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2014年
ライトノベル作法研究所/『とある魔術の禁書目録』の鎌池和馬氏の世界
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ライトノベル作法研究所
http://www.raitonoveru.jp/index.htm
下読みによるラノベ新人賞攻略Q&Aまとめ
http://www.raitonoveru.jp/howto/h5/715a.html
-----------------------------------------------------------
■質問 2014/01/09
下読みをしていて「おっ、大賞が獲れるかはわからないけど、間違いなく受賞はするだろうな」と感じて、実際受賞してしまった作品をあった?
●ジジさんの回答
これまでの下読み経験の中で、受賞を予感した作品が賞を取らなかったことは一度もありません。
これは不思議なもので、賞、特に大賞を取る作品というのは、「誰が読んでも上がる」んですよ。
この年はこの作品の年だった、などと審査員選評で目にされたことはないでしょうか? 大賞作というものは、今感やネタ性、キャラ立て、その他のすべてが「今年はコレ!」となるものなのです。
ただ逆に、「賞は取れないだろうけど、評価シートを読んでもらうことで次はきっとパワーアップしてくれるはず」という気持ちで上げた作品が銀賞やら特別賞に入ることはけっこうあります。私だけでなく、他の下読みや審査員が同じように思い、編集者が「この人は絶対伸びる。伸びたら売れる」と推したからこそかと思います。
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「大賞受賞作品は誰が読んでも上がる」らしいです。
「面白い作品はあらすじだけでもおもしろい」
「作品にその年の代表作になるような『今』感がある。その人に小説家としての武器や伸びしろがあるかどうか」も重要なようです。
「カテゴリーエラー」「レーベルカラ―」もあるらしい。
「面白さ=クライマックスで自分の見せたいもの、書きたいものが表現されているかどうか」のようです。
「作家としての武器とは、他作品より『濃い何か』がある。想像しやすい、共感しやすい作品になっているか」である。
最後は何かの「売り」(=強み、専門性、薀蓄など)がある作品が大賞受賞するようです。
やっぱり、小説の新人賞ってビジネスなんだなとしみじみ思います。
これって、経営戦略の「ランチェスター弱者戦略」の選択と集中と同じじゃないかと思ました。
強みのある分野に経営資源を一点集中して、その分野で一位になるというのが「ランチェスター弱者戦略」ですが、そういう作品づくりが大事なようですね。
とびぬけた何かあれば、多少欠点があってもOKの世界のようです。
他作品との差別化、既存のジャンルではない、オリジナルな作品世界を一から構築することも大切なようです。
ラノベの歴史と流れを作った作品である「ブギ―ポップは笑わない」「ブラッグロッド」「とある魔術の禁書目録」も確かに設定が緻密で世界そのものを一から構築してるようですね。
さて、「とある魔術の禁書目録」ですが、小説はたくさん出ていて、正直、アニメ作品から入ってそれしか見てないクチです。
なので、あまり熱くは語れませんが、主人公の上条当麻(かみじょうとうま)は右手に「幻想殺し」という魔術や超能力を無効化する力があって、超能力で評価される学園ではレベルゼロの最弱かつ防御力重視のキャラという独特のものです。
これって、西尾維新『物語シリーズ』の主人公である阿良々木暦と共通点があり、不死身の吸血鬼なのだが、その問題を「力ではなく説得によって解決する」という非常に平和的な手段を取ります。
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「作品成立の経緯
鎌池が第9回電撃ゲーム小説大賞の第3次選考に落選した際、現在の担当編集者である三木一馬の目に留まり、その後1年ほど2人で試作を何本も考案・執筆し試行錯誤を続ける。その中の1本にあったシスターの少女と不思議な腕を持つ少年の話を基に生まれた作品が本作である。
構想の原点としては、「RPGのようなMP消費で何でもありの魔法使い」とは別の、歴史上に実在した魔術師や儀式への疑問を持った鎌池が検索エンジンでそれらを調べ興味を深めたのがきっかけ。そして、最初にインデックスを考案し、彼女を軸に魔術や上条が作られ、それらの対比として学園都市という舞台が生まれるなど、様々な要素を肉付けしていく形で本作の設定が広がったという。」
とある魔術の禁書目録 - Wikipediaより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A8%E3%81%82%E3%82%8B%E9%AD%94%E8%A1%93%E3%81%AE%E7%A6%81%E6%9B%B8%E7%9B%AE%E9%8C%B2
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「歴史上に実在した魔術師や儀式への疑問を持った鎌池が検索エンジンでそれらを調べ興味を深めたのがきっかけ」
さて、ここが超重要なポイントです。
以前「新人賞の傾向と対策」を書いた作家の若桜木虔(わかさぎけん)氏の話をした時、「人間の想像力は似たり寄ったりになりやすいが、事実を調べて作品設定に入れ込んだらオリジナリティがかえってでる」と言いました。
若桜木虔メール通信添削講座のご案内
http://prosakka.main.jp/kouza/
僕の考えでは、小説や物語とは、歴史上、武力で敗れた敗者が自分たちの歴史を残すために「物語」という形式で残そうとしたものだと思っています。
もしくは、古事記のように勝者が敗者の歴史を捻じ曲げるようなこともあるかと思います。
そういう政治的側面がありますが、「弱者のための物語」というのが本来の役割かと思います。
なので、歴史上の物語とか、事実を調べて自分の小説に込めるのはとても重要なことで、それを事実として語ってしまったら、権力者から弾圧受ける民衆や人々の声なき声を代弁するようなものだとも思っています。
いつものように話がそれましたが、小説以外の自分の経験や知識などが小説を書く上で非常に重要だということでもあります。
小保方晴子さんの万能細胞の研究やグーグルグラスのお話も前にしましたが、そういう最新ニュースや科学の成果などの「今」的な話題や、社会の変化を取り入れるというのも、作品にオリジナリティという武器を与えることになると思います。
「ソードアートオンライン」でも、最新のバーチャルリアリティのゲームの世界を舞台にしたのが良かった訳で、その後、人工知能の設定を進化させて、新たな世界を構築しつつあります。
作家、小説家として常に進化していく将来性が感じさせる新人が求められているなら、テンプレは書籍化しやすいだろうという安易な考えでは、新人賞の受賞も難しくなるといえますね。
時代を変えるような伝説の作品を生み出すために、小説以外にも自分自身の現実世界での経験=その作家の強みを生かして、作品を書いていこうと思います。
「進撃の巨人」なども、キャラと設定がいいというのもあるのですが、世界観そのものが衝撃的でミステリー的要素の入ってるのが魅力とも言えます。
「テラホーマーズ」という火星のゴキブリ退治のマンガも(←まとめすぎ)僕は好きだったりしますが、ゴキブリが火星で超進化して、昆虫のウンチクが凄いのが特徴で、そういものが作品のストーリー展開に関わっていて、武器のひとつになっています。それだけでグイグイ読ませます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%BA
新人賞向けの作品はそういうものだったりするようです。
次回は江戸川乱歩賞の謎について書きます。
江戸川乱歩賞は僕の好きな作家が多く輩出されていて、その後の作家の生存率がかなり高い新人賞でもあります。
受賞作とその後の作品傾向が変わってくる作家もいます。
それはなぜなのか?
小説家がデビュー後に長生きする秘訣について考察してみます。
あ、鎌池和馬氏の話、少なめですいません。
僕は最弱のラストオーダーを、学園トップの一方通行が助ける話がとても好きです。
「とある科学の超電磁砲」のお話でしたね。
(あとがき)
アルファポリスにひとつだけ不満があるとすれば、ルビタグを小説家になろうと共通にして欲しいという横着なはなしですが(爆)
エッセイジャンルに小説書いてる人がいるのかな?とか思ったりするが、読んでないので分からないけど。
修羅の門はタイトルパクリ過ぎというか、そのままやん(笑)
日々徒然日記 克全
https://www.alphapolis.co.jp/novel/672198375/440166615
それはともかく、このエッセイが面白いというか、オンデマンド印刷本と電子書籍制作日記なので必読です。
校正作業とか大変だろうけど、ココナラとかで外注してもかなり安くできるかもね。
著者校とかはやらないといけないので、自分でするのがいいのかもしれませんが、僕も何度、校正しても誤字脱字が発見されたりして、いろんな小説投稿サイトに転載することで、4回ぐらい校正したことになるので、大分、減ってるとは思うけど。
「悲球伝」「悲終伝」(たぶん、悲球伝の方)の400ページ台だったと思うけど、ひらがなが妙な感じに誤変換されていて、誤字見つけたんだけど、メモしておけば良かった。
誤字脱字などを見つける才能は多少、あるらしい。
http://www.raitonoveru.jp/index.htm
下読みによるラノベ新人賞攻略Q&Aまとめ
http://www.raitonoveru.jp/howto/h5/715a.html
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■質問 2014/01/09
下読みをしていて「おっ、大賞が獲れるかはわからないけど、間違いなく受賞はするだろうな」と感じて、実際受賞してしまった作品をあった?
●ジジさんの回答
これまでの下読み経験の中で、受賞を予感した作品が賞を取らなかったことは一度もありません。
これは不思議なもので、賞、特に大賞を取る作品というのは、「誰が読んでも上がる」んですよ。
この年はこの作品の年だった、などと審査員選評で目にされたことはないでしょうか? 大賞作というものは、今感やネタ性、キャラ立て、その他のすべてが「今年はコレ!」となるものなのです。
ただ逆に、「賞は取れないだろうけど、評価シートを読んでもらうことで次はきっとパワーアップしてくれるはず」という気持ちで上げた作品が銀賞やら特別賞に入ることはけっこうあります。私だけでなく、他の下読みや審査員が同じように思い、編集者が「この人は絶対伸びる。伸びたら売れる」と推したからこそかと思います。
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「大賞受賞作品は誰が読んでも上がる」らしいです。
「面白い作品はあらすじだけでもおもしろい」
「作品にその年の代表作になるような『今』感がある。その人に小説家としての武器や伸びしろがあるかどうか」も重要なようです。
「カテゴリーエラー」「レーベルカラ―」もあるらしい。
「面白さ=クライマックスで自分の見せたいもの、書きたいものが表現されているかどうか」のようです。
「作家としての武器とは、他作品より『濃い何か』がある。想像しやすい、共感しやすい作品になっているか」である。
最後は何かの「売り」(=強み、専門性、薀蓄など)がある作品が大賞受賞するようです。
やっぱり、小説の新人賞ってビジネスなんだなとしみじみ思います。
これって、経営戦略の「ランチェスター弱者戦略」の選択と集中と同じじゃないかと思ました。
強みのある分野に経営資源を一点集中して、その分野で一位になるというのが「ランチェスター弱者戦略」ですが、そういう作品づくりが大事なようですね。
とびぬけた何かあれば、多少欠点があってもOKの世界のようです。
他作品との差別化、既存のジャンルではない、オリジナルな作品世界を一から構築することも大切なようです。
ラノベの歴史と流れを作った作品である「ブギ―ポップは笑わない」「ブラッグロッド」「とある魔術の禁書目録」も確かに設定が緻密で世界そのものを一から構築してるようですね。
さて、「とある魔術の禁書目録」ですが、小説はたくさん出ていて、正直、アニメ作品から入ってそれしか見てないクチです。
なので、あまり熱くは語れませんが、主人公の上条当麻(かみじょうとうま)は右手に「幻想殺し」という魔術や超能力を無効化する力があって、超能力で評価される学園ではレベルゼロの最弱かつ防御力重視のキャラという独特のものです。
これって、西尾維新『物語シリーズ』の主人公である阿良々木暦と共通点があり、不死身の吸血鬼なのだが、その問題を「力ではなく説得によって解決する」という非常に平和的な手段を取ります。
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「作品成立の経緯
鎌池が第9回電撃ゲーム小説大賞の第3次選考に落選した際、現在の担当編集者である三木一馬の目に留まり、その後1年ほど2人で試作を何本も考案・執筆し試行錯誤を続ける。その中の1本にあったシスターの少女と不思議な腕を持つ少年の話を基に生まれた作品が本作である。
構想の原点としては、「RPGのようなMP消費で何でもありの魔法使い」とは別の、歴史上に実在した魔術師や儀式への疑問を持った鎌池が検索エンジンでそれらを調べ興味を深めたのがきっかけ。そして、最初にインデックスを考案し、彼女を軸に魔術や上条が作られ、それらの対比として学園都市という舞台が生まれるなど、様々な要素を肉付けしていく形で本作の設定が広がったという。」
とある魔術の禁書目録 - Wikipediaより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A8%E3%81%82%E3%82%8B%E9%AD%94%E8%A1%93%E3%81%AE%E7%A6%81%E6%9B%B8%E7%9B%AE%E9%8C%B2
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「歴史上に実在した魔術師や儀式への疑問を持った鎌池が検索エンジンでそれらを調べ興味を深めたのがきっかけ」
さて、ここが超重要なポイントです。
以前「新人賞の傾向と対策」を書いた作家の若桜木虔(わかさぎけん)氏の話をした時、「人間の想像力は似たり寄ったりになりやすいが、事実を調べて作品設定に入れ込んだらオリジナリティがかえってでる」と言いました。
若桜木虔メール通信添削講座のご案内
http://prosakka.main.jp/kouza/
僕の考えでは、小説や物語とは、歴史上、武力で敗れた敗者が自分たちの歴史を残すために「物語」という形式で残そうとしたものだと思っています。
もしくは、古事記のように勝者が敗者の歴史を捻じ曲げるようなこともあるかと思います。
そういう政治的側面がありますが、「弱者のための物語」というのが本来の役割かと思います。
なので、歴史上の物語とか、事実を調べて自分の小説に込めるのはとても重要なことで、それを事実として語ってしまったら、権力者から弾圧受ける民衆や人々の声なき声を代弁するようなものだとも思っています。
いつものように話がそれましたが、小説以外の自分の経験や知識などが小説を書く上で非常に重要だということでもあります。
小保方晴子さんの万能細胞の研究やグーグルグラスのお話も前にしましたが、そういう最新ニュースや科学の成果などの「今」的な話題や、社会の変化を取り入れるというのも、作品にオリジナリティという武器を与えることになると思います。
「ソードアートオンライン」でも、最新のバーチャルリアリティのゲームの世界を舞台にしたのが良かった訳で、その後、人工知能の設定を進化させて、新たな世界を構築しつつあります。
作家、小説家として常に進化していく将来性が感じさせる新人が求められているなら、テンプレは書籍化しやすいだろうという安易な考えでは、新人賞の受賞も難しくなるといえますね。
時代を変えるような伝説の作品を生み出すために、小説以外にも自分自身の現実世界での経験=その作家の強みを生かして、作品を書いていこうと思います。
「進撃の巨人」なども、キャラと設定がいいというのもあるのですが、世界観そのものが衝撃的でミステリー的要素の入ってるのが魅力とも言えます。
「テラホーマーズ」という火星のゴキブリ退治のマンガも(←まとめすぎ)僕は好きだったりしますが、ゴキブリが火星で超進化して、昆虫のウンチクが凄いのが特徴で、そういものが作品のストーリー展開に関わっていて、武器のひとつになっています。それだけでグイグイ読ませます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%BA
新人賞向けの作品はそういうものだったりするようです。
次回は江戸川乱歩賞の謎について書きます。
江戸川乱歩賞は僕の好きな作家が多く輩出されていて、その後の作家の生存率がかなり高い新人賞でもあります。
受賞作とその後の作品傾向が変わってくる作家もいます。
それはなぜなのか?
小説家がデビュー後に長生きする秘訣について考察してみます。
あ、鎌池和馬氏の話、少なめですいません。
僕は最弱のラストオーダーを、学園トップの一方通行が助ける話がとても好きです。
「とある科学の超電磁砲」のお話でしたね。
(あとがき)
アルファポリスにひとつだけ不満があるとすれば、ルビタグを小説家になろうと共通にして欲しいという横着なはなしですが(爆)
エッセイジャンルに小説書いてる人がいるのかな?とか思ったりするが、読んでないので分からないけど。
修羅の門はタイトルパクリ過ぎというか、そのままやん(笑)
日々徒然日記 克全
https://www.alphapolis.co.jp/novel/672198375/440166615
それはともかく、このエッセイが面白いというか、オンデマンド印刷本と電子書籍制作日記なので必読です。
校正作業とか大変だろうけど、ココナラとかで外注してもかなり安くできるかもね。
著者校とかはやらないといけないので、自分でするのがいいのかもしれませんが、僕も何度、校正しても誤字脱字が発見されたりして、いろんな小説投稿サイトに転載することで、4回ぐらい校正したことになるので、大分、減ってるとは思うけど。
「悲球伝」「悲終伝」(たぶん、悲球伝の方)の400ページ台だったと思うけど、ひらがなが妙な感じに誤変換されていて、誤字見つけたんだけど、メモしておけば良かった。
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