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七十二話 リン ②
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「チーも本気で行くよー」
「え?」
「竜化!」
チーの魔力が一気に膨れ上がる。凶暴なまでの魔力の増幅。そして、
「うおわぁ!!」
間一髪。背後へ回り込んだチーの攻撃を伏せて避けたリン。
一瞬でリンの背後に回り込む速さにリンの目の前に広がる一薙ぎで薙ぎ倒された木々の光景。魔力だけではない。速さに攻撃力。先程より圧倒的に強くなっている。
「よく避けたね~。でも、次は逃さないよ」
一息つく間も無く襲い来る連撃。元々、竜の翼に尻尾が生えていたチーが今や全身が竜となりかけている。固い赤き鱗。鋭く光る爪に牙。人でありながら竜であるその姿。半人半竜。一撃一撃が先程よりも早く、重い。
竜に近づいてるチーはその強大な身体を思う存分に振るう。元々単調気味なチーの攻撃は竜化の影響か更に単調さを増していたが、単純な速さと攻撃力がそれすらもプラスに変えるぐらい強くなっている。今度は反撃をする暇も与えてはくれない。
「竜の息吹」
そして、竜の持つ魔力。圧倒的な破壊力。その一発で街すら破壊する竜の力。それが小さなリン一人を襲う。
「……あれ~? どうやって防いだの~? うーん、まあいいや~。もう、勝ち目無いんだから諦めて降参したら~?」
木々が薙ぎ倒され、倒された木々が焼き尽くされる。リンの背後の豊かな森はリンの真後ろの一本の木だけを残し焦土と化し、チーの背後は木々が生い茂る。その光景は二人の力の圧倒的差を示している様だった。
「……降参……? 何言ってんの? するわけないでしょ! ボクよりちょっと早くてちょっと力が強いだけでしょ!」
だが、リンは諦めない。いや、諦めないと言うより降りてあげないという方が正しいか。
「それだけで勝てるならボクはとっくに師匠に勝ててるんだよ!!」
勝利を諦めるは負けてる側の言葉だからだ。
「ニの太刀『鏡水』」
リンが仕掛ける。消えたと錯覚する程の超スピードでチーの背後を取る。死角である背後から横へ薙ぐ様に一閃。
「おっと~。ちょっと早くなったね~」
だが、それはひょいと避けられる。しかし、リンは止まらない。一息つく間も無く仕掛ける連撃。鋭く光る二本の刀。人でありながら疾風の如きその速さ。
「うーん、早くなったけどなんか雑になってな~い?」
速さは先程より大きく上がった。それと同時に攻撃が単調になった。まるで先程の様に。
「ふっ!」
手に持っていた二本の小振りな刀。そのうちの一刀をリンはチーへ向けて投げつける。
「こんなの当たるわけないでしょ~それに」
だが、それは軽く躱され、投げられた刀はチーの背後にあった唯一の木へと突き刺さる。
「隙だらけ」
刀を投げるというハイリスクな攻撃。意表を突き当たればリターンは大きいが、武器を失うというリスク、更に避けられた際の隙の大きさ。それが今まさにその時であった。
竜と化した彼女の攻撃。速く、重く、強く。人の力を超えた竜の力。その圧倒的な力により隙だらけのリンを簡単に粉砕する。はずだった。
「あれ? 消えっ…………え?」
カンッカランと物が地面に落ちる音がした。
「な、なんで……?」
ドシャッと地面へ倒れ込む音がした。
「水に映る自分を触ろうとすると、それは姿を変える。だから、触っちゃダメなんだよ。違うものが映っちゃうから。って師匠が言ってた」
赤き鱗は消え、紅き水が溢れ出す。竜は消え、人が二人。
「じゃあね。バイバイ」
倒れ込んだ人を追い越して、その側に落ちていた物を拾って、小さな影は歩んで行った。
「え?」
「竜化!」
チーの魔力が一気に膨れ上がる。凶暴なまでの魔力の増幅。そして、
「うおわぁ!!」
間一髪。背後へ回り込んだチーの攻撃を伏せて避けたリン。
一瞬でリンの背後に回り込む速さにリンの目の前に広がる一薙ぎで薙ぎ倒された木々の光景。魔力だけではない。速さに攻撃力。先程より圧倒的に強くなっている。
「よく避けたね~。でも、次は逃さないよ」
一息つく間も無く襲い来る連撃。元々、竜の翼に尻尾が生えていたチーが今や全身が竜となりかけている。固い赤き鱗。鋭く光る爪に牙。人でありながら竜であるその姿。半人半竜。一撃一撃が先程よりも早く、重い。
竜に近づいてるチーはその強大な身体を思う存分に振るう。元々単調気味なチーの攻撃は竜化の影響か更に単調さを増していたが、単純な速さと攻撃力がそれすらもプラスに変えるぐらい強くなっている。今度は反撃をする暇も与えてはくれない。
「竜の息吹」
そして、竜の持つ魔力。圧倒的な破壊力。その一発で街すら破壊する竜の力。それが小さなリン一人を襲う。
「……あれ~? どうやって防いだの~? うーん、まあいいや~。もう、勝ち目無いんだから諦めて降参したら~?」
木々が薙ぎ倒され、倒された木々が焼き尽くされる。リンの背後の豊かな森はリンの真後ろの一本の木だけを残し焦土と化し、チーの背後は木々が生い茂る。その光景は二人の力の圧倒的差を示している様だった。
「……降参……? 何言ってんの? するわけないでしょ! ボクよりちょっと早くてちょっと力が強いだけでしょ!」
だが、リンは諦めない。いや、諦めないと言うより降りてあげないという方が正しいか。
「それだけで勝てるならボクはとっくに師匠に勝ててるんだよ!!」
勝利を諦めるは負けてる側の言葉だからだ。
「ニの太刀『鏡水』」
リンが仕掛ける。消えたと錯覚する程の超スピードでチーの背後を取る。死角である背後から横へ薙ぐ様に一閃。
「おっと~。ちょっと早くなったね~」
だが、それはひょいと避けられる。しかし、リンは止まらない。一息つく間も無く仕掛ける連撃。鋭く光る二本の刀。人でありながら疾風の如きその速さ。
「うーん、早くなったけどなんか雑になってな~い?」
速さは先程より大きく上がった。それと同時に攻撃が単調になった。まるで先程の様に。
「ふっ!」
手に持っていた二本の小振りな刀。そのうちの一刀をリンはチーへ向けて投げつける。
「こんなの当たるわけないでしょ~それに」
だが、それは軽く躱され、投げられた刀はチーの背後にあった唯一の木へと突き刺さる。
「隙だらけ」
刀を投げるというハイリスクな攻撃。意表を突き当たればリターンは大きいが、武器を失うというリスク、更に避けられた際の隙の大きさ。それが今まさにその時であった。
竜と化した彼女の攻撃。速く、重く、強く。人の力を超えた竜の力。その圧倒的な力により隙だらけのリンを簡単に粉砕する。はずだった。
「あれ? 消えっ…………え?」
カンッカランと物が地面に落ちる音がした。
「な、なんで……?」
ドシャッと地面へ倒れ込む音がした。
「水に映る自分を触ろうとすると、それは姿を変える。だから、触っちゃダメなんだよ。違うものが映っちゃうから。って師匠が言ってた」
赤き鱗は消え、紅き水が溢れ出す。竜は消え、人が二人。
「じゃあね。バイバイ」
倒れ込んだ人を追い越して、その側に落ちていた物を拾って、小さな影は歩んで行った。
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