選ばれたのは「ざまぁ」でした〜お嬢様と前魔王の右腕はざまぁの為に学園で暗躍する〜

ノミ

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2話 入学式は全ての始まり

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 気持ちの良い晴れた朝。
 新品の綺麗な制服に袖を通す。

「さあ、行くわよ」
「はい、お嬢様」

 運命の三年間の幕開けだ。

 花びら舞う道を歩き、立派な校門をくぐる。
 ここがこれから三年間通うウィルド学園。

 広く余裕のある敷地に、奥には高くそびえ立つ時計塔。
 元が貴族専用の学校だっただけあって、どこを見ても豪華絢爛。優秀なら平民でも入れる様になったのも最近だし、数もほとんどいない。まさに貴族学校。

 校門を抜けると人だかりが出来ていた。その人々の目当ては大きな掲示板。そこにはズラッと名前が書かれている。

「あれはクラス分けの掲示板でございます。お嬢様は何クラスになるのでしょうか」
「別に何クラスでもいいけど、……嫌な予感しかしないわね」

 前の人々が離れる。開いた掲示板へと近づき、その名を探す。……見つけた。

 シイナ=スノーガーデン クラス:1-S

「1-S。フフッ、おめでとうございます、お嬢様」
「…………貴方、何笑ってるのよ」

 クラスは全部で七クラスある。AからFの順に能力の高い者が入れられていく。そして、その上にあるのがこのSクラス。
 極めて能力が高い者や、突出した一芸を持つ者など優れた者だけを集めた最上位クラス。それがSクラス。

「何かと都合がよろしいのでは?同じクラスの方が」
「……はあ。それはそうだけど。嫌なものは嫌なの」

 クラスメイトとなる他のSクラスの名前を見ていると、知った名前があった。

 サイテ=テルノ クラス:1-S

 クズと同じクラスになってしまった。

「……まあ、予想はしていたわ。一応、四大貴族でそれなりの教育を受けてきているでしょうから」

 能力が高い者からクラス分けとなると、こうなることはもはや必然。貴族であれば高い教育を受けれるのだから、能力も高くなるのは当然。何か汚い手を使った可能性もあるけど。

「貴方の言う通り好都合よ。さあ、わたし達の目的の為に進んで行きましょう」
「ええ、お嬢様」

 掲示板を後にし、わたし達は入学式会場へと足を進めた。


「新入生の皆さん、ご入学おめでとう」

 入学式。それは学園生活の始まりを告げる。誰にとっても貴重な三年間の。
 
「このウィルド学園は由緒正しき学園である。先輩達が積み上げてきた歴史を感じながら、君達で新しい風を吹かせてくれたまえ」

 壇上では初老の男性が話をしている。あれは、ウィルド学園学園長、ロウザーノ=ニコラス。前魔王を退けし英雄の一人。

「……あー、そして、既に噂されているからここで伝えてしまおう。彼の英雄イリアス=ノヴァ先生は諸事情により長期休暇に入られている」

 英雄イリアス=ノヴァ。この学園の教師にして、学園長と共に魔王を退けたもう一人の英雄。噂では聞いていたけれど、本当とはね。彼は魔王討伐スカウトの第一候補だったのに。

「だが、安心したまえ。この学園の先生は彼だけではない。ここの先生は皆、国内最高峰の教育のスペシャリスト達だ。むしろ、彼より教育に関しては上の者が多数いる。安心して、存分に学びたまえ。以上だ」

 まあ、成ってしまったことはしょうがないわ。それを嘆くより、次の候補を探しましょう。学園長も一応候補だけど、年齢が少し心配なのよね。

 そうして、学園長の話が終わり、式も順調に進んでいった。そして、校歌斉唱をして式は終わった。

 式が終わり次第、新入生達はそれぞれのクラスの教室へと移動となった。
 アルディアーノは式場まで送ってくれた後、寮へと向かっていた。あちらはあちらで説明などを受けるとのこと。

 教室には机と椅子が並べられ、一人ひとつ、それが割り振られていた。わたしの席は、廊下側の最後尾。出入り口に近くていいわね。

 新入生達はまだお互いの名前も知らず、大人しく着席して先生が来るのを待っていた。一部、偉そうにふんぞり返っている者もいたけれど。
 待つ事ほんの数分、入口の扉が開かれた。

「おつかれー!」

 そして、なんとも教師らしくない第一声だった。

「入学式どうだった?楽しかった?私はこんなのなんだって思いながら見てたよ」

 入って来たのは若い小柄な女性。ショートボブで活発そうな感じね。

「今日からこのクラスを担当する、メイ=フィグマだよ。私もみんなと同じ一年生なんだ。これからどうぞヨロシク!」

 若そうだと思ったけど、教師一年目だとは。わたし達と年もほとんど変わらなそうね。

「はーい、せんせぇー質問ー」
「ん?なになにー?」
「せんせー彼氏いんのー?」

 ニヤニヤと投げかける男子生徒。何を隠そう、それはわたしの婚約者(予定)。サイテが最低な質問をする。

「……い・ま・は!……いません。ちなみに、担当科目は戦闘技術科だから」
「は?」

 ニヤニヤとしていたサイテが驚き、口をつぐむ。
 しかし、それはサイテだけじゃなく、先生が若いこともあり、少し緩んでいた教室の空気自体が引き締まる。

 戦闘技術科。それは文字通り戦闘に関する技術を教える授業。魔法、武器、対個人、対集団。ありとあらゆる戦闘に関するものを教え、学ぶ。
 それを教える側は、そのすべてに精通している必要がある。要するにめちゃくちゃ強いということ。

「まっ、私の話はここらで置いといて、次はみんなの番だよ。簡単でいいから自己紹介ね」

 自己紹介、ふふっ、わたしの野望の第一歩目ね。
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