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10.超えてゆく
餌食(えじき)の女
1
コツ……コツ……コツ……
闇夜に濡れたアスファルトを叩く、不規則なヒールの音。
惑うようなゆっくりとした足取りは時折ふらふらと左右によろめきながら、今にも倒れそうな女の身体……そして心をなんとか支えているようだった。
ビュウ……
「ぅ……ぅ」
熱を失った冷たい肌を切り裂くような強いビル風に煽られ、女は思わず足を止めて肩を竦める。
コートの襟を両手で抑え、正面から向かいくる風に瞼を閉じると、艶めいた長い黒髪が渦を巻くように背後に靡いた。
深夜の2時を過ぎてもこの街は白昼のように明るく、行き交う人々は愛欲という〝仮初の美酒〟に酔い痴れている。
ただ一時、日常を忘却するために──。
〝華やかさ〟という仮面の裏に潜む、屈辱と悲壮の陰。
ハァ、と小さく吐いた白い息が、星の見えない漆黒の空へと溶けて消える。
見届けた女は震える唇を固く結び、再びゆっくりと歩き出す。
「寒い……」
女は今宵、この街での〝居場所〟を失った。
2
紅花との闘いから1週間。
それ以来、愛理はサークルに顔を見せてはいない。
敗北のショックは相当だったようで、「一人にさせてほしい」という言葉だけを残して、あの夜、いつの間にか DEEP LOVERから姿を消していた。
恭子はあれから何度も電話やメールを入れたが、愛理からの返答はない。
事務仕事に追われる恭子は、ふとキーボードを叩く手を止めて応接室のソファでくつろぐケイに不安そうに呟く。
「まさか愛理……変な気起こしてないでしょうね……?」
「大丈夫よ、そんなタマじゃないでしょう」
ケイは煙草の紫煙を燻らせながら、ファッション雑誌に視線を落としている。
「……あのさ、ここ禁煙なんですけど」
どこか他人事のようなケイの態度に、恭子は苛立ち混じりで注意した。
「あ、そ。ゴメン」
ケイは言葉ばかりの謝罪を述べると、シャツの胸ポケットに潜めた携帯灰皿を取り出し、飄々と煙草の火を消した。
「ふっ、このヤニカスが~……」
恭子が笑いながら悪態を吐く。
愛理の動向に不安を感じる中で、普段と何ら変わらない調子でいてくれるケイの姿に、言葉にせずとも恭子自身、幾分かの頼もしさも感じているのは確かだった。
「私らが心配しても仕方ないでしょ?サークルの事もあるけど、勝負に関しては〝愛理の問題〟だから。時間が経てば落ち着くわよ。今は辛いかもしれないけどね」
「うーん……どうだか」
恭子は言葉を濁したが、本当は愛理という女の「強さ」を誰よりも信じている。
「ま、来月のEl Doradoまでに帰ってこなかったら、ケイにまた出てもらおうかな」
「はぁ……高いよ?ギャラ」
「足りない分は愛理に請求してよ」
冗談を交えながら、笑い合うケイと恭子。
だが、愛理の敗戦はこの二人にとっても屈辱であったことは間違いない。
ケイはレースのカーテンを開き、高く真っ青に解き放たれた東京の冬空を睨む。
「愛理が帰ってくるまで、私らでできる事はやっておかないと……ね」
3
とある日曜日──。
都心からやや離れた郊外の駅に愛理の姿はあった。
日曜の午前中だからだろうか、初めて降り立つ街の空気は閑散としてどこか寂しく、駅前のロータリーのベンチで時計を気にしながら忙しなく視線を動かす。
普段とは異なるナチュラルなメイクと、暖色を基調としたフェミニンなコーデ。
前髪を頻りに指で触り、緊張と期待を持ち合わせたような面持ちで、愛理は誰かを待っているようだった。
「……ふぅ」
小さな溜め息を吐いて、愛理はスマホの画面に視線を落とす。
《あと5分ほどで着きます!》
《うん、西口のベンチで待ってるね》
先程受信したメッセージからまさにちょうど5分後、駅の上りホームに電車が滑り込んできた。
疎らに下車する乗客の中に、彼女がいるのだろう。
愛理は今一度、手鏡を取り出して前髪を整える。
なにせ〝誰かのため〟に着飾るなんて、久しぶりの事だ。
タッ、タッ、タッ……
やがて、小走りに近づく足音がひとつ。
(来た……!)
愛理は気付かないフリをして前髪をいじり続けるが、鼓動は弾むように大きく高鳴る。
「お待たせしてスイマセンッ、お久しぶりです愛理さん!」
呼び掛けられた声を聞き、愛理は手鏡をパタンと閉じて顔を上げる。
「ううん、私もさっき来たところよ。久しぶりね……恵里」
目線の先に、無邪気な笑顔が眩しい彼女が立っていた。
4
紅花との闘いに敗れた翌日──。
文字通りの死闘に精根尽き果て、帰宅ののち泥のように眠った愛理が再び目を覚ましたのは正午前だった。
Tバックショーツと、よれたキャミソールだけの身なりで洗面台の前に立つ愛理は、鏡に映る「陰気な女」を鬱陶しげに睨みつけながら歯を磨いていた。
「痛ッ……」
動くたびに身体中の筋肉が悲鳴を上げる。
それだけではない。
喉が、性器が、肛門が、ジンジンと灼けるように疼く。
その疼きが、昨晩我が身に起こった凄惨な嬲《なぶ》りを否が応でも思い起こさせる。
どんなに思考が拭い去ろうとしても、〝肉体の記憶〟がそれを許さない。
「……くッ」
一晩経ても、怒りと悔しさで身が震える。
愛理は口内の歯磨き粉を勢いよく吐き捨てると、口を濯ぐのと同時にバシャバシャと乱暴に顔を洗う。
昨日のあの光景が悪夢であるならば、今すぐ目覚めて欲しいと思いながら……。
《ピコン♪》
ふと、スマホにメッセージが入る。
(また恭子?ホント心配性なんだから……ん?……んッ!?)
目線を落として通知欄の名前を見た愛理は、驚きのあまり思わず画面を二度見する。
「恵里!?恵里って……」
(あの時の娘……!?)
5
レズビアンサークルに加入した当初、愛理はサークルの人事担当者であった史織の一方的な提案により、「教育」という名目でサークルが管理するマンションの一室で客取り行為を強要されていた。
その時に初めて相手をしたのが、当時大学1年生だった恵里だ。
レスリング部所属の10代の少女だが、体育会系らしいハキハキした受け答えと、笑顔の中に垣間見える純粋であどけない彼女の姿勢に、不安ばかりだった当時の愛理は愛おしささえ感じた。
そして心を許すあまり、愛理の方から彼女に連絡先を教えていたのだった。
「……すっかり忘れていたわ」
(恵里から連絡って……つまり……そういうコトよね……?)
やや緊張した面持ちで、メッセージを開く。
《お久しぶりです!その節は大変お世話になりました。。。》
内容は変哲もない時節の挨拶から、早くも核心へと突入してゆく。
《愛理さんとの時間をふと思い出して、またお逢いしたいと思ってしまいました…お時間ある日、私とデートして頂けませんか?》
「……デート、ね……」
もちろんその裏にある下心などは言わずもがな、しかしあの日が初めての風俗体験であったであろう彼女の中に、あの経験が「忘れられない時間」として記憶されている事は、愛理も決して悪い気はしない。
だが、ふと脳裏によぎるのは恭子やケイの顔。
El Doradoの誇りを守れなかった無様な敗北者である自分が、洗面鏡の向こうから恨めしげに睨んでいる。
(私……いつまで逃げる気なの?)
「……べっ、別に逃げてなんか……!」
そう、これは単なる気の迷い。
きっとこんな私だから、紅花に負けたのだろう。
確かな覚悟も無く、虚勢だけで生きてきたのだ。
だったら……堕ちるならば、とことん堕ちてしまえばいい。
私は、初めからそういう惨めな女……。
愛理は静かに指を動かし、メッセージを恵里に返信すると、スマホを乱暴にソファへ投げ捨てた。
(そうよ……何も悪くない……何も)
6
風もなく陽の暖かい、穏やかな冬の午後。
大通りのイチョウ並木をゆっくりと並んで歩く、愛理と恵里。
「恵里、ほらっ」
愛理は極々自然に恵里の手を取ると、指を絡めて強く握った。
「あ……ふふっ♪」
恵里は戸惑いながらも笑顔でそれを握り返すと、そのまま愛理の腕に身を寄せる。
「なんか……愛理さんって安心します」
「え?ホント?そんな事言われたの初めて……背も低いしさ」
「私もおんなじくらいですよ?150cmジャスト……」
「じゃあ勝った、私152あるし!」
「えー!?同じくらいですよ、同じくらい!」
キャッキャと騒ぎながら週末の人混みを歩いてゆく愛理と恵里。
他愛もない互いの身の上話、ウィンドウショッピング、お洒落なランチと、カフェブレイク。
傍目には仲睦まじい姉妹のような2人の、微笑ましいデートの一日。
しかし、その〝終着点〟を当然両者とも意識し始めている。
互いの視線が合う度に、揺れる髪の匂いが微かに鼻腔をくすぐる度に、握った手から伝わる体温を感じる度に……。
強烈に高まってゆくその瞬間への期待が、自然と2人の女を寡黙にしていった。
7
午後9時。
昼間の穏やかな気候とは裏腹に、夜は冬本来の肌寒さを感じる。
カフェバルで軽い飲食を済ませた2人が店の外へ出ると、キンと張り詰めた冷たい空気が肌を刺す。
愛理は冷えた鼻先をクシュクシュと指で擦りながら、ハァ……と白い息を漆黒の夜空に向けて吐いた。
「昼間と違ってだいぶ冷えるわね……雪でも降りそうなくらい」
「愛理さん……ハイっ」
呟いた愛理に、恵里は開いた右手を差し出す。
「ふふ、今度は恵里がエスコートしてくれるの?」
「あまりこういうのやり慣れないんですけど……今日一日、愛理さんに楽しませてもらったので」
「ふぅん、カッコいいじゃない」
殊勝な言葉で年長者を立てるいかにも体育会系な恵里に、愛理は感心して差し出された手を握り返す。
だがその時、愛理の内心にふとした「イタズラ心」が芽生えた。
ガバッ
「あっ……」
指と指を絡め、恵里の腕を強引に引き付けると、そのまま背中に抱きつくように背後に回り込んで恵里の耳元で囁いた。
「デートの最後……恵里はこれから私とどうしたいのかしら?……❤︎」
「あッ……えっと……❤︎」
吐息交じりにネットリと囁く愛理の問い掛けに、恵里の筋肉質な背中がピクンッと揺れる。
羞恥心に耳まで赤く紅潮する恵里を揶揄うように、愛理は舌舐めずりをしてニンマリと微笑むと、正面から恵里の胸の中へと飛び込んだ。
「恵里……いつから我慢してたの?」
「あッ……今日……逢った時から……ずっと……❤︎」
「ふふっ❤︎二人で歩きながら……食事しながら……買い物しながら……その時も恵里の頭の中は〝ヤリたい〟って気持ちで一杯だった……ってワケね?」
「はぁッ❤︎はぁッ❤︎ご、ごめんなさい……❤︎」
「謝らなくていいわ……私も同じよ❤︎」
絡めた指を一層強く結び直した二人の女は、逸る気持ちを抑えながら、足早にホテル街へと姿を消した。
8
パタ……ン
まるで時が止まったような、古ぼけた殺風景なラブホテルの一室。
「キャッ……!」
恵里が驚きに小さな悲鳴を上げた。
部屋に入るとそこに居たのはもう一人の自分。
「か、鏡……?ビックリしたぁ」
オープン当初はコレが最先端の〝美意識〟だったのだろうか?
対面の壁一面が鏡貼りという悪趣味な作りのこの部屋で、今宵二人の女が身体を交えるのだ。
ヤニ臭いカーペットとグレーのソファ、奇妙な内装とは裏腹に、素っ気ないダブルベッドが部屋の中央に鎮座する狭く薄暗い空間。
今時の映えを重んじる若者ウケなどまるで想定していない、いかにも「ヤリ部屋」然とした無骨な佇まいが、何故だか不思議と女たちの情欲を駆り立てる。
飾りなんて要らない……心と身体の隙間を埋めるのは、女二人が見つめ合えばそれで充分だ。
「なんか……すご……」
呆気に取られてポカンと口を開けたまま、部屋のあちこちに視線を泳がせる恵里。
それを尻目に、愛理は自らのコートを脱いでハンガーに掛けると、恵里の着ているコートも半ば強引に背後から脱がせてやる。
「あっ、なんかごめんなさい……ちょっとビックリしちゃって」
「ふふっ、いいのよ……それよりも早くお風呂入りましょ❤︎一日歩いて疲れたんじゃない?」
「は、はいっ……❤︎」
9
サァァ……
「……」
「……」
狭いバスルームに女同士で肌をくっ付けながらシャワーを浴びていると、やがて二人は次第に言葉を交える事をやめていた。
愛理も恵里も、自らの劣情を極力抑えつつ、互いの次なる出方を窺っていた。
だが、愛理には一つの思惑があった。
(恵里をとことん満足させるには……こうするしかない……)
愛理はシャワーを浴びている恵里の背後から、若く張りのある乳房に手を伸ばす。
ムニッ❤︎
「はぅンッ!?❤︎」
突然の刺激に恵里は肩をすくめて艶っぽい嬌声を上げたが、もちろん抵抗する事はない。
愛理の思うがままに委ねて、その快感を甘受している。
「ぁッ❤︎……愛理さッ……んゥッ❤︎」
「うふふ、ぷるんぷるんで綺麗なおっぱい❤︎指が押し戻されるくらいハリがあって……羨ましいわ❤︎」
ほぐす様に乳房を揉みしだく愛理の指は、やがてその先端に狙いを定めた。
キュウゥ……ッ❤︎
「あンッ!!❤︎ちッ❤︎乳首ィ……❤︎」
「ヤラしい❤︎コリッコリに固くして……いじめたくなっちゃう❤︎」
愛理は指先で恵里の張り詰めた乳首を弄びながら、抑えられない恵里の喘ぎを唇で塞いだ。
「んんッ!?❤︎むゥゥッ❤︎」
「んむッ❤︎んふゥ……ジュルッ❤︎」
チュパッ❤︎チュパッ❤︎チュゥゥ……❤︎
シャワー室に反響する、粘着質な音。
無心で貪り合う女同士の、淫猥な愛の合奏。
肌で、匂いで、味で、相手の興奮を全身で受け止めながら熱い舌を絡め合うと、二人の女は瞬く間に二匹の雌となった。
10
チュパッ❤︎……ジュルルルッ!❤︎
「ほおォォッ!?❤︎くッ……んゥゥッ!!❤︎」
唇を解いた愛理は、すかさず狙いを鋭敏な乳首へと定める。
乳房ごと飲み込んでしまいそうな力強い吸引に恵里は思わず声を裏返すが、羞恥心から咄嗟に指を噛んで耐え忍ぶ。
だが、甘く切ない快楽の波動に、恵里の腰つきは無意識に震え始める。
硬く勃起した恵里のペニスは、淡い桃色の鈴口からタラタラと卑猥な蜜を垂れ流し、その根元に垂れ下がる陰嚢さえもテカテカと濡らしていた。
「チュッ❤︎……ぷはぁッ❤︎ふふ、もうガマンできないんでしょ?❤︎」
そんな恵里の窮地を、当然愛理は見逃す筈がない。
ペニスの先端を指でトントンと優しく小突きながら、ねっとりと糸引く指先をこれ見よがしに舐めて意地悪そうに微笑んだ。
「さぁ……恵里ちゃんはどうしてほしいのかな?ちゃーんと目を見て、愛理お姉サマに言ってごらんなさい?❤︎」
「あッ❤︎あぅッ……❤︎」
瞳を潤ませて戸惑うような表情を浮かべる恵里に、愛理は額を突き合わせる。
「私はね……今、恵里のを味わいたい気分なの……❤︎」
肉厚な舌に唾液を絡め、恵里の眼前にベロンと放り出して挑発する愛理。
鼻腔を刺激する甘くて生臭い愛理の吐息に、恵里は意を決したように小さく頷いて呟く。
「ハァッ❤︎わッ、私のチンポッ❤︎しゃぶってッ❤︎しゃぶってくださいッ……❤︎」
恵里はタイルの壁に背中を預け、肩幅ほどに脚を開くと、両手を挙げて頭の上に乗せた。
命令された訳でもなく、無意識に不様なポーズを取ったのは、愛理に〝服従〟したいというマゾヒスティックな本能だろうか。
「……よく言えました、可愛い恵里ッ❤︎」
愛理は満足気にニンマリと笑うと、長い髪を背中に流して恵里の足元にしゃがみ込んだ。
そして……。
ジュルルッ!❤︎グポッ❤︎グポッ❤︎グポッ❤︎
「ひィィィッ!?!?❤︎❤︎あッ❤︎愛理さッ……くァァァァッ!?❤︎❤︎❤︎」
間髪入れずに、恵里のペニスを根元まで咥え込む愛理。
口内をピッチリと窄め、唇でキュッと付け根を扱き、硬化したカリ首周りを舌でコリコリと舐りたてる。
一日中煮えたぎらせた限界の性欲が、「完璧な性技」に強襲された。
駆け引きを知らない若い雌は、それを逃れる術を持たない。
「ダメッ!❤︎愛理さんッ!❤︎そんなッ❤︎すぐ射精ちゃうッ!❤︎❤︎イッ……!!❤︎❤︎❤︎」
ビュルッ!!❤︎ブピュルッ!!❤︎❤︎ブビュ────ッ❤︎❤︎❤︎
「んむッ❤︎……んぶッ!!❤︎❤︎❤︎」
爆発のような射精。
口内に吐き出される、凄まじい量のぷりぷりとした青臭い子種汁。
喉に叩きつけるその劣情の濁流に、愛理は恍惚として目を細めた。
咥えてからたった1分弱の出来事だった。
11
(すごい量……それに……たまらなく臭いッ❤︎)
愛理の喉奥を撃った恵里の射精は、意識が飛びそうになる程に「若い臭気」に溢れて鼻腔を刺激する。
20歳の生命力を凝縮したような恵里の精液。
この一発に、一体どれだけの精子が含まれているのだろう?
もしもこんな射精を〝膣内〟で喰らったら……。
そんな危険な想像が愛理の脳裏を掠める。
「フーッ❤︎フーッ❤︎……んうッ❤︎ん……くッ❤︎」
ゴキュッ❤︎ゴキュッ……❤︎
愛理は恵里のペニスを咥えたまま、吐き出されたばかりの精液を喉を鳴らして飲み下してゆく。
「あぅッ!?❤︎あッ❤︎愛理さんッ❤︎今イッたばっかりでッ❤︎先っぽ弱いッ❤︎」
飲み込む愛理の喉と舌の動きに、射精したばかりの恵里のペニスは再び反応してして瞬く間に硬度を取り戻す。
「ちゅぷッ……あはッ❤︎もう硬くなってる❤︎あんなに出したのに……節操なしのドスケベチンポッ❤︎」
呆れたように笑いながら、愛理は手のひらにだらりと唾を垂らすと、眼前のペニスを力強く握って手荒に扱いた。
シコシコシコシコシコシコッ❤︎❤︎❤︎
「おしおきッ❤︎」
「うァァァァッ!?❤︎ダメッ!❤︎それダメぇぇッ❤︎すぐッ❤︎すぐまたイッちゃうからァァァァッ!!❤︎❤︎❤︎」
ビュルッ❤︎ビュルッ❤︎ドプッ❤︎
「きゃあッ!?❤︎熱ッ……❤︎」
戯れな愛理の責めで、あっという間に二度目の射精に至る恵里。
先程と何ら遜色のない量の精液を、今度は愛理のたわわな乳房に無遠慮に放射する。
「あんッ❤︎もったいない❤︎」
その量と臭気と勢いに、愛理は一瞬顔を顰めるが、胸元を滑り落ちる白濁液を咄嗟に指で刮ぐように拭うと、愛おしそうにその指を舐め取ってゆく。
淫らな女の性技を、色遊び覚えたてのハタチの小娘に真正面からぶつける愉悦……。
「まだまだこれからよ、続きは……ベッドでしましょ❤︎」
「はッ❤︎はッ❤︎……はひッ❤︎」
連続の絶頂に膝が震える恵里の肩を、愛理が優しく抱きかかえて促す。
(恵里、絶対に満足させてあげる……キンタマ空っぽにしてやるんだから……❤︎)
12
「はぁッ……愛理さん……❤︎」
「ん……❤︎」
ベットの縁に腰掛けた二人は、どちらともなく肩を寄せ合う。
待ち切れない様子の恵里に対し、彼女の支配欲をくすぐるように、目線を合わせては恥ずかしげに小さく微笑む愛理。
淫らに責めるだけではない、女の弱さを武器に変えるセックスにおける心理術。
餌に食いつく魚を待ち侘びるように、恵里が襲い掛かる瞬間をひたすらに待つ。
だが、肉体の渇きは愛理もまた同じだ。
(……焦ったい……こっちがガマンできなくなっちゃう……❤︎)
疼きを覚える股間は愛液でネットリと濡れそぼり、身を捩るたびにぬるぬると愛理の内股を滑らせた。
(ダメッ、もう無理ッ❤︎)
痺れを切らせた愛理は恵里の首に両腕を絡ませてやや強引にキスを奪う。
「んッ❤︎」
ジュルッ❤︎チュパッ❤︎レロッ❤︎
「んむッ!?❤︎んふゥゥ……❤︎」
肉厚な舌を不意に捩じ込まれた恵里は一瞬肩を竦ませるが、すぐさま受け入れてその舌に吸いついて応戦する。
口内に広がる「女の味」に、恵里の目はトロンとした恍惚の色に染まってゆく。
チュ……パッ❤︎
「ぷはッ❤︎……はァッ❤︎恵里、責めてくれる?」
「あッ……は、はいッ❤︎」
愛理はシルク生地のように滑らかに艶めく長い黒髪を両手で後ろに掻き流すと、身軽にベッドの中央に仰向けになる。
薄暗く落とした部屋の照明は、愛理の陶器のような裸のカラダを妖しく照らし出す。
「はァッ❤︎……はァッ❤︎……」
息を弾ませ四つん這いでゆっくりと近づく〝若き淫獣〟が、その白肌に影を落とす。
「んふ❤︎……さぁ恵里……私を愉しませてちょうだい❤︎」
愛理は言葉で挑発しながら、内心は緊張の一瞬を迎えていた。
若く未熟な女との、駆け引きなど無い欲望のままのセックスを望む肉体と、果たしてその欲望をすべて受け止めきれるのかという不安と恐怖の心……。
今日、恵里の誘いを受けたのは、〝あの日〟の続きをするため。
(恵里が心から満足してくれなきゃ、私自身のプライドが納得できない……)
「愛理さんッ❤︎」
ジュルッ❤︎
「んッ❤︎」
恵里が、たわわに揺れる愛理の乳房に喰らいついた。
13
ジュプッ❤︎レロッ❤︎ジュルルルッ❤︎
「んふッ❤︎おォッ❤︎くぅぅンッ❤︎」
左右の乳房を寄せ合わせながら、ツンと上向きに勃起した乳頭をがむしゃらに舐りまくる恵里。
愛撫というにはやや荒っぽい恵里の責め。
だが、愛理にはむしろそれが心地良かった。
若く激しい愛欲と性欲を、ただひたすら自らの肉体を的に叩きつけられる快感……。
ギュゥゥゥッ❤︎
「うォォ!?❤︎乳首ィッ❤︎それイイよッ❤︎❤︎」
右の乳輪を強く噛まれ、反射的に身体がのけ反る。
苦痛のはずの痛みが、交わりの中で快楽へと変わるのは、愛理が闘いの日々の中で開いた新たな扉……。
ガクガクと腰を震わせて身悶える愛理の反応を見て、恵里は咄嗟に左の乳輪にも噛みついた。
ギチッ❤︎
「あ"ィ"ッ!?❤︎おォォォッ❤︎❤︎」
声を裏返して叫ぶ愛理に、恵里は驚いた表情を見せる。
「愛理さんッ……乳首噛まれるの、痛くないですか……?」
「ぁッ❤︎さッ、最高よッ❤︎もっと激しくッ❤︎乳首いじめてッ……!❤︎」
(だ、ダメだ❤︎私……やっぱりダメな女ッ❤︎)
愛理は脳に響く快感を振り切るように首を振ると、不意を突いて恵里に唇を重ねた。
「んむッ❤︎んん……❤︎」
「チュッ❤︎チュパッ❤︎」
(危ないッ❤︎乳首だけでイキそうだったッ❤︎)
事前に計画したプランさえ、ベッドの上で責められてしまえばすべてが与えられる快楽に掻き消されてしまう。
それでも、恵里の性欲そのすべてをこの身体で受け切るまでは、無闇に気を遣ることは許されない。
(流れに任せ過ぎるとまずい、早いところ射精させないとこっちが先にダウンね……)
激しいキスで間を保たせながら、愛理は快感にボヤけた思考を何とか巡らせる。
「ぷはッ❤︎えッ、恵里ッ❤︎もう…挿入てちょうだい……❤︎ここが疼いて……待ち切れないのッ❤︎」
腰をクイッと恵里の目線まで上げ、ぐっしょりと濡れた陰唇を手のひらでパンパンと叩く。
(ヌルヌルの発情マンコッ❤︎歳下の娘相手にここまで明け透けに媚びるのはかなり恥ずかしいけどッ……❤︎)
ふやけそうな程にトロトロと愛液が溢れ出し、完全に準備万端の熟れた肉体を、若い淫獣の眼前に曝け出して挑発してみせた。
攻撃こそ最大の防御とばかりの愛理の大胆不敵な姿に、恵里も呼応する。
「はァッ❤︎はァッ❤︎……挿入たいッ❤︎愛理さんのオマンコッ❤︎」
すでに二度の射精をしているにも関わらず、いや、先程よりも更に増して恵里のペニスは脈打つほどに硬く強く勃起していた。
それを見て、愛理は思わず息を呑む。
(くッ……!?やっぱり二回じゃ足りなかった….…?)
14
「あッ……ゴム……」
恵里が枕元のコンドームに手を伸ばそうとするのを、愛理は手で遮って制止する。
「いいのッ❤︎いらないわッ❤︎」
「えッ?……でも」
戸惑う恵里のペニスに、愛理は腰を浮かせて自ら陰裂を押し当てた。
クチュッ……❤︎
「あゥッ!?❤︎」
「私がいらないって言ったらいらないのッ❤︎私は恵里とナマでシたいッ❤︎」
「あ……❤︎あはッ……❤︎」
舌舐めずりをして妖しく微笑みかけた愛理。
ご主人様から差し出された〝よし〟の命令に、恵里の中の些末な理性はあっという間に消し飛んだ。
ズプッ❤︎ヌルゥ……❤︎
「お"ッ❤︎挿入ッ……❤︎」
パンパンに肥大した恵里のペニスは、長さは平均ながら直径は極めて太い。
まるで小柄ながら鍛えた肉体の隆起が逞しい、恵里そのものといった風のペニス。
そんなペニスを、愛液でドロドロに蕩け切った愛理の蜜壷が呑み込んでゆく。
ズプププッ❤︎ヌップッ❤︎
「ひッ❤︎んォッ❤︎お"~~ッ❤︎ふッとッ❤︎あッ❤︎あッ❤︎やばィィッ❤︎」
ぷっくりと膨張したカリ高の亀頭がゴリゴリと膣壁を掻き分けて膣奥へと進むたび、愛理は無意識に嬌声を漏らしてしまう。
「んひッ❤︎気持ちィッ❤︎愛理さんッ❤︎オマンコッ❤︎コレやばいッ❤︎」
それは責める恵里も同じ、またはそれ以上であり、膝をガクガクと振るわせて食いしばった口元からは涎が垂れ落ちるが、今はそれを拭いとる余裕すら無い。
「あ"~ッ❤︎これムリッ❤︎やばいヤバいッ❤︎射精ちゃうゥゥッ❤︎」
もはや泣きじゃくるような声で、それでも健気に、少しずつ、少しずつ腰を落として、やっとの思いで根元まで挿入する恵里。
愛理も恵里も、繋がった快感に打ち震えたまま、互いに動けずにいた。
「え、恵里ッ❤︎気持ちいいッ❤︎ゆっくり……動かしてッ❤︎」
「むッ、無理ッ❤︎ごめんなさいッ❤︎動かしたらッ❤︎すぐ射精ちゃうッ❤︎」
まったく微動だにできずとも、二人はすでに身体のそこかしこに汗が噴き出ていた。
「いいよッ❤︎|射精してもいいからッ❤︎目一杯腰振ってッ❤︎」
愛理の懇願に、涙目の恵里は弱々しく頷くと、意を決したように愛理の太ももを掴んで腰を振り始めた。
パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎
「おほッ!?❤︎ひィッ❤︎強いッ❤︎恵里のセックスッ❤︎逞しいッ❤︎やられるッ❤︎オマンコッ❤︎めくれるッ❤︎」
「うァァッ!!❤︎ひぐッ❤︎ひッ❤︎もッ❤︎もうダメッ❤︎チンポむりッ❤︎ガマンむりッ❤︎あッ❤︎あッ❤︎射精るッ❤︎射精るッ❤︎」
「お"ッ❤︎イ"ッ……グぅぅッ❤︎❤︎❤︎」
押し潰すように伸し掛かる恵里の下で、愛理はひと足早く絶頂した。
それでも恵里は腰を振り続ける。
同じ女とは思えぬ驚異的なパワーと、追い込まれてからの凄まじい忍耐力。
「あァァ射精るッ❤︎イクッ❤︎イクぅッ❤︎❤︎……お"ゥ"ッ❤︎❤︎❤︎」
ビュ────ッ❤︎❤︎ビュルッ❤︎❤︎ビュルッ❤︎❤︎
「おォォォッ❤︎膣内ッ……❤︎❤︎」
愛理が絶頂に達してから約10秒後、恵里もまた射精に達した。
まるで〝排泄〟とも言うべき、劣情のすべてを出し切るような、長い長い射精だった。
「はッ❤︎はッ❤︎はッ❤︎」
「はぁーッ❤︎はぁーッ❤︎」
愛理と恵里は絶頂ののち、放心したように 暫し呆然と互いを見つめ合いながら、やがてどちらともなく唇を重ねた。
「恵里……すごいッ❤︎最高のセックスよ……❤︎」
「愛理さん……❤︎好きぃ……❤︎」
愛理が恵里の頭を優しく撫でてやると、恵里は愛理に強く抱き着いて頬を合わせる。
苦しいほどに力強い抱擁が、心からの満足の証であることを愛理は感じ取った。
15
「……愛理さんは、あの時なんで連絡先を教えてくれたんですか?」
「へ?あっ……いや~なんでかしらね……」
ネオン輝くホテル街を後にしながら、2人の女はゆっくりと歩きながら言葉を交わす。
「私もわからないけど……多分あの時、恵里に逢えたことが嬉しかったんだと思うわ」
「へぇ……なんかそう言われると私も嬉しいですっ❤︎」
「……なんか信じてないカンジ?」
「い、いえ!そんな事は……」
慌てて首を横に振る恵里を見て、愛理はクスクスと笑う。
「ふふっ……あの時、恵里が初めてのお客さんだったって言ったじゃない?」
「はいっ、わ、私もあの時が初めてのそういうお店で……」
「すごく不安で、怖くて、どうしたらいいか分からなくて……そんな時に初めて来てくれたお客さんが恵里みたいな子だったから、なんだかとても安心して……だから、勝手に親近感みたいのが湧いてたのかな?って」
「あ……私も同じです……初めてですごく緊張してたけど、愛理さんがお相手してくれたから……愛理さんだったから……」
その時ふと、恵里の頬に涙が一粒光った。
「ぐすッ……あれ?すいません……なんでだろう……また愛理さんと過ごせて嬉しいのに……あははッ、なんか私、変ですよね!」
「恵里……」
愛理はそっと恵里を抱きしめて、頭を撫でる。
胸の中で、恵里は小さな身体を揺らしながら、必死に涙を堪えていた。
「恵里……私、最近ね……とても逃げ出したい気持ちだったの」
「え……?」
泣き腫らした真っ赤な目で、恵里が不思議そうに愛理を見つめる。
「私、臆病で天邪鬼で、そのくせプライドは高くて見栄っ張りで……真っ直ぐな純粋さの恵里とは正反対の人間なの」
「ううん、そんなこと……!」
「でもね……今日恵里と再会して、真正面から愛し合えて、私の中で〝答え〟が見つかった気がする」
「愛理さん……」
愛理はにっこりと微笑み、額と額を合わせて恵里に呟く。
「ありがとね、恵里……あなたのおかげで、悩んでた事がぜーんぶ吹っ切れそう」
「私こそ……また愛理さんと逢えたから……」
その時、恵里は少しだけ悩んだような顔をしたように見えたが、すぐさま笑顔で向き合うと、再び愛理の胸に顔を埋める。
「もうちょっとだけ……こうしててもいいですか?」
愛理は無言のまま頷くと、恵里の冷えた身体を抱きしめた。
16
次なるEl Doradoまであと2週間──。
「はぁ~……第2試合はこれで……いや、この娘は3試合目に回した方が……?」
昼下がりの事務所でPCモニターを睨みつけながら独り言が止まらない女と、それを余所にソファで爪を切る女。
「……あのさ、なんか手伝う気とかないの?」
「だって私、事務員じゃないもん」
問われた女は研いだ爪にフッと息を吹きかけながら眉ひとつ動かさずに悪びれる様子がない。
「私だって臨時だっつーの……はぁーあ、事務員あと2人は増やしてほしい……」
愚痴は吐きつつ手は休めないのが恭子という女の生真面目さだろうか、エントリー希望の履歴書を横目で見ながら、試合のカードを2つ、3つと打ち込んでゆく。
「愛理も帰ってこないしさ、もうケイを出場に入れちゃっていい?」
「ギャラ高いけど、大丈夫?」
「アンタそれしか言わないな……」
ハン、と鼻で溜め息混じりに苦笑すると、インターホンが鳴る。
《ピンポーン》
「誰だろ、今日は面接は夕方1件だし……」
気怠そうに玄関へ向かい、ドアを開けた先にいた人物に恭子は目を見開いた。
「……ただいま」
そこにいたのは音信不通の愛理だった。
愛理は少しばかり気まずそうに目線を逸らすと、頭を掻きながらポツリと呟いた。
「あと、今までゴメン」
「……」
恭子は何を言うべきなのかと一瞬迷ったが、それよりも今、愛理がこの場にいるという事実に身震いするような喜びを感じていた。
出てきた言葉は、たった一言。
「……おかえり」
再び闘いの日々に舞い戻った愛理の瞳には、もう迷いの影は一つも無かった。
コツ……コツ……コツ……
闇夜に濡れたアスファルトを叩く、不規則なヒールの音。
惑うようなゆっくりとした足取りは時折ふらふらと左右によろめきながら、今にも倒れそうな女の身体……そして心をなんとか支えているようだった。
ビュウ……
「ぅ……ぅ」
熱を失った冷たい肌を切り裂くような強いビル風に煽られ、女は思わず足を止めて肩を竦める。
コートの襟を両手で抑え、正面から向かいくる風に瞼を閉じると、艶めいた長い黒髪が渦を巻くように背後に靡いた。
深夜の2時を過ぎてもこの街は白昼のように明るく、行き交う人々は愛欲という〝仮初の美酒〟に酔い痴れている。
ただ一時、日常を忘却するために──。
〝華やかさ〟という仮面の裏に潜む、屈辱と悲壮の陰。
ハァ、と小さく吐いた白い息が、星の見えない漆黒の空へと溶けて消える。
見届けた女は震える唇を固く結び、再びゆっくりと歩き出す。
「寒い……」
女は今宵、この街での〝居場所〟を失った。
2
紅花との闘いから1週間。
それ以来、愛理はサークルに顔を見せてはいない。
敗北のショックは相当だったようで、「一人にさせてほしい」という言葉だけを残して、あの夜、いつの間にか DEEP LOVERから姿を消していた。
恭子はあれから何度も電話やメールを入れたが、愛理からの返答はない。
事務仕事に追われる恭子は、ふとキーボードを叩く手を止めて応接室のソファでくつろぐケイに不安そうに呟く。
「まさか愛理……変な気起こしてないでしょうね……?」
「大丈夫よ、そんなタマじゃないでしょう」
ケイは煙草の紫煙を燻らせながら、ファッション雑誌に視線を落としている。
「……あのさ、ここ禁煙なんですけど」
どこか他人事のようなケイの態度に、恭子は苛立ち混じりで注意した。
「あ、そ。ゴメン」
ケイは言葉ばかりの謝罪を述べると、シャツの胸ポケットに潜めた携帯灰皿を取り出し、飄々と煙草の火を消した。
「ふっ、このヤニカスが~……」
恭子が笑いながら悪態を吐く。
愛理の動向に不安を感じる中で、普段と何ら変わらない調子でいてくれるケイの姿に、言葉にせずとも恭子自身、幾分かの頼もしさも感じているのは確かだった。
「私らが心配しても仕方ないでしょ?サークルの事もあるけど、勝負に関しては〝愛理の問題〟だから。時間が経てば落ち着くわよ。今は辛いかもしれないけどね」
「うーん……どうだか」
恭子は言葉を濁したが、本当は愛理という女の「強さ」を誰よりも信じている。
「ま、来月のEl Doradoまでに帰ってこなかったら、ケイにまた出てもらおうかな」
「はぁ……高いよ?ギャラ」
「足りない分は愛理に請求してよ」
冗談を交えながら、笑い合うケイと恭子。
だが、愛理の敗戦はこの二人にとっても屈辱であったことは間違いない。
ケイはレースのカーテンを開き、高く真っ青に解き放たれた東京の冬空を睨む。
「愛理が帰ってくるまで、私らでできる事はやっておかないと……ね」
3
とある日曜日──。
都心からやや離れた郊外の駅に愛理の姿はあった。
日曜の午前中だからだろうか、初めて降り立つ街の空気は閑散としてどこか寂しく、駅前のロータリーのベンチで時計を気にしながら忙しなく視線を動かす。
普段とは異なるナチュラルなメイクと、暖色を基調としたフェミニンなコーデ。
前髪を頻りに指で触り、緊張と期待を持ち合わせたような面持ちで、愛理は誰かを待っているようだった。
「……ふぅ」
小さな溜め息を吐いて、愛理はスマホの画面に視線を落とす。
《あと5分ほどで着きます!》
《うん、西口のベンチで待ってるね》
先程受信したメッセージからまさにちょうど5分後、駅の上りホームに電車が滑り込んできた。
疎らに下車する乗客の中に、彼女がいるのだろう。
愛理は今一度、手鏡を取り出して前髪を整える。
なにせ〝誰かのため〟に着飾るなんて、久しぶりの事だ。
タッ、タッ、タッ……
やがて、小走りに近づく足音がひとつ。
(来た……!)
愛理は気付かないフリをして前髪をいじり続けるが、鼓動は弾むように大きく高鳴る。
「お待たせしてスイマセンッ、お久しぶりです愛理さん!」
呼び掛けられた声を聞き、愛理は手鏡をパタンと閉じて顔を上げる。
「ううん、私もさっき来たところよ。久しぶりね……恵里」
目線の先に、無邪気な笑顔が眩しい彼女が立っていた。
4
紅花との闘いに敗れた翌日──。
文字通りの死闘に精根尽き果て、帰宅ののち泥のように眠った愛理が再び目を覚ましたのは正午前だった。
Tバックショーツと、よれたキャミソールだけの身なりで洗面台の前に立つ愛理は、鏡に映る「陰気な女」を鬱陶しげに睨みつけながら歯を磨いていた。
「痛ッ……」
動くたびに身体中の筋肉が悲鳴を上げる。
それだけではない。
喉が、性器が、肛門が、ジンジンと灼けるように疼く。
その疼きが、昨晩我が身に起こった凄惨な嬲《なぶ》りを否が応でも思い起こさせる。
どんなに思考が拭い去ろうとしても、〝肉体の記憶〟がそれを許さない。
「……くッ」
一晩経ても、怒りと悔しさで身が震える。
愛理は口内の歯磨き粉を勢いよく吐き捨てると、口を濯ぐのと同時にバシャバシャと乱暴に顔を洗う。
昨日のあの光景が悪夢であるならば、今すぐ目覚めて欲しいと思いながら……。
《ピコン♪》
ふと、スマホにメッセージが入る。
(また恭子?ホント心配性なんだから……ん?……んッ!?)
目線を落として通知欄の名前を見た愛理は、驚きのあまり思わず画面を二度見する。
「恵里!?恵里って……」
(あの時の娘……!?)
5
レズビアンサークルに加入した当初、愛理はサークルの人事担当者であった史織の一方的な提案により、「教育」という名目でサークルが管理するマンションの一室で客取り行為を強要されていた。
その時に初めて相手をしたのが、当時大学1年生だった恵里だ。
レスリング部所属の10代の少女だが、体育会系らしいハキハキした受け答えと、笑顔の中に垣間見える純粋であどけない彼女の姿勢に、不安ばかりだった当時の愛理は愛おしささえ感じた。
そして心を許すあまり、愛理の方から彼女に連絡先を教えていたのだった。
「……すっかり忘れていたわ」
(恵里から連絡って……つまり……そういうコトよね……?)
やや緊張した面持ちで、メッセージを開く。
《お久しぶりです!その節は大変お世話になりました。。。》
内容は変哲もない時節の挨拶から、早くも核心へと突入してゆく。
《愛理さんとの時間をふと思い出して、またお逢いしたいと思ってしまいました…お時間ある日、私とデートして頂けませんか?》
「……デート、ね……」
もちろんその裏にある下心などは言わずもがな、しかしあの日が初めての風俗体験であったであろう彼女の中に、あの経験が「忘れられない時間」として記憶されている事は、愛理も決して悪い気はしない。
だが、ふと脳裏によぎるのは恭子やケイの顔。
El Doradoの誇りを守れなかった無様な敗北者である自分が、洗面鏡の向こうから恨めしげに睨んでいる。
(私……いつまで逃げる気なの?)
「……べっ、別に逃げてなんか……!」
そう、これは単なる気の迷い。
きっとこんな私だから、紅花に負けたのだろう。
確かな覚悟も無く、虚勢だけで生きてきたのだ。
だったら……堕ちるならば、とことん堕ちてしまえばいい。
私は、初めからそういう惨めな女……。
愛理は静かに指を動かし、メッセージを恵里に返信すると、スマホを乱暴にソファへ投げ捨てた。
(そうよ……何も悪くない……何も)
6
風もなく陽の暖かい、穏やかな冬の午後。
大通りのイチョウ並木をゆっくりと並んで歩く、愛理と恵里。
「恵里、ほらっ」
愛理は極々自然に恵里の手を取ると、指を絡めて強く握った。
「あ……ふふっ♪」
恵里は戸惑いながらも笑顔でそれを握り返すと、そのまま愛理の腕に身を寄せる。
「なんか……愛理さんって安心します」
「え?ホント?そんな事言われたの初めて……背も低いしさ」
「私もおんなじくらいですよ?150cmジャスト……」
「じゃあ勝った、私152あるし!」
「えー!?同じくらいですよ、同じくらい!」
キャッキャと騒ぎながら週末の人混みを歩いてゆく愛理と恵里。
他愛もない互いの身の上話、ウィンドウショッピング、お洒落なランチと、カフェブレイク。
傍目には仲睦まじい姉妹のような2人の、微笑ましいデートの一日。
しかし、その〝終着点〟を当然両者とも意識し始めている。
互いの視線が合う度に、揺れる髪の匂いが微かに鼻腔をくすぐる度に、握った手から伝わる体温を感じる度に……。
強烈に高まってゆくその瞬間への期待が、自然と2人の女を寡黙にしていった。
7
午後9時。
昼間の穏やかな気候とは裏腹に、夜は冬本来の肌寒さを感じる。
カフェバルで軽い飲食を済ませた2人が店の外へ出ると、キンと張り詰めた冷たい空気が肌を刺す。
愛理は冷えた鼻先をクシュクシュと指で擦りながら、ハァ……と白い息を漆黒の夜空に向けて吐いた。
「昼間と違ってだいぶ冷えるわね……雪でも降りそうなくらい」
「愛理さん……ハイっ」
呟いた愛理に、恵里は開いた右手を差し出す。
「ふふ、今度は恵里がエスコートしてくれるの?」
「あまりこういうのやり慣れないんですけど……今日一日、愛理さんに楽しませてもらったので」
「ふぅん、カッコいいじゃない」
殊勝な言葉で年長者を立てるいかにも体育会系な恵里に、愛理は感心して差し出された手を握り返す。
だがその時、愛理の内心にふとした「イタズラ心」が芽生えた。
ガバッ
「あっ……」
指と指を絡め、恵里の腕を強引に引き付けると、そのまま背中に抱きつくように背後に回り込んで恵里の耳元で囁いた。
「デートの最後……恵里はこれから私とどうしたいのかしら?……❤︎」
「あッ……えっと……❤︎」
吐息交じりにネットリと囁く愛理の問い掛けに、恵里の筋肉質な背中がピクンッと揺れる。
羞恥心に耳まで赤く紅潮する恵里を揶揄うように、愛理は舌舐めずりをしてニンマリと微笑むと、正面から恵里の胸の中へと飛び込んだ。
「恵里……いつから我慢してたの?」
「あッ……今日……逢った時から……ずっと……❤︎」
「ふふっ❤︎二人で歩きながら……食事しながら……買い物しながら……その時も恵里の頭の中は〝ヤリたい〟って気持ちで一杯だった……ってワケね?」
「はぁッ❤︎はぁッ❤︎ご、ごめんなさい……❤︎」
「謝らなくていいわ……私も同じよ❤︎」
絡めた指を一層強く結び直した二人の女は、逸る気持ちを抑えながら、足早にホテル街へと姿を消した。
8
パタ……ン
まるで時が止まったような、古ぼけた殺風景なラブホテルの一室。
「キャッ……!」
恵里が驚きに小さな悲鳴を上げた。
部屋に入るとそこに居たのはもう一人の自分。
「か、鏡……?ビックリしたぁ」
オープン当初はコレが最先端の〝美意識〟だったのだろうか?
対面の壁一面が鏡貼りという悪趣味な作りのこの部屋で、今宵二人の女が身体を交えるのだ。
ヤニ臭いカーペットとグレーのソファ、奇妙な内装とは裏腹に、素っ気ないダブルベッドが部屋の中央に鎮座する狭く薄暗い空間。
今時の映えを重んじる若者ウケなどまるで想定していない、いかにも「ヤリ部屋」然とした無骨な佇まいが、何故だか不思議と女たちの情欲を駆り立てる。
飾りなんて要らない……心と身体の隙間を埋めるのは、女二人が見つめ合えばそれで充分だ。
「なんか……すご……」
呆気に取られてポカンと口を開けたまま、部屋のあちこちに視線を泳がせる恵里。
それを尻目に、愛理は自らのコートを脱いでハンガーに掛けると、恵里の着ているコートも半ば強引に背後から脱がせてやる。
「あっ、なんかごめんなさい……ちょっとビックリしちゃって」
「ふふっ、いいのよ……それよりも早くお風呂入りましょ❤︎一日歩いて疲れたんじゃない?」
「は、はいっ……❤︎」
9
サァァ……
「……」
「……」
狭いバスルームに女同士で肌をくっ付けながらシャワーを浴びていると、やがて二人は次第に言葉を交える事をやめていた。
愛理も恵里も、自らの劣情を極力抑えつつ、互いの次なる出方を窺っていた。
だが、愛理には一つの思惑があった。
(恵里をとことん満足させるには……こうするしかない……)
愛理はシャワーを浴びている恵里の背後から、若く張りのある乳房に手を伸ばす。
ムニッ❤︎
「はぅンッ!?❤︎」
突然の刺激に恵里は肩をすくめて艶っぽい嬌声を上げたが、もちろん抵抗する事はない。
愛理の思うがままに委ねて、その快感を甘受している。
「ぁッ❤︎……愛理さッ……んゥッ❤︎」
「うふふ、ぷるんぷるんで綺麗なおっぱい❤︎指が押し戻されるくらいハリがあって……羨ましいわ❤︎」
ほぐす様に乳房を揉みしだく愛理の指は、やがてその先端に狙いを定めた。
キュウゥ……ッ❤︎
「あンッ!!❤︎ちッ❤︎乳首ィ……❤︎」
「ヤラしい❤︎コリッコリに固くして……いじめたくなっちゃう❤︎」
愛理は指先で恵里の張り詰めた乳首を弄びながら、抑えられない恵里の喘ぎを唇で塞いだ。
「んんッ!?❤︎むゥゥッ❤︎」
「んむッ❤︎んふゥ……ジュルッ❤︎」
チュパッ❤︎チュパッ❤︎チュゥゥ……❤︎
シャワー室に反響する、粘着質な音。
無心で貪り合う女同士の、淫猥な愛の合奏。
肌で、匂いで、味で、相手の興奮を全身で受け止めながら熱い舌を絡め合うと、二人の女は瞬く間に二匹の雌となった。
10
チュパッ❤︎……ジュルルルッ!❤︎
「ほおォォッ!?❤︎くッ……んゥゥッ!!❤︎」
唇を解いた愛理は、すかさず狙いを鋭敏な乳首へと定める。
乳房ごと飲み込んでしまいそうな力強い吸引に恵里は思わず声を裏返すが、羞恥心から咄嗟に指を噛んで耐え忍ぶ。
だが、甘く切ない快楽の波動に、恵里の腰つきは無意識に震え始める。
硬く勃起した恵里のペニスは、淡い桃色の鈴口からタラタラと卑猥な蜜を垂れ流し、その根元に垂れ下がる陰嚢さえもテカテカと濡らしていた。
「チュッ❤︎……ぷはぁッ❤︎ふふ、もうガマンできないんでしょ?❤︎」
そんな恵里の窮地を、当然愛理は見逃す筈がない。
ペニスの先端を指でトントンと優しく小突きながら、ねっとりと糸引く指先をこれ見よがしに舐めて意地悪そうに微笑んだ。
「さぁ……恵里ちゃんはどうしてほしいのかな?ちゃーんと目を見て、愛理お姉サマに言ってごらんなさい?❤︎」
「あッ❤︎あぅッ……❤︎」
瞳を潤ませて戸惑うような表情を浮かべる恵里に、愛理は額を突き合わせる。
「私はね……今、恵里のを味わいたい気分なの……❤︎」
肉厚な舌に唾液を絡め、恵里の眼前にベロンと放り出して挑発する愛理。
鼻腔を刺激する甘くて生臭い愛理の吐息に、恵里は意を決したように小さく頷いて呟く。
「ハァッ❤︎わッ、私のチンポッ❤︎しゃぶってッ❤︎しゃぶってくださいッ……❤︎」
恵里はタイルの壁に背中を預け、肩幅ほどに脚を開くと、両手を挙げて頭の上に乗せた。
命令された訳でもなく、無意識に不様なポーズを取ったのは、愛理に〝服従〟したいというマゾヒスティックな本能だろうか。
「……よく言えました、可愛い恵里ッ❤︎」
愛理は満足気にニンマリと笑うと、長い髪を背中に流して恵里の足元にしゃがみ込んだ。
そして……。
ジュルルッ!❤︎グポッ❤︎グポッ❤︎グポッ❤︎
「ひィィィッ!?!?❤︎❤︎あッ❤︎愛理さッ……くァァァァッ!?❤︎❤︎❤︎」
間髪入れずに、恵里のペニスを根元まで咥え込む愛理。
口内をピッチリと窄め、唇でキュッと付け根を扱き、硬化したカリ首周りを舌でコリコリと舐りたてる。
一日中煮えたぎらせた限界の性欲が、「完璧な性技」に強襲された。
駆け引きを知らない若い雌は、それを逃れる術を持たない。
「ダメッ!❤︎愛理さんッ!❤︎そんなッ❤︎すぐ射精ちゃうッ!❤︎❤︎イッ……!!❤︎❤︎❤︎」
ビュルッ!!❤︎ブピュルッ!!❤︎❤︎ブビュ────ッ❤︎❤︎❤︎
「んむッ❤︎……んぶッ!!❤︎❤︎❤︎」
爆発のような射精。
口内に吐き出される、凄まじい量のぷりぷりとした青臭い子種汁。
喉に叩きつけるその劣情の濁流に、愛理は恍惚として目を細めた。
咥えてからたった1分弱の出来事だった。
11
(すごい量……それに……たまらなく臭いッ❤︎)
愛理の喉奥を撃った恵里の射精は、意識が飛びそうになる程に「若い臭気」に溢れて鼻腔を刺激する。
20歳の生命力を凝縮したような恵里の精液。
この一発に、一体どれだけの精子が含まれているのだろう?
もしもこんな射精を〝膣内〟で喰らったら……。
そんな危険な想像が愛理の脳裏を掠める。
「フーッ❤︎フーッ❤︎……んうッ❤︎ん……くッ❤︎」
ゴキュッ❤︎ゴキュッ……❤︎
愛理は恵里のペニスを咥えたまま、吐き出されたばかりの精液を喉を鳴らして飲み下してゆく。
「あぅッ!?❤︎あッ❤︎愛理さんッ❤︎今イッたばっかりでッ❤︎先っぽ弱いッ❤︎」
飲み込む愛理の喉と舌の動きに、射精したばかりの恵里のペニスは再び反応してして瞬く間に硬度を取り戻す。
「ちゅぷッ……あはッ❤︎もう硬くなってる❤︎あんなに出したのに……節操なしのドスケベチンポッ❤︎」
呆れたように笑いながら、愛理は手のひらにだらりと唾を垂らすと、眼前のペニスを力強く握って手荒に扱いた。
シコシコシコシコシコシコッ❤︎❤︎❤︎
「おしおきッ❤︎」
「うァァァァッ!?❤︎ダメッ!❤︎それダメぇぇッ❤︎すぐッ❤︎すぐまたイッちゃうからァァァァッ!!❤︎❤︎❤︎」
ビュルッ❤︎ビュルッ❤︎ドプッ❤︎
「きゃあッ!?❤︎熱ッ……❤︎」
戯れな愛理の責めで、あっという間に二度目の射精に至る恵里。
先程と何ら遜色のない量の精液を、今度は愛理のたわわな乳房に無遠慮に放射する。
「あんッ❤︎もったいない❤︎」
その量と臭気と勢いに、愛理は一瞬顔を顰めるが、胸元を滑り落ちる白濁液を咄嗟に指で刮ぐように拭うと、愛おしそうにその指を舐め取ってゆく。
淫らな女の性技を、色遊び覚えたてのハタチの小娘に真正面からぶつける愉悦……。
「まだまだこれからよ、続きは……ベッドでしましょ❤︎」
「はッ❤︎はッ❤︎……はひッ❤︎」
連続の絶頂に膝が震える恵里の肩を、愛理が優しく抱きかかえて促す。
(恵里、絶対に満足させてあげる……キンタマ空っぽにしてやるんだから……❤︎)
12
「はぁッ……愛理さん……❤︎」
「ん……❤︎」
ベットの縁に腰掛けた二人は、どちらともなく肩を寄せ合う。
待ち切れない様子の恵里に対し、彼女の支配欲をくすぐるように、目線を合わせては恥ずかしげに小さく微笑む愛理。
淫らに責めるだけではない、女の弱さを武器に変えるセックスにおける心理術。
餌に食いつく魚を待ち侘びるように、恵里が襲い掛かる瞬間をひたすらに待つ。
だが、肉体の渇きは愛理もまた同じだ。
(……焦ったい……こっちがガマンできなくなっちゃう……❤︎)
疼きを覚える股間は愛液でネットリと濡れそぼり、身を捩るたびにぬるぬると愛理の内股を滑らせた。
(ダメッ、もう無理ッ❤︎)
痺れを切らせた愛理は恵里の首に両腕を絡ませてやや強引にキスを奪う。
「んッ❤︎」
ジュルッ❤︎チュパッ❤︎レロッ❤︎
「んむッ!?❤︎んふゥゥ……❤︎」
肉厚な舌を不意に捩じ込まれた恵里は一瞬肩を竦ませるが、すぐさま受け入れてその舌に吸いついて応戦する。
口内に広がる「女の味」に、恵里の目はトロンとした恍惚の色に染まってゆく。
チュ……パッ❤︎
「ぷはッ❤︎……はァッ❤︎恵里、責めてくれる?」
「あッ……は、はいッ❤︎」
愛理はシルク生地のように滑らかに艶めく長い黒髪を両手で後ろに掻き流すと、身軽にベッドの中央に仰向けになる。
薄暗く落とした部屋の照明は、愛理の陶器のような裸のカラダを妖しく照らし出す。
「はァッ❤︎……はァッ❤︎……」
息を弾ませ四つん這いでゆっくりと近づく〝若き淫獣〟が、その白肌に影を落とす。
「んふ❤︎……さぁ恵里……私を愉しませてちょうだい❤︎」
愛理は言葉で挑発しながら、内心は緊張の一瞬を迎えていた。
若く未熟な女との、駆け引きなど無い欲望のままのセックスを望む肉体と、果たしてその欲望をすべて受け止めきれるのかという不安と恐怖の心……。
今日、恵里の誘いを受けたのは、〝あの日〟の続きをするため。
(恵里が心から満足してくれなきゃ、私自身のプライドが納得できない……)
「愛理さんッ❤︎」
ジュルッ❤︎
「んッ❤︎」
恵里が、たわわに揺れる愛理の乳房に喰らいついた。
13
ジュプッ❤︎レロッ❤︎ジュルルルッ❤︎
「んふッ❤︎おォッ❤︎くぅぅンッ❤︎」
左右の乳房を寄せ合わせながら、ツンと上向きに勃起した乳頭をがむしゃらに舐りまくる恵里。
愛撫というにはやや荒っぽい恵里の責め。
だが、愛理にはむしろそれが心地良かった。
若く激しい愛欲と性欲を、ただひたすら自らの肉体を的に叩きつけられる快感……。
ギュゥゥゥッ❤︎
「うォォ!?❤︎乳首ィッ❤︎それイイよッ❤︎❤︎」
右の乳輪を強く噛まれ、反射的に身体がのけ反る。
苦痛のはずの痛みが、交わりの中で快楽へと変わるのは、愛理が闘いの日々の中で開いた新たな扉……。
ガクガクと腰を震わせて身悶える愛理の反応を見て、恵里は咄嗟に左の乳輪にも噛みついた。
ギチッ❤︎
「あ"ィ"ッ!?❤︎おォォォッ❤︎❤︎」
声を裏返して叫ぶ愛理に、恵里は驚いた表情を見せる。
「愛理さんッ……乳首噛まれるの、痛くないですか……?」
「ぁッ❤︎さッ、最高よッ❤︎もっと激しくッ❤︎乳首いじめてッ……!❤︎」
(だ、ダメだ❤︎私……やっぱりダメな女ッ❤︎)
愛理は脳に響く快感を振り切るように首を振ると、不意を突いて恵里に唇を重ねた。
「んむッ❤︎んん……❤︎」
「チュッ❤︎チュパッ❤︎」
(危ないッ❤︎乳首だけでイキそうだったッ❤︎)
事前に計画したプランさえ、ベッドの上で責められてしまえばすべてが与えられる快楽に掻き消されてしまう。
それでも、恵里の性欲そのすべてをこの身体で受け切るまでは、無闇に気を遣ることは許されない。
(流れに任せ過ぎるとまずい、早いところ射精させないとこっちが先にダウンね……)
激しいキスで間を保たせながら、愛理は快感にボヤけた思考を何とか巡らせる。
「ぷはッ❤︎えッ、恵里ッ❤︎もう…挿入てちょうだい……❤︎ここが疼いて……待ち切れないのッ❤︎」
腰をクイッと恵里の目線まで上げ、ぐっしょりと濡れた陰唇を手のひらでパンパンと叩く。
(ヌルヌルの発情マンコッ❤︎歳下の娘相手にここまで明け透けに媚びるのはかなり恥ずかしいけどッ……❤︎)
ふやけそうな程にトロトロと愛液が溢れ出し、完全に準備万端の熟れた肉体を、若い淫獣の眼前に曝け出して挑発してみせた。
攻撃こそ最大の防御とばかりの愛理の大胆不敵な姿に、恵里も呼応する。
「はァッ❤︎はァッ❤︎……挿入たいッ❤︎愛理さんのオマンコッ❤︎」
すでに二度の射精をしているにも関わらず、いや、先程よりも更に増して恵里のペニスは脈打つほどに硬く強く勃起していた。
それを見て、愛理は思わず息を呑む。
(くッ……!?やっぱり二回じゃ足りなかった….…?)
14
「あッ……ゴム……」
恵里が枕元のコンドームに手を伸ばそうとするのを、愛理は手で遮って制止する。
「いいのッ❤︎いらないわッ❤︎」
「えッ?……でも」
戸惑う恵里のペニスに、愛理は腰を浮かせて自ら陰裂を押し当てた。
クチュッ……❤︎
「あゥッ!?❤︎」
「私がいらないって言ったらいらないのッ❤︎私は恵里とナマでシたいッ❤︎」
「あ……❤︎あはッ……❤︎」
舌舐めずりをして妖しく微笑みかけた愛理。
ご主人様から差し出された〝よし〟の命令に、恵里の中の些末な理性はあっという間に消し飛んだ。
ズプッ❤︎ヌルゥ……❤︎
「お"ッ❤︎挿入ッ……❤︎」
パンパンに肥大した恵里のペニスは、長さは平均ながら直径は極めて太い。
まるで小柄ながら鍛えた肉体の隆起が逞しい、恵里そのものといった風のペニス。
そんなペニスを、愛液でドロドロに蕩け切った愛理の蜜壷が呑み込んでゆく。
ズプププッ❤︎ヌップッ❤︎
「ひッ❤︎んォッ❤︎お"~~ッ❤︎ふッとッ❤︎あッ❤︎あッ❤︎やばィィッ❤︎」
ぷっくりと膨張したカリ高の亀頭がゴリゴリと膣壁を掻き分けて膣奥へと進むたび、愛理は無意識に嬌声を漏らしてしまう。
「んひッ❤︎気持ちィッ❤︎愛理さんッ❤︎オマンコッ❤︎コレやばいッ❤︎」
それは責める恵里も同じ、またはそれ以上であり、膝をガクガクと振るわせて食いしばった口元からは涎が垂れ落ちるが、今はそれを拭いとる余裕すら無い。
「あ"~ッ❤︎これムリッ❤︎やばいヤバいッ❤︎射精ちゃうゥゥッ❤︎」
もはや泣きじゃくるような声で、それでも健気に、少しずつ、少しずつ腰を落として、やっとの思いで根元まで挿入する恵里。
愛理も恵里も、繋がった快感に打ち震えたまま、互いに動けずにいた。
「え、恵里ッ❤︎気持ちいいッ❤︎ゆっくり……動かしてッ❤︎」
「むッ、無理ッ❤︎ごめんなさいッ❤︎動かしたらッ❤︎すぐ射精ちゃうッ❤︎」
まったく微動だにできずとも、二人はすでに身体のそこかしこに汗が噴き出ていた。
「いいよッ❤︎|射精してもいいからッ❤︎目一杯腰振ってッ❤︎」
愛理の懇願に、涙目の恵里は弱々しく頷くと、意を決したように愛理の太ももを掴んで腰を振り始めた。
パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎パンッ❤︎
「おほッ!?❤︎ひィッ❤︎強いッ❤︎恵里のセックスッ❤︎逞しいッ❤︎やられるッ❤︎オマンコッ❤︎めくれるッ❤︎」
「うァァッ!!❤︎ひぐッ❤︎ひッ❤︎もッ❤︎もうダメッ❤︎チンポむりッ❤︎ガマンむりッ❤︎あッ❤︎あッ❤︎射精るッ❤︎射精るッ❤︎」
「お"ッ❤︎イ"ッ……グぅぅッ❤︎❤︎❤︎」
押し潰すように伸し掛かる恵里の下で、愛理はひと足早く絶頂した。
それでも恵里は腰を振り続ける。
同じ女とは思えぬ驚異的なパワーと、追い込まれてからの凄まじい忍耐力。
「あァァ射精るッ❤︎イクッ❤︎イクぅッ❤︎❤︎……お"ゥ"ッ❤︎❤︎❤︎」
ビュ────ッ❤︎❤︎ビュルッ❤︎❤︎ビュルッ❤︎❤︎
「おォォォッ❤︎膣内ッ……❤︎❤︎」
愛理が絶頂に達してから約10秒後、恵里もまた射精に達した。
まるで〝排泄〟とも言うべき、劣情のすべてを出し切るような、長い長い射精だった。
「はッ❤︎はッ❤︎はッ❤︎」
「はぁーッ❤︎はぁーッ❤︎」
愛理と恵里は絶頂ののち、放心したように 暫し呆然と互いを見つめ合いながら、やがてどちらともなく唇を重ねた。
「恵里……すごいッ❤︎最高のセックスよ……❤︎」
「愛理さん……❤︎好きぃ……❤︎」
愛理が恵里の頭を優しく撫でてやると、恵里は愛理に強く抱き着いて頬を合わせる。
苦しいほどに力強い抱擁が、心からの満足の証であることを愛理は感じ取った。
15
「……愛理さんは、あの時なんで連絡先を教えてくれたんですか?」
「へ?あっ……いや~なんでかしらね……」
ネオン輝くホテル街を後にしながら、2人の女はゆっくりと歩きながら言葉を交わす。
「私もわからないけど……多分あの時、恵里に逢えたことが嬉しかったんだと思うわ」
「へぇ……なんかそう言われると私も嬉しいですっ❤︎」
「……なんか信じてないカンジ?」
「い、いえ!そんな事は……」
慌てて首を横に振る恵里を見て、愛理はクスクスと笑う。
「ふふっ……あの時、恵里が初めてのお客さんだったって言ったじゃない?」
「はいっ、わ、私もあの時が初めてのそういうお店で……」
「すごく不安で、怖くて、どうしたらいいか分からなくて……そんな時に初めて来てくれたお客さんが恵里みたいな子だったから、なんだかとても安心して……だから、勝手に親近感みたいのが湧いてたのかな?って」
「あ……私も同じです……初めてですごく緊張してたけど、愛理さんがお相手してくれたから……愛理さんだったから……」
その時ふと、恵里の頬に涙が一粒光った。
「ぐすッ……あれ?すいません……なんでだろう……また愛理さんと過ごせて嬉しいのに……あははッ、なんか私、変ですよね!」
「恵里……」
愛理はそっと恵里を抱きしめて、頭を撫でる。
胸の中で、恵里は小さな身体を揺らしながら、必死に涙を堪えていた。
「恵里……私、最近ね……とても逃げ出したい気持ちだったの」
「え……?」
泣き腫らした真っ赤な目で、恵里が不思議そうに愛理を見つめる。
「私、臆病で天邪鬼で、そのくせプライドは高くて見栄っ張りで……真っ直ぐな純粋さの恵里とは正反対の人間なの」
「ううん、そんなこと……!」
「でもね……今日恵里と再会して、真正面から愛し合えて、私の中で〝答え〟が見つかった気がする」
「愛理さん……」
愛理はにっこりと微笑み、額と額を合わせて恵里に呟く。
「ありがとね、恵里……あなたのおかげで、悩んでた事がぜーんぶ吹っ切れそう」
「私こそ……また愛理さんと逢えたから……」
その時、恵里は少しだけ悩んだような顔をしたように見えたが、すぐさま笑顔で向き合うと、再び愛理の胸に顔を埋める。
「もうちょっとだけ……こうしててもいいですか?」
愛理は無言のまま頷くと、恵里の冷えた身体を抱きしめた。
16
次なるEl Doradoまであと2週間──。
「はぁ~……第2試合はこれで……いや、この娘は3試合目に回した方が……?」
昼下がりの事務所でPCモニターを睨みつけながら独り言が止まらない女と、それを余所にソファで爪を切る女。
「……あのさ、なんか手伝う気とかないの?」
「だって私、事務員じゃないもん」
問われた女は研いだ爪にフッと息を吹きかけながら眉ひとつ動かさずに悪びれる様子がない。
「私だって臨時だっつーの……はぁーあ、事務員あと2人は増やしてほしい……」
愚痴は吐きつつ手は休めないのが恭子という女の生真面目さだろうか、エントリー希望の履歴書を横目で見ながら、試合のカードを2つ、3つと打ち込んでゆく。
「愛理も帰ってこないしさ、もうケイを出場に入れちゃっていい?」
「ギャラ高いけど、大丈夫?」
「アンタそれしか言わないな……」
ハン、と鼻で溜め息混じりに苦笑すると、インターホンが鳴る。
《ピンポーン》
「誰だろ、今日は面接は夕方1件だし……」
気怠そうに玄関へ向かい、ドアを開けた先にいた人物に恭子は目を見開いた。
「……ただいま」
そこにいたのは音信不通の愛理だった。
愛理は少しばかり気まずそうに目線を逸らすと、頭を掻きながらポツリと呟いた。
「あと、今までゴメン」
「……」
恭子は何を言うべきなのかと一瞬迷ったが、それよりも今、愛理がこの場にいるという事実に身震いするような喜びを感じていた。
出てきた言葉は、たった一言。
「……おかえり」
再び闘いの日々に舞い戻った愛理の瞳には、もう迷いの影は一つも無かった。
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