりの闘い!!)



 背中に密着する夏樹の吐息、汗の匂い、そして心臓の鼓動。

 ヒリつく程に膣内を押し拡げる生々しい異物感が、セックスを〝逃れられない現実感〟として愛理の肉体に刻み込んでいる。

 「はァッ❤︎はァッ❤︎愛理……諦めてイキな?膣内射精なかだしされたくなかったら……❤︎」

 夏樹は息を切らせながら、愛理に問いかける。

 女にとって膣内射精なかだしという重過ぎるリスクは、絶対に回避しなければならない〝チェック・メイト〟の一手だ。

 ペニスというを、子宮口というに突き立て、夏樹は交換条件を愛理に迫る。

 〝膣内射精なかだしをされたくなければ、敗北を受け入れろ〟と──。

 「チンポの事しか頭に無い、バカなマゾ豚でも分かるっしょ❤︎孕んだって、アタシ認知なんかしねーからッ❤︎」

 夏樹は惚けた顔で、愛理の頭の上によだれを垂らしながらケタケタと笑う。

 あくまで強気に迫る夏樹だが、射精欲の限界を迎えたペニスは今にもだ。

 「はーッ、はーッ……夏樹ぃ……」

 身も声も震わせながら、愛理が夏樹に応じる。

 「わッ……私のッ……私の答えは……」

 愛理は大きな瞳をギョロッと背後の夏樹に向け、口元でニヤリと微笑んだ。

 「よ……ッ❤︎」

 ギュゥッ❤︎

 「あゥッ……!?❤︎❤︎」

 「んひッ……!!❤︎❤︎」

10

 ゾクゾクゾク……ッ❤︎❤︎❤︎

 「~~~~~~~ッッッ❤︎❤︎❤︎」

 キリキリと痛い程に固く引き上がった睾丸から、煮えたぎるマグマのような精液が満を持して噴出される。

 その精液は尿道を押し拡げながら凄まじい勢いではしり、出口を求めてひたすらに駆け昇ってゆき、遂にに辿り着く。

 「あ"ッ❤︎❤︎❤︎ヤバッ❤︎イグッ❤︎❤︎❤︎」

 ビュルルッ!❤︎ブピッ!❤︎ドプッ!❤︎

 射出された精液はペニスが痙攣するたびに淡い桃色の膣壁に2度、3度と叩きつけるように浴びせられ、呼応する様に子宮口がパクパクと口開く。

 「ぉぉ……❤︎ぁ……❤︎ぁ……❤︎❤︎」

 射精の脈打ちを膣内で感じながら、愛理は自らの絶頂感が急速に高まる予感を全身に感じる。

 (ウソ、イク?私……夏樹に膣内射精なかだしされてイク???)

 全身が総毛立つような恐ろしい〝快感の波動〟に打ち震えながら、咄嗟に愛理は叫んだ。

 「恭子ッ!!私のッ!私の本気セックス見てッ!!❤︎❤︎❤︎あッ❤︎あダメ、イグッ❤︎❤︎イグイグイグイグッ❤︎❤︎精液ザーメン打たれてマンコイグゥゥゥ─────ッ❤︎❤︎❤︎」

 観客らの歓声を破り、喉が潰れそうなほどの声量で性的絶頂オルガズムを恭子に伝える愛理。

 「愛理……!」

 その姿を見た恭子は、自らの震える肩を抱き止めて必死に抑える。

 そして込み上げる涙と嗚咽を押し殺しながら、ステージ上の愛理に向かって何度も何度も強く頷き、同じく愛理に叫び返した。

 「愛理ッ……見てるッ!愛理の闘い……愛理の想い……全部ッ!最後の最後までッ!私見てるからッ!!」

11

 ズルッ……トプ……❤︎

 「ォ"ッ❤︎……あんッ❤︎」

 脱力した夏樹が愛理の背中からゆっくりとずり落ちると、夏樹のペニスも同時に愛理の膣内から引き抜かれた。

 横向けに倒れる夏樹と、うつ伏せのまま動かない愛理。

 観衆の眼前にぱっくりと開かれた愛理の股間からは、ゼラチン質な白濁液がブリブリと逆流してマットをけがす。

 「えッ……ナマ中……!?」

 「公開膣内射精なかだしセックスとか超ヤバ……❤︎」

 観客たちの視線が、精液が滴り落ちる愛理の陰裂の一点に注がれる。

 動かし難い事実。膣内射精なかだしの証明。

 だが、その事実に狼狽ろうばいするのは愛理ではなく、膣内射精を決行した夏樹の方であった。

 「はッ、はッ、なッ……なんでッ!なんで……!」

 理解の範疇を超える愛理の行動に、夏樹の表情は恐怖におののいていた。

 (ありえない!自分から射精を促すなんて!)

 「愛理ッ……アンタそこまでして勝ちたいのッ!?膣内射精なかだしより、アタシに負けんのがイヤなのッ!?」

 夏樹の、本心からの問い掛けだった。

 愛理は絶頂の余韻に痺れる身体をなんとか起こし、四つん這いのまま肩で大きく呼吸をする。

 「あぅッ❤︎……ふーッ……ふーッ……そうよ……私はあなたに負けたくない……今日この場で……あなたを倒す……!」

 愛理はそう言いながらフラフラと立ち上がると、力強い眼差しで夏樹を見下ろした。

 「さぁ、続けましょう?まだ……終わってないわよ……」

 「はッ……はッ……この……ッ」

 夏樹も愛理をキッと睨み返し、歯を食いしばって立ち上がる。

 だが、夏樹の精神は愛理の〝覚悟〟に裏打ちされた気迫に圧倒されていた。

11

 『残り時間、5分ッ!!』

 アナウンスの呼び声と同時に、2人は再び正対したまま睨み合った。

 現在スコアは2ー2のイーブン、残された時間はあとわずか。

 「ハァッ、ハァッ……うォォッ!」

 ダッ……!

 先に仕掛けたのは夏樹だった。

 (来る……!)

 気合いの雄叫びと共に走り出した夏樹は愛理の胸を目掛けて頭から突進する。

 愛理は両脚を踏ん張りつつも、その勢いに押されてしまい尻餅をついて倒れ込んでしまった。

 ドンッ!

 「あうッ!?」

 すかさず夏樹は上から愛理に抱きつき唇を奪う。

 「ふゥんッ!んむッ……❤︎」

 ムチュッ❤︎ジュルッ❤︎

 「おッ……んふゥッ❤︎うゥン……❤︎」

 流れに身を任せるように愛理は夏樹のキスに応え、甘い反応を見せながら舌を絡め返す。

 ジュルッ❤︎チュパッ❤︎

 「んン……このッ……!」

 だが、夏樹はそんな愛理の反応が気に食わない。
 夏樹は自らが仕掛けたキスを振り解くと、愛理の顔を掴んで後方へと押し倒した。

 「キャッ!?」

 ダァンッ!

 「このッ……キモいんだよ売女ばいたッ!!頭おかしくなったのかよッ!?」

 夏樹が愛理を罵倒する。

 接吻で濡れた夏樹の唇が細かく震え、そこには理解の範疇を超えた存在に対する〝畏怖〟にも近い感情が見てとれた。

 「ハハッ……愛理さぁ……アンタ、アタシのこと嫌いなんだよね?散々嫌がらせ受けて、監禁までされて、アタシのこと死ぬほど憎んでるんでしょ?ブッ殺してやりたいくらいだよね?」

 夏樹は震える声で自嘲する様に笑いながら、愛理に問い掛ける。

 「ARISAや恭子に認められてるアンタに嫉妬して、勝手に憎んで、勝手にケンカ吹っ掛けて……こんなの、全部アタシのだって、そんなこと分かってんだよッ!!」

 「な……夏樹……?」

 自責する夏樹の言葉に、愛理は戸惑う。

 やがて夏樹の瞳からひと粒、ふた粒と涙が溢れ落ちた。

11

「クソッ、クソッ、クソッ……!」

 頬を濡らす涙を、手の甲で乱暴にゴシゴシと拭う夏樹。
 
 粗暴で挑発的でどこまでも居丈高な女が、初めて見せた〝弱さ〟……。

 (この娘……)

 自信が打ち砕かれる痛み。心から愛されたいと願ってしまう哀しみ。

 形は異なれど、愛理と夏樹は同じ苦しみの中で必死にもがいていたのだ。

 愛理はそんな夏樹の姿に、どこか自分の姿を重ねた。

 「……夏樹、私に勝ちたいんでしょ?」

 愛理の言葉に、俯いていた夏樹がハッと顔を上げる。

 その瞳には、先程と変わらない闘志が残っていた。

 愛理は夏樹の前で仰向けに寝転がると、両脚を大きく開いてみせる。

 くぱぁ……❤︎

 対戦相手の眼前に晒し出された性器。
 厚ぼったい陰唇はヌラヌラと淫猥な粘液の輝きを見せ、火照ったピンク色の〝淫門〟が剥き出しにされていた。

 「おぉ……❤︎」

 淫らにして美しいその〝女の砦〟の開帳に、フロアの観客からは感嘆の唸りが聞こえる。

 「な、何のつもり……?」

 予想外の愛理の振る舞いに、夏樹はいぶかしげに眉をしかめる。

 愛理は如何ともしない様子で髪を掻き上げると、夏樹をキッと睨んで問い掛けた。

 「私に勝つなら……本気で私をみなさい?憎しみや怒りではなく……敵じゃなくて、一人の〝オンナ〟として、私を堕とすつもりで抱いてみなさいッ!!」

12

 「愛して……って、アンタ本気で……」

 真っ向からの愛理の挑戦に、夏樹はたじろぐ。

 ここはEl Doradoエルドラードの舞台……女と女がプライドを懸けて性技を競う〝闘いの場〟だ。

 愛情などという〝甘い感情〟など入る余地は無い……夏樹はそう思っていた。

 戸惑う夏樹を揶揄からかうように、愛理は溜息混じりにせせら笑う。

 「なーんだ、臆病なのね?憎しむことはできても、愛することはできないなんて。セックスに一番必要なモノを知らないみたい」

 「なっ……!」

 その一言に、夏樹の顔色が瞬時に変わる。

 「このッ……!」

 ガバッ!

 夏樹は大股を開く愛理の上に覆い被さり、鼻先が付きそうなくらいに顔を寄せて愛理を睨んだ。

 「何が愛だよ……アンタがアタシを笑う資格があんの?誰にでも股開いてヒィヒィ喘ぐ淫乱女のクセに!!」

 だが、負けじと愛理も言い返す。

 「その女に負けるのが怖いんでしょう?どれだけセックスをしても、愛を知らないなら童貞ドーテーと同じね!ナンパ師が聞いて呆れるわ!!」

 「ふんッ!」

 ズブッ!!

 「ほォッ!?❤︎」

 叫ぶ愛理の陰裂に、夏樹のペニスが鋭く突き刺さる。

 今宵、2度目の〝ナマ本番〟……。

 「お望み通り……たっぷりやるよ……愛理ぃ……❤︎」

13

 ブチュッ❤︎ジュルッ❤︎チュパァ……❤︎

 挿入の勢いごと、夏樹は愛理の唇に食らい付く。

 「んぶゥッ❤︎んはァッ❤︎ふゥンッ❤︎」

 愛理もそれに応えて夏樹の舌や唇を狂ったように舐りまくる。

 互いに顔中を唾液まみれにしながら、獣のような息遣いで求め合ってゆく。

 「んふッ❤︎ほら愛理ッ❤︎」

 夏樹は右手で愛理の左胸を掴んで寄せると、顔ほどもある愛理の豊かな乳房に舌を這わせてむしゃぶりついた。

 ヂュルッ❤︎ヂュゥゥゥッ……❤︎

 「おォッ❤︎乳首ッ❤︎吸ってェェッ❤︎」

 堪らない刺激に思わず声を上げる愛理。かなり強く吸われているらしく、夏樹の頬がクポクポとリズム良く窪む。

 チュッ……パッ❤︎

 「うンッ!❤︎」

 夏樹が吸い付いたまま勢いよく唇を離すと、ピンッと硬く張り詰めた乳首が姿を現す。

 「ふふッ❤︎すげぇエロ乳首❤︎」

 「いやァン……あゥッ!❤︎」

 唾液でふやけそうな程に濡れた乳首を指先で捏ねてやると、愛理の身体が電流を受けたようにピクンッと跳ね上がる。

 愛理と夏樹、2人の視線が交わると、どちらともなく互いに小さく頷きあった。

 始まる。

 決着に向けた、最後の交尾セックス──。

 「愛理……動くよ……❤︎」

 「あッ❤︎うッ❤︎うんッ❤︎来てッ❤︎」

 ヌチュッ❤︎クチュッ❤︎

 「はァうッ!?❤︎んあッ❤︎あッ❤︎生チンポッ❤︎奥に当たるッ❤︎効くッ❤︎マンコに効いちゃうッ❤︎❤︎」

 「くゥゥッ❤︎おォッ❤︎はぁッ❤︎もッ……ヤバッ❤︎エロマンコ絡み付いてッ❤︎すぐ射精そッ❤︎❤︎」

 憎しみ合った2人の女。分かり合えない因縁の相手。

 だが、その2人が互いへの〝愛〟を求めた時、女達の肉体は最高の快楽へと向かって一直線にはしり出した。

 パンパンパンパンパンパンッ!❤︎❤︎❤︎

 「お"ッ❤︎お"ッ❤︎お"ォッ❤︎ひィィッ❤︎❤︎」

 「ふッ❤︎ふンッ❤︎んゥッ❤︎くォォッ❤︎」

 (負けないッ❤︎私の方がッ❤︎)

 (アタシの方がッ❤︎)

 このオンナを……──!!
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