3Rs

鳴上亮治

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強盗殺人未遂

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肥やしの匂いが漂い、風がそよそよと木々の葉を揺らす。
僕は今、いつも野菜を取り寄せる時いつもお世話になっている農家さんの家にきている。

僕が店を開いている多擬町からは車で3時間ほどの所にある実栄村、電気が通っていないほどの田舎である。

「おにぃちゃん!おにぃちゃん!一緒にヒコウキごっこしよう!」

今僕に話しかけた子は実栄柚子、まだ幼稚園の年長の女の子だ。

「うん、いいよ!って飛行機ごっこってなに?」

「知らないの?こうやって両手を広げて!ブーンてやるの!」

僕は頭をかしげた後、両腕を広げて、ブーンと言いながら女の子と一緒に走り回る。

「あはは!おにぃちゃんジョウズ!」

「そ、そうかな?あはは。」

この子と一緒にいると自然と笑顔が溢れる。

すると、扉が開き、白い手拭いを頭に巻いた人が顔を覗かせる。

「何やってんだ?三上。」

僕はゆっくりと体制を戻し、一回咳き込む。

「飛行機ごっこだよ、実栄くん?」

「あっ!おとーちゃん!」

すると柚子は実栄くんの胸に飛び込む。

「おとーちゃん!聞いて!おにぃちゃんね!ヒコウキごっこジョウズなの!」

「そうかー!確かに三上は飛行機みたいだもんな!」

「どういう事なの?それは。」

頭に手拭いを巻いたこの男は実栄勉、この村の村長で農家を営んでいる。

「そら、柚子はお部屋に戻ってなさい、おとーちゃんはおにぃちゃんとお話があるからね。」

「うん!分かった!」

柚子ちゃんは聞き分けがあってとてもいい子だ。

柚子ちゃんは僕の顔を見ると、万年の笑みで。

「またあとでね!えがおのステキなおにぃちゃん!」

そう言うと、トタトタ走って部屋に戻っていった。

◯◯◯

「んで?今日はどうした?ここに顔見せったぁー随分と珍しいな。」

僕は紙袋をゴソゴソと探ると、1つの小包を出す。

「いつもお世話になってるからねーそれの御礼に来たんだ。」

小包には、黄金カステラと書かれていた。

勉は少し焦りながら。

「こ、こげな高級品受け取れねっぺよー!」

「あはは、方言が出ちゃってるよ?大丈夫だよ、気持ちだからね。」

勉はペコリペコリと下げながら。

「そうか?ごめんな、変な気ぃ使わせちまって。」

「同じ学校の同級生じゃないか、気にしないでよ。」

勉は小包を受け取ると、仏壇に置く。
「世話になってんのは俺もだよ、ありがとな。」
「さーてと、今回はどんくらい野菜出せばいいんだ?」

「んー、そうだなー、いつものセットを、20キロずつお願いするよ!」

勉は目を丸くした、そして少し笑うと。

「すっげーな、20キロ?どんな儲かり方してんだよ。」

「おかげさまで毎日黒字続きだよ。」

僕はふふっと笑うと、勉も笑った。
僕達は昔も今も、何一つ変わっちゃいなかった。

勉は村長として、皆が誇れるような男になった。
僕は、平和な町を目指し、そして、皆を幸せにする夢がある。

「そういや三上、お前の町最近物騒だな。」

僕は笑うと。

「なーに言ってんの、いつも物騒だよ。」

勉は紙に野菜の料金を書き、僕に渡す。

「そーじゃねぇよ、最近金目当てで強盗する奴がいるらしいじゃねぇか、しかも人殺しもする、ヒィエーこえ、お前良くあんなとこ住めんな。」

「住めば都って言うじゃないか、肉だっていっぱい手に入るし。」

勉はまゆにしわ寄せると。

「そういうもんなのか?まぁ、良いけどよ、あ!ほれ!値引きしといたぞ。」

「お、ありがとう!またまた儲かった!」

僕は時計を見る。
午後4時、下準備をしなきゃならないから早めに帰らなきゃね。

「そろそろ僕は帰るね、ありがとう、いつもいつも。」

勉はニカッと笑うと。

「なーにかしこまってんだよ!潰れないようにがんばれよ!」

僕と勉は笑うと、柚子ちゃんが扉を開きこちらを寂しそうな顔で見ている。

「おにぃちゃんもう帰っちゃうの?」

僕は柚子ちゃんの目線に合わせ座り込む。
そして柚子ちゃんのほっぺを両手で包み込むと。

「聞いてたんだ、うん、おにぃちゃんはもう帰るよ、でもまた遊びに来るからね。」

僕は小指を立て。

「良い子でいるんだよ?おにぃちゃんと約束!」

柚子ちゃんは笑顔で笑うと。

「うん!ゆずいい子でいる!約束!」

そして、僕と柚子ちゃんは指切りげんまんをすると、手を振りながら勉と外へ出た。

◯◯◯

僕は、野菜を車の荷台に乗せると、運転席に座った。

窓を開け、勉に話しかける。

「また来るよ、今度は牛とか御礼に持ってこようか?」

勉は苦笑する。

「冗談よせよ、それこそ受け取れねぇわ。」

「ふふ、そっか、頑張ってね、男手一つで大変だろうけどさ。」

勉は拳を握る。

「へ!言われなくても頑張らぁ!」

僕も拳を握ると、勉と拳を合わせる。

「その意気だ、それじゃあね!」

「また来いよー!」

僕は車を走らせ、遠ざかって行く実栄の家をバックミラー越しに見ていた。

◯◯◯

午後11時、途中渋滞とかでとんでもなく時間がかかってしまった。

僕は車を店の車庫にしまうと、野菜を車の荷台から降ろし、リフトに乗せ、地下に送る。

そして、店の裏口を開く。

「ん?」

僕は目を少し丸くした。

見覚えのない所に物が移動していた。

僕はゆっくりと姿勢を低くし、店内を覗く。
見知らぬ男がレジをこじ開けようとしていた。

僕はため息をつくと、笑顔に戻す。

そして、背筋をピンとはり、男に近づく。

「そのレジはね、横の赤いボタンを押すと開くよ。」

男はびくん!と跳ねると、こちらを見る。

「お前、この店の人間か?」

僕は笑顔で笑うと。

「そうだよ!ていうか店長?うん。」

男はゆっくりとこちらに歩きだす。
手に包丁。

月明かりで顔を見えた。

「警察は?」

僕は笑顔。

「ケータイ置いてきちゃったから読んでないよ。」

男はニヤリと笑うと。

「そりゃ好都合.......だ!」

男は包丁を僕に突き出しながら、走り出した。
男の包丁は僕の喉元近くを突き刺すようにしているが。

僕は男の包丁を持つ手の手首を握り、軽く引っ張る。
包丁の軌道はズレ、僕の頬をかすめていった。

男の手首を握ったまま、左腕の関節を使い、男の首を絞める。

僕は首を絞める力を強める、すると。

男は脱力し、気絶する。
最初は首を絞めて殺してしまうことが多々あったけど、今はなれたもんだ。

僕は、男を肩に抱えると。

地下室へ向かった。

◯◯◯


僕は男を全裸にし、手足をリストバンドで縛ると、逆さづりにする。

そして、男の頬を平手打ちすると、男が目を覚ます。

男は異変に気付くと、身をよじらせながら、抵抗する。

口には猿轡。

僕は、ニコニコ笑う。

「儲けを取るつもりで来たんだろうけど......逆に儲けちゃったなー。」

男はンーンーと叫び続ける。

「君はー、結構筋肉質でガッチリしてるね~、良い、良いよ!良い赤身の肉が取れそうだ。」

僕は蛇口に着いたガス栓を開くと、ホースを握り、水を出す。
すると水がドンドン湯気を出し始める。

「たーだ、ちょっと毛が多いし、処理させて貰うよ?」

僕は、蛇口を捻り、お湯の勢いを強くすると男にかける。
男は苦痛と熱に顔を歪め、ジタバタと暴れ出す。

「んんっー!!んうふーふーんーーー!!」

それもそのはず、お湯の温度は100度、沸点に達している。

ずっとかけ続けていると、男の身体が痙攣した状態から戻らなくなっていた。

僕は、身体の毛を引き抜いていく。
熱湯をかけると、毛穴が開き、さらに軽い火傷の状態の為、毛を抜きやすくなる。

頭髪や陰毛も全て引き抜く、やってくうちに癖になっていく。

数時間かけて引き抜いていくと、全身ツルツルになる。

僕は、男を逆さの状態のまま、金属フックを腰の辺りに突き刺し、壁に引っ掛ける。

若干意識はあるのか、突き刺さる瞬間、呻き声を上げる。

「キモは......足りてるんだよなー、今日は肉だけで良いか!」

僕は、大型の肉切り包丁を手に取ると、男の首めがけて振りかざす。

「ガフューッ!ブクブクゥ......!」

刀身は男の首に入り、引き抜くと大量の血が噴き出す。
食道しょくどうからは大量の血と共に息が出る。

僕はまた肉切り包丁を振りかざすと。

男の首を一回、また一回と叩き斬る。

そして何回かすると、男の首は床に転げ落ち、身体は痙攣していた。

僕は転がった首を手に取ると、テーブルの上に置く、そして、長刃の包丁を手に取ると、男の身体に近づき下腹部から胸の辺りまで深く切れ込みを入れる。

そして、横隔膜おうかくまくを器用に取り除くと、周りの内臓ごと引き抜く。

食道しょくどうと舌と肺は繋がっているため、下顎から切り落とすように引き抜いていく。


引き抜いた内臓達はバケツに入れて、焼却炉で燃やす。

次は全身の皮、そして余分な皮下脂肪ひかしぼうを取り除いていく。
比較的この男は脂肪が少なく、工程がスムーズに出来た。

足首から下、手首から下はいらないため、切り落としてさっきと同様に焼却炉に放り込む。

後は、切り落とした四肢の骨から肉を削ぎ落とし、肋骨周りの肉はスペアリブの肉として売る。

横隔膜はハラミだ。

尻の肉は柔らかく食べやすいため、低価格で売る。

陰茎や睾丸は硬くて食べれないため捨てる。

後は骨を焼却炉に捨て、明日の朝に粉々にして、川か海に捨てれば良い。


「ふぃー今日も働いた働いた!」

僕は、血塗れの服を焼却炉に捨てて、シャワーを浴びた。

そしてパジャマに着替えると、男の首に向かって。

「ありがとう。」

そう言って、店二階の自宅へと歩いて行った。

◯◯◯次の日◯◯◯

「いらっしゃいませ!」

僕は笑顔で挨拶する。

今日は特別お客様が多い。


「また肉と野菜、仕入れなくちゃね!」

僕は。




僕は。








「ハハッ。」

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