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三十六話 かくれんぼ
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「ぐふぅっ!」
「どうした! この程度でも無理か!」
「ぐえぇ!」
「ちょっとこれぐらい避けてよ!」
「ごふっ、ちょ、ストッ、ストップ……」
「敵が待ってくれると思ってんのか!? 馬鹿か!」
「おべええぇ!」
………………死ぬ。
「まったく。やる気あんのか、こいつ」
「シオンがやりすぎなんだよ」
「こいつがこれから頑張るって言った結果だから、しょうがねえだろ。それにお前もやってたろうが」
「ねへへっ」
「はあ。おら、起きろ。いつまで寝てんだ」
「うぐっ!」
痛っ! なんですか!? 朝ですか? おはよう……、あっ。……おはようございます。
「はい、続きやるぞー。早く立てよー。三、二、一、」
「早っ! 待って下さいよ! 少し休憩……」
「ぜろ」
「ぐへええ!」
夜が明け朝が来た。今日は昨日となり、明日は今日となりひが変わる。そして、日が変われば人も変わる。昨日の私から今日の私へ。私は変わった。私は頑張る。弱い私から強い私へとなるために。……でも、変わったのは私だけではなくて。
「今までやってきたことはどうした! 気持ち変えたら今までのことも忘れたのか!? ポンコツかよ!? ポンコツだったな!」
「ミッちゃんやる気あんの!? 頑張るんじゃないの!?」
……二人も変わってしまった。
「ううっ。痛た……」
「誰が休んでいいと言った?」
「リンさんが言いました」
「ボクもちょっと休みたいし……」
「なら、よし」
「私の時は聞いてくれなかったのに……」
くっ。これが格差か。私よりリンさんの方が強いし可愛いからこの差か。差別か。
「さっ、もう十分だろ。再開するぞ」
「ええ! 早っ、と言うより修行内容に無理があります!」
「あ? 無理?」
「はい! 私のレベルに合っていません!」
今やってる修行は「避ける」のレベル三。レベルニはすっ飛ばされてレベル三になった。レベルをすっ飛ばしたのはいいけど、前と同じく二人同時に攻撃してきて、その攻撃速度も方法も一気にレベルアップしちゃったからついていけない。追うことすらできてないし。
「そんなことは分かってる。強くなりたいなら無理する以外に何がある?」
「無理する以外ないんですか!?」
強くなるのに無理する以外にも何かあるでしょ! って言うか、普通レベルに合った修行をしてその修行が楽に出来るようになれば上げていくんじゃないんですか!?
「ミッちゃんは目に頼り過ぎなんだよ」
「え?」
え? 目に頼り過ぎって。普通人は目で見て動くものじゃ?
「もっと耳と肌を使わなきゃ」
「耳と肌?」
耳と肌? うーん。まあ、耳は音聞けってことだろう。でも、肌?
「耳で音聞いて、肌で空気を感じるんだよ」
「空気を……」
空気を肌で感じる。今日は寒いなあとか?
「そうそう。レベルが上がっていくごとにこれらが大切になるぞ。達人同士の戦闘は目よりこの二つだ。耳で聞いて、肌で感じ、目で見る。音で位置や武器の情報を、空気の揺れで相手の行動を、大まかな情報をこの二つで得て最後目で見て確認する」
耳、肌、目。この順で情報を得る。音と空気。うーん。私にはまだまだ理解出来ないかなぁ。
「よし、じゃあ避けるはいったん置いといて別のことやるか」
「え、別のことですか?」
「そっ。ほら、行くぞー」
別のことをやるの? 今の修行をわざわざ中断してまで? ううっ。あんまりいい予感がしないなぁ。
シオンさんに連れられ私達は移動する。商業都市の壁の外から商業都市の壁の中へ。
いつも通り多くの人で賑わう都市の中に入り、シオンさんは止まってこちらに振り返り言った。
「じゃあ、やるぞ。かくれんぼだ」
チリンチリンと鈴の音がした。
「どうした! この程度でも無理か!」
「ぐえぇ!」
「ちょっとこれぐらい避けてよ!」
「ごふっ、ちょ、ストッ、ストップ……」
「敵が待ってくれると思ってんのか!? 馬鹿か!」
「おべええぇ!」
………………死ぬ。
「まったく。やる気あんのか、こいつ」
「シオンがやりすぎなんだよ」
「こいつがこれから頑張るって言った結果だから、しょうがねえだろ。それにお前もやってたろうが」
「ねへへっ」
「はあ。おら、起きろ。いつまで寝てんだ」
「うぐっ!」
痛っ! なんですか!? 朝ですか? おはよう……、あっ。……おはようございます。
「はい、続きやるぞー。早く立てよー。三、二、一、」
「早っ! 待って下さいよ! 少し休憩……」
「ぜろ」
「ぐへええ!」
夜が明け朝が来た。今日は昨日となり、明日は今日となりひが変わる。そして、日が変われば人も変わる。昨日の私から今日の私へ。私は変わった。私は頑張る。弱い私から強い私へとなるために。……でも、変わったのは私だけではなくて。
「今までやってきたことはどうした! 気持ち変えたら今までのことも忘れたのか!? ポンコツかよ!? ポンコツだったな!」
「ミッちゃんやる気あんの!? 頑張るんじゃないの!?」
……二人も変わってしまった。
「ううっ。痛た……」
「誰が休んでいいと言った?」
「リンさんが言いました」
「ボクもちょっと休みたいし……」
「なら、よし」
「私の時は聞いてくれなかったのに……」
くっ。これが格差か。私よりリンさんの方が強いし可愛いからこの差か。差別か。
「さっ、もう十分だろ。再開するぞ」
「ええ! 早っ、と言うより修行内容に無理があります!」
「あ? 無理?」
「はい! 私のレベルに合っていません!」
今やってる修行は「避ける」のレベル三。レベルニはすっ飛ばされてレベル三になった。レベルをすっ飛ばしたのはいいけど、前と同じく二人同時に攻撃してきて、その攻撃速度も方法も一気にレベルアップしちゃったからついていけない。追うことすらできてないし。
「そんなことは分かってる。強くなりたいなら無理する以外に何がある?」
「無理する以外ないんですか!?」
強くなるのに無理する以外にも何かあるでしょ! って言うか、普通レベルに合った修行をしてその修行が楽に出来るようになれば上げていくんじゃないんですか!?
「ミッちゃんは目に頼り過ぎなんだよ」
「え?」
え? 目に頼り過ぎって。普通人は目で見て動くものじゃ?
「もっと耳と肌を使わなきゃ」
「耳と肌?」
耳と肌? うーん。まあ、耳は音聞けってことだろう。でも、肌?
「耳で音聞いて、肌で空気を感じるんだよ」
「空気を……」
空気を肌で感じる。今日は寒いなあとか?
「そうそう。レベルが上がっていくごとにこれらが大切になるぞ。達人同士の戦闘は目よりこの二つだ。耳で聞いて、肌で感じ、目で見る。音で位置や武器の情報を、空気の揺れで相手の行動を、大まかな情報をこの二つで得て最後目で見て確認する」
耳、肌、目。この順で情報を得る。音と空気。うーん。私にはまだまだ理解出来ないかなぁ。
「よし、じゃあ避けるはいったん置いといて別のことやるか」
「え、別のことですか?」
「そっ。ほら、行くぞー」
別のことをやるの? 今の修行をわざわざ中断してまで? ううっ。あんまりいい予感がしないなぁ。
シオンさんに連れられ私達は移動する。商業都市の壁の外から商業都市の壁の中へ。
いつも通り多くの人で賑わう都市の中に入り、シオンさんは止まってこちらに振り返り言った。
「じゃあ、やるぞ。かくれんぼだ」
チリンチリンと鈴の音がした。
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