愛理の場合 〜レズビアンサークルの掟〜

本庄こだま

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10.超えてゆく

愛理、新生。



 昨夜から降り続いた雨は日暮れと共に止み、星空の夜を迎えた金曜の繁華街。

 濡れたアスファルトには飲食店の色とりどりのネオンライトと、そこに集まる人々の欲望を映し出す。

 「さてと……そろそろ行きますかっ」

 自宅のドレッサーの前で化粧を終えた愛理は、仕上げとばかりに長い黒髪をヘアブラシで2、3度素早く梳かすと、春物の薄手のベージュコートに袖を通した。

 決戦は24時。復活の第一戦。

 渇いた空気がよどむベッドルームの電気を消し、自宅を出る。

 コツ、コツ、コツ、コツ……

 マンションの廊下に響くヒールの音は、愛理自身の気持ちを表すように小さく、小刻みに、早足で。

 それでいて、高らかに、朗らかに鳴り響いていた。

 (こんな気持ちって、今まで無かったかも)

 闇夜の街頭に照らし出される愛理の顔に、真紅のリップが僅かに微笑む。

 (今日の私……興奮してる。El Doradoエルドラードでの闘いを待ち望んでる)

 1ヶ月前、抜け殻のようになって家路へ向かった道のり。

 今宵の愛理は、凱旋する誇り高き騎士ナイトのように、確かな歩みで同じ道を突き進む。



 グラビアアイドル、千亜希ちあきは戸惑いを隠せなかった。

 「キャットファイト……?」

 「ああ、まぁその……お色気アリの余興……と言っては何だが……」 

 社長から飛び出た聞き慣れない言葉。

 だが、何やら言い淀む社長の雰囲気を察するに、あまり「良い趣味の余興」ではない事は確かだった。

 「そのキャットファイトって、何をすればいいんですか?ファイトって事は……格闘技かなにか……?」

 「女の子同士のプロレスごっこみたいなものだ。ガチンコの格闘技じゃない。ただ、下着とかビキニで揉み合うから、ポロリがあったり……変なトコに触ったり……そういう反応を見て客が楽しむものだ」

 「……」

 千亜希の耳には、社長の説明は途中までしか入らなかった。

 なんて下品で悪趣味な見世物だろう。

 衆目の下、好奇の目に裸体を晒すならば、それはAVと変わらないのではないか。
 
 たとえ自分がどんなに鳴かず飛ばずの3流グラビアアイドルでも、女として譲れない一線があった。

 「私……そんな恥ずかしい真似……」

 本心からの言葉だろう。

 千亜希にとってはあまりに未知で、非現実的な世界。

 「……ちょっと、見てみるか?依頼先から試合の映像が届いてるんだよ」

 社長はおもむろに封筒の中からDVDケースを取り出した。

 千亜希は怪訝けげんに眉を顰めて応えなかったが、社長はマネージャーにDVDを渡すと、映像がノートPCの液晶モニターに映し出された。

 映像はプロモーション用の凝った編集がなされ、画面には禍々しいフォントで大きく〝El Dorado〟と映し出される。

 「……」

 眩ゆいライトの下、フロア中央の円形ステージの真ん中に並び立つ二人の女が、腕組みして憮然と睨み合う。

 どちらも裸同然のマイクロビキニで、激しく動けばしまいそうな過激な出立ちだ。

 「fight!」のアナウンスとともに、けたたましい銅鑼どらの音。

 その後の光景に、千亜希は思わず息を呑んだ。



 チュプッ❤︎ジュルッ❤︎ズルルルッ❤︎

 「う……!?」

 女たちは互いの出方を見合う素振りは一切なく、どちらも大股に歩み寄ると、真正面からガッチリと抱き合い、躊躇なく唇を重ね合わせた。

 ガッツリと、ネットリと、顎の周りが唾液で濡れ輝くほど、舌を絡めて激しく貪り合う。

 だが、愛し合っている訳ではない。

 二人の女はそうして絡み合う間も、互いの視線を逸らせることなく敵意をもって睨み合い続けている。

 「ど……どういう世界観……?」

 千亜希は思わず疑問を口にする。

 「うん、思ったより……激しいな……」

 社長もやや困惑しながらモニターの中の攻防を凝視する。

 俗に言うキャットファイトとは、あくまで「お色気アリの余興的イベント」

 綺麗どころの女の子同士で、組んず解れつしながら時には胸がはだけるハプニング……その程度の認識だった。

 しかし、目の前で行われているのは紛れもない「本気の闘い」──。

 接吻で繋がったまま、片方の女が相手を押し倒す。

 そしてすぐさまバックに回ると、手荒にブラを引き剥ぐ。

 だが、相手の女も乳房の露出などはまるで気にする様子はなく、腕を後ろに回して髪を引っ張ってやり返す。

 『あぁぐッ!?』

 女の鋭い悲鳴が、スピーカーから響く。

 (これ……)

 いつの間にか、千亜希は前のめりにモニターに齧り付いていた。



 試合は決着の時を迎える。

 着用していたマイクロビキニは、両者ともとっくに脱げ落ち、乳房も性器も剥き出しの姿だ。

 乱れた髪が汗まみれの顔や首にべったりと張り付き、吐息は獣のうめきのように荒々しい。

 それでも互いを睨みつける眼光の鋭さは、試合前と依然変わりはない。

 顔面に馬乗りになった女が死角から相手の股間を責めれば、視界を封じられた相手も負けじと陰核を舐め上げる。

 『おォォッ!?❤︎』

 『んふゥッ!?❤︎』

 女同士、意地と意地のぶつかり合い。

 衆目に相手の〝無様〟を晒すべく、死に物狂いで性技を叩き込む。

 やがて、下から責められていた馬乗りの女の腰が浮く。

 下の女は「逃がさない」とばかりに太腿を腕で掴み、尚も執拗に舐めしゃぶる。

 『ひィッ❤︎いッ……イクイクイクッ……❤︎』

 先程までの勇猛とは打って変わって、悩ましく身悶えする女の嬌声。

 『イクんッ!!❤︎❤︎❤︎』

 叫んだ女が前のめりにマットに突っ伏すと、下から責めていた女が這い出てくる。

 追撃に備えるが、相手の女は痙攣してもはや続行は不可能と判断された。

 『勝者……紗季さきッ!!』

 勝ち名乗りを受けた女も満身創痍、握った拳を挙げるのが精一杯で、スタッフに肩を借りながらステージを降りる。

 歓声に包まれる中、二人の女の背中を映しながら、映像はフェードアウトした。



 「……ふーッ」

 食い入るように観ていた千亜希はひとつ大きな息を吐くと、ソファに座り直して姿勢を正した。

 「社長、これ……ヤラセじゃないですよね」

 「ああ……どうやらそんな感じ……らしいな」

 「打ち合わせなし、手加減なしの……〝潰し合い〟ですよね」

 「そうだな……いや、すまない。俺もリサーチ不足で」

 この話を持ってきた社長自身も映像を観て、その〝ガチンコ〟の内容に困惑したのであろう。
 頭を掻き、バツが悪そうに苦笑いしながら言葉を濁す。

 「さすがに……ちょっと千亜希には、な……」

 だが、千亜希の返事は意外なものだった。

 「だったら私、やりますよ」

 「えっ……やるって、千亜希お前……!?」

 思わず声が上擦る。

 あまりにも予想外の返答に、一番驚いたのは提案した社長本人だった。

 だが、千亜希はあくまで冷静だ。

 「このステージに上がって、女の子とと闘う……ギャラもいいんでしょ?」

 「それはそうだが……この過激さは殆どAVと変わらないぞ、お前があんなに嫌がっていた……」

 「ガチンコなら私は勝ちますよ。無様に脱がされたり変な声あげたりしません。それに……」

 千亜希は暫し考えるように俯いていたが、再び顔を上げた時の彼女は笑顔であった。

 「私、これを最後にグラドル引退します。この試合で入ったギャラも全額事務所に入れます。事務所の経営が厳しいのは私も分かってますし……育てて頂いた恩返しとして」

 「千亜希……」

 社長は呆然と千亜希を見つめたまま、それでも言うべき言葉が見つからなかった。



 果たして、復活の時は来た。

 今宵のDEEP LOVERディープラヴァーは普段以上に客の熱気が凄まじい。

 今宵開幕の〝El Dorado〟は愛理の話題で持ち切りだ。

 「愛理、今日もやるんでしょ?」

 「前回はかなり酷い負け方したけど……もう大丈夫なのかしらね?」

 紅花に為す術もなく敗北した1ヶ月前。

 押しも押されぬEl Doradoの看板選手として勝利を期待された愛理のプライドは、あの夜確かに打ち砕かれた。

 だが、観客の愛理に対する評価は、以前揺るぎないものであった。

 それはこのEl Doradoという舞台が、極めて特殊な空間である故……。

 勝利や敗北の先にある「魅せること」への信頼が、このステージでの愛理の築き上げた財産となっていた。

 散り様すら、金を産む女──。

 勝利への執念に燃える愛理の意思とは裏腹に、もはや愛理自身の預かり知らぬところまでその影響力は及んでいた。



 「愛理~、調子はどう?」

 控え室に顔を見せた恭子は、スーツ姿の出立ちだった。

 「あら、恭子?今日はスタッフやらないの?」

 「今日はちょっと来客があってね、それの対応するからスタッフは他の人に頼んであるよ」

 シャワーで濡れた髪をドライヤーで乾かしながら、愛理はキョトンとした顔で恭子を見つめた。

 「来客?こんな夜中のイベント中に?ま、恭子ちゃんもすっかり経営側になっちゃったって事ね……寂しいな~」

 「言っとくけど、なりたくてなったワケじゃないからね!?あと来客ってのはね、大阪のイベントサークルで〝是非とも愛理の試合が観たい〟って頼み込まれたから私がその見学対応してあげるの」

 恭子の説明を受けても、愛理はなおキョトンとしたまま目をぱちくりとさせる。

 「へー……大阪のサークルがなんで私の事……」

 「レズビアンのイベントサークルなんて狭い世界、噂はすぐに広がるんだよ。愛理もウチの……いや〝東京代表の顔〟として頑張ってよ」

 「変なプレッシャー掛けないでよ……私はそんな事関係ないわ」

 愛理はぶっきらぼうに答えると、テキパキとメイク道具を並べてに入る。

 「私は私!自分のペースで、その日を精一杯闘うだけ!……でしょ?」

 そう言いながらリップスティックを恭子に向けて軽くウインクをする愛理からは、今までにない「余裕」を感じる。

 「……そうだね、とりあえずは今日の一戦!生まれ変わった〝新生・愛理〟に期待してるから」

 (愛理、すっかり大丈夫そうだな……)

 控え室をあとにする恭子の足取りも、今宵は心なしか弾んでいた。



 今宵のEl Doradoは、第1試合からいずれも熱戦であった。

 初登場も常連組も、どの選手も持てる力と技を余すところなくその一戦に出し尽くす白熱の攻防。

 大きな理由の一つはまさしく、先述した「大阪のサークル」の招致が起因している事は間違いないだろう。

 活動地域は異なれど、いわば同業種のライバル団体。

 東京のイベントサークル最大手としての威信、El Doradoのレベルを大阪のサークルの目に焼き付かせんと、出場者たちにも自ずと対抗意識が芽生えている。

 それは愛理も例外ではなかった。

 (恭子にはああ言ったものの……やっぱり今日はいつもと勝手が違うわね)

 試合に勝つこと、観客を楽しませること、そして何より「魅せること」……。

 普段より意識しているつもりでも、今日は一段上のクオリティが求められる。

 (ま、アレコレ考えても仕方ないか)

 ステージ上で繰り広げられる闘いを舞台袖で見つめながら、愛理は大きく呼吸をする。

 (私は私のまま……愛理そのものを魅せてあげるだけよ!)



 今宵、最後の試合。

 フロアが暗転すると、割れんばかりの歓声と拍手が鳴り響く。

 「愛理ッ!愛理ッ!愛理ッ!!」

 コールを待たずして、早くも観客席からは愛理コールが飛び出す。

 膨張した熱気は今や最高潮に達し、誰もがその瞬間を今か今かと待ち侘びていた。

 《今宵のEl Dorado、最後の闘い……まずは初参戦ッ!》

 フロア内のすべての視線がステージのスポットライトの下に向けられ、観衆が固唾を飲んで見守る中、勇壮なBGMとともに対戦相手の入場が始まる。

 《グラドル界からの刺客……千亜希、入場ッ!!》

 オォォォォ……!

 姿を現した女の姿に、場内の歓声は一気に感嘆のどよめきへと変わった。

 遠目に見ても分かる、肌色一色の存在。

 一糸纏わぬ、まったくの全裸。

 シューズすら履かずに舞台に降り立ったその女は、豊満で形の良い二つの乳房を殊更ことさら誇示するように真っ直ぐに立ち、目線だけを流すように場内を一望しながら歓声を背中に浴びる。

 やがて女はゆっくりと長い両脚を開くと、その大きな胸を持ち上げるように腕組みをして、仁王立ちに構え直す。

 後ろで束ねたポニーテールのうなじには薄っすらと汗を浮かばせ、意志の強さを表すような濃いめの眉毛を高く上げて、ジッと対角線の舞台袖を睨みつけた。

 その様子を見ていた観客の一人がポツリと呟く。

 「なんか……カッコいい」

 若い女ながら甘さの隙がない、清く凛々しい顔立ち。

 均整の取れた抜群のプロポーションに、女性性の象徴たる豊かな胸を隠そうとしない、肝の据わった佇まい。

 見てくれの飾りなどは一切必要ない。

 「全裸」こそ、この女の最高級のコスチューム。

 この〝El Dorado〟に挑む、彼女なりの覚悟だった。



 《初の敗北から1ヶ月……今宵上がる逆襲の狼煙のろし……愛理、入場ッ!》

 ドワァァァァァァァァッ!!!

 地響きにも似た歓声。

 〝今宵の主人公〟の名乗りを受け、フロアのボルテージがより一層高くなる。

 観客席は早くも狂乱の熱気を帯びて、誰もがその女の名前を叫び続けた。

 「愛理ッ!愛理ッ!!愛理ッ!!!」

 舞台袖でその叫びを聞く愛理は、暫し目を閉じて自分を呼ぶ声に耳を傾ける。

 (なぁんだ……帰る場所あるじゃん、私)

 敗北により失われたと思った地位や名声、そしてプライド。

 居場所を奪われ、自暴自棄に喘いでいた。

 だが、それらはすべて愛理の杞憂。

 彼女がこの半年間で築き上げたEl Doradoでの財産は、既に彼女自身すら気付けない程に大きく、盤石で、強固な〝牙城〟となっていた。

 薄く目を開き、深呼吸を二回。

 (あなたは待っていてくれていたのに……ごめんね、El Dorado。ありがとう)

 「ふぅー……ハッ!!」

 パシッ!パシッ!

 頬を自ら二回叩いて喝を入れる、いつもと同じルーティン。

 「さぁ、行くわよッ!!」

 舞台袖の暗がりからダッシュでステージに駆け上がる愛理。

 「再びこのステージに立つ喜び」を全身に浴びて、スポットライトの下に躍り出る。

 (私はもう迷わないから……みんな、見ていて!)

10

 ステージ中央で向き合い、並び立つ両者。

 素足の千亜希はヒールを履いた愛理より、それでもなお頭一つ背が高い。

 (165以上……ってトコか)

 千亜希の身長は167cm。

 低身長がウィークポイントである愛理は、今や目方で相手の大まかな身長を読み取れる。

 (それよりも……)

 だが愛理の視線は、千亜希の別の箇所に注がれていた。

 ズイッ……!

 眼前に差し出された、豊満な胸。

 それは日常生活ではなかなか目に掛かれない程に大きく、巨大な山のように愛理の前にそびえ立っていた。

 (すご……さすが、グラビアアイドルって名乗るだけのカラダしてるわね……)

 その重量物を支える確かな骨格。背中の広さと、胸板の分厚さ。

 鋭くくびれて薄っすらと腹筋の浮き出た腰回り。

 千亜希の全裸の身体が、それそのものが「武器」であることをまざまざと見せつけていた。

 愛理が千亜希に話しかける。

 「凄く綺麗で大きいおっぱい……失礼だけど、どれくらいあるのかしら?」

 「……トップ100の、アンダー68」

 「ひゃッ!?……Jカッ……プ……?」

 コクリと頷く千亜希。

 てらいなく答えた千亜希の言葉に、愛理は思いの外ショックを受けた。

 唇を尖らせながら、無意識に自らの胸を寄せ上げてみる愛理。

 (私も大きい方なんだけどな……なんだろ、早くも負けた気分。悔しい)

 愛理は今から、この「巨大な山」を相手に闘う。

11

 余計な詮索で人知れず心に傷を負った愛理だが、勝負は一時も待ってはくれない。

 《両者、開始位置へ!》

 アナウンスに従い、間合いを切る二人。

 向こう側で睨む千亜希を目線で牽制しながら、それでも思考は冷静だった。

 フロアを一望できる中二階のVIPスペースで愛理の表情を見ていた恭子は、普段との変化にいち早く気付く。

 (愛理……今までならナーバスになって口数が減ったり、逆に気負い過ぎてカッカしたりしてたけど……今日は余裕すら窺えるな)

 「愛理ちゃんって、思ったよりちっこいんですね」

 恭子の隣でステージを眺めるのは、大阪のレズビアンサークルから視察の為に派遣された2名の女。

 「ええ……でも負けん気と闘志は人一倍、観客へのアピールも魅せる努力をしているし、今や名実ともEl Doradoの代表選手ですよ」

 「へぇ~、ウチそういう気の強い娘好きやわ。可愛いやんな?大阪でも人気出ると思います」
 
 「ありがとうございます……あ、そろそろ始まりますよ」

 再び視線を向けた先には、開始の合図を待ち侘びる二人の女。

 口元で笑いながら、眼は早くも互いを刺し合っている。

 《ready……》

 待っているのは二人だけではない。

 今宵、このフロアに集まった誰もが、この瞬間を今や遅しと待っていた。

 《fight!!》

 ゴォォォォォン……ッ!!

 空気を震わせる高らかな銅鑼どらの音とともに、今、闘いの火蓋が切って落とされた。

12

 ワァァァァァァッ!!

 「愛理がんばれーッ!!」

 「愛理ファイトーッ!!」

 堰を切ったように浴びせられる愛理への声援。

 ステージを取り囲む観客、その誰もが愛理の名前を目一杯に叫ぶ。

 「……」

 試合開始の合図を受けるも、まだ両者とも動かない。

 だが、愛理は千亜希の表情からすでに彼女の心境を読み取っていた。

 (初出場、観客の目、完全アウェイの空気感……気丈に振る舞っていても、そりゃ当然緊張するでしょうね)

 事実、千亜希は目の前の対戦相手よりも「己の精神を落ち着かせること」に集中しなければならなかった。

 全裸の素肌に、嫌な脂汗がじっとりと纏わりつく。

 呼吸が無意識に荒くなり、心臓は豊かな乳房の下で激しく鼓動を刻む。

 (落ち着け……大丈夫、見られることには慣れてるから)

 そう自分に言い聞かせる千亜希だが、膝が震えて前に踏み出せない。

 撮影現場には常に自分を気遣ってくれるスタッフがいた。

 イベントには自分を応援してくれるファンがいた。

 だが、このステージにはどちらもいない。

 ただ一人、文字通りの「裸一貫」で挑んだEl Dorado。

 不退転の決意で立ったステージは、想像よりも遥かに残酷な世界だった。

 (負けるな!前に出ろ!千亜希!)

 何度も何度も自らを心の中で鼓舞する千亜希。

 それでも、一歩が出ない。

 (……ふぅん)

 様子を窺っていた愛理が、構えを解く。

 そして、無言のまま着ていた一張羅のチャイナドレスを脱ぎ始めた。

 「えっ……」

 唐突な愛理の行動に、千亜希は目を丸くして固まる。

 愛理は続けてロンググローブ、ショーツ、ソックス、シューズと脱ぎ捨て、ついに千亜希と同様、一糸纏わぬ全裸になった。

13

 「あはッ、見て?私もツルッツルのパイパン。ま、あなたのはお仕事で、私はたんなる趣向だけどね」

 無毛の真っ白な恥丘をさすりながら、愛理が冗談めかして笑う。

 「千亜希……だったわよね?千亜希は相当な覚悟を決めてこのEl Doradoに挑戦してくれたのよね?」

 呆気に取られていた千亜希だが、愛理の問いかけにハッと我に帰る。

 「とっ……当然!半端な覚悟で……こんな事できないでしょ……!」

 千亜希の返事に、愛理は笑って頷く。

 「あはは……当然よね。大勢の前でハダカになって、こんな事フツーの女の子は絶対やらないんだから」

 そう語りながら、愛理は千亜希に向かって歩み始める。

 千亜希はやや腰を引き、身構える。

 「だからこそ嬉しいのよ。あなたの覚悟がね。私は……その覚悟に応える義務がある」

 「えっ……?」
 
 「女同士、ハダカとハダカ。あなたも私も、隠すものは何もない」

 穏やかだった愛理の表情が、獲物を狙う〝戦闘モード〟に切り替わる。

 気付けば二人は、手を伸ばせば触れ合える位置まで近接していた。

 「ヤレる?私、強いわよ?」

 「……私だって、負けない」

 「上等よ」

 ガシィッ!!

 どちらともなく、二人の女は真正面から抱き合った。

14

 ファーストコンタクトは両者同時の組み合い。

 「うぐッ……!」

 「ふんッ……!」

 愛理が相手の胴に腕を回すと、千亜希もその上から腕を回して繋ぎ止める。

 計算のない、直球勝負の力比べ。

 初めに仕掛けたのは意外にも千亜希だった。

 「いやァッ!!」

 「うッ!?」

 右足を引っ掛け、愛理を背後に押し倒そうとする。

 だが、愛理も負けじと掛けられた足を巧みにかわし、今度は愛理の方から足払いを仕掛ける。

 「あッ!?」

 ダァンッ!

 千亜希が上半身のバランスを崩したと見るや、愛理はそのまま浴びせ倒して上を取った。

 「まだまだ身体が固いわね?緊張してるのが丸わかりよ」

 「くッ、離して……ッ!」

 「ふふっ❤︎ここからがEl Doradoの醍醐味なんだから❤︎」

 ガシッ❤︎

 「んぐッ!?」

 馬乗りになった愛理が、千亜希の巨大な乳房を鷲掴みにする。

 「すっご……重たくてタップタプ❤︎手が埋まっちゃうわ❤︎」

 クニュッ❤︎ムニュッ❤︎

 愛理の小さな手では持て余してこぼれ落ちる程に、豊満で巨大な質量の千亜希の乳房。

 両脇から揉み込む愛理の指は殆ど肉に埋まり、柔らかで弾力に富んだ乳房は「胸を揉む」というよりも「餅を捏ねる」といった風だ。

 寄せてみたり、引っ張ってみたり、上下に擦り合わせてみたり……千亜希の身体の上で、愛理はその乳房を自分勝手にもてあそぶ。

 「あははッ❤︎こんなスケベで凶暴なおっぱい、女の私でも興奮しちゃうわね❤︎」

 「くッ!人の胸で遊んでんじゃ……!!」

 千亜希も下から抵抗を試みるが、両腕は愛理の太ももで固定されて動かない。

 (くそッ、この女……思ったより力が強い!)

 自らの不覚を悔やむとともに、なんとか不利な形勢を立て直そうと思案する千亜希。

 その隙を、愛理が見逃すはずもない。

15

 ジュルッ❤︎

 「んひッ!?❤︎」

 瞬間、胸の先端に感じる熱い感触。

 先程までの戦法の思案が、甘い刺激に儚く掻き消されてゆく。

 「んふーッ❤︎ジュプッ❤︎レロッ❤︎はーッ……❤︎」
 
 愛理が右の乳輪に舌を這わせてねぶり始めた。

 優しく、丁寧な、それでいて緩急を効かせた女の性技。

 「フーッ!フーッ!……くふッ❤︎……んひィッ❤︎」

 千亜希は嬌声だけは漏らすまいと、歯を食いしばって刺激に耐えるが、意識とは裏腹に身体は言う事を聞いてくれない。

 愛理の下でクネクネと身悶えしながら、なんとか快感を散らせようとするが、荒っぽく掴まれた乳房は愛理の愛撫から逃れられないでいた。

 「チュッ……ポンッ❤︎……うふふッ❤︎こんな吸い応えのあるおっぱい初めて❤︎私の顔よりデカいんですもの❤︎じゃあ今度は……」

 「ちょっ……待っ……んむッ!?❤︎」

 上に乗る愛理はグッと顔を近付けて、そのまま躊躇ためらう千亜希の唇に自らの唇を重ねた。
 
 チュッ❤︎レロ……ジュルッ❤︎

「~~~~~~~~ッッ!?!?❤︎」

 (キスしてるッ❤︎私、女の子とキスしちゃってるッ❤︎)

 千亜希は今、我が身に起こっている状況が飲み込めない。

 いや、正しくは「理解してはいるが本能が拒んでいる」状態だ。

 事前に試合映像は見ていた。

 愛撫も、キスも、その映像の中で行われていた通り。

 だが、見ている事と実際に自らの肉体で感じる事には大きな隔たりがある。

 生身で感じる感触が、匂いが、熱が、千亜希の戦意を見る見るうちに冷ましていった。

 ジュプッ……❤︎

 「んむッ!?んふぅぅぅッ!?❤︎」

 千亜希の想いなど無関係に、愛理は太く長い舌を千亜希の口内に無理やり捩じ込む。

 生々しい「女の味」に犯され、千亜希はひたすらジタバタと両脚をマットに叩きつける事しかできない。

 (無理ッ!やっぱり私……)

16

 チュプッ!❤︎

 だが、愛理はすぐさま舌を抜く。

 ねっとりと糸を引く唾液を手の甲で拭い去ると、抱きついたまま千亜希の耳元で囁いた。

 「どうしたの?やり返してみなさい。あなたの〝覚悟〟って、そんなものかしら?」

 「はぁッ、はぁッ、うぅッ……!!」

 「あなたはEl Doradoで何を魅せたいの?何を残したくてここを選んだの?」

 「くぅぅ……それ……は……ッ」

 「女としての価値を魅せたくてここに来たんじゃないの?それを私に、この観客たちに、余す所なく魅せつけてやりなさいッ!!」

 ブチュッ!❤︎ジュルルルッ❤︎

 「んむォォッ!?❤︎」

 言い終わると、再び強烈なキス。

 千亜希は再び目を固く閉じて、必死に耐え抜く。

 だが、愛理の叱咤は千亜希の折れかかった心を揺り動かした。

 (そうだ……私、ここでやらなきゃ……全部捨てるつもりでここに来たんだから)

 「んむッ!❤︎」

 ジュルッ❤︎チュッパ❤︎

 「!?」

 愛理の舌を押し戻すように、今度は千亜希が愛理の口内に舌を捩じ込む。

 唇と唇で繋がり合った、女と女。

 抱きしめ合い、キスを交わす二人は、一見すると恋人同士のようでもある。

 だが二人の口内では、舌と舌の激しい攻防が繰り広げられている。

 「んふーッ❤︎フフフ……❤︎」

 (そうこなくちゃ……❤︎)

 「フーッ❤︎フーッ❤︎んむゥゥ……❤︎」

 (もう下がらないッ!絶対に負けないッ!)

 息を吹き返した獲物を涼しげな目で見つめる愛理。

 顔を紅潮させながら必死に喰らいつく千亜希。

 キスの応酬が続くと思われた矢先、ついに千亜希が動いた。

17

 グイッ!

 「ふんぬッ!!」

 「きゃッ……!?」

 不意に、千亜希が腰を高く弾ませた。

 キスで前のめりになっていた愛理の身体が、軽々と宙に浮いて前方に吹っ飛ばされた。

 ドォッ

 「ぐッ……!?」

 マウントポジションからの脱出方法として、最もオーソドックスなブリッジという技術。

 千亜希はひるがえり、まだ体勢の整わない愛理の上に覆い被さった。

 「はぁッ、はぁッ……よしッ」

 (くッ……しまった……!)

 背中に体重を浴びせられた愛理は、うつ伏せのまま身動きが取れない。

 それでもなんとか這い出ようと、腕を使って匍匐ほふく全身のように身体を動かす。

 だが、今度は千亜希が愛理の上に馬乗りになり、身動きの自由を奪った。

 そして矢継ぎ早に愛理の首に腕を回すと、そのまま上体を反らして絞め上げた。

 ギリッ……

 「ごォッ!?ぐッ……ぇ……」

 「ほら、愛理さん……今度はアンタが耐える番」

 グイと上を向けられた愛理の顔は見る見る紅潮してゆく。

 額に青筋が浮かび、眼は潤んで充血してゆく。

 その表情の変化に、観客からは悲鳴にも似た声が上がる。

 (ウソ……ヤバ……落ち……)

 まさかの展開。失神する。

 視界が暗転しかけたところで、千亜希の腕が弛む。

 「うぐッ……カハッ!ゲホッ!ゲホッ!」

 「愛理さん……逃げてもいいよ?」

 千亜希は両手を挙げて「何もしない」とアピールする。

 「はぁぁ……はぁぁ……」

 前後不覚のまま、ヨロヨロと四つん這いのまま逃れようとする愛理。

 だが次の瞬間、再び千亜希が背後から抱きつき、愛理の首を絞めてかかる。

18

 ギリリッ……!

 「あ"ァ"ッ!?ぎッ……くぅぅ……」

 またもやうつ伏せに潰される愛理。

 だが今度は、千亜希の両脚が愛理の胴に絡みつく。

 千亜希はガッチリと愛理の身体をホールドしたまま、真横に身体を反転させた。

 「よッ……と」

 ぐるんッ

 ギッ……チッ……!!

 「はゥッ!?くぉぉ……ぉ……ッ」

 くるっと真横に一回転、今度は愛理が仰向けのまま千亜希の身体の上に乗る。

 だが、依然その肉体の自由は千亜希に握られたままだ。

 千亜希が自らの身体をグンと反らせると、絞められた首と両脚で固定された胴が相互に引っ張られる。

 「くぅ……ぉ……ッ」

 (ダメ、また落ち……)

 見上げた天井のスポットライトが遠くなり、観客の悲鳴も薄らいでゆく。

 もはや抵抗する力さえ入らない。

 今度こそ失神する。

 スル……

 だが、千亜希はまたもや愛理が気を失う寸前に絞める力を弛めた。

 「かふッ……ゴホッ……!!」

 ドタッ……

 愛理はグッタリとしたまま、千亜希の身体から転がり落ちる。

 (な……なんなのよ……この娘)

19

 余裕さえ見えた愛理の試合運びが、一転して窮地に陥る。

 ステージ上で大の字に寝転ぶ愛理を、VIPスペースから眺める恭子は歯噛みした。

 (何やってんの愛理……あんなに自分のペースでと言ってたのに……!)

 「あ~……なんか愛理ちゃん、えらい大ピンチなんちゃう?」

 「……相手の選手は初登場だけど、肝が据わってますね。体格でも優勢だし……」

 恭子は悔しさを抑えながら見解を述べるが、それに対しての大阪のサークル派遣員の回答は意外なものだった。

 「ちゃうちゃう!あの相手の千亜希って娘、明らかに〝格闘技経験者〟やんね?柔道か柔術か……寝技の移行する動きが素人とちゃうんよ。あの娘、フツーにめっちゃ強いと思うよ?」

 「えっ……!?」

 完全に盲点であった。

 考えてみれば、愛理が体格で勝る相手など今まで殆どいなかった。

 それでも連勝を積み重ねてきたのは、愛理自身の負けん気の強さと、セックスに対する天性のセンス。

 だが、圧倒的な暴力性とパワーを備えた紅花を相手にして、初めて完膚なきまでに叩きのめされ敗北した。

 つまりそれは、格闘技の心得ある千亜希にも……。

 恭子ははたと思いつき、勢いのままVIPスペースを飛び出した。

 「ごめんなさいッ!!ちょっと行ってきますッ!!」

 「え?……あ~愛理ちゃんにヨロシク~……って、なんでやねん」

 取り残された大阪の派遣員2名は、小首をかしげて見つめ合っていた。

20

 「はぁッ……はぁッ……!!」

 白目を剥いて天を仰ぐ愛理は、今や満身創痍だ。

 まだ試合は始まったばかりだが、すでに自力で起き上がれない程のダメージの蓄積。

 千亜希の狙いはまさにそれだった。

 (まともに正面からイカせ合いするのは分が悪すぎる。でも、こうして消耗させてしまえば……)

 レロッ❤︎

 千亜希は右手の指を舐めて湿らせると、仰向けになったまま放心している愛理の股間に当てがった。

 クチュッ……❤︎

 「おッ❤︎ぅ……❤︎」

 性器への刺激に、愛理の身体がピクンッと反応する。

 (他人のマンコなんて触ったこと無いけど……)

 千亜希はやや不器用な手つきで愛理の陰裂をなぞって刺激しながら、ぷっくりと膨らみ始めた陰核を左手の指で責めた。

 「んぅッ❤︎はッ……やめ……んッ!❤︎」

 「はぁッ、はぁッ……クリトリス気持ちいいの?」

 「おッ❤︎ダメッ❤︎クリやばッ……ぃ❤︎」

 責められて喘ぐ愛理に、次第に千亜希も愛撫に没頭してゆく。

 (おかしいな……私、は無いつもりなんだけど)

 レロッ……チュパッ❤︎

 なおも丹念に、左手の中指を唾液で湿らせて陰核をゴシゴシと磨くように擦り上げてやると、ついに愛理の腰が浮き始めた。

 「はッ❤︎はッ❤︎待っ❤︎イクッ❤︎クリだめッ❤︎クリシゴかれてイクッ❤︎イクイクイクイクッ❤︎❤︎」

 「イク?愛理さんイキそうなの?」

 愛理は必死に首を横に振るが、カエルのように開かれた両脚はガクガクと痙攣し始めている。

 そして間も無く、鋭い叫びがフロアに響いた。

 「イ ッ グ ❤︎❤︎❤︎」

 プシッ!!❤︎

 ピンッと仰け反った愛理の陰裂から、透明な液体が水鉄砲のように噴き出た。

 「ひッ!?」

 (イッた……?私、イカせた……?)

 責めていた千亜希も、愛理の激しい絶頂にたじろいでしまうが、すぐさまアナウンスが告げられた。

 《千亜希、1ポイントッ!!》

 オォォォォォォォォッ!?!?

 フロアに反響する、驚愕のどよめき。

 スタミナを消耗した愛理が、無抵抗のまま先制のポイントを許してしまった。

 「は……はは」

 潮に濡れたマットを見つめながら、千亜希は一つの「確信」を覚える。

 (なんだ……簡単じゃん……女イカせるなんて……!)

 魔境、〝El Dorado〟──。

 この闘いの中で成長するのは、愛理だけではない。

 生娘のように怯えていた女が、たった一度の成功で瞬く間に「オンナを喰らう雌」になる。

 そして今宵も、また一人……。
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