レトロゲーと思ったらクソゲーどころかエロゲーでした

白玉しらす

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大神くん編

クソゲーにもエンディングはある

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 どうやら私は回想地獄から抜け出たようだ。
 ウエディングドレスをイメージしたような下着姿で、腕を縛られて天井から吊るされていた。
 何か舐められているなと思ったら、宇佐美くんが私の頬を舐めまわしていた。
 こちらの地獄も大概だった。
 
「リンはどこを舐めても甘い」
 宇佐美くんの舌は首筋を下り、胸元まで来ている。
 正直、鳥肌がたった。
「やめろ……」
 弱々しい声がした方を見ると、勇者のような格好をした大神くんが、剣を支えにして立ち上がろうと必死になっていた。
 どう見てもヒットポイントが赤くなっている。
 宇佐美くんを見ると、軍服のような黒い上下に黒いマントと、何だか全身黒かった。
 何この状況。何が起きている。

「大神くん大丈夫?」
 取り敢えず瀕死の大神くんが心配だ。
「ケガとか痛いところは無いんだけど……これ以上身体が動かない……」
 大神くん、取り敢えずよし。
「宇佐美くん大丈夫?」
 私の問いかけに、宇佐美くんは不快そうな顔を見せた。
「我が名はクバール=アインザームカイト。そんな名前ではない」
「お、お、大神くん!宇佐美くんが中二病を発症した!……じゃなくて、魔王か」
 そう言えば、魔王が最初にそんな名前を言っていた気がする。

「魔王クバール=アインザームカイト?……ぐっ、ゲホッ、ゴホッ」
 大神くんは謎の反応をしている。
「やだやだっ。取り敢えず蹴っていい?」
 宇佐美くんの姿をした魔王が私の太ももを撫で回してきたので、私は遠慮なく蹴りを入れた。
 つもりだったけど、蹴り上げた足はあっけなく捕まり、押し曲げられてしまった。

「リンはいやらしい下着がよく似合う」
 一番見られてはいけない部分が晒され、羞恥に顔が赤くなる。
 私の目には清楚な白いパンツに見えるんだけど、いやらしいってまさかですよね。
 グイッと足を広げられ、何だかスースーするけど、ちゃんと大事な部分は隠してますよね。
 穴とか空いてないですよね。
「このまま入れるのも楽しそうだ」
「絶対に嫌!」
 私は半泣きで顔をブンブン振った。
「前はあんなに素直に受け入れてくれたのに?」
 唇がつきそうな程顔を近づけられ、私はつい叫んでしまった。
「大神くんじゃなきゃ嫌!」
 
「フッ、そうだな。私もこの身体がリンに触れるのは嫌だな」
 魔王はそう言うと私から離れ、大神くんの方に近づいて行った。
「お前も、そう思うだろう?……なぜなら、私はお前なのだから」
 魔王が大神くんの頭を掴むと、辺りは一面、白い光に包まれた。
 
 
 光が消えると、大神くんと私はフカフカのベッドの上にいた。
 服装は先程と変わらない。何だか今更隠すのも恥ずかしいので、ベビードールの裾を引っ張るだけに留めておいた。

「江崎さん、大丈夫?」
「それは私のセリフだよ」
 頭を掴まれて、光の中心にいた大神くんの方が心配だ。
「あの、凄く恥ずかしくて死にそうなんだけど、クバール=アインザームカイトは、僕が考えた登場人物なんだ」
「んん?」
 突然の告白に理解が追いつかない。
「中学生の頃の黒歴史ノート」
「確かに、何とも中学生らしいステキな名前デスネ」
 項垂れる大神くんに、かける言葉が見つからない。
 
「魔王の名前と気持ちは、僕のものだと思うけど、あそこまでエロい事は考えてない。多分」
 大神くんは熱っぽい眼差しで私の顔を見ると、すぐに目をそらしてしまった。顔は真っ赤だ。
「ま、待って。その反応はもしかして」
「魔王の記憶があります……」
 今度は私が項垂れる番だった。
 魔王の記憶ってエッチな事しかないじゃないか。
 大神くんともしてるとは言え、魔王とはそれ以上の事をしてしまっていた気がする。

「ついでに言うと、江崎さんが過去を思い出している時の記憶もあります……」
 過去って、あの回想地獄のことか!
「ま、待って。いや、何で?いや、どこまで?」
 私が掴みかかるようにして聞くと、大神くんは困ったように答えた。
「あれを見せていたのが魔王だったからかな?好きって言ってくれたのは嬉しかったけど、僕の好きって言葉は信じてもらえてなかったのはショックだった」
 全部筒抜けだった。
「これは……黒歴史ノートよりも恥ずかしい」
 私は頭を抱えてうずくまった。消えてなくなりたい。

「宇佐美と楽しそうに話す江崎さんに、もっと振り向いて欲しいと思ったし、一緒に帰れた時は舞い上がってた。真面目で大人しそうに見えて、平気な顔でとんでもないことをやってみせる江崎さんが、どうしようもなく好きになった。普段はあまり表情が変わらないのに、キラキラ目を輝かせて見つめられた時は、もっとそんな顔を見たいし、僕がさせたいと思った。……それなのに、ずっと言えなくてごめん」
 恐る恐る顔を上げると、大神くんは真面目な顔をして大きく息を吸っているところだった。
「江崎さん、好きです。僕と付き合ってください」

 一息にそう言うと、大神くんは私をじっと見つめた。
 どうしよう。恥ずかしくて身体が熱い。
「だって、大神くんモテモテだよ?選び放題だよ?」
「そんな事ないけど、江崎さんを選ぶから、江崎さんも僕を選んで」
 差し出された大神くんの手は握らず、私は大神くんに抱きついた。
「私も、大神くんが大好き」
 
 
「……本当はこんな、告白してすぐなんてダメだと思うんだけど」
 大神くんが抱きついた私をギュッと抱き返してきた。
「魔王の記憶とか、その、江崎さんの今の格好とか、この状況とか」
 大神くんはそこまで言うと、ふぅーっと息を吐き出した。
 耳にかかってくすぐったい。
「すごく、したい」
 耳元で囁かれた声はいつもの大神くんとは違い、どこか魔王みたいだった。
 
 私が返事をできずに固まっていると、大神くんは食むように唇に触れてから、ゆっくりと舌を入れてきた。
「んんっ……ふっ……んっ……待って」
 何度か舌を絡めてから私が言うと、大神くんがビクリと身体を強張らせた。
「ご、ごめん……」
「そうじゃなくて、あの、私も」
 したい、と小さく呟いた瞬間、私は大神くんに押し倒された。
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