【完結】婚約破棄されたら女友達(だと思ってた男)に拾われた

もなか@まいこ

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4話 学園

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  それから数日後、婚約破棄が正式に決定した。そして、アリスとエドワードの結婚が正式に決まった。 

  難しいと思ったが、案外すんなりと決まってしまった。それと同時に浮気され婚約破棄され捨てられた女である私は、「可哀想な女」となった。

  ちなみに、クリスマスパーティーで言われた「アリスをいじめた」云々の件については、私の方にはなんの言及もなかった。当然である。やってないのだから。おそらく、証拠も証言もないため、不問となったのだろう。

  冬季休暇が開けた。今日は、結婚破棄が決まってはじめての登校日であった。

  私が通っている王立マルザール学園は、王国中の貴族たちが集まる学園であった。王族も代々この学校に通い、ここでのコネクションが将来にも関わることも多い。学園とはいえ、立派な貴族社会なのだ。

  小等部から上等部まであり、上等部になるとそれぞれのコースにわかれ、授業を行う。ちなみに、私は実践魔法コース上等部第2学年である。ちなみに、来年最終学年だ。

  「おはよう、フィオナ」

  教室に入るとフィオナの姿が見えたので、挨拶をした。フィオナの隣に座る。

  フィオナは本を読んでいた。顔をむくりとあげ、にこりと微笑む。

  「おはよう、オリヴィア」

  相変わらず、声も顔も同性である私も惚れ惚れとしてしまうほど綺麗だ。

  「冬季休暇中、元気にしてた?」

  「ええ。オリヴィアはどう?」

  「……まあ、なんとかね。両親からひたすらお見合いの話をされるわ」

  「あらら……オリヴィア、美人だからきっと求婚が絶えなさそうだから、大変そうだ」

  「相手が欲しいのは地位とコネよ。私自身の魅力は関係ないわ」

  事実、求婚してくる男たちの目的は私個人の魅力ではなく、地位であろう。一応、魔道士一族の娘だ。結婚すれば、モルセット家の一員になれる。エドワード・モルセットや兄であるレナード・モルセットと親族となる。となると、仕事でいいポストにつけるかもしれない。財産だってある。逆玉の輿だ。

  両親はそれが嫌で、自分たちが見知った男や王族や公爵子息を勧めてくる。

  正直、わずらわしさはどっちもどっちだ。

  一応、家族には「しばらく色恋沙汰からは離れたい」と伝えているが止まらない、本当に止まらない。両親も私の将来を見すえた親切心で言ってるので強くは言えないが、鬱陶しさはある。

 「ゆっくりさせてもらいたいものね……」

  といった矢先。どこからともなく、甲高い笑いが聞こえてきた。アリスの声だ。

  「あら、オリヴィア様、フィオナ様ごきげんよう」

  当てつけのように、口に手をあてた。その薬指には指輪がキラリと光る。

  「隣に座ってもいいかしら?」

  にこりと怪しい笑みをうかべ、私たちの返答を聞く前に座る。そして、ふわぁとあくびをひとつした。そして、わざとらしくこちらを横目で見る。

  「ごめんなさいね、寝不足で……エドワードったら、夜が情熱的で……オリヴィア様も知ってらっしゃるでしょ?」

  「……あまりそういう話は人前でしない方がいいわよ。品がないわ」

  ちなみに私とエドワードに身体の関係はない。というか、身体の関係があるほど関わっていない。

  アリスは私の反応を、“嫉妬”と受け取ったのか自慢げに笑った。

  周りの生徒からの視線が刺さる。ザワザワと噂話をしているのが聞こえる。婚約破棄された女と略奪した女が話しているのだ。野次馬したくなるのだろう。

  「まあ大変!  オリヴィア、飲み物持ってくるの忘れちゃった……。買いに行くからついてきて欲しい」

  フィオナがわざとらしく声を上げる。この場から離れさせる方便だろう。

  私はこくんと頷いて、その場を離れた。アリスが肩を竦め、勝ち誇った顔をする。

  ひとまず廊下に出た。フィオナが私と目を合わせる。

  「大丈夫?」

  「ええ」

 私が頷くと、フィオナはパタパタとどこかへ行ってしまった。しばらくして戻ってくる。手には2つカップを持っていた。売店の飲み物であろう。

  「どうぞ。一応、飲み物買ってくるって言って出ちゃったから……」

  「ありがとう。いくらだった?」

  「お金入らないよ」

  フィオナがふわりとした笑みを浮かべる。私もそれにつられて微笑んでしまった。

 「あなたが男性だったら、私あなたと結婚したいわ」

  そんな軽口をたたく。そんな私の言葉を聞いて、フィオナは目を丸くしていた。ほんの冗談のつもりであったが、少し気持ち悪かったか。

  「気を悪くしたならごめんなさい」

  「いや、違う。もし私が男だったら、全然あなたと結婚するよ」

  「ご冗談を」

  「あら、本当だよ」

  そんな冗談を言い合いながら、廊下を歩く。もうすぐ次の授業が始まる。私たちは足早に教室に向かった。
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