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「ごめんねお姉ちゃん。お姉ちゃんの婚約者、私――寝取っちゃった☆」
キャピっ、とでも言いたげな表情で、私と瓜二つの妹――エリがそんなことを言ってきた。
私はエリが大嫌いなので、その表情だけでムカつくのですが、まぁ何かされたわけでもない。
わざわざ妹のためにイライラするのも面倒だし、そもそも私に婚約者なんていないし。
一体、エリはどこの馬の骨を私の婚約者だと勘違いしたのかしら?
私の近くに男の人なんていないはずなんだけど……。
「あっ……」
一人だけいたわ、そういう人。
でも、その人はいわゆるストーカー。今のところ何の危害も加えられてないから放置しているけど。
もしかして、エリはそいつを私の婚約者だと勘違いした? 私はそいつの名前も顔も知らないけど。
……いや、まあこれでストーカーされなくなるなら私としては嬉しい限り。
だから、ここはあえて何も言わないでおこう。
「何その反応、超笑えるんですけど! もしかして、ショックすぎて声が出ない感じ? か・わ・い・そ・う~!」
「…………」
今はせいぜい私を見下して気持ち良くなっているといい。いつかその報いは受けるだろうから。
だって、私から寝取った? 相手は私のストーカー。ストーカーしている人がまともなわけがないんだから。
「それじゃあお姉ちゃんバイバーイ! 私は今から彼とデートなの! 邪魔しないでよね!」
そう言って、エリはるんるん気分で私の視界から消え失せたのだった。
「えぇ、さようなら。無事に帰って来れるといいね」
――あれから一ヵ月が経過して、まだ一度もエリとは顔を合わせていない。
というのも、デートに行ったっきり帰ってきていないのだ。ああ……怖い怖い。
それで、両親が捜索願いを出したのだが、不思議なことにエリの目撃情報は0。
つまり、エリは私をストーカーしていた人物に監禁されている恐れがあるってこと。
というか、それ以外にあり得ないだろう。
「……エリには感謝ね」
エリがいなければ、私がその目に遭っていたかもしれないのだから。
今までエリと瓜二つの容姿には嫌気が差していたが、初めてこの顔でよかったと思えたわ。
後、私よりコミュニケーション能力――いや、この場合はビッチでよかった。
……私よりっていうのはちょっと違うか。私はエリと違ってまだ処女だし。
それにしても、ストーカー野郎もストーカー野郎よね。確かに私とエリは性格以外ほぼ似てる。
だけど、普通間違えるかしら? ……それはない。ストーカー被害に遭っていたのは私だけだったし。
「……ヤレれば誰でもよかったのかしらね」
まぁ、どうでもいいか。このまま見つからなくても平和に暮らせるし、見つかっても大人しくなってるだろう。
ストーカー野郎も見つかったら逮捕されるのは確定だし。
つまり、私の一人勝ちってこと。
やっぱり最後は真面目に生きている人が得をするのよ。世界はそうやって回ってるんだから。
~完~
キャピっ、とでも言いたげな表情で、私と瓜二つの妹――エリがそんなことを言ってきた。
私はエリが大嫌いなので、その表情だけでムカつくのですが、まぁ何かされたわけでもない。
わざわざ妹のためにイライラするのも面倒だし、そもそも私に婚約者なんていないし。
一体、エリはどこの馬の骨を私の婚約者だと勘違いしたのかしら?
私の近くに男の人なんていないはずなんだけど……。
「あっ……」
一人だけいたわ、そういう人。
でも、その人はいわゆるストーカー。今のところ何の危害も加えられてないから放置しているけど。
もしかして、エリはそいつを私の婚約者だと勘違いした? 私はそいつの名前も顔も知らないけど。
……いや、まあこれでストーカーされなくなるなら私としては嬉しい限り。
だから、ここはあえて何も言わないでおこう。
「何その反応、超笑えるんですけど! もしかして、ショックすぎて声が出ない感じ? か・わ・い・そ・う~!」
「…………」
今はせいぜい私を見下して気持ち良くなっているといい。いつかその報いは受けるだろうから。
だって、私から寝取った? 相手は私のストーカー。ストーカーしている人がまともなわけがないんだから。
「それじゃあお姉ちゃんバイバーイ! 私は今から彼とデートなの! 邪魔しないでよね!」
そう言って、エリはるんるん気分で私の視界から消え失せたのだった。
「えぇ、さようなら。無事に帰って来れるといいね」
――あれから一ヵ月が経過して、まだ一度もエリとは顔を合わせていない。
というのも、デートに行ったっきり帰ってきていないのだ。ああ……怖い怖い。
それで、両親が捜索願いを出したのだが、不思議なことにエリの目撃情報は0。
つまり、エリは私をストーカーしていた人物に監禁されている恐れがあるってこと。
というか、それ以外にあり得ないだろう。
「……エリには感謝ね」
エリがいなければ、私がその目に遭っていたかもしれないのだから。
今までエリと瓜二つの容姿には嫌気が差していたが、初めてこの顔でよかったと思えたわ。
後、私よりコミュニケーション能力――いや、この場合はビッチでよかった。
……私よりっていうのはちょっと違うか。私はエリと違ってまだ処女だし。
それにしても、ストーカー野郎もストーカー野郎よね。確かに私とエリは性格以外ほぼ似てる。
だけど、普通間違えるかしら? ……それはない。ストーカー被害に遭っていたのは私だけだったし。
「……ヤレれば誰でもよかったのかしらね」
まぁ、どうでもいいか。このまま見つからなくても平和に暮らせるし、見つかっても大人しくなってるだろう。
ストーカー野郎も見つかったら逮捕されるのは確定だし。
つまり、私の一人勝ちってこと。
やっぱり最後は真面目に生きている人が得をするのよ。世界はそうやって回ってるんだから。
~完~
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