冤罪の英雄

ゆうきの小説

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最終話「セカンドライフ」

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2日後。オレはミーコさんの自宅を訪れた。

出迎えてくれたのはオレの腕を切り落とした張本人であり、ミーコさんの父親でかつてのオーナーである。

桜井ヒイロさんは、ひどく老け込んでいた。

ミーコさんの話によれば、10年前からろくに食事も取らず。睡眠もとれていないという。

おそらくオレへの罪悪感の所以(せい)であろうと推測できる。

ミーコ「お父さん。カズさんが来てくれたよ。

    ほら言いたいこと言いなよ。」

ヒイロ「おお。そうか。よく来てくれた。

    歓迎するよ。あの時はホントに

    悪いことをしてしまったね。」

    そういうとヒイロさんは涙をこぼしてしまう。

ミーコ「お父さん……」

ヒイロ「いいんだミーコ。わたしは悲しくて泣いているわけ

    じゃない。うれしくて泣いているんだよ。」

ミーコ「え!?」

ヒイロ「これで心置きなく詫びることが出来る。

    カズくんでいいかな?キミのお母さんのおか

    げで目が覚めた。そしてキミが濡れ衣をきせ

    られているという事実も知ることが出来た。」

カズ 「オーナー……」

ヒイロ「お義父さんでいいよ。」

カズ 「そんなぁ。悪いですよ。」

ヒイロ「そうかね。ではわたしの早とちりだったようだ    

    ね。」

  オレはオーナーの言っている真意を理解できなかった…

ミーコ「あの~カズさん。ちょっと外で話せますか」

カズ 「え?あ、あぁはい。」

    オレはミーコさん宅近くの公園に連れられ
    
    ヒイロさんの病状を聞いた。

ミーコ「実はわたしのお父さん。カズさんを花婿に

    迎え入れたいって言って聞かないんです。

    息子にしたら少しは罪滅ぼしできる機会が

    あるんじゃないかって。病院に行ったら極

    度のストレスによる幻聴の疑いがあるとの

    ことでした。」

カズ 「お父さんの病状は良くなるんですか?」

ミーコ「分かりません。幸い薬はあるそうですが、

   カズさんが許してくれるまで飲んでくれないんです 
   
   よ。」

カズ 「そうですかぁ…。分かりました。
   
   ではオレが一肌脱ぎましょう。片腕はありませんが、

    良心はありますよ。人助けだと思えば何て

    ことないです。オレに任せてください。

    ミーコさんの協力して頂けますか?」

ミーコ「わたしは何をすればいいですか?」

カズ 「僕と結婚してください。」

ミーコ「え!?そんなぁ。急に言われても………」

カズ 「そう…ですよね。すいません今の話忘れて下さい。」

    オレは込み上げてくる羞恥心にかられ、

   その場から逃げ出した。ミーコさんが追いかけてくる

カズ 「ミーコさん。ついてこないで下さい。

    ミーコさんほどの美人であればオレなんかよりも
    
    ずっといい人に会えます。」

ミーコ「そうじゃないんです。カズさん。わたしの話も聞い     
   てください。返事も聞かないでどこ行くんですか?」

カズ 「返事?」

ミーコ「そうです。まだなにも言っていないのに突然逃げち  

    ゃうなんてありえないです。男なら…告白したなら返

    事もしっかりきいてください💢💢💨」

カズ 「オレなんか片腕もないし意気地無しですよ。ミーコ  

    さんとは釣り合いません。」

ミーコ「知ってますよ。」

カズ 「ならなぜついてくるんですか?放ってくだ

    さい。」

ミーコ「バカ……」

カズ 「え?ミーコさん………今なんて………」

ミーコ「腰抜け。小心者。意気地無し」

カズ 「よく分かってるじゃないですか。
    
    では失礼します。」

   そう言い残し離れようとしたオレの手を
   ミーコさんは強く握りオレに言ってきた。

ミーコ「OKです。」

カズ 「え?何がOKなんですか?」

ミーコ「告白の返事です。」

カズ 「なんですかそれ。返事になってませんよ。」

ミーコ「じゃあ結構です。さよなら」

カズ 「じょじょじょじょ冗談です。
    
    すいませんからかいました。謝ります。」

ミーコ「もう遅いです。気持ちが変わりました。」

カズ 「そんなぁ。オレの初恋なのに……初めて女性恐怖症を
    
    克服できる気がしたのに。」

ミーコ「ウフフ。驚いた?じゃあ結婚しましょ❤️」

   そうしてオレたちはお父さんのいる自宅へと戻った。

カズ 「お義父さん。是非ミーコさんを僕にください

  これからミーコさんと幸せな家庭を築いてみせます。」

ヒイロ「おおそうか。分かった。
    うちのミーコをよろしく頼むよ。」

カズ 「ありがとうございます。お父さん。」

ミーコ「じゃあ父さん?私も結婚したんだから

    これからはちゃんと薬飲むんだよ?」

ヒイロ「ああ。カズくんのためにも元気でいないとな 
    
    ミーコ。カズくん。末永く幸せになるんだよ?」

カズ/ミーコ「はい/うん」

そうして挨拶を終えたオレたちは式の日付を就任式に定め、濡れ衣を着せた真犯人との裁判に望んだ。

裁判長「ではこれより判決を言い渡します。
被告人に無期懲役を言い渡す。極めて悪質なため上訴及び再審は認めないものとする。
                       以上。」

というわけで晴れてオレの復讐劇は幕を閉じ、オレはミーコとの間に双子を授かったことで新米パパとして日々精進していくつもりだ。お義父さんはオレが復讐する上で証人としてオレを助けてくれた。

今のオレがいるのはあの時証言してくれたお父さんのおかげである。オレは新しく出来たかけがえのない家族も母さんと同様に大事にしていくと心に誓った。

オレのセカンドライフの物語はこれからはじまる…

                 2期へつづく


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